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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第四章 激動の交武祭典篇
31/33

24話 打ち明けて、始まり

今回は短めにしましたよ!

のんびりと街中を歩くヒョウガ達はというと。


「そう言えばさ、ここってどこで特訓で来るんだ?」


「言われてみれば、教えて貰って無かったね!」


「あ、あそこに地図? みたいな物があるわよ!」


とアミリが指をさす方を見遣ると、確かにそこにそれらしきものが置かれており。


 「何々、ふむふむ。現在地がここだから・・・・・・向こうにそれらしきものがあるぞ!」


彼らは地図に従って向かう。


 ―――街を出て、更にコロシアムのある方まで行き、そこからすぐ右に行ったところに、目的地である建物に辿り着いて。


 そこの隙間からのぞき込むと、多くのチームが特訓をしており、諦めて引き返すことに。


そして選手専用ホテルへと戻ると。


「んじゃあ、後でな」


「またねなのじゃ」


ヒョウガ達はリーフと別れると、部屋へ戻って行き―――。


「なあ、皆」


と真剣なまなざしで見つめると、カナミたちは息を呑む。


「今まで隠し続けて来た事を話そうって決めたんだ」


「え? 隠し続けて来たこと?」


「え? ヒョウガ君。何話そうとしてるの?」


 ヒョウガがそう切り出すと、カナミだけでなく、シナモンまで聞かされていなかったからか、戸惑う。


「隠していたことそれは―――俺は率直に言えば天使使いなんだぞ」



 「天使使いって、あの昔の歴史書とか、童話に出て来るアレですの? ヒョウガがそんな冗談言うとは思わないですけど、本当だったとして何でですの?」


 自分は―――天使使いだと言い出す彼に、それを唯々呆然と聞いていた彼女たちだったが、アーティナだけ口を開けて、誰もが知る程度の事を話すも、半信半疑でそう問うと。


「覚えてるよな、始まりでもある、学園を襲って来たライディス基漆魔(シェイマ)の件」


「と、突然何を言い出すのよ? 覚えてるに決まってるでしょ!」


 「あの時、俺にだけしか見えない少女が何故か現れて、無理矢理契約をさせられたんだぞ!」


 突然に過去の事件の事を掘り返され、彼女が忘れる筈がないと言いたげな顔で言い放つ。


すると彼は、自分以外の誰にも見えなかった実態を語り―――。


「契約ってどういうことでしょう?」


「簡単に言っちゃうと、キスだぞ」


「キ、キキキキス!?」


 ミューフィの疑問に対し、彼がそう答えるや否、アミリは顔だけでなく耳まで真っ赤に染め上げて発して。


「それが決勝戦でのリーフ攻略の鍵となったんだ」


「で、何処で思いついた話だー」


「そ、そうよね」


 「やっぱいうだけじゃ、言うだけじゃ貰えないか。それじゃあ、証明してやるぞ!」


「だから、契約者以外には見えないんだってば」


とシナモンが言った刹那―――。


 ヒョウガが謎の力により、天使の周りを光輝が包み込んで、間髪を容れずに文字通り―――彼女らの前で露になった。


「こ、こいつが天使!? ただの幼女じゃない」


「幼女言うなー。天使だもん。…て、あれ」


 アミリが本心からそう言うのを聞くや否、シナモンが思わずいつものセリフを言ってから。


「何で見えてるの?」


 「ん・・・・・・!? 天使なら天使の力を使えば、もしかすると見えるんじゃないかと思ったんだが、本当に見えるようになるとは思わなっかったぞ」


「こんなの不条理だもん」


と天使が不満を漏らす。


「で、話に戻るぞ! 十悪率いる悪徳罪業団の幹部は残り八体いるみたいだぞ」


「そ、それって前の二体よりも強いわよね!」


「そうなんだよ。これからもっと強い奴が来るんだもん」


「んでもって、俺だけしか現在いまの天使使いはいないんだ」


と彼が告げた直後、シナモンは「え? 現在は違うよ」と予想外の事を言い出し。


「実はここ二ヶ月で二人も天使使いが現れたんだ」


「ん・・・・・・!? そうだたのか!?」


シナモンが言うことを忘れていたことを話すと、ヒョウガは吃驚仰天していまう。


「そう言えば、あの時運営委員会から盗まれたものって・・・・・・」


「確か<交武祭典>《アルージェフェート》の仮決定書だよな」


 「ソレだけじゃないもん。二人の天使使いの内の片方の天使から聞いたんだけど、どうやら、その<交武祭典アルージェフェートの決定版と、全ての情報とデータが盗まれたんだって!」




アーティナが思い出すように言おうとしたのを、遮って先に彼が言う。


が、別にもあるのと、シナモンは別の天使から聞いた事を言い放ち。


「それってヤバいんじゃないかー」


 「ああ、サラの言う通りだ! 二か所で<交武祭典ここ>の情報が盗まれている以上、何かが起きようとしているのは間違いないぞ!」


 「ヒョウガ先輩の言うことは否定できません。こうなった以上、何かが起きる前に止めなくてはいけません」


 それを聞いたサラは、状況にあったことを口にすると、ヒョウガは何かが起きると言う。


ミューフィもまた、危惧しつつ、未然に防ごうと言い出す。


 「元学園長がどういう手段で来たのかは分からないが、何かの目的が有ると言うのは間違いないぞ! そこんところ知らないか? シナモン」


 「え~そんなこと知らないもん。でもね、何だか良くないことが起きようとしている気がする」


と神妙な面持ちでそう言い切る。


その次の瞬間―――


天使の力の効果が切れたのかの下、消えてしまっていた。


それから色々と話すうちに、四、五十分が経過した頃。

とんとんと、ドアを誰かがノックする。


そして入って来たのは、小さなメイド―――エーゼルではないか。


「ご主人様、それにお嬢様。夕食のお時間でございます。祝宴場へ来てください」


「ああ、分かったぞ!」


用件はやはり通食の事で、急いで整えてから会場へと向かう。


祝宴場に着くと、受付を済ます。すると、席まで案内された。


どうやら祝宴場が食べ放題の会場らしく。


「さ、早速取りに行くですの!」


「取り過ぎるんじゃないぞ!」


早速取りに行こうとするアーティナへ、そう当たり前な事を言うと。

それぞれ取り皿を取ると直ぐに、食べたいものを取りに行く―――。


彼方此方へ取りに行って、カナミとサラが二皿ずつ持って戻って来て、また取りに行く。

その次にアミリとミューフィが二皿持って来て、机に置くとまた取りに行った。


その後ヒョウガが二皿に、アーティナが二皿に沢山乗せて持って来た。


それからそれぞれがお茶を持って来て。


パクッ、


「ん~ん。この秋刀魚サンマの塩焼き美味いぞ!」


「そ、そうなのね。でもこの薩摩芋サツマイモコロッケも美味しいわよ!」


「それなら私も食べています。本当に美味しいです」


「このマグロのスープも美味しいよー」


「そうなんだね。私が食べてる何かわからない奴も美味しいよ」


「鯛のカレーも美味しいですの!」


それぞれが食べて思ったことを言う。


そしてまた新しい皿を取って、取りに向う。


アーティナはデザートを持って来てから。


―――スプーンが無い事に気付き、取りに行く。


 カナミがカレーライスを取りに向い、ヒョウガはお肉と野菜を取りに行き、アミリがデザートと紅茶を取りに行く。ミューフィとサラもまた取りに向う。


 アーティナがとって来たのは、モンブラン、チョコケーキ、プリン、ロールケーキにパイン、シャーベットを四種の様だ。


 アミリがとって来たのは、モンブラン、チョコレートケーキとチーズケーキを二つ。杏仁豆腐に桃とメロンを乗せ、最後にシャーベット三種を持って来て。


パクッ、


 「ん~ん。つ、冷たい。でも美味いわよ! マンゴーも、抹茶も、リンゴ全部ね!」


パクッ、


 「ん~ん。冷たくて美味しいですの! こっちのロールケーキもとても美味しいですの!」


アミリが冷たいと言う声を出しながら、美味しそうな顔尾をして幸せそう。


 冷たい―――と声を上げたアーティナも、シャーベットの味を楽しみ、ロールケーキも同様に味を楽しむ。


「このカレー、そんなに辛く無くて凄く美味しいね!」


 「このマグロのステーキも美味しいぞ! それにこのサラダの味付けも俺好みだぞ」


カナミがカレーに舌鼓を打ち。


ヒョウガはステーキの旨みを味わい、サラダの方も気に入った様子。

ミューフィとサラも美味しそうに取って来た物を味わうと。


彼らもスイーツを取りに、祝宴場の一番奥の端に向う。


 ヒョウガはシャーベットを四つ、ロールケーキを二つ、レアチーズケーキを一つにティラミス一つ。コーヒーゼリーを一つ、苺と桃、葡萄ぶどうを二つずつ乗せて持って来た。


 カナミが持って来たのは、シャーベット五つに、チーズケーキ二つ、シュークリーム二つ、抹茶プリンとコーヒーを一つずつ、林檎一つと蜜柑みかん二つらしく。


 ミューフィはお汁粉汁物の容器に入れて、別の容器に、チョコケーキとショートケーキを一つずつに、シュークリーム、リンゴのタルトを乗せ、小さい容器に蜜柑と葡萄、メロン、パインを入れて持って来て。


その後、カフェモカを持って戻ってきた。


 サラが持って来たのは、シャーベット二種に、カップケーキ、苺のタルトを二つずつ、モンブラン一つ、南瓜ケーキを一つに、パイン、メロン、梨で。


置いてから、ホットミルクティーを取りに行って、戻って来て。


其々食べ始める。


パクッ、


「ん~ん。確かにシャーベット美味いぞ! こっちのロールケーキも絶品だ」


 「お汁粉、温かくてとても美味しいです。林檎のタルトも林檎の甘みとワッフルのサクサク感が溜まりません」


パクッ、


「ん~ん。シャーベット、冷たくて凄く美味しいよー」


 と四人共美味しそうな顔をして、味の感想を言い始めて―――あっと言う間に完食してしまい、温かい飲み物をそれぞれが口に運ぶ。


 そして全てが住むと、口を布巾で拭き、祝宴場を出てエレベーターで下に下りて、部屋へと戻る。


 それから彼は持って行く物の準備お風呂へ向かい。その直ぐ後で、カナミ達も向うも。


 脱衣所で衣類を脱ぎ、風呂の中に入ると、思っていた以上に人がおり―――洗い場も悪魔で待つしかない状態に。


やっと体を洗え、髪の毛を続いてシャンプーとリンス―で洗い、シャワーで流す。

それから湯船へと浸かる。それから露天風呂に入りに行く。


―――す、凄く狭いわね。のんびり浸かってられないじゃない。


とアミリは不満を抱く。


 そして何分かしてから湯船から立ち上がり、露天風呂を出て行き、もう一度体と髪の毛を洗い浴室を出て、脱衣所へと向かい。


 一方男湯のヒョウガの方も、混んでいることで、むんむんとした空気が増して漂っていた。


彼女たちが浴衣に着替え、部屋に戻り。

が、二つ隣りの彼は既に部屋に戻っていたらしく。


部屋に入ると、直ぐに歯を綺麗に磨いて、嗽をして、顔を洗いタオルで拭く。

それからカナミ達の部屋に向い。


コンコンと、ドアをノックしてから、ドアノブに手を掛けてから、ドアを開け。


「んじゃあ、俺は寝るわ!」


「分かった。お休み」


「お、お休みなさいよ!」


「お休みですの」


「お休みなさい」


「お休みだよー」


彼がお休みの挨拶をすると、彼女たちがお休みを返す。


そして彼は寝る準備をして、横になり、何分かして眠りに就く。


カナミたちも何十分か経ってから、寝る準備をして横になり、眠りに就く。


斯うして一日は終わりかに見えたのだが―――。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 電灯が灯す<交武祭典>《アルージェフェート》の関係者が泊まるホテル近くの道。


そこを蟹股で歩く一人の男。周りには誰の姿も無い。


 「あの潜水艇の騒動を仕組んだのは、あの長身の乗組員おっちゃんだな。彼奴が元学園長の協力者なのは間違いない。だとすると、海底楽園都市ライシスに奴がいると・・・・・・。もしや、これが狙いか」


と懐から悪事を思わす証拠データを出す。


 「この前―――元学園長リュードを付けて行って正解だった。まさか悪魔と契約を結んでは・・・・・・。でも、実際のところその裏には・・・・」


 最後まで言うよりも先に、狼の仮面を被った男が手に刀剣を握り締めて、気配なく近づくと。


 「あんたも元学園長、否、十悪率いる悪徳罪業団と組んでるんだな。全て警備員に言われたくないんだったら、取引をしよう」


と、言い出すことなど計算済みだったのだろう。


レクトはニヤリと笑い。


手荷物サーベルで彼を切り裂き―――。


「ぐおおおぁ~なんてことをして……」


「ターゲットを消せと言う指示だから、悪しからず」


そう言った直後、鮮血に染まった刀剣で止めの一撃を心臓に放つ。


悲鳴を上げるよりも先に、男の命は文字通り―――消え失せて逝ってしまい。


その場にぐったりと倒れ込む。


「これは'あの人’の指示だからさ」


とだけ言い残し、゛悪事を思わす証拠データ”を手に、その場を立ち去った。


 後に残ったのは、男の亡骸と、地面を真っ赤に染める、男の体から出きった大量の血痕だけとなった。




次の更新は、今週は少し忙しくなるかもですけど、出来れば頑張りますよ!

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