15話 狐族(リアアーミラ)
遅くなり申し訳ございませんですよ!_(._.)_
本編は、学園選抜バトル二戦目開幕ですよ!
等々(とうとう)この日がやって来た。そう、学園選抜バトル二回戦。
場所、バトル施設四階。そして、安全防御壁の中で、ヒョウガ達のチームと、狐族のチームが向かい合う。
真中には男の先生がいて、審判を務める為に立っている。
「では、アリマが率いる450号室と、バロロンが率いる111号室の試合を始めるからな」
「宜しくだこんこん!」
「此方こそ宜しくだぞ!」
男性講師が、試合の開始の言葉を述べるのに合わせ、両チームのリーダー、其れに他のメンバーたちが握手を交わす。
手を放した瞬間。それぞれが作戦通りに行動をとる。
「んじゃあ、行くぞ!」
「ちゃ、張と守りさないよね」
「勿論ですの! 二人で守ってあげるですの!」
此方のチームは、ヒョウガ、アミリ、アーティナと言う組み合わせ。
「やあ、三人共! 行くだコンよ! 武装大手裏剣技<稲荷手裏剣>
ヒョウガ達の前に、立ち開かるように現れた狐族の女三人。
そしてその中の一人の少女が、仕掛けて来る。
彼女の持つ大手裏剣から技を発動する。其の発動した技は、狐族らしく狐の力を手裏剣に込めて、ヒョウガ目掛けて猛スピードで飛んでくる。
「思った通り。否それ以上のスピードだぞ! だが大丈夫だぞ! 能力<暴風>‼」
「後ろががら空きだこんこん」
「そうはさせないですの! 武装魔術<光魔一剣>!」
眩い光が、バロロンの目を失眼させようとし、更に光魔で斬りかかろうとする。
「良いだこんこん。武装二短鎖棒奥義<火炎回し>!」
狐族チームのリーダーバロロンが、アーティナが相手に回り込むより先に、至近距離に接近してくる。なので、アーティナが放った技は意味を為さなくなる。そして虚しく消えていく。
バロロンは、自分の武器であるヌンチャクを燃え上がる炎へと変化させ、振り回す。
近い。二人の距離が余りにも近過ぎる。この距離では、魔術を発動する隙も与えられない。
「ぐあああぁ~。凄い威力ですの!」
「バロは、リーダーだこんこん。甘いだこんこん」
アーティナは、抵抗が出来ないまま攻撃を諸に食らう。
先程のヒョウガの方に戻るが、彼の体を中心に強い風吹き荒れ、彼女が発動した技を無効に。
「中々やるだコンな!」
「ん……⁉ まあそうだぞ!」
彼女の評価を受け、其れを素直に受け入れ。
一方その頃。カナミ達の方はと言うと。
「さあ、我らも行こうだコン」
「そうだな。行くぜ! スマルク」
「負けるつもりはないだキューン」
男性陣が、カナミ達の前に立つ。
三人はそれぞれ言葉を発する。
「サラちゃん。ミューフィちゃん。頑張って時間稼ぎ宜しくね」
「分かったよー」
「はい、頑張ります」
カナミが二人に指示を出す。それから目を瞑る。
「さあ、行くだコン! 能力<無色透明>」
スマルクは無色透明となって、居場所が不明確になってしまう。
「何処から来るんでしょうか?」
警戒を高めて、魔笛を構えて何時来てもいいように備えるが、ことは既に遅し。
「食らうだコン!」
グサツ、彼の持つ双剣で腹を猛スピードで刺される。
「ぐあああぁ~げホげホ。痛いです。何て早さです。それに強いです」
ミューフィは、腹から血を流して、痛みを与えられながら相手の強さを知らしめられた。
「ミューフィ、大丈夫かー」
「余所見か。甞めてるな。武装長剣技<風月落とし>!」
サラに向けて、狐族の男が放ったのは、清らかな風と美しい風を鋭い刃に変えさせた技。
それがサラへと頭上から落としてくる。
「エアノーク! 行くよー」
――はい、了解です。
「守護魔甲術<妖精の森>!」
サラが妖精を呼び出すと、目の前に出現させると、妖精が仲間の住んでいる森と繋ぎ、その妖精たちに彼が発動してきた技を消してもらう。
「そんな技まで使えたこんか⁉」
自分の観た事の無い技を見せられ、目を丸くして驚く。
そして誰も仕掛けようとしないカナミへと、攻撃をしようとする奴が現れたがもう遅い。
「準備出来たよ! 武装想像<猛獣麒麟>!」
カナミが準備を完了させると、誰もが知るであろう空想上の生き物とされている麒麟を出現させる。
「行け!」
「掛かってこいだキューン」
彼女の指示の指示を受けて、スマルク目掛けて麒麟が猛スピードで書けてくる。彼も猛スピードで逃げるのだが、
ドーン。むしゃむしゃ。ボリボリ。むしゃむしゃ。ボリボリ。
彼は、猛獣の麒麟に頭突きをされてから、咀嚼されてしまう。
數は一体。だが一体にしては、余りにも惨い光景。
その麒麟が、彼の居た場所から去ると、肉片が散らばり、血溜まりも溜まってたものの原型がとどまっていない。
そして少ししてから、安全防御壁の外へと出ていた。
ヒョウガ達の戦いに戻る。
「今度はこちらから行くですの!」
バロロンの至近距離に移動するアーティナ。
「中々良い速さだこんこん」
「武装魔術<聖光魔斬り>!」
アーティナの周りを光が包み込んで、更に剣の方にまで聖なる光が達する。そこに魔力を包み込むと、バロロンの方へと斬りかかる。
スピードは何時もよりも早い。
「ぐあああぁ~。げホげホ。こ・・・・・・これほどの速さにまで出来るだこんこん!?」
バロロンは、技が命中するなり血を吐き捨てて、技の速さを変えれることに驚く。
「後は任せるだこんこん」
そう言うと、彼女は後ろに下がる。
「この技でも食らうだコンよ! 武装大手裏剣技<真紅手裏剣>‼」
バロロンのいる位置に、ヒョウガに技を放った少女がローテイションしてきた。
少女が発動したのは、手裏剣をグレー色から濃い紅色へと変化させて、投げてくると言うもの。
カキンカキン。
彼女の投げてきた手裏剣を、アーティナは魔剣で撥ね返す。
それをやったのは、二つの刀剣を構えているヒョウガだ。
「危なかったぞ! 俺からも攻撃行くぞ! 武装二刀剣奥義<炎交刀の風>」
彼は二刀剣から炎を出現させて、同時に風を創り出すと、交じり合わせて炎風にする。そして、少女へと吹き荒れるように斬りかかる。
「熱いだコン。それに風が・・・・・・ぐあああぁ~。げホげホ。中々の威力だコンな」
猛スピードで逃げるが、敢え無く撃沈。
「い、行くわよ! 武装魔銃術<氷雪の弾>‼」
「能力<籠目>」
アミリが銃口を向けたのは、誰もいない可憐な少女。彼女目掛けて引き金を引く。
バンバン。
アミリは氷の弾と雪の弾が合体させ、可憐な少女の居る所に放つ。
それを防ごうと少女が能力で、籠ではないが丈夫なものでその弾を囲み込むが、
「ぐあああぁ~。げホげホ。中々やるだクニャー。だが、こっちも攻撃するだクニャー! 武装干将摩耶技<十字架斬り>」
攻撃を食らった少女は、脇腹から血を流すが、攻撃を仕掛けてくる。
彼女は、自身の武器である二振りの名剣で十字架を作り、アミリに猛スピードで攻撃してくる。
ぐさぐさ。
「ぐあああぁ~。げホげホ。流石は二回戦に上がって来た事はあるわね。もういいわよ! 武装魔銃術<火炎の弾>!」
バン。ピュ―――――。
距離は約五メートルほど。
アミリは攻撃を食らい、血を吐いてから技を発動する。
アミリの放った炎の弾は、一ミリたりともズレることなく少女の元へと飛んでいく。
「ぐあああぁ~。げホげホ。此処までだクニャー。バタン」
炎の弾が直撃をするとその場に倒れ込む。
「こ、これで残り四人ね」
そうアミリは呟く。
その頃、カナミ達の戦いはと言うと。
「何だってだコン? うんうん。分かっただコン」
「何だって?」
「リーダーの指示で作戦変更だコン! 早く戻るだコン」
「了解!」
向こうで作戦の相図を出すバロロンに、二人が了解して直ちに合流を目指す。
その作戦を察し、カナミ達もヒョウガの方へとと向かう。
「行くだこんこん!」
その指示を受けた他のメンバーも、彼女に続いて猛スピードで迫り来る。
「サラ、守りは頼むぞ! アーティナ、一緒に行くぞ!」
「分かったよー」
「アタシも了解ですの」
ヒョウガがまず、サラとアーティナに指示を出し。
「武装二短鎖棒奥義<氷水回し>!」
「これでも食らうだこん! 武装長剣技<隕石落とし>‼」
バロロンと男の狐族の奴が同時に技を発動。
バロロンは、ヌンチャクを鋭い氷と見ずに変化させて振り回し、男の方は、上から凄い破壊力を持つ隕石を落としてくる。
その合体技がカナミ達に襲い掛かろうとしていたのだが。
「エアノーク‼」
そう叫ぶと、再び白一色に包み込まれた妖精が現れ。
「この合体した技を何とかしてー」
「はい、解りました。〈クラム・テーイ・バードリア>!」
と妖精が、呪文を唱えた次の瞬間。目にも止まらぬ速さで襲い掛かってこようとしていた二つの技が、発動者二人へと帰って来る。
それが今の呪文の効果。
「ぐおあ、あああ、痛いだこんこん」
バロロンが、鋭い氷と水の攻撃を食らった途端に、激しい激痛が走る。
脇腹からは血が溢れ出す。
「がああああぁ~。何て技だこん」
狐族の男へと隕石が返ってくる。
彼が食らった事に気が付くと、物凄い痛みが体へと回って。
体から血が流れだす。が、何とか立っていられる程で倒れはまだしていない。
「バロロンがヤバいだコン! こっちが変わるだコン」
「サード。交代だコン! 俺に任せるだコン!」
二人がそれ其れ目にも止まらぬ速さで分かれ、アミリとカナミに技を仕掛ける。
「行くだコンね! 武装大手裏剣技<獄炎手裏剣>‼」
「き、来たわね! 武装魔銃術<氷水の弾>‼」
ヒュ――――――。グルグルグル。バンバン。
狐族の少女は、アミリに向けて獄炎の様な色に変化させた手裏剣を投げる。其の手裏剣が本物の獄炎を纏う。
アミリがそいつへと銃口を向けて引き金を引く。
氷と水の弾が合体して一つとなり、少女へと一ミリたりともズレることなく飛んでいく。
スピードは狐族の子の方が速い。
「い、痛いわよ! 痛い痛い痛いわよ!」
「ぐおああぁ~痛いだコン」
二人共に攻撃を食らい、痛みが体を襲う。
「此方からも行くだコンな! 武装双剣奥義<砂埃の舞>!」
もう一人の狐族の男が、カナミの至近距離へと移動し、双剣うを構えた。
彼は、突如にして刹那の内に砂埃を発生させて、舞い上がるように双剣で切裂こうとする。だがしかし、カナミは目を瞑っているため目に砂埃が入る心配がない。
「じゃあ行くね! 武装想像<八岐大蛇>!」
カナミは、八つの頭に、八つの尾。そして真っ赤な目を持つ空想上の魔物を出現させた。
「行くね!」
カナミの指示を聞き、八岐大蛇が男へと襲い掛かる。
「があああぁ~。痛い痛い痛い」
八岐大蛇の頭と尾でボコボコにされてしまう。
未だ止めは刺さない。
「んじゃあ、俺も行くぞ! 武装二刀剣奥義<風神の二撃>‼」
少女の前に、風神が出現して、その手に持つ二つの剣で切裂かれる。
「ぐおああぁ~。こんな状態で攻撃してやがっただコンか!」
「そりゃするに決まってるぞ! んじゃあ決めるぞ!」
少女の前へと極僅かな時間で移動し、彼女の心臓へと二刀剣で突き刺す。
グサツ、グサツ。
「う、うおおおお」
彼女は口から大量の血を吐き出して、その場に倒れ込む。
「アタシも行くですの! 武装魔術<水竜斬り>‼」
アーティナが、先カナミが攻撃を与えた男の至近距離へ移動する。
彼女は、虚空から水で作られた竜を出現させて、彼に斬りかかる。
「ぐおああ、ああ、痛いだコン」
余りの痛みに地面に膝をついた立つ。
が、直ぐにと止血していた血が開き。体ごと崩れ落ちて倒れ込む。
その試合を外で見ていた観戦客たちは。
「なあなあ。あの強いチームの筈の狐族が残り二人って凄くない!」
「だな。流石ヒョウガ君がいるチームだ」
「あのチームなら勝つのは決まってるな」
その試合を見ていた少年少女がそう感じている。
少し離れているところで観戦していた先生たちは。
「中々凄いですね!」
「ええ、その様ですな。私の所のアミリも中々だな」
「ですよね! 僕の所のサラさんも凄いですよ! 妖精をあそこまで使いこなせると凄い事ですね。ミューフィさんは、未だ活躍が無いようですがね」
三人の一年の先生が、試合を観戦して思い思いの事を口に出す。
そして話は試合の方へと戻る。
ヒョウガ達は残り二人の内片方へと集中する。
「俺を攻撃だこんか! 良いだコン。これでも食らうだこん! 武装長剣技<雷落とし>‼」
ヒョウガ達全員に向けて、空から凄まじく巨大な雷を落とす。
「妖精、先の行くよー」
「はい、了解です」
出番を妖精に伝えると、彼女は短く返事をする。
「妖精の力です。マスターや仲間様に刃を向ける行為は許せない事です。<クラム・テーイ・バーリア>‼」
先使った呪文をもう一度唱える。
またしても男へと技が返って来る。
「ワタシも活躍しないといけません! だから行きます。 催鳥魔術<鷹の爪>」
ミューフィは、魔笛を吹いて鷹を呼び出す。
そして男へと、巨大な鷹が襲い掛かかって。
「がああ、あああー。痛い痛い痛い。痛い痛い。もう駄目だこん・・・・・・バタン」
サラの妖精の強力な呪文と、今まで食らって来た攻撃に加わって、ミューフィの呼び出した鷹の爪が止めを刺した。
「んじゃあ、行くぞ!」
ヒョウガの指示で、作戦通りバロロンへと群れになって攻めに行く。
どんなけ彼女が猛スピードで逃げても。
「さあ、来るだこんこん! 武装二短鎖棒奥義<金剛回し>‼」
バロロンがヌンチャクを、非常に硬くて、どんな攻撃でも壊れないヌンチャクへと変化させて振り回してくる。
「守護魔甲<妖精の森>!」
バロロンが放った技を、妖精の森にいる仲間に消してもらう。
「武装二刀剣奥義<風神の竜巻乱舞>」
バロロンの前に、風神を出現させ、踊り狂うように竜巻を起こす。
ゴーゴー。ゴーゴー。と音を立てて。
「アタシも行くですの! 武装魔術<光焔斬り>‼」
一瞬のうちに、バロロンのゼロ距離に瞬間移動する。
アーティナが、光と燃え上がる炎を彼女に斬りかかる。急いでアーティナが逃げ。
「ワタシも行きます。催鳥魔術<隼攻撃>!」
ミューフィが魔笛を吹くと、隼を空から出現させると彼女に強烈なアタックをお見舞いするように仕向ける。
「私達も行くね! 武装想像<聖光剣>」
「そ、そうね! 武装魔銃術<星屑の弾>‼」
カナミは、聖なる光で創り出された件を出現させ、バロロンの方へと飛んでいかせる。
アミリの方は、彼女へと銃口を向けて引き金を引く。
バンッ、無数の強力な小さい星の弾が放たれた。
五つの技が重なりバロロンを襲う。
「ぐおああぁ~。ゴーゴーゴー。がああぁ~。ううぇ~。げホげホ。クルクル。い・・・・・・痛いだ・・・・・・こんこん・・・・・・バタン」
全ての攻撃を避けることはできない。もう食らってる技があるからだけではない。もう無駄だからだ。手遅れだ。
バロロンが、首から、胸から、腹、脇腹から、顔からも強烈な痛みが襲い、大量の血が溢れ出す。
そして地面に倒れ込む。決着がつく。
『試合終了だ。アリマが率いる450号室の奴らも出て来い!』
先生の指示に従い安全防御壁の外へと向かう。既に、出た所には負けた狐族のチームの全員が並んでいて、ヒョウガ達も並ぶ。
「てことでだ。勝者はアリマが率いてる450号室だ!」
先生が、勝者であるヒョウガ達を差してそう伝える。
「想像以上の強さだっただこんこん」
「ああ、ありがとうだぞ!」
「代々伝わる私達狐族を倒したんだこんこん。凄い事だこんこんよ! 後二勝頑張るだこんこん」
「ああ、決勝まで行ってやるぞ!」
そう言って、彼女と握手を交わす。
それにつられて他のメンバーたちも前に立つ相手と握手を交わす。
「では、帰るコンか?」
彼女が皆に可否を問うと、五人が賛成したので部屋へと戻って行く。
「んじゃあ、俺達も戻るぞ」
「そうだね」
「わ、私もそれで良いわよ! 疲れちゃった」
「アタシも構わないですの!」
「ウチも-」
ヒョウガがカナミたちに可否を問うと、カナミ達は賛成したので、部屋へと戻って行った。
***
そして、試合開始前から、試合終了後まで全て見ていた男は。
「思った通りだ。アリマ・ヒョウガ。これで漸く僕たちが君たち戦うことが出来る。楽しみだ・・・・・・アーティナ」
謎の男が、嬉しそうに戦いを待ち望んでいるようだ。
彼は、愛おしい少女の名前を語尾につける。
その男の周りにはすでに誰も居らず。
「―――忘れてるとしても、僕は君が好きだよ! アーティナ」
彼は、アーティナへの思いを思いを呟く。
その告白地味た言葉だけを残し、部屋へと戻って行く。
次回は、謎の男の正体が明らかに…。
アーティナと仲間たちの関係にも何かが!
次回もよろしくお願いしますですよ!




