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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第三章 超えた先の結末
19/33

14話 摸擬戦2

予定していたゴールデンウィーク出来なくて済みませんね!


色々ありましたよ!


本編は、色々盛り沢山になってしまいましたよ!



学園選抜バトル一回戦突破してから三日目のこと。


―――この日は、一回戦を突破した者たちが次の相手を決める日。


そして、ヒョウガ達は、人混みが無くなるまで待とうと、部屋の中で休んでいた。


―――三、四十分が経ったからもういいな!


という訳で、皆に向けヒョウガは言い放つ。


「んじゃあ、そろそろ行くぞ!」


「そ、そうね。先は人が凄かったからもう大丈夫よね」


「そうだよー。先のに並んでいたら人混みに殺されるところだったよー」


これの言葉を聞き、アミリは賛成とのこと。

更に、先程と違い今は大丈夫だと、そう口にして。

 ―――サラも同感らしく、人混みに殺されそうになると、まるで何処かで経験があるように言う。


後の三人は、


 「私も良いよ」 「アタシも、先の様な人混みは無いと思うので行くですの」 「ワタシもです」


と、賛成の様子。


そしてヒョウガ達六人は、学生寮一階にある掲示板前に向かって行く。


        ♢ ♢ ♢ ♢


       学生寮一階掲示板前。


―――彼らが来た時には、既に先生だけしかおらず。


「アリマ。お前と戦いたいって言うチームが、八チームある訳だが、どうする?」


と先生は、ヒョウガへ問い掛けると。


「―――誰でも良いぞ!」


 「そう言うだろうと思ったよ。だから、候補者達で戦ってもらう事にした。観に行くなら明後日だ。で、残った一チームとその二日後に戦う事になるからな。場所はバトル施設だからな」


 二年D組を担当している男性教師が、彼から返ってきた言葉に、手を叩いて思った通りと言う。

それから予定を伝える。


「す、凄い事になってるわね」


「本当ですの! そんなに増えたんですの!?」


「んじゃあ、明後日の試合を観に行くか!」


初めての経験だったのか、挑んでくる相手が出来た事が嬉しいようで。


ヒョウガは、二日後の試合を観に行くつもりのようだ。


「んじゃあ、部屋に戻るぞ!」


「次に会うのは、五日後の試合だな。じゃあ、次の試合も頑張れ」


―――俺は、先生に部屋に戻ることを伝えてから、先生とお別れしたぞ!


と言う事で、ヒョウガ達は部屋へと戻って行く。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

   450号室。


―――きょ、今日はこれからどんな特訓するのかしら?


とアミリは、ヒョウガの行動を凝視していると。


「今からトランプするぞ! んで、ジョーカーは三枚入れるからな」


「トランプするのかー。でも、どういうとランプだー」


「い、今なんて言ったのよ! トラン、プ? って聞こえた気がしたんだけど」


予想外な言葉に、サラとアミリの二人が戸惑う。


 「ん……!? ああ、言ったぞ! トランプってな。それに、偶にはこういうのしたって悪くないぞ!」


「そうだね! 偶には良いよね」


「そうですの! 楽しもうですの」


彼はアミリに返答を返し、そして言葉を紡ぐ。

給油を取るならと、了承してくれて。


―――良し、上手くいったぞ!


しめしめと、ヒョウガは目だけで皆を見る。


彼がカードをシャッフルし―――皆に配った。

 ヒョウガ、カナミ、カナミ、アミリ、ミューフィ、サラには九枚。アーティナだけは十枚だ。


ババ抜きのルールにのっとって、同じ数字を捨てて行く。


 ―――アミリとサラが残り七枚。アーティナが六枚。残りの三人が残り三枚。で、ジャンケンの結果、アミリ、カナミ、サラ、ミューフィ、アーティナ、ヒョウガの順に。


(わ、私が抜いたのはKよ! あ、あったわね)


アミリは揃ったのでKを捨てる。


カナミがサラのを引く―――が減らない。


サラはミューフィから引く。Aが来てあったので捨てる。


ミューフィはアーティナから取り。


 (ん……!? さては、アーティナが持ってたジョーカーを引いたな。表情が微妙に変化してるぞ)


とヒョウガは、気付いた。


「なあ、ミューフィ。今ジョーカー引かなかったかだぞ?」


「否、引いていません」


「んや、引いたぞ! 表情に出ているぞ。全然変化してないように見えてな」


「・・・・!?」


―――少しではあるが、彼の真の狙いに気付いたよう。


アーティナは、ヒョウガから引くも揃わない様子。


ヒョウガはアミリから引くのだが―――


「なあ、アミリ」


「な、何よ!」


「ジョーカー持ってるだろ! 絶対」


「な、何でそう思うのよ!」


「表情、目線で大体分かるぞ! 見抜かれないように気を付けるんだぞ!」


(わ、分かったわよ! ヒョウガ先輩の意図が・・・)


―――見抜かれたアミリも、彼の意図に気が付いたに違いない。


そしてヒョウガは、アミリから引く。取ったのは九だ。


次にカナミからアミリが引いた。四を引き、揃ったので捨てる。

アミリは残り三枚。


カナミの番が来てサラの方から引く。出たのは九。揃わない。


サラはミューフィから引いて、二が来て揃ったので捨てる。


ミューフィがアーティナから引くが揃わない。

アーティナがヒョウガから引くが揃わない。


(ん……!? どれが大丈夫なんだ? 先と違って表情が読み取れなくなったな!)


悩んだ末に引いたのが、Kだった。揃ってくれたので捨てる。


アミリがカナミから引くが揃わない。

カナミがサラから引いたも、揃わない。

サラがミューフィから引くが揃わない。


ミューフィがアーティナから引いた。揃った残り二枚。


アーティナがヒョウガから引く。揃った残り四枚。


ヒョウガは、アミリからQを引いて揃って捨てる。


次にアミリが、カナミから引いて揃う。

カナミがサラから五を引いて揃い捨てる。


サラがミューフィからジョーカーを引いて、揃い捨てる。

ミューフィがアーティナから引くが揃わない。

アーティナからミューフィが引くも揃わない。


アーティナが十を引いて揃う。


ヒョウガがアミリから引いて、アミリが上がった。


カナミがヒョウガから引いた。出たのはジョーカー。


カナミのをサラが引く。揃わない。

サラがミューフィのを引く。出たのはJだ。揃い捨てる。

 ミューフィのをアーティナが引く。その時点でミューフィが上がるのは決まり―――。


アーティナは、八が揃い捨てる。

アーティナのをヒョウガが抜いて、その時点で二人とも上がる。


(ど、どっちが勝つのかしら。サラ? それともカナミさん?)


カードの数で長く続き―――。


―――そして、等々数が二、一になった。


(右がジョーカーかな。じゃあ左だね)


カナミの勘は運よく的中。


「ウチがビリになったよー」



悔しそうに嘆くサラを余所に、ヒョウガが口を開く。


「このババ抜きの目的が分かったみたいだぞ!」


 「アタシの想像はこうですの。バトル中などで、表情で思っていることを読まれないようにする特訓」


 「まあそんなところだぞ! 相手に行動を読まれたら勝ち目なんて無いだろうし」


自らそう切り出すヒョウガに、アーティナが導き出した答えを口に出す。

それを聞いたヒョウガは、良い所を突いていると言った後で、補足し。


―――お、思った通りね! その為にババ抜きをさせるなんて、ヒョウガ先輩も考えたわね。


アミリは、彼の顔を凝視する。


「それでどうでしたか?」


 「ああ、最初はバレバレだったぞ! あれを気付かない奴は余りいないと思うぞ!まあ、後半からは良くなったぞ」


「やっぱそうだよね」


「本当意外だったなー」


ミューフィは特訓の結果を聞くと、ヒョウガが思ったことを伝え。


彼の言葉を聞いて、最後に残っていた二人が成程と言う風に納得した。


―――ん~ん。これからは何するか?


と彼が考えてることを、カナミは知ってか知らずか。


「鬼ごっこ何てどう? 私はやらないけど」


自分はやらないと後置きをするカナミ。


「わ、私はやってあげても良いわよ! 別に」


「アタシも良いですの」


「俺も別に良いぞ! 鬼ごっこ」


「ワタシは止めておきます」


「ウチはやるよー」


 アミリを始めとする、アーティナ、ヒョウガ、サラは参加するようだが、ミューフィはカナミと同じく見学? の様子。


「話しは聞かせて貰ったださ!」


勢いよくドアを開け放ったのは、ルゼインだ。

そしてその後ろには、後三人いた。


 「グハハハハハ。我もこの愚者がやることを、態々(わざわざ)手伝ってやると言うのだ感謝するべきだ」


 「愚者がやるだけじゃないだべえ。俺等おいらも暇だから手伝ってやるだべえ」


「俺もそれに参加しよう」


「んじゃあ、早速外に出るぞ!」


ヒョウガの合図で、全員が外に向かう。


 「んじゃあ、ルールを説明するぞ! 武器、魔術、武術、守護の類のもの全部禁止だぞ。能力も同じく禁止。良し、始めるぞ! 三十数えるからその間に逃げろよ。使っていい場所は、学園内ならどこでも良いぞ!」


それを聞き終えると一斉に逃げる。


「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」



「ここなら気付かれないですの」


アーティナが隠れた場所は、自分の小さな身長を活かして、小さな穴を潜った所にある隙間に身を潜める。


アミリは花園に隠れ。


(こ、ここなら花に紛れて発覚バレないわよね)


そうアミリは思う。


サラは喫茶店の建物を裏にくくれる。


(ここに居れば何時でも逃げれるよー)


サラは、周りを警戒しつつその時を待つ。


「十一、十二、十三、十四、十五、十六、十七、十八、十九、二十」



おらがまさかコンビニ-の裏に隠れてるなんて思わないだろうださ」


そう呟きながら身を潜めるルゼイン。


「グハハハハハ。我が魔術エリアに居るとは思わないだろうな」


とテナは、魔術エリア御ど真ん中でドーンと構えながらそう呟く。


「美術室に居るとは思わないだろう」


美術室の中で物に埋もれて身を隠す。


「何時でも来るだべえ」


小柄で訛った喋りの青年は、学園の端っこ、且つ全てを見通せるポジションに立つ。


「二十一、二十二、二十三、二十四、二十五、二十六、二十七、二十八、二十九、三十。良し行くぞ!」


斯うしてスタートした。


(先ず何処から探すかだぞ。んじゃあ、一番近いコンビニに行くぞ!)


と言う事でコンビニにやって来た。手始めに中を探すが居らず、お店の裏を観に向う。


ビューと、ルゼインが全力で駆け出す。 が、


ダッシュ。ピューピュー。あっと言う間にヒョウガに追い付かれ。


「タッチだぞ! まさかこんな近くに隠れてるとはなだぞ」


「己の方も驚きださ! スルーされると思ったださ」


「甘いんだぞ! んじゃあ俺は行くぞ」


そう言い終えると、風のような速さで去っていく。


「己もすぐに鬼を交代させてやるださ!」


ルゼインはすぐに交代させると言い切ってから、探し始める前に周りを見回す。


(どこださ! どこに・・・)


と考え込む。



「グハハハハハ。よく来たな! 鬼よ」


「んや、俺は鬼じゃ無いぞ! ディブが鬼を受け取ってくれたからだぞ」


「そう言って我を油断させるつもりだな。そうはいかん」


「んじゃあ、これを見てもそう言えるかだぞ!」


「どうやってだ?」


「こうやってだぞ!」


そう言うと、ヒョウガはポケットからカナミに創ってもらった録画カメラを取り出す。


「それは、ろくがカメラ?」


「ああ、そうだぞ! これを見てみろ!」


「グハハハハハ。確かにその様だな。では我と逃げ・・・・」


「んや、其れは御免だぞ‼」


テナが一緒に逃げようと誘うも、ヒョウガは断り、其の儘武術エリアへと風のような速さで去っていく。


一方。鬼になってしまったルゼインはと言うと、何と無くで喫茶店の方へと足を運ぶ。


(誰か来るよー。良し、逃げる準備出来た―)


「もしかして誰かいるださ? あれ? 誰もいない」


そして再度確認してみると、


「逃がさないださ!」


「追い付かれて溜まるかー」


「なっ!? スピードを上げたださ! これじゃあどんなに頑張っても追いつけないださ」


「じゃあねー」


少し先を走るサラに気付き、彼は全力疾走で追う。


それをやらせまいと、速度を上げ二倍上げて逃げ切る。


「逃がしたださ! なら別の人を探すださ!」


そう言うと、案外いるかもと思い、花園へと向かう。


(だ、誰か来るわね! 見逃してもらうわよ)


アミリは、誰かの足音がしてそう思った。


「誰かいるださか? て行ってもホントにいるなら答えて来るないださな」


と言いながら、ルゼインはじーと花園を見つめ続けてから、ゆっくりと近付いてくる。


(こ、これはヤバいわね。逃げるわよ!)


アミリは立ち上がって逃げる体勢を作るが、彼に気付かれてしまい。


花園の出口は一つしかない。


アミリが居る所を後ろに逃げれば一応あるにはあるが、其れは学園の外になってしまう。 なので、


「もう逃げられないださ!」


 「わ、私が馬鹿だったわよ! こんな逃げ道が一つしかない所に隠れて、発覚バレないわよと思ってたのがいけないのよ!」


「タッチ。鬼交代ださ!」


其れだけ伝えると、ルゼインは逃げて行く。


(は、早く誰かに鬼を交代して見せるわよ)


とアミリは、ヤル気を見せて隠れ場所を探す。


アミリが向かった先はある場所。


「誰も探しに来ないですの! 此処なら安全ですの」


アーティナは、先から一度も人が近付いてくる気配がしなたっかので、安心しきっている。

そう安全だと信じ込む。


そこへ、小柄な身長を活かしてアミリが入って来る。


「今誰が鬼ですの?」


「そ、そうね! えっと、そう、知らないわよ!」


「そうですのね! 分かったですの」


そう言って、背中を向えて油断してるアーティナへと、近寄って行き肩をポンと叩く。


「ゆ、油断したわね!」


だまされたですの」


「ひ、人を疑わないのが悪いのよ! じゃあ行くわね」


アミリは急いで逃げた。


「悔しいですの。絶対すぐに鬼を交代してやるですの」


悔しそうな顔をするアーティナが、そう思いを強く口に出す。


早速向かったのは、高等課棟の方。


勿論のことだが、一階から四階まで調べるが居らず。


次に向ったのは、美術塔。


(誰か来たな)


扉の開く音に反応して、大柄の青年は息を呑む。


「誰かいるですの?」


シーン。


「誰もいないですのね」


よーく見るが、人らしき者は見付らず美術塔を出る。


「ふう。見付らずに済んだな」


大柄の青年は、ムデを撫で下ろして安堵した。


アーティナは、彼方此方あちらこちらを見回すが、見つけられない。


探す場所を魔術エリアに変えると、ゴスロリ衣装を着こなした少女が何時でも来いと、腕を組んで立つ。


「グハハハハハ。お前が鬼だな。捕まえてみるがいい」


「そうするですの」


ピュ――――。ダッシュ。


「速いですの!」


「ぜ~ハ~ぜ~ハ~。我は魔力の使い過ぎで体力切れみたいだ」


「もうバテてるですの! そんなのないですの。タッチ」


「わ・・・笑う出ない。それに何をするのだ! 我の体に」


アーティナがテナの速さに驚くが、少し走ってから息を切らすテナを見て思わず苦笑して、鬼を交代する。


テナは、アーティナが笑ったのを可愛く怒る。そして、体を触るなとも言う。


彼女は、早々にその場を立ち去る。


 その後、テナが、大柄の青年を捕まえ、大柄の青年が。Bエリアの端っこにで、観ていた小柄の青年を見つけて、其れに気付いて全力疾走した末に捕まった。


それを見ていたヒョウガが、終わりの相図をして終了した。


「俺は、最初に鬼をやったからサラが一度も鬼にならなかったぞ!」


「そうだったよー。この鬼ごっこの意図はなんだろー」


「カナミが提案したんだが、俺の予想は、スタミナをつけることと、持久力を付けることだと思うぞ!」


「た、確かにそうかもしれないわね」


「中々楽しめたですの!」


 ヒョウガが、自分は最初に鬼役をやったから、サラが最後まで鬼にならなかったと言って、最後まで残る自信があったのか、胸を張る。それから、カナミが関kが得た鬼ごっこの意図を聞く。


彼の予想を口にすると、アミリがそんな気がすると同感する。


そんなの気にしてなかったようで、楽しかったとアーティナは呟く。


「己達も楽しめたださ!」


「我も遊びに付き会うのも偶には悪くない」


「俺等も悪くなかっただべえ」


「俺も楽しめた。そろそろ帰ろう」


そう言うと、後の三人も帰って行く。


「んじゃあ、俺達も帰るぞ!」


「分かったですの」 「そ、そうね。分かったわよ!」 「良いよー」


三人それぞれの答えを聞いて帰って行った。


部屋に戻ると、陽は既に落ち掛けていた。


「お風呂入れるですの!」


そう伝えて、お風呂のスイッチを入れる。


カナミは、この前ヒョウガに教えて貰った肉じゃがを作っている。

サラはぼーっと時間を過ごし、アミリはマンガを読んで過ごす。

後の人はのんびりしている。


そして待っていると、良い匂いがしてきて。


「出来たよ!」


その呼び声で、皆が食卓に集う。


「戴くぞ!」


「「戴きます」」


「い、戴くわよ!」


「戴くですの」


「戴くよー」


席に着くと、早速食事の挨拶をして食べ始める。


「どれどれ。パクッ……ん~ん。美味いぞ!」


「ホ、本当に美味しいわね」


「凄い美味しいですの!」


「上手くなりましたね」


「おお、本当だー」


カナミが作った料理を食べて、評価を皆が口にする。


「そうかな。きっと二回目だからかな」


とカナミが、少し照れ臭くしてそう口にした。


パクパク。パクパク。それぞれの食べる音がするのみ。


食べる食べるでもうおかずも無くなっている。

なのでご馳走様を全員で済まして、ヒョウガが皿洗いしている内に一人づつお風呂に入りに行く。


 そして、皿洗いが終わったヒョウガも、お風呂に入りに行って冷めた湯船に浸かって、少ししてから出て、お湯で体を温めてお風呂を出る。

出て体を拭いて、髪の毛も拭き終えると、歯磨きをしに行く。


ゴシゴシ。ゴシゴシ。綺麗磨いてからうがいをして寝室に向う。


もう他の子はやることを済まして横になっている。

彼も寝る準備を済まして。


「んじゃあ寝るぞ!」


「「お休みなさい」」


「お、お休みなさいよ!」


「お休みなさいですの」


「お休みだよー」

そうヒョウガがお休みの言葉を言うと、他の子達もお休みを言って眠りに就く。


斯うして一日が終わる。


二日後。バトル施設四階にて、ヒョウガ達はバトル観戦していた。


今見ているのは、202号室対312号室の対決。


「どっちも互角の様ですの!」


「否、202号室の方が押しています」


「そうみたいだね!」


アーティナの見立てと違い、202号室が有利な立場にいると、ミューフィとカナミが言う。


「おい、そろそろ決まるぞ!」


 ヒョウガがそう言った根拠は、312号室が一人。202号室が二人の残っていて、その最後の一人が身動き不能にさせられている。そこに202号室の一人が大技を発動させているから。


「お、終わったわね! 二戦目が始まるわよ!」


「次はどんな相手だー」


そして出てきた相手は、狐族のチーム。


「ん……⁉ あいつらがこの都市に代々伝わる狐族の子孫みたいだぞ!」


「楽しみだね」


話している内に試合は開始させた。


戦いのスタイルは、単独作戦の相手らしい。

その結果、ライオンが獲物を見つけて喰らい付くまでの早と同じ。


「な、何て強さよ!あの狐族のチーム強いわね」


「あれ程の奴らだ! 次の対戦相手は決まりだぞ!」


「あれ程の相手と戦うのは楽しそうですの」


「否否。全然楽しそうじゃないよー。絶対に勝てないよー」


アミリが狐族を見て素直に感じたことを口にすると、ヒョウガが恐ろしい事を言い出す。

其れにアーティナは賛成の様だが、サラは始まってもいないのにっ既に諦め気味。


そして三戦目は、222号室と、411号室の対決は411号室の勝利。

最後の四戦目は、431号室と420号室の対決は、431号室が勝利を飾る。


「遂に決勝が始まったぞ!」


戦いの方法はサバイバル。四チームが一斉に戦い、残った一チームがヒョウガのチームと戦える。


「な、何よ! もう一チームが落ちたわよ」


「ホントですの! もう三チームですの」


「これは凄い戦いですね」


アミリが見た儘を声に出すと、アーティナも同じ反応。ミューフィは早さの凄さを口に。


それから少しして、もう一チームが脱落。


「また一チームが落ちたですの!」


「残り二チームだね!」


「んや、もう決まったぞ!」


アーティナが呟くと、カナミが残りを言う。だが、其れを聞いたヒョウガは指を差して違うと断言し。


「やっぱり強いなー。狐族が相手だー」


「て、手強いわよ!」


(ま、負けれれないわよ! 絶対)


とアミリは、狐族のメンバーを窺う。


「んじゃあ、部屋に戻ろぞ!」


「そ、そうね」


「分かったですの」


ヒョウガの一声にアミリとアーティナが返事する。


「私も良いよ!」


「ワタシもです」


「ウチも~」


他の三人も賛成して部屋へと戻って行く。

其の儘部屋でのんびりと残りの時間を過ごすつもり。


            * * * * * *


  高等課棟二階の資料室。


(こ、ここにならあるわよね! 狐族に関する資料が)


何故、アミリが資料室に来ることになったかと言うと。


 ――時はヒョウガ達が戻ってからすぐに遡る。



「ねえねえ、ヒョウガ。狐族のチームってどういう奴ら何だろうね」」


「ん……⁉ そう言えばそうだぞ」


「そ、そうね! そう言えばそうだったわよ」


カナミが気になることを聞くが、ヒョウガからは期待した答えが出ず。アミリの口からも答えが出ない。


「残念ですが、三年間いるアタシでも詳しくは知らないですの」


「ワタシも知りません」


「勿論ウチも知らないよー」


後の三人も知らないようで。


「んじゃあ、資料室に行くぞ!」


とヒョウガが行こうと誘う。


「でも、皆で行くと面倒だよ! 誰か一人で行く方が良いよね」


「其れ良いねー」


「誰が行くんですの?」


「・・・・」


 最もな意見を口にするカナミに、サラが賛成。アーティナもそれには賛成らしい。役目を誰に引き受けてもらうかと聞いて来るから、ヒョウガが考え込む。


少ししてから口を開こうとして、


「エアノーク! 誰にするか決めてー」


――はい、分かりました。


そう答えた刹那。サラの掌に収まっる程のサイズの妖精が出現。


「妖精ってそういう使い方もあるんだな」


「本当だね! それに凄く可愛いよ」


「ホ、本当ね! 可愛いわよ」


 サラの妖精の扱いに対して、ヒョウガは呆れ顔で言う。そんなのお構いなしと、カナミとアミリが見た儘を言う。


「其れじゃあ始めます。妖精占い! <ソ―ム・ノーユ・エレル>」


妖精が呪文を唱え終えると、謎の鍵が全員を周り、を一人の少女へとポトンと落ちて来た。


「な、何で私なのよ! 納得出来ないわよ!他の子でも良いでしょ」


「これは占いです! なった物は仕方ないです」


「そう言う事だぞ! お願いだぞ、アミリ」


 思いっ切り手を振って猛抗議するアミリに、妖精はそれを受け入れる°r個買うんだから仕方が無いと断言する。ヒョウガからも強くお願いし。


「ん~ん。良いわよ! もう。仕様が無いから言ってきてあげるわよ」


好きな人の頼み事もあって、一度考えてからソファーから立ち上がって行って来てあげると言う。


と言う事で現在に至る。


(こ、ここよね! 狐族の歴史って書いてあるわよ)


アミリは資料を捲りながら。


(へ、へえ~。狐族は攻撃力とスピードが速いのね! 其れは試合見ていて分かるわよ。頭も良いのね。攻略方法は、水系に弱いのね! 他にも別の属性に効く狐族もいるのね! 他にもあるわよ! 以外ね)


資料に書かれている内容を目で追う。


資料室には、色々な種族や能力に関連の物が多い。


部屋には他には誰も居らず。


(こ、この情報をメモすればいいのね)


アミリは重要な部分を、持って来ていたメモ帳に記入する。

其れからアミリは、資料室を出て部屋へと戻って行く。



そして、アミリが戻って来てから、部屋で皆でメモを見ている。


「ん~ん。狐族ってこんなに弱点があるんだな。んじゃあ、明日の摸擬戦は其れ踏まえて鍛えるぞ!」


「あんな強いチームにこんな弱点が有ったんだー」


ヒョウガが関心を寄せながら、摸擬戦の内容を決める。サラも弱点の所は同じように思っていいた。


「残り二日だから頑張って鍛えないとですの!」


「そうですね。明日の摸擬戦が勝負ですね」


「その意気込みだぞ! 二人共」


二人の摸擬戦への意気込みに、彼は八重歯を見せてから褒める。


 話しが終わると、辺りはすっかり真っ暗になっていたので、晩御飯の支度をし、お風呂の準備も完了させる。


それから晩ご飯を食べる。


それが済むと、ヒョウガが皿洗いしている内に一人一人お風呂へと向かう。


そして皿洗いが終わったヒョウガは、お風呂に入りに向かい。それから何十分かして出てくる。


髪の毛を自然に乾かし終わると、歯磨きをしに行く。


シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。


綺麗に歯を磨きを得ると口を濯ぐ。


口を拭き終ると、寝室に向う。


そしてベッドに横になって、目を瞑っていると段々寝ぬたくなって来る。斯うして眠りに就く。


次の日。競技場。


「んじゃあ、摸擬戦を始めるぞ!」


「わ、分かってるわよ」


「ワタシも分かりました」


彼の開始の声に、二人が返事を返す。既に武装展開は済み。


「来るですの」


「そうだね!」


「準備するよー」


アーティナが警戒するように仕向ける。


ヒョウガが猛スピードでこっちにやってくる。


「行くぞ! 能力<暴風>‼」


 ヒョウガの体を中心に強い風が吹き荒れ、アーティナとサラが吹き飛ばされた。カナミは何とか耐えていた。


「流石ですの! これでも食らうんですの! 武装魔術<氷刃魔斬アイスエッジバースり>‼」


ヒョウガのゼロ距離地点に移動するアーティナ。


彼女が発動した技は、魔法で創り出した氷の刃に、魔力を注ぎこんだ斬撃を振り下ろすと言うもの。


「んなもん食らって溜まるかだぞ! ひょいっと」


ゼロ距離粗の攻撃を、ひょいっと容易く回避して見せる。


「行くぞ! 武装二刀剣奥義<風・林・火・山二刃斬り>!」


風林火山が其々二つの刀剣から発動され、四種の強力な刃となって襲い掛かる。


ダダダダダダダダ。


「げホげホ。凄い威力ですの!」


アーティナは血を吐き捨ててそう言う。


「準備出来たよ! 武装想像<青竜剣(アス—ルドラゴン・ソード)>!」


と言ってカナミが発動した技は、柄の上端に青い竜の装飾を施した薙刀形の刀だ。


その刀がミューフィに向けて飛んでいく。


「消得てください! 催眠魔術<鳥壁>」


 ミューフィが、魔笛を吹いて鳥を呼び出して、壁にするが、カナミの攻撃を塞ぎきれず易々と破られてしまう。


グサツ、


「ぐはああぁ~。げホげホ。流石カナミ先輩です」


攻撃を食らったミューフィは、血を吐き捨てて矢張り敵わないと察する。


其の頃アミリは、サラに銃口を向け。


「こ、これでも食らいなさい! 武装魔銃術<雷電の弾>!」


バンバン。


アミリが放ったのは、雷の弾と電の弾で交じり合う内に一つの弾となる。


 一ミリたりともズレる事無く、その弾が飛んでいくも、サラが妖精を呼び出していて何時でも準備完了のよう。


「行くよー。守護魔甲術<妖精フェアリーシールり>!」


そして、妖精が自分よりグ~~んと大きな守りを、サラの手から全体に創り出す。


アミリの弾を押して押して撥ね返し。

誰も居ない所へと飛んでいく。


「そろそろ決めるですの! 武装魔術<雷光一剣>!」


 アーティナは虚空から稲妻を出現させると、魔剣を掲げて降ってこさせる。その稲妻を浴びた魔剣でアミリとヒョウガに斬りかかろうとするが。


「ま、間に合わないわよ!」


 「俺に任せとけだぞ! そろそろ本気出すぞ! 武装二刀剣奥義<風神ゴッドウィンズ竜巻乱舞トルナダンス>!」


カナミ達の前に、風神と呼ばれる神が降臨して、そいつが踊り狂うように竜巻を起こす。


ゴーゴー。ゴーゴー。


その凄まじい竜巻が刃となって、三人に襲い狂う。

回避不能。逃走不可。


「ゴーゴー。ぐはああぁ~。くるくるくる。バタッ」


カナミが、襲い掛かる竜巻に呑み込まれて、体を深々と傷つけられた。目も回っている。


「ピュ―。ゴーゴー。ザクザク。ぐはああぁ~。くるくるくる。目が・・・それに体が・・・バタン」


 「カナミ。それにサラまでもですの! あ・・・ピュ―。ピュ―。ゴーゴー。ザクザク。ぐわああぁ~目が回るですの! それに体が痛いですの。バタン」


 カナミに続いて、サラに踊り狂う竜巻に呑み込まれて行く。カナミ同様、体に深々と傷を付けられて血が溢れ出す。アーティナも同じだ。


「す、凄い技ね! 今の技‼ カッコよかったわよ」


「ハアハア。ありがとうだぞ! 凄い嬉しいぞ!」


「だ、大丈夫な訳? 凄い疲れてるように見えるけど」


「んや、大丈夫じゃ無いぞ! 本誌を出し過ぎて疲れただけだぞ!」


「しょ、仕様が無いわね! ほら、行くわよ!」


と言うと、アミリはヒョウガの体を支える形に。

其の儘の形でバトル施設の出口を跨ぐ。


既に他の皆は、外で二人の来るのを待っている。


「あ、来た来た。久々に超本気出したからだね! 疲れてるの」


「そうなんですの!? だから、あれ程凄いSランクの技を使えたんですのね!」


「それ分かるよー。Sランクの技かー。カッコいー」


「ワタシも同じです」


やって来たヒョウガ達に、先に来ていた四人が其々声を掛けた。


「ああ、そう言ってくれて嬉しいぞ! んじゃあ、部屋に戻るぞ!」


「そ、そうね!」


そう言う事で、六人は部屋へと戻って行く。


     450号室。


皆が戻ると、疲れていた所為で、一眠りをすることにする。


全員が目を覚ますと、夕日はすでに沈んでいた。


お風呂の準備をカナミがする。

ピツ、とスイッチを入れ。


「んじゃあ、晩ご飯食うぞ!」


今晩の晩ご飯のメニューは、昨日の残りのサラダに加え、さんまの塩焼き。茸のスープ。


「「戴きます」」


「い、戴くわよ!」


「戴くですの」


「戴くよー」


席に着くと、戴きますの挨拶をして食べ始める。


「パクッ、ん~ん。さんまの塩焼き美味しいですの」


「ホ、本当ね! 美味しいわよ!」


「美味しいですね」


「このスープ美味しいね!」


「ゴクッ、ん~ん。美味いよー」


「ゴクッ、ん~ん。確かに美味いぞ!」


一人一人が味の感想を述べ。


食べて飲む。食べて飲む。この勢いで、あっという間に完食する。


 なので、ご馳走様をすると、皆が使ったお皿やお茶碗、湯飲みなどをお水につけて、一人一人お風呂へと入りに行く。


ヒョウガはその内に洗物と皿洗いを済ます。


全てし終えると、皆が出終わったので脱衣所に向う。そしてお風呂に入る。


何十分かして、お風呂から上がってくる。

体を拭き終ると、髪の毛を自然に乾かす。


その後、歯磨きをする為に洗面所に残る。


シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。シャカシャカ。


綺麗に磨き終ると嗽をする。それから顔を洗い。口と顔をタオルを拭く。


其れからリビングに向う。


「んじゃあ、明日の作戦を決めるぞ!」


「この前使った二、二、二は如何どう?」


「相手が相手だ! 其れは墓穴を掘ることになるかもだぞ!」


「其れならどうするんですの?」


と、アーティナが尋ねて来るとヒョウガは、


「一つ目は、トライアングル作戦だぞ! 最後は全員で攻撃する、百獣の王作戦だぞ!」


「さ、最後の作戦の名前、なんだかカッコいいわね!」


 彼の言うトライアングル作戦は、二チームに分かれて三、三で戦うスタイル。そしてもう一つの百獣の王作戦は、群れ(六人全員)で襲い掛かって喰らい付くスタイルのこと。


「んじゃあ、これで終わるぞ! 寝室に戻ってもう寝るぞ!」


彼がそう言うと、他の五人も一緒に寝室へと向かう。


「んじゃあ、皆寝るぞ!」


「「お休みなさい」」


「お、お休みなさいよ!」


「お休みなさいですの」


「お休みだよー」


皆がお休みの挨拶をすると眠りに就く。


斯うして、学園選抜バトル二戦目の前日が終わりを迎える。

次回はいよいよ二戦目開始ですよ!

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