表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第三章 超えた先の結末
18/33

13話 初めての試合!

熱くなってきましたね。


さて、本編は、学園選抜バトルが遂に開幕しますよ!

そして迎えた試合当日。


―――この日の天気は晴れで、秋風が吹き荒れている。

季節はもう秋だ。


そしてヒョウガ達は、競技場の中央でルゼイン達と向かい合っていて。

先生は二チームの真ん中に立つ。


既に全員が、武装展開を完了させていた。


「己達は負けないだ!」


「ああ、俺達もだぞ!」


 「それでは、ルゼイン君の率いる448号室と、ヒョウガ君が率いる450号室の試合を開始します」


意気込みを露にするルゼインに、ヒョウガも言う。


先生の相図を聞いて、二チームのリーダー同士が握手を交わす。

他のメンバーも握手を交わす。

それが終わると直ぐに、試合が開始する。


―――俺は、予定通り、二、二、二に分かれたぞ!


  組み合わせは、ヒョウガとカナミの幼馴染みチームで一つ。アーティナとサラの意外な組み合わせで二チーム。最後のアミリとミューフィの仲良しのチームと言う感じだ。


「そう言う作戦で来たださか! 己達も行くださ!」


「分かっただべえ」


「分かってる」


「グハハハハハ。予定通りにだな」


「はああぁ~凄く眠いけど頑張るよ」


「・・・・」


ルゼインの出した指示に、全員が了解する。


―――女性陣が動き出し、それに合わせて男性陣も動き出す。


恐らく、三、三で戦うスタイルだろう。


そして最初に仕掛けたのは、男性陣側の一人。

小柄で訛った喋りの青年が、アーティナに仕掛けて来た。


「行くだべえ。

  武装鋼腕奥義<二重螺旋(ダブルスパイブル)切刃(ドリル>」


小柄で訛った喋りの青年は、自身の腕を鋼へと変える。

 それから彼が、二重に作られた螺旋の刃を創り出すや否や、アーティナへと襲い掛からせる。


「そうはさせないよー。守護魔甲!」


 アーティナの前に立ったサラが、自らの腕に力を込め、魔法の盾を創り出すのだが―――


「ぐはああぁ~」


 攻撃を受け止めれず、螺旋の刃を腕を中心に食らってしまう。



その頃、アミリ達の方はと言うと。


「これ以上は行かせません」


「はああぁ~眠い。ウチが相手する」


「グハハハハハ。ケリアス先輩ここは任せよう」


「・・・・任せる」


 三人の前に立ち塞がったミューフィに、眠そうな少女―――ケリアスが前にはだかる。


何時もの眠そうな態度ではあるが、二人は安心してこの場をケリアスに任す。


 ―――な、何よ! こいつは。凄く眠そうなのに、何で此奴に任せたのよ。まさか、こいつがそんなに強い訳?


とアミリは、眠たそうな少女を見て思う。


「はああぁ~行こうか~。

       睡眠魔術<眠々歌謡歌ソムノリート・ベルスターズ>!」


「耳を塞いでいるので・・・・・・ヤバいです。スぴ~」


魔法の指揮棒を振り―――魔法を発動。

ケリアスが発動したのは、眠たくさせられる歌曲の子守歌で。

 欠かさず耳を塞いだミューフィだったが、その行動が意味を為す事無く―――彼女はその場で文字通り寝入ってしまい。



ヒョウガ達の方は。


「グハハハハハ。我とパラテイーナ先輩が相手になる」


「ん……!? どこからでも良いぞ!」


「・・・・うん」


 自分と大人しくて赤い眼鏡をかけた少女―――パラテイーナが、二人の前に立ち塞がると。


「じゃあ宜しくね! ヒョウガ」


「ああ、分かったぞ!」


時間稼ぎを頼まれたヒョウガは、思った通りの言葉を返す。


 「グハハハハハ。行く!

     武装大銃剣奥義<鮮血ブラッド地獄斬インフェルノブレイクり>・・・・ッ」


テナは武装大銃剣ガンブレードを構える。

―――そして技を発動。

大銃剣は見る見るうちに色を変え、あっと言う間に血の色に染まった。

―――それがヒョウガへと、地獄の如く斬りかかって来たから。


―――ん……!? 何て攻撃だ!? 唯の痛い子じゃなかったんだな。


とヒョウガは、テナを評価する。


「ま、そんな恐ろしい攻撃食らって溜まるかだぞ! 能力<暴風>‼」



ヒョウガの体の周りから、突如荒れ狂う風が吹き荒れると。

それにより斬撃は、(ことごとく吹き飛んで行ってしまい。


アーティナ達とルゼイン達の戦いはと言うと。


「サラ、大丈夫ですの?」


「大丈夫だよー」


「良し、おらの攻撃の番ださ!」


心配そうに見詰めて来るアーティナに、無事であることをアピールしてきて。


―――次の瞬間、ルゼインが攻撃の準備に入った。


「己の攻撃ださ! 

   武装金槌技<土竜叩ワークアモーラき>‼」


高くまで飛び上がった青年は、金槌を空に上げ。

 他の二人は逃げられたものの、後の二人は逃げきれず、二人目掛けて振り下ろされ―――。


「こんなの食らったら一溜りも無いですの!」


 「どうしよー。何回も打ち付けてこようとしてるよー。こんなんでやられたくないよー」


アーティナとサラは、ヤバいと言う感じに焦っているのを。


「エアノーク。それを唱えるですの」


「エアノーク? 何か分からないけど出来るかどうか分からないよー」


エアノークとは、妖精を呼び出す古代言語の呪文。教科書などにも載っている類の。


―――まあ、上手くいく確率は低いではあるが。


そう示唆してきた少女に、分からずに聞き返してから、出来ないと喚く。

が―――


「でもやって見るよー。エアノーク‼」


やって見るだけマシかと、唱えて見ると。


突然目の前に現れたそれは、白色のワンピースを纏う少女。

掌サイズで―――背中には小さな羽が生えている。そう妖精だ。


『貴方に力を貸します。屹度あの攻撃を何とか出来ます』


―――え!? もしかして本当に妖精?


『はい。間違いなく妖精です』


―――それなら力を借りるよー。


姿形が古の通りの妖精が、サラの心に囁きかける。

それを聞いたサラは、本物の妖精かどうかを確かめてみるとに。

―――すると、透き通る声で答え、力を借りることにして。


「成功した様ですの! それよりもう落ちてきてるですの」


「任せてよー。

   守護魔甲術<妖精フェアリーシールドり>‼」


次の瞬間―――

自分より一回りも二回りも大きな守りを、彼女の手から全体に創り出す。

それにより、ルゼインが放った土竜モグラ叩きを見事防ぎきって見せると。


「何だ! 今の技は?」


「ヤバいだべえ」


「中々の技だったな」



「これでも食らうですの! 

       武装魔術<雷光一剣>‼」


―――咄嗟的に小柄の青年と大柄の青年は、逃げて行く。

そして逃げ遅れたルゼインへと、目の前にアーティナが瞬間移動してきた。


突如虚空から稲妻を出現する。

―――その稲妻は、光魔剣に向って降り注ぐ。

それを浴びた光魔剣でルゼインに斬りかかり―――。


「ビリビリ。ぐはああぁ~。まだまだだ。

  これでも食らうださ!  武装金槌奥義<金金槌落ゴールデン・ドロップハンマーとし>‼」


「そうはさせないですの! 

    武装魔術<流星斬(ミリア―ブレイク)り>‼」


金槌には攻撃による傷はない。

ルゼインが高く飛び上がる。するとグレー色から黄金色へと変化した。

―――金槌は自由落下の定義で、文字通り上空から落ちて行く。


が―――その途中で…。


突如虚空から流星が出現。

その流星は、凄まじい威力を持っていた。

そんなヤバい物を空へと放ち、斬る合図で同時に落とす。


前と後ろを交互に見合わせている内に、ルゼインは斬撃を深く食らう。

―――先までは黄金色の金槌だったそれが、今では元のグレー色の金槌に戻り落下していく。


「ぐはああぁ~。己が負けるとはださ・・・・」


ルゼインもまた、金槌と同じように言葉通りに落下していった。


「やったですの!」


「そうだよー。後、五人」



アミリ達とケリアスの戦いはと言うと。


「お、起きなさいよ! ミューフィ」


「スぴ~スぴ~」


「はああぁ~。無駄だよ無駄無駄。ウチに勝たないと」


ミューフィに駆け寄るアミリに、ケリアスが起こそうとしても無駄だと言う。


「い、良いわよ! それなら仕様が無いから行くわよ。

                    武装魔銃術<氷炎の弾>!」


アミリは銃口をケリアスに向け、引き金を引く。


―――バンバン。


氷と炎の弾が一つとなった弾が、ケリアスの所へと飛んで行く。


「はああぁ~。眠い。

  武装魔指揮棒奥義<指揮棒幻覚ワンドイリュージョン>」


飛んで来た氷炎の弾を、彼女は指揮棒を振ることで弾を別の何処かへと移動させた。


―――な、何よ! あれ!? 強すぎるわよ。私よりランク低いくせに‥‥


とアミリは、ケリアスを見て感じているのを余所に。


「もう駄目かも。お休み!」


「ど、どういうつもりよ!」


―――眠気に負けたケリアスは、お休みとだけ言い残すや、眠りに就いてしまう。


それ光景を見たアミリは、怒りを隠し切れずにいるのを。


「すう~ふう・・・・・すう~能力<夢遊攻撃>‼」


健やかな寝息を立てた彼女が、ごにゃごにゃと何かを呟く。


その時―――

寝息の聞こえる彼女が起き上がって来た。


―――ね、寝てるわよね! あ、こっちに来るわよ!


と、アミリは心の中で思う。


思った通りケリアスは、アミリの方へと蹌踉よろけながやって来た。


―――スピードの方は、熟睡しているにはあまりにも速い。


「あ、危なかったわよ! 何で正確なのよ」


「スぴ~スぴ~す~う~んん? んふ~っ・・・・・・!」


指揮棒をを振り下ろす僅かな時間を、アミリはギリギリで回避する。

なのにケリアスは、まだ気持ちよさそうに寝ているので。


「も、もういいわよ! 

  武装魔銃奥義<光華ライトフル魔石弾フェアリーストーン>‼」


アミリは銃口を蹌踉ける少女に向け、引き金を引く。


―――バンバン。


放った弾は、美しい光に包み込まれた魔石の弾だ。


それが彼女の腹に向って飛んでいく。


 「すう・・・・・すう・・・・・・す~・・・・・・ぐはああぁ~。魔石の弾・・・・・・。ウチの夢遊攻撃が聞かない」


「ま、まだやるつもり? 私は良いわよ」


熟睡するケリアスは、その弾を食らい倒れ込む。

そして目覚めた事で、自分が攻撃を食らったのだと自覚して。


アミリは、もう諦めろと言いたげだ。


「はああぁ~。もう駄目かも。今の攻撃を食らったからもう・・・・・・」


「つ、詰まり終わりって事よね!」


その少女の言葉に、そうと頷いた。


「はああぁ~。アミリ。勝ったんですね?」


「お、起きたのね。 そうよ!」


ミューフィが起き上がると、アミリにそう聞く。

―――嬉しそうな顔をして、少女はそう答えた。


そしてアミリとミューフィは、アーティナの所へと向かう。


ヒョウガとテナ、カナミとパラテイーナの戦いは。


「準備出来たよ! 

  武装想像<覇気狐狼スピリックスウルフ>!」


カナミが想像したのは、覇気を纏う顔が狐で、体が狼の猛獣だ。

猛獣は、カナミの前に立つ。


「行くね!」


「うん。バリアモード」


パラテイーナは、覇気を纏う狐狼が襲い掛かって来たのを盾で防ぐ。


「中々やるね。次は・・・・・」


「そう。・・・・・・攻撃モード! ミサイル」


パラテイーナの背中から、小型のミサイルが何発も発射させる。


「そんなの避けれるよ!」


―――ひょいと、飛んで来たミサイルを飛び跳ねて回避。


「避けても無駄。当たらない限り止まる事は無い」


「それなら当てればいいんだね!

          武装想像<巨人ジガンテ>‼」


―――次の瞬間、カナミの前に巨人が出現する。


「あのミサイルを叩き落としてね!」


巨人はうんと頷き、ミサイルに向って渾身のパンチを食らわす。


ヒューン、パタン。


ミサイルは墜落して行き―――何処かへと消えていく。


更に巨人は、パラテイーナに向けて巨腕を振り下ろす。


「ぐはああぁ~。ゔぁあ~」


バタン、その場に倒れ込む。


「これで三人目みたい」


そして残り三人になった。


アーティナ達はと言うと。


「アミリとミューフィが着たですの!」


「ホントだー」


二人の姿を捉え、そのように零す。


「こ、こっちもやったわよ!」


「そうですのね」


 「チッ、ケリアスがやられやがったとはな。それに、パラテイーナまで。仕方が無いな。行くか」


「そうだべえ。行くだべ!

     武装鋼腕奥義<切刃破滅ドリルスマッシュ>」


 小柄で訛った喋りの青年は、自身の腕を鋼へと変える。

そして彼は、切刃を強く打ち付けてきたから。


 サラが、自らの腕に力を込め、魔法の盾を創り出そうとするが―――間に合いそうにない。


「い、良いわよ! 

   武装魔銃術<火炎ファイヤー・ブレットの弾>・・・・・ッ」


アミリが銃口を小柄で訛った喋りの青年に向け、引き金を引く。


―――バンバン。


燃え上がる炎の弾が、彼の元へと飛んで行く。


「お、押しなさいよ!」


「まだまだだべ!」


ぶつかり合うお互いの技。押して、押され手を繰り返した結果―――。


「ぐはああぁ~。な、中々やるわね」


「言っただべえ。まだまだだって」


彼女は地面に膝を突いて、少し倒れ込む。


ヒョウガとテナの戦いは、


 「グハハハハハ。我の攻撃だ!

      武装大銃剣奥義<永遠エターナル闇月斬ムーンナイトブレイズり>」


テナは大銃剣を構える。

―――そして技を発動。

永遠に続く夜の暗闇の月を見せて、それをヒョウガに向けて切裂くと言うもの。


―――だが、それをヒョウガは、


「その程度か! 能力<鎌鼬>」


その技を、彼の鎌鼬で切裂く。


「何だと!? 凄い能力だ! 我の渾身の一撃を・・・・・・ぐぬぬぬ……」


彼女の渾身の一撃を、容易く破られたことで、唇を噛んで悔しがる。

間隙を縫われたテナは、彼に仕掛けられてしまう。

―――ヒョウガは技を発動。



 「んじゃあ、俺の攻撃で決めるぞ! 

         武装二刀剣奥義<風神ゴッドウィンズ二撃ダブルブロー>‼」


呼び出された風神は、テナを手二つの剣で切裂く。


 「ぐはああぁ~。ハアハア、我が・・・・・我が敗れるだと!? あれだけ本番の為の儀式を取り組んだはずだが・・・・何故?」


「んや、長時間特訓すればいいって訳じゃ無いぞ!」


「グハハハハハ。こんな奴らに勝てる訳無いな・・・・・・」


攻撃を食らった彼女は、疲れながらもなぜ勝てないのだ問う。

ヒョウガは思う事を返す。


それを聞いた途端、これには勝てないと、直感的に確信する。


そして、バタンとその場に倒れ込む。


「んじゃあ、カナミ。俺達も行くぞ! アーティナ達の所に」


「そうだね!」


そして、その光景を外で見ていた人達の反応は―――


「何だ!? アリマ・ヒョウガがいるチームが圧倒している」


「有得ないね! それに全員残っている!?」


一人の生徒が言うと、隣で観ていた女子生徒が現状の異様さに目を丸くする。


「アリマ君のチームお強いですね」


「そうだな。サラがあんなことが出来るようになっていたとは驚きだ!」


「いやーホントそうですよね」


三人の先生も其々感じることを口に出す。


話は試合の方に戻る。


アーティナ達と残り二人の戦い。


「チッ、テナまで敗れたか」


「まだ諦めないだべえ」


大柄の青年が、次々と敗れて行く現状に舌打ちをして。

小柄の青年の方は、未だ負ける訳には行けないと言う。


「お前たち良くやったぞ! 皆これで決めるぞ!」


  ―――これからの作戦はこうだ。 先ずは俺、カナミ、サラで小柄に奴を相手して、残りのアミリ、アーティナ、ミューフィで大柄のとこを―――と言う感じだ! その名もトライアングル作戦!!


とヒョウガが、作戦の説明をする。


「カナミ、想像の準備は任せるぞ! サラは守り」


「うん。分かった」


「分かったよー」


ヒョウガの指示に、二人はOKのポーズを取った。


「来ただべえ! 本気だすだべえ。 

        武装鋼腕奥義<究極アルティメット二十切刃ダブルドリル>‼」


「行くぞ!

   武装二刀剣奥義<無限アンリミテッド七色レインブル>」


無限に続く七色の風が、彼の周りごと包み込み、身動き不能にする。

そして、やっと解放された小柄な青年へ。

容赦のない一撃を、ヒョウガア放つ。



「武装二刀剣奥義<七色風斬レインブル・ウィンドブレイクり>‼」


それが七色風の鋭い刃となって振り下ろされた。


「ぐはああぁ~。何て攻撃だべえげホげホ、げホげホ。」


「これで決まりだね。

      武装想像<般若はんにゃ>!」


 そう言ってカナミが発動したのは、鬼女で体はマントで覆われ、手には斧を持つ般若はんにゃだ。


「行っけ!」


カナミの指示を受けた般若は、小柄な青年の所へと向かう。


「来るなだべえ! お願いだべえ。ぐはああぁ~」


迫ってくる般若に頼み込むが、聞く耳など無い上に斧を振り下ろしてきて―――。


「げホげホ、げホげホ。何て強さだべえ! げホげホ・・・・・・もう駄目だべえ」


先吐いてた血に加え、新たに大量の血泥を吐き出す。

小柄の青年が言葉を発するが―――

バタンといって、その場に倒れ込む。


「ま、まだやるつもり? 勝てる見込みでもある訳?」


「どうせ俺一人じゃ勝てないだろうな」


「それじゃあ、どうするつもりですの?」


そうアーティナが聞くと、


「だが、負けると分っててもやるぞ! 最後の最後までな。能力<猛毒散乱>」


「お、遅かったわね。これで終わりよ!

            武装魔銃術<氷炎フレームアイスブレットの弾>」


彼は能力で毒針を発動。

しかし―――その毒針は、発動前に既に意味がなくなっていた。


アミリが銃口を大柄の青年に向け、引き金を引く。


―――バンバン。


氷と炎の弾が一つとなった弾が、彼の心臓目掛けて放たれた。

避けることなどは不能だ。


「ぐはああぁ~。ハアハア。思った通りだったな。げホげホ。げホげホ」


その弾を心臓に食らったので、大量の血を吐いて倒れ込む。


『試合終了です。ヒョウガ君率いる450号室の皆さんも出てきてください!』



先生の指示を受け、六人は安全防御壁から出る。

先に出ていたルゼイン達の前に並んで、先生が言葉を出す。


「と言う事で、勝者はヒョウガ君率いる450号室の皆さんです!」


ヒョウガ達の圧勝だと―――観ていた者達は誰もがそう思うだろう。


「凄いださ! アリマ・ヒョウガ。それに仲間達」


「なあ、ディブ。俺の名前をフルネームで呼ぶの止めてだぞ!」


「何故ださ? 己はお前の友達じゃ無い筈ださ!」


「んや、俺はそうは思って無いぞ! だって『昨日の敵は今日の友』だぞ!」


「そうかださな。 分かった。 ヒョウガ。君たちをこれからは応援する!」


フルネームで呼ぶルゼインに、彼は別の呼び方を提示する。

―――それを聞き、友達ではないのになぜだ、と問う。

ヒョウガはそれに対して、慣用句を使ってもう友達であると伝えると。

斯うして友達になった彼は、全面協力をするとと言い出す。


そして二チームのリーダー同士が、お互いに強い握手を交わして友情をはぐくむ。

他の子達も握手を交わす。


「はああぁ~。また眠くなって来たかも」


 「グハハハハハ。ケリアス先輩は何時も睡魔に負けて眠ってるではないか。だが、我も魔力の使い過ぎで疲れた。帰りたい。帰って休みたい」


「テナは魔力なんて使ってないだろ! だが、帰るのには賛成だ」


欠伸をし出すケリアスに、テナが何時ものことと返し、帰ろうとかす。

隣に立つ大柄の男も、テナに何時もの様にいうも、が帰る事には賛成らしく。


「それじゃあ、己達は帰るださ! じゃあなださ」


ルゼインが手を振ってくるため、ヒョウガも返し―――そして彼らは帰って行く。


そこに取り残された六人は。


「ホ、本当に勝ったわよ! 今更何だけどビックリしたわよ! でも嬉しい」


「やったですの! これで一戦勝利ですの」


「圧倒的だったけど、勝ったから嬉しいね」


  今更な事を言い出すアミリに、アーティナも嬉しそうだ。カナミも勝てたと言う気持ちの方が大きく、喜ぶ。


それを聞いた他の子達は、


「まだ一戦突破しただけだぞ!」


「ヒョウガ先輩の言う通りだよー。決勝戦まで後三戦だよ~」


 「私もそう思います。気を抜いている淡白あっさりと負けてしまうかもしれませんから」


と、アミリ達とは違う風に思っていた。


「んじゃあ、俺達も部屋に戻るぞ!」


「そうだね! ヒョウガ。私も良いよ」


「わ、私も良いに決まっているわよ!」


「決まり見たですの」


「ワタシもです」


「ウチも-」


と言う風に、皆で帰ることに決まり、六人は部屋へと戻って行く。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そして、話は試合終了してすぐの観戦していた人に戻る。


 「アリマ・ヒョウガ。他の仲間達。中々の強さだ。これなら必ず来てくれる筈だ! 三戦目の相手をしてやる。それに……アーティナ」


 ―――謎の男は、ヒョウガ達の戦いっぷりを高く評価し、二戦目を飛ばして三戦目の相手を申し出た。

そして後ろの部分に、愛おしき金髪少女の名前を呟く。


「二回戦も楽しませて貰おう。君の活躍を見ているよ。アーティナ」


また謎の男は―――少女へのエールじみた事を口にし。


そして男は、競技場から見て後ろ――学生寮の方へと帰って行った。




次回は、変わった特訓と、二回戦の敵が決まりますよ!


最後に出て来た彼は、16話位で本格的に出てきますよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日間異世界〔恋愛〕ランキング            

Rankings & Tools
sinoobi.com

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ