13話 初めての試合!
熱くなってきましたね。
さて、本編は、学園選抜バトルが遂に開幕しますよ!
そして迎えた試合当日。
―――この日の天気は晴れで、秋風が吹き荒れている。
季節はもう秋だ。
そしてヒョウガ達は、競技場の中央でルゼイン達と向かい合っていて。
先生は二チームの真ん中に立つ。
既に全員が、武装展開を完了させていた。
「己達は負けないだ!」
「ああ、俺達もだぞ!」
「それでは、ルゼイン君の率いる448号室と、ヒョウガ君が率いる450号室の試合を開始します」
意気込みを露にするルゼインに、ヒョウガも言う。
先生の相図を聞いて、二チームのリーダー同士が握手を交わす。
他のメンバーも握手を交わす。
それが終わると直ぐに、試合が開始する。
―――俺は、予定通り、二、二、二に分かれたぞ!
組み合わせは、ヒョウガとカナミの幼馴染みチームで一つ。アーティナとサラの意外な組み合わせで二チーム。最後のアミリとミューフィの仲良しのチームと言う感じだ。
「そう言う作戦で来たださか! 己達も行くださ!」
「分かっただべえ」
「分かってる」
「グハハハハハ。予定通りにだな」
「はああぁ~凄く眠いけど頑張るよ」
「・・・・」
ルゼインの出した指示に、全員が了解する。
―――女性陣が動き出し、それに合わせて男性陣も動き出す。
恐らく、三、三で戦うスタイルだろう。
そして最初に仕掛けたのは、男性陣側の一人。
小柄で訛った喋りの青年が、アーティナに仕掛けて来た。
「行くだべえ。
武装鋼腕奥義<二重螺旋の切刃>」
小柄で訛った喋りの青年は、自身の腕を鋼へと変える。
それから彼が、二重に作られた螺旋の刃を創り出すや否や、アーティナへと襲い掛からせる。
「そうはさせないよー。守護魔甲!」
アーティナの前に立ったサラが、自らの腕に力を込め、魔法の盾を創り出すのだが―――
「ぐはああぁ~」
攻撃を受け止めれず、螺旋の刃を腕を中心に食らってしまう。
その頃、アミリ達の方はと言うと。
「これ以上は行かせません」
「はああぁ~眠い。ウチが相手する」
「グハハハハハ。ケリアス先輩ここは任せよう」
「・・・・任せる」
三人の前に立ち塞がったミューフィに、眠そうな少女―――ケリアスが前に開かる。
何時もの眠そうな態度ではあるが、二人は安心してこの場をケリアスに任す。
―――な、何よ! こいつは。凄く眠そうなのに、何で此奴に任せたのよ。まさか、こいつがそんなに強い訳?
とアミリは、眠たそうな少女を見て思う。
「はああぁ~行こうか~。
睡眠魔術<眠々歌謡歌>!」
「耳を塞いでいるので・・・・・・ヤバいです。スぴ~」
魔法の指揮棒を振り―――魔法を発動。
ケリアスが発動したのは、眠たくさせられる歌曲の子守歌で。
欠かさず耳を塞いだミューフィだったが、その行動が意味を為す事無く―――彼女はその場で文字通り寝入ってしまい。
ヒョウガ達の方は。
「グハハハハハ。我とパラテイーナ先輩が相手になる」
「ん……!? どこからでも良いぞ!」
「・・・・うん」
自分と大人しくて赤い眼鏡をかけた少女―――パラテイーナが、二人の前に立ち塞がると。
「じゃあ宜しくね! ヒョウガ」
「ああ、分かったぞ!」
時間稼ぎを頼まれたヒョウガは、思った通りの言葉を返す。
「グハハハハハ。行く!
武装大銃剣奥義<鮮血の地獄斬り>・・・・ッ」
テナは武装大銃剣を構える。
―――そして技を発動。
大銃剣は見る見るうちに色を変え、あっと言う間に血の色に染まった。
―――それがヒョウガへと、地獄の如く斬りかかって来たから。
―――ん……!? 何て攻撃だ!? 唯の痛い子じゃなかったんだな。
とヒョウガは、テナを評価する。
「ま、そんな恐ろしい攻撃食らって溜まるかだぞ! 能力<暴風>‼」
ヒョウガの体の周りから、突如荒れ狂う風が吹き荒れると。
それにより斬撃は、悉く吹き飛んで行ってしまい。
アーティナ達とルゼイン達の戦いはと言うと。
「サラ、大丈夫ですの?」
「大丈夫だよー」
「良し、己の攻撃の番ださ!」
心配そうに見詰めて来るアーティナに、無事であることをアピールしてきて。
―――次の瞬間、ルゼインが攻撃の準備に入った。
「己の攻撃ださ!
武装金槌技<土竜叩き>‼」
高くまで飛び上がった青年は、金槌を空に上げ。
他の二人は逃げられたものの、後の二人は逃げきれず、二人目掛けて振り下ろされ―――。
「こんなの食らったら一溜りも無いですの!」
「どうしよー。何回も打ち付けてこようとしてるよー。こんなんでやられたくないよー」
アーティナとサラは、ヤバいと言う感じに焦っているのを。
「エアノーク。それを唱えるですの」
「エアノーク? 何か分からないけど出来るかどうか分からないよー」
エアノークとは、妖精を呼び出す古代言語の呪文。教科書などにも載っている類の。
―――まあ、上手くいく確率は低いではあるが。
そう示唆してきた少女に、分からずに聞き返してから、出来ないと喚く。
が―――
「でもやって見るよー。エアノーク‼」
やって見るだけマシかと、唱えて見ると。
突然目の前に現れたそれは、白色のワンピースを纏う少女。
掌サイズで―――背中には小さな羽が生えている。そう妖精だ。
『貴方に力を貸します。屹度あの攻撃を何とか出来ます』
―――え!? もしかして本当に妖精?
『はい。間違いなく妖精です』
―――それなら力を借りるよー。
姿形が古の通りの妖精が、サラの心に囁きかける。
それを聞いたサラは、本物の妖精かどうかを確かめてみるとに。
―――すると、透き通る声で答え、力を借りることにして。
「成功した様ですの! それよりもう落ちてきてるですの」
「任せてよー。
守護魔甲術<妖精の守り>‼」
次の瞬間―――
自分より一回りも二回りも大きな守りを、彼女の手から全体に創り出す。
それにより、ルゼインが放った土竜叩きを見事防ぎきって見せると。
「何だ! 今の技は?」
「ヤバいだべえ」
「中々の技だったな」
「これでも食らうですの!
武装魔術<雷光一剣>‼」
―――咄嗟的に小柄の青年と大柄の青年は、逃げて行く。
そして逃げ遅れたルゼインへと、目の前にアーティナが瞬間移動してきた。
突如虚空から稲妻を出現する。
―――その稲妻は、光魔剣に向って降り注ぐ。
それを浴びた光魔剣でルゼインに斬りかかり―――。
「ビリビリ。ぐはああぁ~。まだまだだ。
これでも食らうださ! 武装金槌奥義<金金槌落とし>‼」
「そうはさせないですの!
武装魔術<流星斬(ミリア―ブレイク)り>‼」
金槌には攻撃による傷はない。
ルゼインが高く飛び上がる。するとグレー色から黄金色へと変化した。
―――金槌は自由落下の定義で、文字通り上空から落ちて行く。
が―――その途中で…。
突如虚空から流星が出現。
その流星は、凄まじい威力を持っていた。
そんなヤバい物を空へと放ち、斬る合図で同時に落とす。
前と後ろを交互に見合わせている内に、ルゼインは斬撃を深く食らう。
―――先までは黄金色の金槌だったそれが、今では元のグレー色の金槌に戻り落下していく。
「ぐはああぁ~。己が負けるとはださ・・・・」
ルゼインもまた、金槌と同じように言葉通りに落下していった。
「やったですの!」
「そうだよー。後、五人」
アミリ達とケリアスの戦いはと言うと。
「お、起きなさいよ! ミューフィ」
「スぴ~スぴ~」
「はああぁ~。無駄だよ無駄無駄。ウチに勝たないと」
ミューフィに駆け寄るアミリに、ケリアスが起こそうとしても無駄だと言う。
「い、良いわよ! それなら仕様が無いから行くわよ。
武装魔銃術<氷炎の弾>!」
アミリは銃口をケリアスに向け、引き金を引く。
―――バンバン。
氷と炎の弾が一つとなった弾が、ケリアスの所へと飛んで行く。
「はああぁ~。眠い。
武装魔指揮棒奥義<指揮棒幻覚>」
飛んで来た氷炎の弾を、彼女は指揮棒を振ることで弾を別の何処かへと移動させた。
―――な、何よ! あれ!? 強すぎるわよ。私よりランク低いくせに‥‥
とアミリは、ケリアスを見て感じているのを余所に。
「もう駄目かも。お休み!」
「ど、どういうつもりよ!」
―――眠気に負けたケリアスは、お休みとだけ言い残すや、眠りに就いてしまう。
それ光景を見たアミリは、怒りを隠し切れずにいるのを。
「すう~ふう・・・・・すう~能力<夢遊攻撃>‼」
健やかな寝息を立てた彼女が、ごにゃごにゃと何かを呟く。
その時―――
寝息の聞こえる彼女が起き上がって来た。
―――ね、寝てるわよね! あ、こっちに来るわよ!
と、アミリは心の中で思う。
思った通りケリアスは、アミリの方へと蹌踉けながやって来た。
―――スピードの方は、熟睡しているにはあまりにも速い。
「あ、危なかったわよ! 何で正確なのよ」
「スぴ~スぴ~す~う~んん? んふ~っ・・・・・・!」
指揮棒をを振り下ろす僅かな時間を、アミリはギリギリで回避する。
なのにケリアスは、まだ気持ちよさそうに寝ているので。
「も、もういいわよ!
武装魔銃奥義<光華の魔石弾>‼」
アミリは銃口を蹌踉ける少女に向け、引き金を引く。
―――バンバン。
放った弾は、美しい光に包み込まれた魔石の弾だ。
それが彼女の腹に向って飛んでいく。
「すう・・・・・すう・・・・・・す~・・・・・・ぐはああぁ~。魔石の弾・・・・・・。ウチの夢遊攻撃が聞かない」
「ま、まだやるつもり? 私は良いわよ」
熟睡するケリアスは、その弾を食らい倒れ込む。
そして目覚めた事で、自分が攻撃を食らったのだと自覚して。
アミリは、もう諦めろと言いたげだ。
「はああぁ~。もう駄目かも。今の攻撃を食らったからもう・・・・・・」
「つ、詰まり終わりって事よね!」
その少女の言葉に、そうと頷いた。
「はああぁ~。アミリ。勝ったんですね?」
「お、起きたのね。 そうよ!」
ミューフィが起き上がると、アミリにそう聞く。
―――嬉しそうな顔をして、少女はそう答えた。
そしてアミリとミューフィは、アーティナの所へと向かう。
ヒョウガとテナ、カナミとパラテイーナの戦いは。
「準備出来たよ!
武装想像<覇気狐狼>!」
カナミが想像したのは、覇気を纏う顔が狐で、体が狼の猛獣だ。
猛獣は、カナミの前に立つ。
「行くね!」
「うん。バリアモード」
パラテイーナは、覇気を纏う狐狼が襲い掛かって来たのを盾で防ぐ。
「中々やるね。次は・・・・・」
「そう。・・・・・・攻撃モード! ミサイル」
パラテイーナの背中から、小型のミサイルが何発も発射させる。
「そんなの避けれるよ!」
―――ひょいと、飛んで来たミサイルを飛び跳ねて回避。
「避けても無駄。当たらない限り止まる事は無い」
「それなら当てればいいんだね!
武装想像<巨人>‼」
―――次の瞬間、カナミの前に巨人が出現する。
「あのミサイルを叩き落としてね!」
巨人はうんと頷き、ミサイルに向って渾身のパンチを食らわす。
ヒューン、パタン。
ミサイルは墜落して行き―――何処かへと消えていく。
更に巨人は、パラテイーナに向けて巨腕を振り下ろす。
「ぐはああぁ~。ゔぁあ~」
バタン、その場に倒れ込む。
「これで三人目みたい」
そして残り三人になった。
アーティナ達はと言うと。
「アミリとミューフィが着たですの!」
「ホントだー」
二人の姿を捉え、そのように零す。
「こ、こっちもやったわよ!」
「そうですのね」
「チッ、ケリアスがやられやがったとはな。それに、パラテイーナまで。仕方が無いな。行くか」
「そうだべえ。行くだべ!
武装鋼腕奥義<切刃破滅>」
小柄で訛った喋りの青年は、自身の腕を鋼へと変える。
そして彼は、切刃を強く打ち付けてきたから。
サラが、自らの腕に力を込め、魔法の盾を創り出そうとするが―――間に合いそうにない。
「い、良いわよ!
武装魔銃術<火炎の弾>・・・・・ッ」
アミリが銃口を小柄で訛った喋りの青年に向け、引き金を引く。
―――バンバン。
燃え上がる炎の弾が、彼の元へと飛んで行く。
「お、押しなさいよ!」
「まだまだだべ!」
ぶつかり合うお互いの技。押して、押され手を繰り返した結果―――。
「ぐはああぁ~。な、中々やるわね」
「言っただべえ。まだまだだって」
彼女は地面に膝を突いて、少し倒れ込む。
ヒョウガとテナの戦いは、
「グハハハハハ。我の攻撃だ!
武装大銃剣奥義<永遠の闇月斬り>」
テナは大銃剣を構える。
―――そして技を発動。
永遠に続く夜の暗闇の月を見せて、それをヒョウガに向けて切裂くと言うもの。
―――だが、それをヒョウガは、
「その程度か! 能力<鎌鼬>」
その技を、彼の鎌鼬で切裂く。
「何だと!? 凄い能力だ! 我の渾身の一撃を・・・・・・ぐぬぬぬ……」
彼女の渾身の一撃を、容易く破られたことで、唇を噛んで悔しがる。
間隙を縫われたテナは、彼に仕掛けられてしまう。
―――ヒョウガは技を発動。
「んじゃあ、俺の攻撃で決めるぞ!
武装二刀剣奥義<風神の二撃>‼」
呼び出された風神は、テナを手二つの剣で切裂く。
「ぐはああぁ~。ハアハア、我が・・・・・我が敗れるだと!? あれだけ本番の為の儀式を取り組んだはずだが・・・・何故?」
「んや、長時間特訓すればいいって訳じゃ無いぞ!」
「グハハハハハ。こんな奴らに勝てる訳無いな・・・・・・」
攻撃を食らった彼女は、疲れながらもなぜ勝てないのだ問う。
ヒョウガは思う事を返す。
それを聞いた途端、これには勝てないと、直感的に確信する。
そして、バタンとその場に倒れ込む。
「んじゃあ、カナミ。俺達も行くぞ! アーティナ達の所に」
「そうだね!」
そして、その光景を外で見ていた人達の反応は―――
「何だ!? アリマ・ヒョウガがいるチームが圧倒している」
「有得ないね! それに全員残っている!?」
一人の生徒が言うと、隣で観ていた女子生徒が現状の異様さに目を丸くする。
「アリマ君のチームお強いですね」
「そうだな。サラがあんなことが出来るようになっていたとは驚きだ!」
「いやーホントそうですよね」
三人の先生も其々感じることを口に出す。
話は試合の方に戻る。
アーティナ達と残り二人の戦い。
「チッ、テナまで敗れたか」
「まだ諦めないだべえ」
大柄の青年が、次々と敗れて行く現状に舌打ちをして。
小柄の青年の方は、未だ負ける訳には行けないと言う。
「お前たち良くやったぞ! 皆これで決めるぞ!」
―――これからの作戦はこうだ。 先ずは俺、カナミ、サラで小柄に奴を相手して、残りのアミリ、アーティナ、ミューフィで大柄のとこを―――と言う感じだ! その名もトライアングル作戦!!
とヒョウガが、作戦の説明をする。
「カナミ、想像の準備は任せるぞ! サラは守り」
「うん。分かった」
「分かったよー」
ヒョウガの指示に、二人はOKのポーズを取った。
「来ただべえ! 本気だすだべえ。
武装鋼腕奥義<究極の二十切刃>‼」
「行くぞ!
武装二刀剣奥義<無限の七色>」
無限に続く七色の風が、彼の周りごと包み込み、身動き不能にする。
そして、やっと解放された小柄な青年へ。
容赦のない一撃を、ヒョウガア放つ。
「武装二刀剣奥義<七色風斬り>‼」
それが七色風の鋭い刃となって振り下ろされた。
「ぐはああぁ~。何て攻撃だべえげホげホ、げホげホ。」
「これで決まりだね。
武装想像<般若>!」
そう言ってカナミが発動したのは、鬼女で体はマントで覆われ、手には斧を持つ般若だ。
「行っけ!」
カナミの指示を受けた般若は、小柄な青年の所へと向かう。
「来るなだべえ! お願いだべえ。ぐはああぁ~」
迫ってくる般若に頼み込むが、聞く耳など無い上に斧を振り下ろしてきて―――。
「げホげホ、げホげホ。何て強さだべえ! げホげホ・・・・・・もう駄目だべえ」
先吐いてた血に加え、新たに大量の血泥を吐き出す。
小柄の青年が言葉を発するが―――
バタンといって、その場に倒れ込む。
「ま、まだやるつもり? 勝てる見込みでもある訳?」
「どうせ俺一人じゃ勝てないだろうな」
「それじゃあ、どうするつもりですの?」
そうアーティナが聞くと、
「だが、負けると分っててもやるぞ! 最後の最後までな。能力<猛毒散乱>」
「お、遅かったわね。これで終わりよ!
武装魔銃術<氷炎の弾>」
彼は能力で毒針を発動。
しかし―――その毒針は、発動前に既に意味がなくなっていた。
アミリが銃口を大柄の青年に向け、引き金を引く。
―――バンバン。
氷と炎の弾が一つとなった弾が、彼の心臓目掛けて放たれた。
避けることなどは不能だ。
「ぐはああぁ~。ハアハア。思った通りだったな。げホげホ。げホげホ」
その弾を心臓に食らったので、大量の血を吐いて倒れ込む。
『試合終了です。ヒョウガ君率いる450号室の皆さんも出てきてください!』
先生の指示を受け、六人は安全防御壁から出る。
先に出ていたルゼイン達の前に並んで、先生が言葉を出す。
「と言う事で、勝者はヒョウガ君率いる450号室の皆さんです!」
ヒョウガ達の圧勝だと―――観ていた者達は誰もがそう思うだろう。
「凄いださ! アリマ・ヒョウガ。それに仲間達」
「なあ、ディブ。俺の名前をフルネームで呼ぶの止めてだぞ!」
「何故ださ? 己はお前の友達じゃ無い筈ださ!」
「んや、俺はそうは思って無いぞ! だって『昨日の敵は今日の友』だぞ!」
「そうかださな。 分かった。 ヒョウガ。君たちをこれからは応援する!」
フルネームで呼ぶルゼインに、彼は別の呼び方を提示する。
―――それを聞き、友達ではないのになぜだ、と問う。
ヒョウガはそれに対して、慣用句を使ってもう友達であると伝えると。
斯うして友達になった彼は、全面協力をするとと言い出す。
そして二チームのリーダー同士が、お互いに強い握手を交わして友情を育む。
他の子達も握手を交わす。
「はああぁ~。また眠くなって来たかも」
「グハハハハハ。ケリアス先輩は何時も睡魔に負けて眠ってるではないか。だが、我も魔力の使い過ぎで疲れた。帰りたい。帰って休みたい」
「テナは魔力なんて使ってないだろ! だが、帰るのには賛成だ」
欠伸をし出すケリアスに、テナが何時ものことと返し、帰ろうと急かす。
隣に立つ大柄の男も、テナに何時もの様にいうも、が帰る事には賛成らしく。
「それじゃあ、己達は帰るださ! じゃあなださ」
ルゼインが手を振ってくるため、ヒョウガも返し―――そして彼らは帰って行く。
そこに取り残された六人は。
「ホ、本当に勝ったわよ! 今更何だけどビックリしたわよ! でも嬉しい」
「やったですの! これで一戦勝利ですの」
「圧倒的だったけど、勝ったから嬉しいね」
今更な事を言い出すアミリに、アーティナも嬉しそうだ。カナミも勝てたと言う気持ちの方が大きく、喜ぶ。
それを聞いた他の子達は、
「まだ一戦突破しただけだぞ!」
「ヒョウガ先輩の言う通りだよー。決勝戦まで後三戦だよ~」
「私もそう思います。気を抜いている淡白と負けてしまうかもしれませんから」
と、アミリ達とは違う風に思っていた。
「んじゃあ、俺達も部屋に戻るぞ!」
「そうだね! ヒョウガ。私も良いよ」
「わ、私も良いに決まっているわよ!」
「決まり見たですの」
「ワタシもです」
「ウチも-」
と言う風に、皆で帰ることに決まり、六人は部屋へと戻って行く。
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そして、話は試合終了してすぐの観戦していた人に戻る。
「アリマ・ヒョウガ。他の仲間達。中々の強さだ。これなら必ず来てくれる筈だ! 三戦目の相手をしてやる。それに……アーティナ」
―――謎の男は、ヒョウガ達の戦いっぷりを高く評価し、二戦目を飛ばして三戦目の相手を申し出た。
そして後ろの部分に、愛おしき金髪少女の名前を呟く。
「二回戦も楽しませて貰おう。君の活躍を見ているよ。アーティナ」
また謎の男は―――少女へのエールじみた事を口にし。
そして男は、競技場から見て後ろ――学生寮の方へと帰って行った。
次回は、変わった特訓と、二回戦の敵が決まりますよ!
最後に出て来た彼は、16話位で本格的に出てきますよ!




