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契約は天使のキス  作者: 海鮮鍋/玉蜀黍
第三章 超えた先の結末
17/33

12話 摸擬戦1

遂に学園選抜バトル開始。でも今回は、摸擬戦だけです。


行き成り個性的なキャラ達が相手として登場ですよ!



始業式終了後のこと。

 ―――生徒だけで無く、先生達もHRや授業中。更に、授業の合間の休みの時間や昼休みでさえ、<交武祭典>《アルージェフェート》の話題で持ち切りで。

そう、文字通り学園内はお祭り騒動なのだ。


そして、ヒョウガのクラス。

帰りのHRが終わって帰ろうとする。


「んじゃあな、エイト」


「それじゃあ、明日。ヒョウガ」


―――俺は、そうエイトに言ってから、自分の部屋に戻って行ったぞ。


                  

450号室。ヒョウガ達の部屋。


帰って来た時には―――例の話しをしていた。


「ねえ、ヒョウガ。私達も頑張ろうね!」


「ああ、勿論だぞ! 目指すは優勝だ」


ヒョウガにもカナミは振って来た為、彼は優勝を目指すと宣言すると。

―――それを聞いた皆は、少しの間黙り込んでから。


「ホ、本気でそんなこと言ってる訳!? まあ、途中まで行けたら良いけど・・・」


 「本気に決まってるぞ! まあ、ランク的には、俺とサラはDランク。カナミとアーティナがAランク。アミリがBランク。ミューフィがCランクだけど、まあ大丈夫だ! 勝ち上がれるからな」


「そのヒョウガのは、態度とかヤル気。後色々悪くてDランク何だけどね」


「でも楽しそうですの。それに高い目標があるのは無いよりは良いですの!」


本気で言ってるのかと言う顔のアミリへ、彼は勿論だと言う。

―――その上で、ランク関係なしに勝ち上がるのだと。


 当の本人が一番酷ドベいの理由を言うも、アーティナは気には留めず、楽しそう言うと。

高い目標を持つことは良いと言う。


「もう大丈夫だぞ! 前とは違うから」


「そ、それなら私も手伝ってあげても良いわよ。優勝するためのね」


「私もしてみたいです。優勝を!」


「仕様が無いね。私も手伝うね。優勝するの」


彼の発言を聞いたアミリは、それうを信じて手伝うと言い。

思いを伝えたミューフィと、仕様が無いと諦めて出すカナミ。

最後のサラはと言うと、「ウチも良いよー」と賛成していたのだが―――


「でもその前に、サラは猛特訓をしないといけません」


「げえ~。一寸位優しくしてよー」


「そんな事では優勝できません」


「俺らも手伝ってやるぞ! サラの猛特訓‼」


「に、逃げられないわよ」


「終わってからは、摸擬戦しようね!」


斯うしてサラの猛特訓と、自分たちが強くなるための摸擬戦が決まり。


「このイベントのお陰で授業が無くて助かるですの」


「それ分かるよー」


「お前ら二人は、授業中どうせ寝てるだろうから、良かったな」


学園選抜バトルや特訓の為、授業がは一切ない。

 それを良い事に、何時も授業中に寝ている組のアーティナとサラが、途轍(とてつもなく楽しそうだ。


―――それを知っていてか、ヒョウガが二人に良かったなと口に出す。


「そろそろルームナンバーが全て書かれた票が張り出される頃だぞ!」


「そ、そうよね」


 ソファーから立ち上がったヒョウガは、隣に座っていたアミリ。その隣に座るサラ。ヒョウガの斜め右に立っていたカナミ。斜め左に立っていたアーティナ。その隣に立っていたミューフィに掲示板を観に行こうと誘う。


勿論のことアミリは賛成して、他の子達も賛成のようだ。

と言うことで、全員で掲示板を観に行く。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


―――掲示板は学生寮一階のエレベーター横にある。


そこへと、ヒョウガ達はやって来た。


既に何人もの生徒が先に来ていたらしく。


「先生、320号室と戦います」


「私達と戦うって!? 良いよ! 別に」


「決まりの様だな。じゃあ、ここに書いて()くからな」


何処かのルームメイトの人が、知り合いらしく少女に対決を申し込む。

それを受け付けた少女が、即答で了解すると。

 先生が決定と言う事で、ルームナンバー票の部屋の所を線で結んで決まりであることを知られた。


「おやおや、誰かと思えばアリマ・ヒョウガでないかださ」


「ん……!? 誰だ、お前は?」


 部屋番号ルームナンバーを見ていたヒョウガに、見知らぬ男がまじまじと顔を近づけて来ると。

声を掛けてきて男に、ヒョウガは言葉を返すと。


 「(おら)のことだろうださな。ルゼイン・ディブ。同じ二年生だ。己のルームメイトと勝負ださ! どうせ己達が勝つだろうけどださ」


その男―――ルゼインは宣戦布告をしてきた。

それをヒョウガは、すんなりと受け取る。


「ああ、良いぞ! ディブはランク何だ?」


 「己のランクだ? 勿論教えてやるださ! Bだ。そしてルームメイトナンバーは、448号室ださ」


「では、ルゼイン君がいる448号室と、アリマ君がいる450号室での対決決定ですね」


 ランクを聞かれたルゼインは、真摯に答えてくれて。

 それを聞いていた先生が、決定と言うことで票の二人のルームナンバーの所に線を引き―――これにて決定した。


「ねえ、ヒョウガ。挑発に乗っちゃっていいの?」


「そ、そうよ。初っ端から負けるとか洒落にならないわよ」


「そうですの。勝つ見込みでもあるんですの?」


「ヒョウガ先輩。決まってしまったのは仕方有りません。頑張りましょう」


「ウチは危険だと思うよー」


カナミ、アミリ、アーティナ、サラが途轍もなくヤバそうな顔をする。

が―――ミューフィは前向きの姿勢なのだから。


「四人共、ミューフィを見習え! 俺達は、優勝を目指してるんだぞ!」


「そ、そうだったわね。相手のメンバーを見るわよ」


 俺はルゼインのチームを観察する。俺から見ても大きい大男。バッチからして三年生か。ランクは、Bランクかだぞ! 他にも、小柄な奴がいるぞ! バッチからして一年生だな。ランクはCだぞ!


と、ヒョウガが男性陣を見てそう思い。


 じょ、女性陣は、痛々しげなゴスロリ衣装を着ている少女。学年は一年生。ランクは、Cランクね。あの眼鏡をかけた子、大人しそうよ。学年は二年生ね。この人の方が先輩ね。ランクはB。最後のあの子、とても眠そうね。大丈夫なの? 学年は二年。てことは、私より先輩よね。ランクはBなのね。


と、アミリが女性陣を見てそう思う。


 「フハハハハハ。愚かな相手チームの様だ! 我はCランクと言うランクではあるがそれは偽りだ! (フォース)を目覚めさせずに戦ってるからCランクだ。力が覚醒すれば、Aランク位は有るのだ。それに全てを闇に包み込むだけの力があるんだ」


「俺の苦手なタイプだ! こいつ」


「・・・・」


「これは一勝貰っただべえ」


「はああ~。もう駄目眠気の限界が来たかも」


「では、五日後の午前十時です。場所は競技場です。もういいです。帰ってください」


―――厨二病発言する少女を、彼は苦手タイプだとぼそりと言う。


赤い眼鏡をかけた大人しい少女は、何一つ喋らない。

小柄で、喋り方が(なま)っている青年は、強気のご様子。

とても眠たそうな少女は、限界が来たと言ってウトウトし始また。


なので先生は、早々と日時と場所を伝え終わってから。


「我は魔力の使い過ぎで疲れた。帰る」


「魔力なんてないだろ! テナ。まあ、長用する意味が無いから帰るのには賛成だ」


「己も帰るださ!」


ヒョウガよりも大きい男が、テナと呼ばれたゴスロリ服の少女の肩を叩く。

そこで魔力など無いだろうと、現実を突きつけたが、帰ることには賛成らしい。


――ルゼインが遅れて戻って行くぞ!


とヒョウガは、ルゼインの動きを心の中で言う。


「―――何か、凄い人達だね」


 「そ、そうね。特に印象的だったのは、あのゴスロリの子よ! あんな子いたのね。気付かなかったわよ!」


「まあ、油断出来ない相手だぞ!」


―――ヒョ、ヒョウガ先輩の言う通りね。ああ見えて強いかもしれないわよ。


と、彼の横顔を見たアミリは、相手の事を思い直すことにして。


ルゼイン達を見たカナミが、素直な感想を言う。

アミリは、厨二病の少女が一番印象に残ったと言った。


―――それを見たヒョウガは、油断してると思い嘗めたら駄目だと注意する。


そして部屋に戻って行く。


450号室のリビング。


「んじゃあ、先ず予定を決めるぞ!」


「そ、そうね。スケジュールタップリが良いわよ!」


「んや、タップリすぎるのは良くないぞ! まあ、少なすぎるのも良くないがだぞ!」


特訓のスケジュールを、全員が集まってから話し始めた。


 ぎっしりとした方が良い言うアミリに、そこまではしないと言ったヒョウガだが、ただ手抜きもしないと言う。


「スケジュールはこうだぞ! 午前二時間。午後二時間の合計四時間だぞ!」


「そんな短時間で良いですの?」


「ああ、勿論だ! 四時間を有効に使えば大丈夫だ!」


―――これ位あれば勝てるぞ!


と、彼は勿論と言い、有効に使えば勝てると言う。


―――ヒョ、ヒョウガ先輩が言うなら間違いないわね!


と、アミリは、ヒョウガに対して絶対的信頼得ているらしく。


スケジュールを伝えた彼に、アーティナが良いのかと聞いて来た。

―――それに対して、有効活用すれば大丈夫だと示唆する。


「んじゃあ、早速特訓始めに行くぞ!」


「勿論私は良いよ」


「アタシもですの」


「ウチも良いよー。だって早く強くなりたいから」



「そんな早く強くはなれません」


――み、皆賛成みたいね!


と、アミリは皆の様子を見て思う。


てなわけで、六人全員で外に出た。


―――先ず向かったのは競技場だ。


ごちゃごちゃ。ガシガシ。バシッバシッ。バンバン。


何所かのチームが、彼方此方で特訓を繰り広げていた為、使えそうにない。


それなので、バトル施設の方に向かって行く。

そして―――着くと直ぐに、特訓を開始する。


「武装展開!」


そう叫んで、武器を展開して準備完了。


「んじゃあ、先ずはサラの特訓からだするぞ! アーティナは攻撃を任せるぞ!」


「でも大丈夫ですの?」


「ああ、俺が保証するぞ! サラは腕に力を集中させれんだ! 分かったな」


「うん。分かったよー」


先ず最初にサラの特訓をするので、アーティナに攻撃役を頼む。

ヒョウガの指示に従い、サラは腕に力を集中させ―――。


「行くですの! 

    武装魔術<光焔斬フレーニンングブレークり>!」


眩い光と燃え上がる炎が、突如として現れた。

眩い光と燃え上がる炎は、お互いに交差して合わさる。

そして光焔は、サラへと斬りかかろうとするのだが。

透かさずサラは、右腕を前に出して力を集中させて。


―――すると、薄っすらとバリアが出たは良いのだけど。


「やっぱり駄目だよー」


攻撃を食らうと、淡白あっさりとバリアが消えてしまう。


「ん~ん。まだまだだな!」


「分かったよー。もう一回やるよー」


—――俺にまだまだと言われて、サラはもう一回とやる気を見せるぞ!


「分かったですの!」


「そう来なくっちゃだよー」


良いと答えるアーティナへ、サラがそう言う。


「また行くですの! 

    武装魔術<雷光一剣ライトニングバース>‼」


一度元の居た位置に戻り、直ぐまた一瞬にしてサラのゼロ距離に出現して。


突如にして刹那。

虚空から稲妻を出現させて、魔剣に向って降り注がす。

そして雷光を、サラに向って斬りかかろうとした。

透かさずサラは、もう一度腕に力を集中させるが―――


「グああ~。未だ、未だだよー」


創り出されたバリアは、薄っぺらく微か過ぎる為に、腕を中心に稲妻を食らい。


それからも、何度も何度もサラは攻撃される。


「もう一度行くですの! 

       武装魔術<水竜斬り>!」


―――此方へとやって来た水竜へ、もう一度腕に力を集中させるが、淡白と破られてしまう。


「ぐおおおお~」


もう一度アーティナが攻撃をするが駄目で。


その次も、又その次も、更にまた次も、攻撃を防ぎきれずに食らってしまうのだ。


「そろそろヤバそうですの! 止めにするですの!」


「まだ……まだ大丈夫だよー」


―――体や腕がボロボロで、文字通り危険に瀕し始めているではないか。

可成りの傷を負ってるが、彼女はまだやると言い張るから。


ヒョウガ、カナミ、アミリ、ミューフィは唯々見ているだけ。


―――か、体がボロボロね。本当にまだやるつもり?


と、サラの在り様を見て、アミリはそう思う。


「これで終わりですの!

      武装魔術<光魔一剣シャイニングバース>!」


眩い光が突如照らし付けられた。

それを直視した彼女は、当然ながら目をさせられてしまう。

その隙にアーティナが、光魔剣でサラに斬撃を食らわそうとした。その時―――


「止めてみせるよー。今度こそ絶対だよー。守護魔甲!」


自らの腕に力を込めたサラは、魔法の盾を創り出す。

これこそがサラの武器―――異能だ。


光魔で斬りかかる寸前に、魔甲で(ね返す。


 そしてアーティナへと、予想外な攻撃が撥ね返って戻って来た為、避けられるはずがない。


「ぐおおおぁ~。サラ、出来たですの!」


「良くやったぞ! サラ」


「おお、出来たよー」


攻撃を食らったアーティナは、そんなのお構いなとサラを褒め。


同じくヒョウガも、サラを褒める。本人も驚いた―――が嬉しそうだ。

 他の子達も、「凄いね! サラちゃん」とカナミが、「や、やっとできたわね。おめでとうよ!」とアミリが、「遂に出来ましたね。よく頑張りました」とミューフィ、其々が思い思いの事を言って称えられて。


―――その頃。バトル施設二階の出入り口。


 「我が態々(わざわざ)偵察に来たのだ。ジャンケンと言う忌まわしいものの所為だ。魔力を使って負ける筈がない」


訳アリでテナは、ヒョウガ達の訓練の偵察に来ていた。

ジャンケンで負けたことが、ここに少女が来る羽目になった原因だから。

―――言い訳を言っても、どうしようもない。


 「フハハハハハ。二人以外、本番のための儀式見ているだけか! ん~? 何、確かあれは、アキラ・サラ。異能をロクに扱えないはずだが。あんなこと出来るようになっていたとは!?」


サラの守護魔甲を目撃したテナは、甘く見ていたと悔いる。


そこへ、カナミがやって来た。


「やっぱそうだ! 先の子だ! 恰好からして。こんな所で何してるのかな? 一人で」


「な……見つかっただと!? 我一人で儀式の準備をだな」


「どうせ偵察だぞ!」


見付ってしまた少女は、信憑性の欠ける嘘を言い出す。

―――その嘘を、後からやって来たヒョウガが、簡単に見破られてしまう。


そして、本当の目的を彼の口から言い放つ。


「グハハハハハ。バレたなら仕方ない。我は偵察に来たのだ!」


発覚バレたことなので、自らテナは目的を告白する。


「んで、どうするんだ。最後まで見て行くか?」


「そうだな。我が見てやる。後で後悔することになるだろうけどな! お前らが」


―――強気なテナが観戦すると言うので、俺とカナミは戻って行く。


「んじゃあ、三対三で摸擬戦するぞ!」


ヒョウガが、摸擬戦を始めようと言った。


「始めるぞ!」


「良いですの!」


「良いよー」


彼の開幕の言葉に、アーティナとサラの二人が、返事を返す。


―――今回の組み合わせはは、ヒョウガ、アーティナ、サラとカナミ、アミリ、ミューフィの二チーム。


「サラ、守護頑張るんだぞ! アーティナ行くぞ!」


「分かったよー」


「勿論ですの」


先制攻撃を仕掛けようと言う彼に、二人は了承する。


「攻めて来るみたいね」


「き、気をつけるわよ」


「準備を完了させましょう」


―――カナミ達の方は、守りの体制を取る。


先ず最初に、アミリの三、四メートルの所にアーティナが魔剣を構えており。


それに遅れて気付いたミューフィは、出遅れてしまう。


「行くですの! 

   武装魔術<聖光魔斬り>!」


覆うような光が、アーティナの周りを包み込む。

聖なる光は、剣の方にも達していた。

そして光り輝く魔剣が、アミリに斬りかかろうとしたのだが―――

短時間で想像していたカナミが、攻撃を食い止める。


「武装想像<七本の神剣>! 危なかったね」


カナミが想像したのは、神に供える剣だ。


斬りかかろうとした聖光が、神剣に吹き飛ばされてしまい。


そして距離を取ったアミリは、七本の神剣を勿論ながら回避する。

そしてその神剣が、宙を舞ってアーティナへと飛んで行き―――。


「ぐああぁ~。げホげホ。中々やるですの」


避ける術もない彼女は、其の儘七本の神剣を真っ正面から食らう。


「サラ、行きます。催鳥魔術<燕返し(クイバースカット)>」


ミューフィは、魔笛を吹いて(ツバメ)を出現させて、サラに向けて燕返しをさせた。


―――それと同時に、サラも自身の腕に力を込めて異能を発動する。


「守護魔甲!」


サラの腕を魔甲に変えて、燕返しを文字通り返してきた。


「ひゃああ~。強くなりましたね」


返って来た攻撃を諸に食らい、バタン、とミューフィはその場に倒れ込む。


成長したサラを、体全体で感じたと言うことか。


「こ、これでも食らいなさい! 

       武装魔銃術<氷炎(フレームアイス・ブレット)の弾>‼」


アミリは銃口をヒョウガに向け、引き金を引く。


バンバン。


アミリが放ったのは、氷と炎がそれぞれ交互に交じり合った弾だ。

そしてその弾は、彼の居る所へと飛んで行く。


―――ヒョウガはこの状況で笑っている。


二つの刀剣を構え、アミリが放った一ミリもズレないで飛んできたそれを弾き飛ばす。


「中々良い弾だぞ! アミリ。でも威力がもう少しないと駄目だぞ!」


「お、思った以上に強うわね!」


「んじゃあ、俺も行くぞ! 

    武装二刀剣奥義<風神天斬り>‼」


突如天空に風神が出現。

二つの刀剣で斬る仕草をした彼の合図に、風神が強い風と風の猛刃を降り注がす。

これによりアミリは、降り注ごうとしていたから。


「そ、そうはさせないわよ。武装魔銃術<火炎の弾>!」


透かさずアミリは、銃口を構え直して、火炎の弾を放つ。


風神の強い風に、風の猛刃と火炎の弾がぶつかり合う。


 ―――だが、淡白とアミリの火炎の弾が敗れて、アミリの方へと強い風と、風の猛刃が降り注ぐ。


「ぐおおおぁ~。で、でも嫌な気分じゃないわよ!」


―――こ、こういうのも案外いいわね。


と、アミリは最後に思った。


その頃、ヒョウガ達の摸擬戦を観戦していたテナは。


 「我の漆黒の眼が可笑しいだけか。グハハハハハ。まあ、そんな訳無いか。なら現実だと言うのか。このままでは、戦儀で敗れてしまうようだ! 愚かなチームだと思っていたらここまでの実力を持っているチームか!? 本番の為の儀式を可也行わなくてはな」


―――テナがそう思うのも無理が無い。

油断していた相手が、油断できない相手だと分かったから。

これこそ油断大敵と言うことだ。


今のままでは勝てないと踏んだテナは、猛特訓をしようと思って部屋へと戻って行く。


それは良いとして、摸擬戦の方は終了。勝者はヒョウガ達のチーム。


「今日はここまでだぞ!」


「凄く疲れたね!」


「ホ、本当ね。凄く疲れたわよ」


「アタシもですの」


「ワタシもです」


「ウチも-」


皆凄い汗を流している。それに可成り体力を消耗が激しい。


今皆がいるのは―――バトル施設の出口。

今から部屋へ戻ろうとしているところだ。

既に人影などは見かけることが無い。


そして外に出ると、陽が沈んでいて辺りはすっかり真っ暗になっていた。


六人は、慣れた足取りで学生寮へと向かい、エレベーターで四階まで上って部屋へと戻る。


―――ガチャッ、とドアを開けると、先ず部屋の電気を付けた。

そして、部屋の中へと入って行く。


「ん……!? もうこんな時間だぞ!」


ヒョウガが時計を見ると、時刻は十九時を指していた。


「お風呂のスイッチ入れるですの」


そう言ってアーティナはお風呂のスイッチを入れる。


「晩御飯弁当で良いか?」


そう、ヒョウガが尋ねて来ると、


 「私は其れで良いよ」 「わ、私は別に良いわよ! それで」 「アタシもですの」 「ワタシも構いません」 「ウチも良いよー」 と全員が賛成のよう。


「んじゃあ、買って来るから何が食いたいか言うんだぞ!」


「私は竜の唐揚げが食べたい」


「わ、私は炒飯で良いわよ!」


「アタシは麻婆豆腐で良いですの」


「ワタシは豚カツ丼が食べたいです」


「ウチは、焼き肉弁当が食べたーい」


時間が時間なので、彼は全員に食べたいものを聞き出す。


 するとカナミは、竜の唐揚げを、アミリは炒飯を。アーティナは、麻婆豆腐。ミューフィは、豚カツ丼。サラは、焼き肉弁当をそれぞれ注文を頼む。


「じゃあ、行ってくるぞ!」


「行ってらっしゃいですの」


ヒョウガはそう言って玄関を出て行く。


待つこと十何分か。 ヒョウガが部屋へと戻ってきた。


ヒョウガは買ってきたそれを机に置いて、袋から出す。


「んじゃあ、食うぞ!」


ヒョウガの声を聞いて、自分の頼んだものを自分の前に置く。


「「頂きます!」」


「い、戴くわよ」


「戴くですの」


「戴くよー」


皆が戴きますの挨拶をする。そして食べ始めた。


パクッ、


「ん~ん。この竜の唐揚げ美味しい」


「この麻婆豆腐も美味しいですの」


カナミが言うと、アーティナも美味しいと伝える。


「わ、私の海老炒飯は普通に美味しいわよ」


パクッ、


「ん~ん。美味い。俺の親子丼も。偶には弁当もいいかもだぞ!」


「それは解ります。この豚カツ弁当とても美味しいです」


「ウチも偶にはいいかもー」


コンビニ弁当も悪くない。

そう言った彼に、ミューフィとサラは賛成のようで。


お弁当ってことあって、あっという間に食べ終わってしまう。


その後ご馳走様をすると、既に沸いているお風呂に一人ずつ入りに行く。


前の様なハプニングは起こらずに済む。


そして、歯磨きを皆しに行って、綺麗に歯を磨き終えると、寝室に向かって行って横になる。

それで、其の儘眠りに就く。


二日目、三日目、特訓は続く。


「もう一回行くぞ!」


「何時でも良いですの!」


「武装二刀剣奥義・・・・」


「前より遅くなったですの。

      武装魔術<氷刃魔斬り>!」


そして本番前日の最後の特訓。この日は、ヒョウガと一対一で戦う練習だ。


アーティナは、順番選びの結果最後になり。


アーティナは、ヒョウガの前に瞬間移動して、ヒョウガが技を発動する前に動く。


 アーティナが発動したのは、魔法で創り出した氷に魔力を注ぎ込んで、ヒョウガに向けてそれを振り下ろす。が、しかし、


「残念だったぞ! 能力<鎌鼬(かまいたち)>!」


振り下ろしてきた氷の魔法の刃を、鎌鼬で切裂いて消し去ってしまい。


「これで決めるぞ! 

   武装二刀剣奥義<風神天斬り>だぞ!」


突如天空に風神が出現。

二つの刀剣で斬る仕草をした彼の合図に、風神が強い風と風の猛刃を降り注がす。

抵抗虚しくアーティナは、其の儘大ダメージを食らう。


「ぐはああぁ~。やっぱりアタシでも勝てないですの!」


 「ん……!? まあ、あの相手チームなら多分行けるぞ! それより部屋に戻って、明日の作戦会議するぞ!」


自分でも、勝てないと改めて知ったアーティナだが、ヒョウガは多分勝てると言う。

そして部屋に戻ろうと言って、他の五人も続いてバトル施設をでる。


450号室。ヒョウガ達の部屋。


六人揃ってテーブルに着いて、作戦会議を始めようとした。


「んじゃあ、先ずはどういう体制で行くかだぞ!」


「二、二、二で分かれてやるのはどう?」


「まあ、其れが無難だぞ!まあ賛成だぞ!後、最後は、ひそひそ」


ヒョウガが大勢を皆に聞くと、カナミがアイデアを出す。


そのアイデアに、ヒョウガも良いと賛成する。


   他の子達は、「わ、私は良いわよ。それで!」とアミリが、「アタシも良いですの」とアーティナ。「ワタシも賛成です」とミューフィ。「ウチも良いよー」とサラが其々賛成と言う。


そしてヒョウガは、最後に使う作戦を五人の耳元で囁く。


「そ、それで良いわよ。私は」


「私も良いよ。最後はそれで決めるんだよね」


「アタシもですの。その作戦」


後の二人に聞くも、了解だと帰って来た。


「んじゃあ、決まりだぞ!」


斯うして作戦会議が終わって、更に試合前日も終わりを告げた―――。




次回は、いよいよ始まる学園選抜バトル1回戦。


とても眠そうな少女の実力が明かされますよ!


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