11話 夏休みがずっと続けばな!
予想外のハプニングと、お花見に連れてかれた所為で遅くなりました。遅くなって済みません。
今回は、夏休みネタお決まりのアレです。
夏休み最終日。
それは、ある特定の学生達にとっては、地獄の様な日。
何故地獄の日かと言うと、夏休みの宿題を忘れていた者達。やるやる言っていて、気付けば最終日になっていた者達にとって、最後の最後に、追い込まれて泣き叫び、現実逃避をも許されないからだ。そいつらが取る最後の手段は、友達や親に手伝わせると言うせこいが已む負えない方法である。
そして、ここにも一人、宿題の事を忘れていた人がいた。
ある少女の家。
「夏休みももう終わりかー。そう言えば、大事なことを忘れてるような・・・・・・何だこれ?」
サラが机の上の片付けてると、何かを発見。
頁を捲って見よー。ペラペラ。ペラペラ。げッ、忘れたよー。夏休みの宿題だこれ-。
サラが頁を捲ってる内に、段々その正体を知ることになり、顔が青褪め始める。
―――また今年もしちゃったー。今年こそは早めにやっておくって言ってたのにー。今年も此の侭じゃ間に合わないよー。どうしよーかなー。そうだ、あそこに行こー
自分で夏休みの目標を決めたのは良いが、気付くと守れずに忘れていたことを自分で攻め始め。
そうしてると、ある幼馴染みの少女を思い出して、家に向う為に準備を開始する。
準備と言っても、夏休みの宿題と筆記用具も鞄に入れるだけ。
リュックを背負うと、外に出る。
向かった先は、サラの家から、直線で五分ほど歩いた所にある一軒家。ミューフィの家。
ピーンポン、ピンポン。チャイムを鳴らすが、応答が返ってこない。
「留守か~。仕方ないなー。あそこ行こう」
―――折角ミューフィに、答えを聞こうと思ってたんだけどなー。何処行ったのかなー。
多分ではあるが、ミューフィは自分の力で頑張ってやれと言う感じで、何処かに消えたのだろう。
サラは、思い出したように先輩の家に向い。
こちらの家にも、宿題に追い込まれる少女がいた。
「た、楽しかったわね。夏休み! 良い思い出作りが出来たし。遣り残したことも無いわよね。宿題が少なかったけど」
夏休みの思い出を一つ一つ思い返して言う。
やけに宿題が少なかったのは気掛りだが。
何と無く、学校の鞄からクリアファイルを出す。
入っていた物を出すことで、恐ろしい事に気付かされる。それは、
―――こ、これってまさか⁉ 何時貰ったやつよ? それもこんなに、だから少なかったわねよね。
大量のプリントを見つけ、遣り貸したと自分の馬鹿さを知る羽目に。
―――こ、こんな量を一人で一日で終わらせれる訳無いわよ。私が悪いのは解ってるわよ。でも、仕様がないからあそこに助けて貰うわよ。
アミリは、救援を求めて、プリントと筆記用具を持って家を出る。
向かって行った先は、アーティナの家だ。
ピンポーン!
『はい、どちら様ですか』
「ア、アーティナさんの友達のアミリだけど、居るのかしら?」
『申し訳ございませんが。アーティナお嬢様は、昨夜から風邪で体調を崩しておりますので、会える状態ではございません』
「わ、分かったわよ。早く元気になってよねって伝えておいてよね!」
アミリが、アーティナに伝えて於いてと言うと、分かりましたと言う。
―――そ、それじゃあ、もうあそこに行くわよ。
アミリが心の中でそう呟く。
そして、サラと同じように、ヒョウガの家に向う。
ヒョウガの家の近くを、サラが歩いてると別の道からアミリがやって来た。
「あ~アミリだ! もしかして、宿題やって無かったのかー」
「そ、そんな訳無いわよ。これは…そう、買い物よ」
「買い物⁉ でもアミリの家の直ぐ近くにスーパーがあるじゃんか。それに、あそこ品揃えが抜群だし。ホントは?」
アミリの思い付いた噓を、噓と見抜いて本当のことを聞き出そうとする。
「わ、分かったわよ。別にサラと違って、全部じゃなくてプリントの方が残ってるだけよ」
「プリンとってかなりの奴だよー」
「し、知ってるわよ、そんなこと! 特別に手伝わせようと思ってたのよ」
ムキになって言うアミリに、サラはヤバいだろうと、自分も同じであるが言う。
それに対して、アミリが手伝わせると言い切る。
「じゃあ、急ぐよー」
「ま、待ちなさいよ!」
聞く耳も傾けないサラは、先にヒョウガの家に向う。
「しょ、仕様がないわね、サラは」
そう呟くと、サラを追ってヒョウガの家の方に向った。
一方ヒョウガはと言うと、
「今日で夏休みも終わりだぞ! 今年は去年までと違って楽しめたぞ。疲れもしたけどだぞ!」
「そうね。母さんも今日で休み終わりよ。楽しそうでよかったわ。明日から頑張りなさいよ。また! で、今日はこれから何する?」
ヒョウガが、今年の夏休みは今までと一味も、二味も違って楽しめた様子。
ヒョウガの母もそれを聞いて嬉しそうだった。
そしてこれからのことを聞こうと聞いた。まさにその時。
ピーンポーン。ピンポン。
「誰か来た見たいね」
「ん……⁉ じゃあ俺が出るぞ!」
チャイムが鳴って、ヒョウガが出て行く。
それにより、のんびりしようとしていた一日が終わりを迎え。
「そ、その・・・・・・・宿題はやっとのよ。やったけどプリントが沢山あったわよ」
「ウチは何もやって無かったよー」
「ああ、分かったぞ。サラは、何と無く予想は付いたが、アミリもだったんだな! さ、入れだぞ」
アミリとサラが来た理由を伝えると、サラは可能性敵になくも無かったが、アミリが来たのには驚く。
「お、お邪魔するわよ」
「お邪魔するよー」
「入らっしゃい。この日を選んできてると言う事は、夏休みの宿題ね」
ヒョウガが入って来ると、その後ろから、二人の姿が見えたので母が思う。
正解だ。
早速、リビングにある机の上に勉強用具を置いて、この日まで忘れていた宿題を始める。
「うん。やっぱ思ったけど、この量は一日で終わらないよー」
「そんなこと言われても、やって無かったのが悪いってなっちゃうんだぞ!」
「それなら、母さんも手伝ってあげるわ。そっちの方が早く終わるわ!」
サラがやろうとしたのは良いが、余りにも多いので諦めモードになる。ヒョウガが、頭を搔きむしって困り果ててるのを見て、胸を叩いて、母に任せろと言う。
「じゃあ、これ宜しくだよー」
「数学ね。母さん、数学は得意中の得意だったわ。パパッと終わられてあげる」
―――サラの方は母さんに任せなやいと言うから、俺は、アミリを教えるぞ!
「教える時間が無いから、俺も今回だけは手伝ってやるぞ!」
「あ、ありがとうよ。あ! 仕様が無いわね。任せるわよ」
教えることに時間をかけるのは、時間の浪費だけだからヒョウガも協力体制。
何十枚かを、ヒョウガはアミリのプリントの山からとる。
アミリは、素直に言いかけて気付いたように、何時もの口調に直して頼む。
黙り込んで取り組むこと数分が経つ。
「はい、一枚終わったわ、サラちゃん」
「速いよー」
サラが、ヒョウガの母が終わらすスピードのスピードの速さに、少しビビり気味。
ヒョウガの方は、二、三分かけて三、四枚のプリントを終わらす。
「ん……⁉ はい、アミリ。終わったぞ!」
「も、もう四枚も終わったの⁉早いわよ!」
吃驚した顔をするアミリがそう言った。
「う~~~ん。分かんないよー」
数分間考えた上、分からないとサラはやってたプリントを投げ出す。
サラがやったのは感じだ。
サラがやっていたのは漢字だ。
「何何。攻略の類義語ね。奪取よ。奪い取るって書いて」
「そうなんだー。分かったー」
ヒョウガの母が、真っ白な紙に書いて教えてくれる。
サラを見る限り、この類義語とか対義語の問題は他には大丈夫の様で。
「じゃあさー。この、彼はエンショウヲ食い止めたのエンショウは?」
「延びるって漢字に、焼けるよ。後、こっちの、妹は肩にエンショウを起こしたのエンショウは、炎に、症状の症よ」
サラが聞いてきたので、ヒョウガの母は優しく教えてくれた。
「サンカに入る のサンカは、傘に下よ」
「お~、分かったー」
プリントのカッコの方に書き込む。
アミリの方は、生物に取り組んでいた。
「か、回遊の問題ね。適温を求めて何的に回遊する何回遊って何よ一体。こっちは産卵回遊よね。産卵場所を求めて回遊するから」
「ああ、産卵回遊はあってるぞ。最初のカッコには、季節が入るぞ!」
「そ、そうよね。あってたわよ。次の所は、餌を求めて回遊する何よ? こっちの問題は解るわよ。回遊する魚類は、回遊魚よね!」
「ああ、最後のは当たってるぞ! 最初のカッコの正解は、策餌回遊だぞ!」
アミリが最近になって苦手になった生物を分からない所だけ聞いてみる。
勿論、ヒョウガは教えてくれるのだ。
「つ、次の問題はカロリーメーターよ。ここは少ないわね。二つだけよ。何かの熱量計の問題二つね。確か、直接と間接熱量計よね」
「ああ、そうだぞ」
アミリが答えを描き込むと、正解と頷いて言う。
「つ、次は寄生の問題よね。ある生物が他の生物の体内に付着すると、養分を摂取して生活すること⁉ そんなの活物寄生よ。カッコ多いわね。ヤドリギ・ママコナなどの、クロフィルをもって光合成を行うか、更に宿主から養分を取って生活する。それって、半寄生よね」
「ああ、そうだぞ!」
アミリが考えて答えを口で言うと、他の教科をやっていたヒョウガがあってるぞと言う。
「だ、だから、クロフィルを持たないのは全寄生よね。寄生動物には、宿主の体表に寄生する、外部寄生があるわね。なら、体内に寄生するのは、内部寄生ね。最後の所は、自由生活に必要な器官に、感覚器官。そして、消化器官が退化して、固着機関が発達して生殖方法が複雑化すると、産卵数が多くなる。広義に死物寄生も含まれてるので何になる?」
問題を呼んで、解けるとこを解いていくと、一か所だけわからない所があり。
そこで、隣から声が聞こえた。
「答えは腐生だぞ!」
「あ、ありがとうよ。教えてくれて」
「気にするなだぞ! だってまだ教えることがある気がするし」」
それだけ言うと、それ以上何も口にすることなく黙って残りのプリントをやる。
話しはサラの方に戻る。
―――むむ、何だー。唯美って何て読むんだー。
「こらは、ユイビって読むわ」
何故だかわからぬが、ヒョウガの母が教えてくれた。きっとサラが、困っているように見えたのだろう。
―――泡雪?あ、分かったー。泡雪がどこかに消えただー。こっちも簡単だー。彼はいつも誰かに脅かされている。は、おびやだなー。何だこれ?
「其れはね。窯業と読むのよ。序に、こっちの廃坑は、はいこうって読むのよ」
「分かったー。ありがとー」
他の箇所は全部埋まっていたので、ここを書いて漢字終了。
サラに、ヒョウガの母は、終わらせた生物のプリントを渡す。
サラは、次に古代文をやる。
古代文のプリントの数は三枚で、どれも簡単な物ばかり。
「終わったー」
スラスラとシャーペンを走らせて、あっと言う間に古代文のプリントを終わらせ。
「残りのプリントの、都市文化も終わったわ」
「有難うだよー。後は、雑誌の方だけだー」
「でも、その前に」
ヒョウガの母が、パンと手を叩いて動かしていた手を止めさす。
ヒョウガとアミリの手も同じように。
「お昼御飯にするわ!」
時計を見てみると、時刻は一時半を回っていた。
なのでヒョウガの母が、昼御飯にすると言ったから、四人でプリントとか筆記用具を床に置く。
ヒョウガは椅子から立ち上がって、冷蔵庫の方に向い、茸ハンバーグの入った皿を出して、電子レンジの中に放り込んで温める。他の南瓜サラダとかを机に乗せる。全部昨日の残り物。
待つこと何十秒。
ピッピッ。温めの終わる音がして、電子レンジから取り出す。
熱いので、急いで机の方にヒョウガが持って行く。
「熱いから気を付けろだぞ!」
「見、見ればわかるわよ」
茸のハンバーグに注意を払うヒョウガに、アミリは言う。
「ねえ、三人共。スープいる?」
「わ、私は飲むわよ」
「ウチもいるー」
「俺もだぞ!」
「じゃあ、全員だわ」
なので、火を沸かいてスープの素を四つ用意した。
スープの味は、マッシュルーム。
火が沸いたので、スープ用の容器に入れた。それを机に運ぶ。
「それじゃあ戴くわ」
「ああ、戴くぞ!」
「い、戴くわよ」
「戴くよー」
席に全員が着くと、食べるときの挨拶をして食べ始めた。
ヒョウガの母はとヒョウガはスープに舌包を打つ。アミリはご飯を、サラは、南瓜サラダの南瓜のみを口に頬張る。
「ゴっくん、・・・・・・・ん~ん。インスタントだけど美味しいわ」
「ゴクッ、ゴクッ。ん~ん。おお、確かに美味いぞ!」
ヒョウガの母が大袈裟に口を押されて言うと、ヒョウガも確かにと言う。
「こ、このご飯、普通に美味しいわよ」
「この南瓜美味しいよー」
「野菜も食べてね。美味しいわ」
アミリが普通に米を美味しいと評価して、サラが南瓜が美味しいと評価する。
野菜も食べてと、ヒョウガの母がさらに言う。
「パクッ……ん~ん。こ、このハンバーグ、ヒョウガ先輩に教えて貰った味とは違うわよ」
「分かる⁉これワタシが作ったわ」
「お、美味しいわよ。この茸のハンバーグ!」
「ホントだー。美味いよー」
アミリが食べた味が、教えて居らった味と違う事に気付いて、ヒョウガの母が嬉しそうに言うのだ。
アミリとサラは、食べた感想を素直に言う。
「お口にあってよかったわ」
「まあ、其れもその筈だぞ!だって母さんが料理を教えてくれたんだから」
そのヒョウガの言葉を聞いて二人とも納得しそれを聞きながらスープを啜る。
そして次に食べたのはサラダだ。
「こ、この南瓜のサラダも美味しいわよ」
「パクッ……野菜の方も美味しいよー」
(アミリとサラの評価を聞いて、母さんが満面の笑みだぞ!)
と、ヒョウガは、母を横目で見てそう思うのであった。
「ス、スープが未だ一口残っていたわよ」」
「ウチは半分も残ってるよー」
「ゴクッ、ん~ん。一滴だけど美味しいわよ」
最後に、アミリはお茶碗に残っているご飯を食べる。
「パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。な、無くなったわね」
コメが付いて無く綺麗に食べた。
「パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。ウチも無くなったよー」
サラもご飯粒が一つも横らずに間食。
既に他の皿は、全部空になっている。その皿を四人で手分けして、手洗い場へと運んでいく。
「洗物は任せておいて! ヒョウガは机拭いて!」
ざあざあ、ゴシゴシ。ざあざあ。ゴシゴシ。ざあざあ、ゴシゴシ。ざあざあ、ゴシゴシ。ざあざあ、ゴシゴシ。ざあざあ、ゴシゴシ。
洗って置いてを、何度も何度も繰り返し続け。
ヒョウガの方も、机を台拭きでゴシゴシと綺麗に拭く。
そして、全てが片付くと、机の上に宿題と筆記用具を置いた。
「じゃあ続きするわ」
「そうだよー」
「ああ、アミリのプリントは後少しだぞ!」
「そ、そうよ。後七枚」
母の一声で、夏休みの宿題を続行する。
やっとアミリのプリントが、七枚まで減った。
それに比べて、サラは雑誌全頁が残っている。
アミリのプリントの方は、
「か、家庭科をやるわよ。これはさっと終わりそうね」
「ああ、そうだぞ」
アミリが問題を見て、さっと終わる程の簡単な問題だった。ヒョウガも否定せずに肯定した。
(ちょ、調理する時の食材の切り方の問題が有るわよ!丸一のイラストは、食材に対して斜めに寝かして削ぐ様に切る切り方ね。銀杏切りよ。分け方は、、半月でも大きい場合よ)
アミリはそう思い浮かべながら、シャーペンでカッコに書く。
(こ、こっちは、賽の目切りよ。切り方は、サイコロのように立方体に切るよ。これは、乱切りよ。細長い食材を回しながら切るやつね。最後の所は、笹垣ね。笹野は見たいに薄くて細く削った奴だからよ)
一枚目のプリントはもう終わった。
二枚目のプリントで、料理のレシピ問題と作り方問題を次にやる。
ビーフストロガノフのレシピの所にカッコが五個、がる。
(ぎゅ、牛肉にカッコに、胡椒、薄力粉、カッコに二つ、玉葱、マッシュルーム。それに、バター、トマトベースト、カッコ、薄力粉、食塩に、カッコね)
アミリは心の中で問題を読んでから答えた。
(さ、最初のカッコは、食塩ね。次のカッコは、パプリカとサラダ油。後の二つは、ブイヨンとサワークリームね)
そうやって頭の中で答えてから、実際に答えを記入。
その後、下の問題を読む。
(な、何々、ビーフストロガノフの作り方の順に並べなさいって書いてあるわね。先ず、野菜を準備して、次にお肉を準備するわよ。その後、野菜を炒めて煮るわよ。それが終わってから、お肉を炒めて煮るのよ。で、最後に盛り付けて完成よ)
その順番に並び替えた。
これで二枚目を終了。
後五枚で、次にやるのは家庭科三だ。これで家庭科は最後になる。
『 被服気候は何か?伸縮性素材は何に使われているか?皮膚障害は何により起きているか?組成表示性能表示、洗濯などの名に表示?』
ここはスラスラとかけた。
下の方は、繊維には、天然繊維と何?(ニ)には、反合成繊維、合成繊維と何に分けられる?と書かれてある。
一番下の方には、洗濯方法と洗剤と言う問題がある。
『 内容は、ランドリーと勇気洗剤で洗う何?家庭洗濯は何?洗濯用洗剤は何の種類と配合剤によって、石鹸、合成洗剤に分けられるのカッコは何?洗剤には各種の何が配合されているか。酵素、増白の為の何などがあるか』と書かれてある。
「どうだ、アミリ。分かるか?」
「わ、分かるに決まってるでしょ」
(か、乾式洗濯よね。次は、湿式洗濯。三つ目は、界面活性剤よね。四つ目は、助剤よ。最後は、蛍光剤よ)
あっと言う間に答えを記入していく。
次の問いは、界面活性剤の働き方の確かめ順だ。
選択肢は、分散作用、浸透作用、再付着防止作用、乳化作用とヒントがある。
(さ、最初は、浸透作用ね。次は、乳化作用。三つ目は、分散作用よ。最後は、再付着防止作用ね)
このプリントの最後の問題」の被服の構成と製作工程に取り掛かる。
『問題の所は、直線的に裁断した布を縫い合わせて作る物を何の被服と言う?二、体の形に合わせて立体的に組み立てられたものは、何の被服と言うか?手作りの場合の流れ通りに並べる』と書いてある。
(こ、これも簡単ね。一は、平面構成よ。二つ目は、立体構成。手作りの流れは、デザインの決定。採寸型紙の作成。布用具の準備。裁断しるし付け、仮縫い。補正、本縫いで、最後に仕上げよ)
アミリは、答えの所にそう書く。
サラの方はと言うと、
「遂にここまで来たよー」
サラは、ヒョウガの母に教えて貰いながら、後少しと言う所まで来た。
次は、数学の所だ。
二人共ラストスパートだ。
シャーペンを走らせてスラスラと答えを記入していく。
「ど、どうよ!どこか間違ってる?」
「んや、間違って無いぞ!正解してるぞ」
「ホ、本当。良かったわよ!」
(俺がアミリを見ていると、目の前に終わったプリントを見せて来たぞ! 正解かどうか確認してやったら、全問正解だったぞ!)
と、ヒョウガは、アミリのプリントと、本人を見て思った。
次のプリントも、少し考え込む仕草を見せたが、何十分かかけて、終わらせた。
三枚目は、悩むほどの問題ではなく、スラスラと終わられたのだ。
遂に、アミリのプリントは残り一枚になったのである。其のプリントは、美術である。
「わ、私に絵を描けっていう訳⁉ 無理に決まってるわよ」
「俺は好きだぞ! アミリの独創的な絵‼」
「そ、それ、喧嘩売ってるわよね其れ」
最後が選りによって、アミリの苦手である科目なので不機嫌になる。
それを見て、ヒョウガはいい意味で言ったつもりではあるが、アミリは悪い意味で捉えてしまう。
「ま、正直言ってこういうのは思った通りで良いと思うぞ。大事なのは気持ちがこもってるかどうだと思うぞ! 何でも気持ちがこもって無いと意味が無いからな」
「わ、分かったわよ! やって見るわね」
ヒョウガにとっての思いを伝えると、挑戦することに。
お題は花である。そして、アミリが選んだのは、向日葵だ。
(う~ん。や、やっぱ無理な気がするわよ。でも頑張るわよ。ヒョウガ先輩がああやって言って応援してくれたんだから)
アミリは、好きな人の前で良い所を見せよと頑張ることに。
そして、アミリはシャーペンを走られて、時折消しゴムで消すこともあったも、自分にとっていい作品が出来たのであった。
「ど、どうよ。こう見えても頑張ったんだからね!」
「おお、上手いじゃないかだぞ! アミリの気持ちがこもってるぞ」
そう言って、ヒョウガはアミリの頭に手を置いて、ポンポンしてからの、髪の毛ぐしゃぐしゃをしてくるのだった。
「良くやったぞ!アミリ」
「う、嬉しいわよ。あ、ありがとう・・・・」
アミリは、胸がきゅんとなっていた。頬の方は真っ赤に染まっていた。
それで、肩を竦めて言い放つ。
サラとヒョウガのお母さんは、そこには居らず別の場所で佇む。
ヒョウガの母が、口を割って言う。
「ねえ、サラちゃん。私の勘だけど、アミリちゃんてヒョウガのことが好きだわ!」
「そうだよー」
母は思った。アミリが息子に好意を寄せてるのではないかと言う事を。
サラはその答えとして、頷いて言う。
「でも、ヒョウガは手強いわ! 私の夫と一緒で乙女心に鈍感だから」
「それ分かるー。そう言えば、ヒョウガ先輩のお父さんとは会って無いなー」
夫同様と太鼓判を打つほど、確信的に言う。
それが理解出来るところがあったサラは、共感していた。
そしてそれから、一度も姿を見せずにいた父のことを聞く。
「四年前に死んだわ」
「悪い事聞いたよー」
「良いわ。気にしないで」
「・・・・」
珍しくサラが、それ以上の言葉を掛ける事は無い。
「そろそろ戻るわ」
ヒョウガの母の一声で、リビングへと戻って行く。
ヒョウガとアミリはプリントを整理していた。
アミリは凄く嬉しそう。
髪クシャクシャを、してもらってからヒョウガに、「その笑顔、今まで見た中で一番かわいいぞ! お世辞なしに」と言われ。
そう言われてからこの調子。
そこにサラと、ヒョウガの母が戻ってきた。
「アミリちゃん、嬉しそうだわ! 何かあった?」
「な、何か悪い? それに何かあったって、特に何もないわよ。それよりもサラの方は終わったの?」
「うん。終わったよー」
ヒョウガの母が、アミリが嬉しそうなので気になって聞くと、問題あるのと言い、其れに何もないと言う。
話題を、サラに勝手に変えたので、サラはブイサインをして答えた。
そうなのである。二人共、何とか二人の手助けによって、宿題は終わっている。
時刻は三時五分。
アミリとサラは、其々終わったプリント類をファイルに仕舞って、他の雑誌と共に鞄の中に入れる。
そして帰ろうと部屋を出ると、
「一寸待って! おやつでも食べて行って」
「い、良いわよ。そこまでしてくれなくてね」
「そうだよー」
ヒョウガの母がに足止めをされた二人に、おやつの御誘いをする。
二人を断りを入れるが、
「お願いだから食べて行って! じゃなきゃ買って来た意味が無いわ」
そう、ヒョウガの母は、気付かれぬ僅かな時間で、コンビニまでスイーツを買ってきていたのであった。
「何時の間に-⁉」
「しょ、仕様が無いわね。食べて行ってあげるわよ」
ヒョウガの母の、執念と用意周到さに負けて、二人はおやつを食べて行くことに。
なので、リビングに戻って行った。
リビングルーム
ヒョウガは、冷蔵庫の中から、買って来たと思わしき、ダブルチーズケーキとマンゴープリンを机の上に出す。
「こ、このダブルチーズケーキ、美味そうよ」」
「ああ、本当だぞ!」
アミリが、口から涎を出してそう言うと、ヒョウガも美味しそうだと賛同する。
「じゃあ、食べるよー」
「い、戴くわよ」
「んじゃあ、俺はカキ氷食うぞ!」
二人が食べ始めるのを見て、俺は、椅子から立ち上がって冷蔵庫に向い、冷凍庫の方から、抹茶小豆のカキ氷を取り出したぞ!
と、ヒョウガは解説した。
「パクッ……ん~ん。美味いわよ!」
「パクッ……ん~ん。美味いよー。マンゴープリンサイコー!」
「シャリシャリ。パクッ……ん~ん。冷たくて美味いぞ!」
三人がそれぞれ感想を言う。
ヒョウガの母は、アイスコーヒーを飲んでいるだけ。
パクッ、パクッ。パクッ、パクッ。シャリシャリ。それぞれの、食べる音が聞こえて来るだけ。
「ふう~~。う、美味かったわね」
「う~ん。美味かったよー」
「カキ氷って夏らしくて、其れに美味かったぞ!」
食べ終わってから、それぞれ思い思いのことを言う。
それから、ヒョウガが、アミリのフォークと、サラの使っていたスプーンを回収して、洗い場に持って行った。
ダブルチーズケーキの入っていた、入れ物と、プリンの入っていたカップをゴミ箱に捨てた。
ヒョウガの母が、自分のコップと一緒に、他の物を洗う。
ゴシゴシ、ゴシゴシ。ざあざあ。ゴシゴシ、ゴシゴシ。ざあざあ、ざあざあ。を何度も繰り返し繰り返し行く。
時刻は、四時を回った所。
アミリとサラは今度こそ帰ろうと、玄関の方へと歩いて行く。
「あ、ありがとうよ。それと、お邪魔したわよ」
「今日はありがとー。御陰で終わったよー。じゃあ、お邪魔したよー」
「うん。此方こそ久し振りに勉強できたわ。ありがとう。じゃあ、また何時でも御出でだわ」
アミリとサラが、玄関の所でヒョウガの母にお礼と挨拶をすると、何時でも又御出でと言ってくれ。
そして、玄関のドアを開けたので、ヒョウガも外に出て見送りに行く。
「んじゃあ、また明日なだぞ!」
「きょ、今日は勉強教えてくれてありがとうよ。感謝するわよ!それと。また明日よ!」
「また明日だよー」
「気を付けて帰るんだぞ!」
ヒョウガが二人にお別れを言うと、アミリは、勉強を教えてくれたことのお礼を言って、サラは不通にお別れの言葉を返してきた。
そして、気を付けろと言った。
「わ、分かってるわよ。じゃあ、今度こそまたねよ」
「ウチも分かってるよー。じゃあ、本当にまた明日だよー」
二人は分かってると言って、今度こそ二人は、背を向けて二人其れ家の方に向って帰って行く。
それを見送ったヒョウガも家の中に入って行った。
斯うして、夏休み最後の大仕事は終わりを迎える。
それと同時に、夏休みの方も終わってしまう。
桜が満開になって来て、お花見シーズンですね。
さてさて、いよいよ、次話で二章完結です。




