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力への依存

作者: リュッシー

この話はほぼ作者のここまでの短い人生でのストレスを一気に吐き出した作品です。

気分を害すおそれがあります。

あくまでこういう人がいるということで見てください。

一人称を変えているのはわざとです。その時代の自分の一人称にしているだけです。


※タグにサイコパスを追加した理由は「精神病質(その人格のために本人や社会が悩む、正常とされる人格から逸脱したもの)である人」とwiki(wikiは小学館の大辞泉参照)にかかれており、もしかしたらそう感じる人がいるかも知れないと思ったためです。

最初はとても簡単だった。

力がものを言う日々。

小学生低学年時はいじめられた。

6歳の時まで親の顔なんて見たことなかった。

そんな両親に人の顔を殴るな。怪我をさせるな。

そう言われて抵抗できなかった。親しみのない他人のような大人に、親に言われて萎縮していた。

しかし相手はいくらでも僕の顔を狙ってくる。

殴って、蹴って、斬って、刺して。

高学年になって、何かが壊れた。親になれたわけでも反抗期で逆らってやろうというわけではなかった。

顔を狙ってくるなら狙って潰してやったって僕は怒られない。

僕は初めて顔を狙った。ちょうどカッターで眉の上を斬られた時だった。

頭を掴んで……

ほら、小学校や中学校の席の後ろによくあるロッカー。あれに何度も何度も叩きつけた。

あとから聞いた話によると歯を折り、頭も縫ったらしい。

でもどうとも思わなかった。僕だって、乳歯であったが折られた。頭だって斬られて縫った。

でも凄く怒られた。なんでか分からなかった。だって、僕がやられても怒らないんだよ?

なんで僕がやると怒られるの?

わけが分からなかった。今思えば力の差だったんだろう。

僕は頭を抑えて、何度も何度も殴ったり、叩きつけたりした。

けど相手は金槌や、カッターを使っていた。きっと元々の力の差だろう。

でも危険なのは僕より道具を使ってくる相手だろう。

僕の怒りは募った。募り募り募り……

そして僕の周りには一部の幼馴染や、元々素行の悪い同級生意外は寄らなくなった。


中学に上がって、それが肯定された。

力で解決。

勝ちが善。負けが悪。そんな世紀末のような世界だった。

小学校高学年という遅い時期ではあったが顔に手が出せるようになった俺は、力と運良くガタイもよいせいで何度も何度も勝つことができた。

簡単に倒せ、簡単に善悪がはっきりとした。

けど、当然負けることもあった。

だが悔しくはなかった。

負けは悪。

しかし相手を恨むことはなかった。

むしろ自分より小柄で華奢だが、ボクシングのような動きをして戦ってきた相手を尊敬し、憧れた。

いつしか俺はそいつと共に行動し、やりたい放題やってきた。

気づけば、力だけで解決する組織が出来上がっていた。俺を倒したやつを筆頭にどんどんと増えていった。

俺の倒されたやつ、俺を倒した男にやられたやつ。はたまた俺が倒した奴に倒されたやつ、暴力的なかっこよさに憧れる奴、色々といた。

それからは何も怖くはなかった。

文句を言う教師はタイマンで喧嘩をし、必ず負かしていた。最後は靴箱に叩きつけたり、床に這いつくばらせたり色々と合った。

色々なことをやって、警察に追われれば、それすらをも楽しみ、逃げた。



ふと気づくといつの間にか私は高校生になっていた。

私は……ここが嫌いだ。

負けた奴は常にいつか寝首をかいてやると後ろからでもおそうか如くの覇気を出していた。

ピリピリとした緊張感が常に周りにあった。

それなのにここにはない。皆のほほんとしており、力がなかった。

更にはそのせいで力で解決使用したのは私だけだった。

そう悩んでいた時に一人私に話しかける杞憂な奴がいた。

「あの女子のさ、透けブラよくね?」

彼との出会いの最初の言葉はこれだった。

「あぁ、いいね。でもあっちの子もよくね?」

こんな会話からはじまった彼との生活は新しい物だった。

出会いこそ意味が分からなかったものの、彼のお陰で力なくとも人と関われる方法を知った。

そこからの日々は楽しかった。

今までと違う方法で人と関わり、力関係ではなく、友達という平等な友達もできた。

ピリピリとした緊張感を味あわなくても満足できる生活を繰り広げていた。

そして……






疲れた。

好みを否定するのはダメ

周りを常に意識する

人によって関わり方を変える

相手の気持ちを考える

周りが楽しいかを常に確認する

自分にしかできないことを探して進んでやる

苦手な奴にも愛想でもついて話す

苦手なものでも食わず嫌いをせず食ってから嫌いになれ

etc etc……


面倒くさくなった。疲れた

好みを否定するけど否定されるのはダメな奴とも関わらなければいけなかった。

意識しなければならない人が20人といた。

同学年で関わりを持っていたおおよそ180人全てへの対応をかえなきゃいけなかった。

同じく20人常に楽しいか周りを見つつ、色々なところに動いては対応を変えて楽しませなければならなかった。

自分にしかできないことを他人に決められ、できないと馬鹿にされ、馬鹿にした奴もできない。

苦手な奴に愛想を振りまいていたのに裏ではボロクソ言われ、

苦手なものを確認してから好みじゃないと決めるとそれも否定されたとわんわん言われる。


だるい面倒くさい死ね死ね死ね。そう思った。

ふと気づくと私が死ねばいいんじゃないかと。力での世界は楽しかったものの辛いところもあった。

自殺をしようとした。が、できなかった。

ならば今自殺をしよう。そう思った。

しかし、止めてくれる人がまだ居た。その人の横はとても落ち着いた。


それがわかると切った。関わりを切っていった。落ち着かない人は全て切った。切るだけ切った。

そして残りは二人になった。

その二人と過ごしていた。

時は過ぎ、いつの間にか高校生活が終わっていた。

そのときに私も彼から教わったことを忘れればよかった。

でも忘れられなかった。消えなかった。


また勝手に私は仮面をかぶり、クラスの輪を作り、

高校の時と同じだ。面倒くさいと周りの輪を切り、仮面を剥がした。

剥がして剥がして、高校の時につけた仮面も剥がして剥がして剥がして剥がして剥がして。


……

気づくと本当の自分がいつの間にかいなくなっていた。わからなくなっていた。

かと言って剥がした何百枚という仮面の中から見つけ当てるのは難しい。

それに間違ったものを拾いたくはない。

過去の自分よりこれからの自分だと思った。


ある人の横は凄い落ち着いた。

新しい自分が生まれるような気がした。


けどそれは周りによって潰された。

その人の横が落ち着きすぎて切った人らの反感を買った。

殺したいと思った。

けどそれはまた力での解決……そして落ち着く人の横に居られなくなる。

耐えて辞めた。


気づくと俺は仮面をかぶろうとしていた。

元々揉め事は嫌いだ。

喧嘩も元々は嫌いだったはずだ。

嫌な思いをする人がいたからだ。

でも仮面をつけていても嫌な思いをした人はいる。

そして俺は仮面をつけるのにも、剥ぐのにも疲れた。

疲れきった。

そしてふと気づいた。

落ち着く人と居た時俺はおそらく本当の自分を作り出していた。

その空間を邪魔する人を殺したいと思った。


俺は無意識のうちに力に溺れていた。

素の自分は結局力での解決を望んでいた。

いつの間にか心の底からそれが良いと思っていた。

私は手に平穏を手にしていたと思っていた。

でも本当は俺が持っていたのは武力。

昔のように何も気にせず、力で単純に解決。

それを望み、好んでいたのは本当は私だった。

揉め事も喧嘩も嫌いだった。

でもさ、私の平穏の為には仕方ないじゃないか。

君たちだって、今団体という武力で俺を否定し嫌っているだけだよ。

大人数だからそれがぼけているだけだよ。

じゃぁ、俺は単体だけど、単体としての武力で徹底的に潰していいよね。

いい加減疲れてきたのさ。


矛盾かもしれないけど、犬も、猫も、好きな人も、落ち着く人も、親友も、壊したくない。

けど、愛おしすぎて壊したくなってしまう。誰かに触れられて汚れる前に。

だけど、壊してしまうと俺が壊れてしまう。すがりつくものがなくなってしまう。


じゃぁ簡単だ。汚しに来るものを潰せばいいんだよ。

私だけ潰されて、壊されるのはフェアじゃないでしょ?

文句は言うなよ。相手がどう受け取ったか……これが問題なんでしょう?


悩まず、疲れず、簡単に、

終わらせたいじゃん。


力で全てをやってきた人間。

完結させることがなく、終わりを知らない人間。

そのせいで全てが中途半端になってしまう人間。

そんな俺が何かを変えようと思っても。

変わるわけがなかった。






お疲れ様でした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 僕はきっと何も理解できていないと思うけども。 読みました。
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