旅の決意
事件は三日前に起こる。
ある所に、まめまめ村という、まめ族が住んでいる村があった。
何か事件が起きるわけでもなく、平和に暮らしていた。
ところがある日、一つの大事件が起こった。
村破滅の危機にせまったまめじいは、
孫であるまめまるに仕事を頼んだのであった。
豆 「それにしてもひどいよなぁ、僕に仕事を任せるなんてさぁ。」
三角「しょうがないよ、まめまるは、まめまめ村のヒーロー的存在なんだからさ。」
まめまるには、相棒がいる。さんかくまるだ。
豆 「そんなこと言われてもさぁ。もう十年も昔のことなんだよ。
むりだってぇー。」
三角「まめまるはそういう所がダメなんだよ。もっとシャキッとしなきゃ!」
話は十年前に戻る。
豆 「もう僕も十歳です。そろそろ旅をしてもいい・・・」
じい「まめまる!良く決心がついた!それでこそ男だ!」
豆 「・・・」
じい「がんばるんじゃよ!」
豆 「でも、お父様やお母様に相談しなくても・・・」
じい「なーに!心配するな!わしから話しとくよ!」
・・・これで、まめまるが旅に行くことは決定した。しかし・・・
じい「じゃあまめまる、出発は明日の明け方の5時でいいかい?」
豆 「え!?ちょっと待って!僕、明日に出発したいだなんて一言も言ってないよ
!それに、荷物とかはどうするの?しかもなんで5時に!?」
じい「まあまあ、まめまる、落ち着け。いいか、良く聞けよ。旅は・・・
思い立ったときが出発する時なのだ!」
豆 「だからって・・・」
じい「話はまだ終わっておらん!わしもなぁ、旅に出たことがあるんじゃ。ちょう
どお前くらいの時に。その時になぁ、わしの父に言われたんじゃ。旅は思い立った
ときが出発する時なんだってな。だから、お前にも言ったんじゃ。この言葉、よー
く覚えておけよ。あ、あと、荷物は、お前がいつか旅に出たいって言う時があると
思って、あらかじめ準備しといたからな。心配するな!」
豆 「ありがとう・・・」
じい「まめまる!ここが一番大事なところだ。どうして5時に出るのかっていうと
となぁ、昔からの言い伝えなんじゃ。昔の人も、旅に出るときは、必ず5時にでる
のが約束なんだったんだと。まぁ、なんで5時に出発するのかは、今でも謎に包ま
れたままじゃがな。ふゎっふゎっふゎーー!!」
豆 「おじいちゃん、その笑い方、怖いよ・・・」