それは恋の終わり
「ロベルだいすき!」
ん、
朝一番にエリスが告げるとロベルトがなんでもない事のように頷く。
本気だよ、ねえ聞いてる?
いつものように話しかけるのをはいはい、と聞き流される。
校舎から騎士団が橋を渡るのが見えた瞬間、
ロベルトは窓から乗り出し大きな声で叫ぶ。
「クラリスー!!」
馬に跨るクラリスはこちらに気づいた後、軽く手を振った。
同じ領地で育った私たちは、四つ上のクラリスお姉様の後ろを雛鳥のようについて回った。
いつだって人生の数歩先を歩む彼女をロベルトが熱い眼差しで見つめるになったのはいつからだろうか。
クラリスを追いかけるロベルトとその後ろを追いかける私、気がついたら奇妙な構図が出来上がっていた。
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クラリスお姉様が隣国に嫁ぐとの報せがきたのはある日の昼休みだった。
「伯爵家のだからいつかはどこかの家庭に入らないとな」
いつか寂しそうに言っていたお姉様が選んだのは、騎士団に留学していた隣国の侯爵家次男だった。
隣国に嫁いでも護衛として仕事を続けることを許してくれる人。
ロベルトはその午後授業に戻らなかった。
放課後カバンを持って家を訪ねると鼻を啜ったロベルトが出てきた。
赤くなった瞼に胸がギュッとなる。
俯いたままのロベルトに近づく。
「ごめんね」
ー幸せを祈ってあげられなくてごめんね
ロベルが私の首筋で鼻をスンと鳴らした。




