表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/51

47 クラーケン

「えーそういう訳で、城崎ダンジョンに来たわけですが」

「GOD!この二人は誰なの?!」

「なんや嫁はんってカミナかいな」

「どおりでウチらになびかん訳やわ」


 三か月前の任務で一緒になったギャル二人とさっそく再会してしまった。

 ここは京都よりの神戸、二人は京都市伏見区から来ているらしい。


「任務で一緒だっただけだよ。二人が言ってるように俺はなびいてない」

「そうなの?でもモーションはかけられたって事?」

「俺は名前も聞いてない」

「がちがちの塩対応やったで」

「あんなに冷たくせんでもええのにな」


 なんとかカミナの怒りが収まる。

 いやー誠実って大事だよね。


 二人はパーティ組んでるらしい。パーティにスカウト二人いるのか?

 他に剣士と弓職とヒーラーの5人でパーティを組んでいるらしい。


「そっちはビキニ3人連れてお大臣様やな」

「やらしいわぁ」


 嫌味言われちゃった。性能良いんだから仕方ないじゃないか。

 ミヅキ静かだな。いつもなら言い返していそうなのに。


「私ね、帰国子女だから方言強いと何が何やら」

「それでウチも大阪出身なのに標準語なんですよ」

「へえ、そうなのか」

「ちょっと!今ウチらの事馬鹿にせんかった!?」

「田舎もんって言う意味やろ!?」


 さすがミヅキ、悪気が無くても煽ってる。

 ごめんな、帰国子女だから空気を読むのは苦手なんだ。


「言うとくけどな、京都が日本の中心で…」

「解った解った(昔の話だろ)それよりそっちはクラーケン攻略したのか?」

「とっくやで、こっちと有馬行ったり来たりしとるわ」

「デュラハンはまだやけどなぁ」


 城崎は攻略済みか。俺らでクラーケン攻略したいから譲ってくんない?

 そっちに再度攻略されると再出現まで時間がかかる。

 4日後くらいに攻略予定なんだけど…

 顔を見合わせる二人、ダメなのかな。


「ウチらもチョイスの魔法書ほしゅうてなぁ」

「有馬の699までは行ったんやけど、戻ってきたんよ」

「戦略的撤退やで?また1から潜るのもめんどいし、攻略済みの城崎でチョイスとったろかいなて」


 なるほど、チョイスを持ってないのか。チョイスの魔法書は700層以上のダンジョンボスでしか出ない。

 と言うことは、601層で出るまで寝泊まりするつもりなんだな?

 601層から700層ボス部屋へ行き、クラーケン討伐、出なければ601まで歩いて戻る。

 で、翌日もこの繰り返し。

 一度リターンで外に出ちゃうとまた1からやりなおしなので狙いのドロップがある場合はよく用いられる方法だ。


「前もやったんやけどな、5回倒しても出なんだわ」

「食料尽きたさかい戻ってきてん」


 それで、気分転換に有馬行って戻ってきたらしい。

 チョイスマラソンやってるんだな。


「そっちは何が目的なん?」

「攻略したいだけだな」

「私の階層覚えも兼ねてだね」

「チョイスもっとるんか」


 あ、嫉妬の目になった。カミナ言わないほうが良かったかも。

 いやでも譲れないな。チョイスが出るの待ってたらいつになるか解らない。

 不死王を山ほど倒したけどチョイスは一回しか出なかった。結構レアなんだよな。


「旦那はんは譲るけどな、チョイスは譲れへん」

「GODはもともと私のだよ」

「ウチの裸見たんやで?」

「え?!」

「違うんだカミナ、こいつが任務中に敵にハニートラップを…」

「競争や!元より冒険者は実力の世界。早いもん勝ちやで!」


 あーあ、なんかイベント始まっちゃった。

 勝手に決められギャル達がパーティの元へ戻る。

 こっちを指さしながらなんか言ってる、そしてダンジョンへと走り出した。


「なんだよ、どうせ勝負ならよーいドンで…」

「GOD!裸見たってどういうことなの?!」


 きたねえなあいつら、爆弾落として先回りかよ。

 い、今説明するからね。



「ふーん、じゃあしょうがないかな」

「ねえ、5分くらいリードされたけど」

「向こうはスカウト2人いるんですよね?勝てますか?」


 厳しいね。こっちにはバク子のサーチがあるから一直線に行ける。

 でも高レベルのスカウトは同じような事ができる。

 進路もわかるし敵の位置もわかる。競争だと手ごわい相手だ。


「向こうに足の遅い仲間がいれば追いつけるけど…後は寝るときは必ずセーフティエリアでないと駄目なのが向こうの弱点ってとこか」


 俺たちはチョイスがあるからどこでやめても次の日はやめた場所から再開できる。

 どうだろな?こっちが有利なのか?


「まあどれだけ頑張っても向こうは初日301層で止まると思うぞ?」

「そっか、1日で401層は無理だよね」


 まあいい、少し遅れたけど後を追おう。



 ---------------------



『主、階段がなにかおかしいです』

「ええ?階段にモンスターはいないよな?」


 200層の中ボスを倒し、201層のセーフティエリアへと続く階段、それが何かおかしいらしい。


「なんだろ?つやつやしてる?」

「あいつら、ひょっとして油をまいたのか?」


 死ぬほどではないが怪我をしかねないトラップだ。

 そこまでするのかよ。他の奴がひっかかったらどうすんだ。


「リフレーッシュ!」


 おお、さすがカミナ、助かるぜ。

 バク子もありがとう。気づいてくれなきゃ引っかかってたかもしれない。


「201層にはいないな。やはり301層を目指したか」


 その後、何度か油の階段を綺麗にし、301層へ。


「いやがったな!汚い真似しやがって!」

「げ!追いついてきよった!」

「あ、油の瓶はたまたまこぼしただけやし!」


 うそつけ!毎回階段のタイミングでこぼすわけあるか!

 キャンプの準備してる。君達はここまでなんだね。


「じゃあお先に。温泉にでも入ってゆっくり休んでくださいよ」

「ぐぬぬ」

「ね、ねえ、ウチらも401まで頑張る?」

「…やめとこ、焦りは事故の元や」


 ほう、冷静な判断。さすがは高レベル。

 まあ俺達も挑発したかっただけであまり無理する気はない。

 310層まで潜ってリターンで帰還、外に出ると真っ暗だ。


「ふう、リード出来たかな?」

「解らん、あいつらが何時から動き出すか解らないからな」

「明日どうします?早めに動き出しますか?」

「えっとな、なんとなく流されて動き出し、途中で気づいたんだけどさ」

「え?」

「俺チョイス持ってるし、ここ攻略済みだし、700層まで一気に飛べるんだよね」

「「「あ」」」


 カミナの階層覚えだと言ったから、あいつらは勘違いしたのだろう。

 カミナだけじゃなく、俺も持ってるんだぞ。


「おじさん早く言ってよ!」

「一言文句は言ってやりたかったからな」

「じゃあ、明日はどうするの?」


 そうだな、朝一でクラーケン狩っちゃおうぜ。

 あいつらはどうあがいても明日中には700層には届かない。

 ボスでかちあう心配は絶対にないから明後日以降にあいつらが狩ればギブアンドテイクだ。


「その後ゆっくり階層覚えを再開しよう」

「あいつら無視って事ですか?」

「でもあいつら私達に勝ったと思うんじゃない?」


 別に良くないか?焦って事故るのが一番駄目。

 それとも勝負したいのか?


「うーん、勝ち誇られると悔しい」

「私は別にいいかな」

「ウチも別にいい」

「そういう事だミヅキ、クラーケンはお前の活躍に期待してるんだからな。戦えないのは嫌だろ?」

「わ、解ったよう」


 そんな訳で、東京に戻りゆっくり寝た。



 ------------------



 城崎ダンジョンボス クラーケンの間


 翌日、城崎へ飛び一気にダンジョンボス部屋へ。

 静かな地底湖、静寂がそこを支配している。


「あれ?討伐された?」

「いや、バク子に確認済みだ。クラーケンはいるよ」


 水面がゴポゴポと泡立っていく。それがどんどん大きくなる。ざぱー


「でっか!!!」

「想像よりめちゃくちゃでかい!」

「まずは左右によけろ!」


 クラーケンの足が2本、真上に伸びる。

 それをそのまま前方に倒してきた。ズドーン


「うああ!」

「ゆ、揺れる!」

「すぐ止む!次に津波が来るぞ!」


 クラーケンの足が左右に広がる。

 仰け反り、反動をつけて全ての足を前に押し出す。

 地底湖の大量の水が陸地に送り出される。


「うおお!これは俺が一番食らっちゃいけないやつだった」

「GOD逃げてー!」


 ジャンプして最下層の壁に剣を突き刺す。

 そのままぶら下がった状態でやりすごそう。

 大量の波が壁にぶち当たり、押し戻されていく。

 他の3人は踏ん張ろうとするが、引っ張られてるな。

 いや、ミヅキは抵抗することもなく湖に飛び込んだ。


「あいつ、自分から入ったな」


 クラーケンの足が一本飛ぶ。

 すぐさまミヅキがジャンプ、クラーケンを翻弄している。


「ファイヤーアロー!」


 ミヅキに続けとばかりに総攻撃、あ、カミナが足に捕まった!

 俺が一番近いのですぐさま足を切り助ける。


「いたた!!吸盤がまるで歯みたい!」


 ああ、ビキニアーマーじゃなかったら歯型ついてるぞ。

 カミナの肌は綺麗なまま、さすがは最高峰アーマー。


 ミヅキがもう一本足を切ろうとする。


「は、弾かれた!」

「吸盤は硬いんだ!吸盤と吸盤の間を狙え!」

「先に言ってー!」


 全部は説明しきれんのだよ、忘れてることもあるし。

 おお、ミオコが一本切った!あ、魔法撃とうとしてるぞ!よけろー!

 クラーケンの触手がハートのような形になり、水の魔法を撃ってくる。

 水の柱がそこら中に立ち上る。


「ひえええ!」

「水柱が立ち上がる場所は事前に少し盛り上がるからそれで判断してくれ」

「先に言ってください。ちなみにあれに当たるとどうなります?」


 そりゃお前、人間ロケットだ。

 天井にぶち当たり、ダメージを受ける。


「その後、床に落ちて二重ダメージだな。運よく水の上に落ちるといいな」

「は、はあ」


 ちなみにサファイアのビキニアーマーなら水柱の中を泳げるらしい。

 攻略サイトにそう書いてあった。


 ミズキが3本目を切った。だが最初に切った1本目が復活した


「ペース悪いぞ!どんどん切ってどんどん急所を攻撃していけ!」

「「「了解」」」


 カミナの風魔法がさく裂、おお、あれはカマイタチか?足を1本切った。

 負けてられない、傘のような頭に魔法をさく裂させる。

 ミヅキがもう一本切った。だがまた足が復活したな。

 ミオコの急所攻撃!クラーケンの体が大きく揺れる。


「あー!」


 ミオコが足に捕まり水中に引きずり込まれていく。大丈夫か!

 ミズキがドルフィンジャンプ、ミオコを捕まえた足を切ってくれた。


 ミオコがガムを噛むのが見えた。そのまま水の中で戦う気か?

 しかしそこにクラーケンの墨、視界を遮ってきたな。

 俺は魔法を撃ち続ける。カウンターでクラーケンの足が槍のように飛んでくる!いって!!


「GOD大丈夫?」


 カミナが回復してくれた。ありがとう。

 はあはあ、今足は何本だ?6本?まだ多いな。


「ミオコ!ミヅキ!いったん陸に上がってくれ!」

「「了解!」」


 魔法の詠唱を始める。

 まずはミヅキが、遅れてミオコが陸に上がる。


「サンダーランス!!」


 稲妻が一直線にクラーケンへと放たれる。

 クラーケンはビクビクと震えたのち、ダウンした。


「チャンスだ!足を切って急所攻撃!」

「「「了解!」」」


 陸で伸びている4本の足を切り、急所攻撃。

 後ろ足は水の中で届かない。とにかく急所を攻めまくれ!

 クラーケンが気が付いた。


「水の中に潜るぞ!ミヅキとミオコは追撃!俺とカミナは陸で待機!」

「「了解」」

「気を付けてね!」


 クラーケンが地底湖の深い場所まで潜っていく。

 俺はあそこまでは行けないな。カミナも水の中じゃ魔法使えないし。

 ミオコとミヅキがクラーケンに追いつき、急所を攻撃する。

 クラーケンが横に移動、深い場所で逃げ回ってる。

 そのうち足が復活したのでミオコとミヅキは戻ってきた。


「はあはあ、カミナ回復して」

「大丈夫?ミオコ」

「怪我したのか?まだクラーケンの体力は80%くらい残ってるぞ?」

「ま、まだそんなもんなの?」


 クラーケンの足が2本、真上に上がった。倒れてくるぞーー。

 ……………



 -------------------



「お、終わった?」

「はぁはぁ、倒したの?」

「ああ、ドロップ品出てるじゃないか」


 2時間くらい戦ったかな。俺たちはクラーケンを討伐した。


「や、やった~」

「つ、疲れたよぉ」


 疲れたな、俺もその場で座り込む。カミナもおいで、ちょっと休もう。


「ぱっと見、魔法書は無いみたい」

「そっか、あいつらに出ると良いんだけどな」

「ええ?あんなに意地悪されたのに?おじさん人良すぎ」

「武士の情けだ」

「どうせならチョイスの魔法書あいつらに見せびらかしたかった」


 ミヅキ、無駄な争いを作ることはないでしょ?

 若さゆえの血気盛んかな。俺も昔はそうだったのだろうか。


「でもこれで700階層一つ制覇!」


 シラケる事は言いたくないが、まだ階層覚えが残ってるぞ。

 達成感を邪魔しちゃ悪いか。好きなだけ堪能してくれ。


「ねえ、この後は310層まで飛ぶの?」

「いや、このまま戻る形で良いでしょ」


 MP勿体ないし、699層へと進んでいこう。

 いつもとは違う逆順からの攻略となるけど、今日は601層くらいで終わりかな。



 ---------------



「なんでそっちから来るん?!」

「ま、まさか」


 601層に着くとギャルどもがいた。お前ら1日で301→601まで進んだのか。

 強行しすぎだと思うぞ。

 俺もチョイス持ってて攻略済みだったんだよ。

 お前らは明日、ゆっくり攻略すればいい。


「な、なんなんや、焦って損したわ」

「なぁ、チョイスは出たんか?」

「出なかった」


 ほっと胸を撫でおろすギャル達。

 別に確率だから次出やすくなる訳でもない。お前たちの運次第だから頑張れよ。

 俺達はリターンでダンジョンの外へ。


「ふう、残りは310→600か」


 その後、1日半をかけて俺達は城崎を完全攻略した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ