41 作戦開始
「ふいー、良く寝たぜー」
作戦決行まで2時間くらいかな。
1時間前には移動の声がかかるだろう。
コンコン
ん?誰だろう、出てみるか。
ドアの外には二人の女の子が立っていた。
「だれ?双子?」
「いややわ違うんよ」
「ウチら一緒に先陣を切らせてもらうスカウトのぉ」
スカウトの二人か。菊池の説明を受けてあいさつに来たみたい。
いろいろ段取りを打ち合わししておきたいのかもしれない。
「でも若い子もいたんだな、気づかなかったよ」
「うふふ、これでも32ですぅ」
「ウチもー」
はんなり色黒ギャル系の二人、小柄でショートカットなのも共通。
印象で双子かと思ったけど、確かに顔はそこまで似てないか。
ごめんな、歳とるとギャルメイクはみんな一緒に見えちゃうんだ。
しかし若く見えたけど30代か。今回の作戦は年齢層が高いな。
高レベルを集めるとなるとどうしてもそうなってしまうのだが。
「でも旦那はん、その体型で本当に大丈夫なん?」
「ああ、一緒に行動するのが心配か?」
「休まれてた方がええと思いますよ」
にっこりしながら刺してくる。いけずと言うヤツだな?
たしかに彼女達の動きについて行けるかな?
高レベルのスカウトの動きは音速だ。無理かもしれない。
『主、ボクを忘れないでよね』
(解ってるぞちぃ太、忘れてないよ。お前の加護があればついて行くのは簡単だ)
「どうかされました?」
「無視せんといて」
ごめんごめん。彼女達は俺の能力に疑いを持ってるな。
この体型だから当然とも言える。心配は払拭しておきたいな。
どうせ一緒に行動するんだ。俺の能力を見せる事になるだろうから今見せておくか。
「え?消えはった?」
「ど、どこ行ったん?」
キョロキョロする二人。慌てる姿が可愛らしい。
「わ!急に現れはった!」
「消耗するから今は少しだけでやめたけど、俺は色々な能力を持ってると思ってくれ」
「スキル?ひょ、ひょっとして、せいれ…」
「いかんよ詮索は」
精霊持ちはそれを隠したがるものだ。高レベルの中では常識の話。
片方の子が気を使ってくれたみたいだ。
「でも安心したわ、疑って堪忍な」
「作戦時はよろしくな」
「見た目で騙すなんていけずやわー」
騙してねえわ。好きで太るかよ。
良いから帰れ。ぶぶ漬け出してやろうか?
「あ、これ渡すの忘れるとこやったわ」
「ん?ミスリルの拘束具か?」
「最初にホテルを制圧するやろ?冒険者はそこに集まっとるみたいやから」
他の参加者から預かってきたみたい。
そうだな、俺達が多めに持っていた方が効率的だろう。
手を振りながら戻っていった。つかみきれない人達だったな。
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「よし、じゃあ打ち合わせ通り頼むぜ」
菊池の一言で気を引き締める。
現在犯罪者の拠点から300メートル手前の監視小屋。
20人の冒険者が待機している。
「今日も塀の外に冒険者はいねえ。さっきドローンで確認したから間違いねえ」
「そろそろ行くか?」
「ああ、警察と軍隊も近くで待機してくれてる。こっちの動きは伝えてあるから安心して動いてくれ」
よし行くぞ、はんなりギャル達よ。
名前聞いときゃ良かったかな。
暗闇の中を静かに走る3つの影。
拠点手前の木の影で一度身をひそめる。
まずは塀の前の見張りに見つからないよう侵入だ。
5メートルの塀を越えればいい。冒険者にとってはなんて事の無い作業だ。
『主、塀の上にセンサーがありますね』
(塀の上?引っかかりそうか?)
『いえ、塀の上を1メートルくらい高く飛べば大丈夫だと思います』
バク子が教えてくれた。ありがとう。
本当にお前の加護には助けられてるよ。
「旦那はん、塀の上になぁ…」
「ああ、センサーだろ?もう聞いたよ」
「聞いた?」
「誰に聞かはったん?」
さすがスカウト、センサーも解るのか。
ダンジョンにはそんなものないから少し時間はかかるみたいだな。
でもこれで頼りになる事は解った。この先も頼むぜ。
「ここからは少し消えるね。見えないけど後ろからついてきてると思ってくれ」
「了解や」
「わかったで」
レオンの加護で消える。
二人が行動を始めた。早い!ちぃ太にも助けを求める。
見張りの間を抜け壁を飛び越えあっという間に建物の影へ。
ここは丁度ホテルの裏だな。
「丁度目的地だ。最初にここを制圧するぞ」
「うわ、声だけ聞こえてきてビビるわぁ」
「慣れへんなぁ」
(バク子、この建物には何人居る?)
『40人丁度ですね。1階に8人、2階に14人、3階に11人、4階に7人です』
(冒険者の数とかは解るか?)
『ある程度レベルが高ければ解ります。ですが低レベルの者は一般人と見分けがつきません』
精霊のバク子には人間の見分けが難しいみたい。
そうだよな、俺もゴブリンの個体差とか解らない。
同族じゃないと見分けなんて簡単にはつかないものだ。
だがこっちにはスカウトがいる。
「冒険者は各階4人ずつやねぇ」
「総数は1階に8人、2階に14人、3階に11人、4階に7人らしいぞ」
「だ、誰に聞いてるのん?」
良いから行こうぜ。1階から行くか。
一階は大広間に8人いるみたいだな。食堂になってるのか?
鍵はかかってないけど8人同時はちょっと面倒だな。
まあいい、透明化で見えないし、扉を開けて入っていくか。
「ん?誰だ?」
「今扉が開かなかった…あれぇ~~」
こいつらは外国人だ。実は何を言ってるか解らないけど、予想でこんな事を言ってる気がする。
8人全員に幻惑をかけてやった。
二人とも入ってこい。拘束を手伝え。
あ、見えないか。レオンありがとう、また後で頼む。
「これは知ってるわ。幻惑の魔法やね」
「ウチも使えるから言うてな」
そうだったのか。先に聞いとくんだった。
でもさすがは高レベルの冒険者、頼りになる。
じつは簡単にミッションだったのかな。
「この4人が冒険者やね」
「じゃあミスリルの拘束具を…口はどうする?意識が戻ったら騒ぎ出すかも」
考えてなかったけど冒険者はガムテープくらいじゃ猿ぐつわにならないよな
「じゃあついでに寝かせとくわ」
ギャルの一人が魔法をかけた。
力なく倒れぐっすりと眠る悪の冒険者。
「3時間は起きへんよ」
「すごいな、全員これで片付くんじゃないか?」
「それが結構MP食うんよ。500人全部にかけるとか嫌やわ」
MPポーションならたくさんあるけど…それでも無理?
魔法の専門職じゃないから精神的にも来るらしい。
とにかく使うのは冒険者にだけ、普通の犯罪者はガムテープでぐるぐるにしてと念を押された。
まあいい、時間が惜しいから2階に行こうぜ。
エレベーターもあるけどこれは使えないな。
ドアが強制的に開いちゃうからね。階段で行こう。
2階には部屋が8つあった。
14人いるはずだ。複数人いる部屋もあるのか。
「この部屋、真っ最中やわ」
ああ、夜だもんな。どの部屋から行く?
寝てる部屋から行くらしい。確かに理にかなってるな。
やっぱ隠密の専門職は違うな。俺いらんかったかも。
音もなく鍵を開け扉の影に滑り込む。
ここは一人だな、気持ちよさそうに寝ている。
ギャルの一人がベッドの上に飛び乗り口を押える。
犯罪者もびっくりして起きたが動けない。
腹に一発コブシを入れ、ぐったりさせた。
「ふう、加減するのが難しいわぁ」
「簡単に殺しかねないもんな。あ、これ使うか?スタン効果があるんだけど」
家から持ってきたメイスを出す。
軽く叩くだけでも効果があるぞ。
どのみち声は出ると思うから口は抑えた方が良いけどな。
「ええなあこれ。使わせてもらうわぁ」
「ウチにも後で貸してなぁ」
いいよ、好きに使って。
こいつは普通の犯罪者か。じゃあロープとガムテープで良いか。
そんな感じで3部屋を制圧、全部ひとりだったな。
「この部屋は一人は寝てるけど一人は起きとるわ」
2人いるのか、こういう時はどうするのが正解?
扉を開け2人が同時に動き出す。は、早いなぁ。
「ふぐっ」
犯罪者の男にメイスをぶち込む。
もう一人は女だ。同じベッドに横になってる。
ギャルの動きが止まっている。
「この子は…人質やろか?」
涙の後がある女の子。人質っぽいな。
多分無理やりだったのだろう。
「助けに来た。だが今は君を犯罪者か人質か判別してる余裕が無い。念のために拘束させてもらっていいか?」
「通じへんよ」
そうだった。外国人だった。
この子はどこの国の子だろうな?世界中から集められてるって話だったけど。
でも犯罪者も多国籍っぽいからこの子が絶対に一味ではないとも言いきれないんだ。どうするかな。
「しゃあないな、眠かせとくわ」
魔法を使ってくれるか、助かるよ。
大変だったな。もうすぐ終わるからな。
一応縛ってバスタオルを胸と股間が隠れるようかけておいてあげた。
さあ、いくか。
次だ、ここは真っ最中の部屋。
音もなく扉が開く。俺はベッドの上で覆いかぶさってる男の首を羽交い絞め、落とす。
ギャル2人は女の子の口を塞ぎ…メイスを入れた。
「その子は犯罪者確定か?」
「そやな、多分やけど」
あ、腕に注射の後が。
テーブルの上には炙った跡がある。こいつら薬にも手を出しているのか。
「無理やり打たされたとかは?」
「左手のここにばっか打っとる。右手で打つとこうなるんよ」
自分で打ってるって事か。
まあいい、殺したわけじゃないし間違ってたら謝るで良いだろう。
今は時間が惜しい。細かく調べてる暇なんて無い。
「余計な事を言った。君達の判断を信じるよ」
次の部屋も真っ最中、同じように制する。
こっちの女の子は人質っぽいけど念のため拘束。
では、2階最後の部屋へ。
「ここは3人やね。胸糞悪いもん見えるけど一気にいくで」
俺が真ん中のヤツ、ギャルは左右と決められた。
扉を開け飛びかかる。夢中で気づかない中の三人。
俺は真ん中に挟まれてた女の子の口を塞ぐ。
ギャルは男の口を塞ぎメイスを入れ、それを投げてもう片方のギャルへ。
ふたたび別の男へメイスを入れ、次に俺の元へメイスを投げてきた。
「この子は人質だと思うから拘束だけにしておこう」
ひどい目にあって顔がぐちゃぐちゃだ。
拘束を受け入れさせたいが、余計にパニックを起こしてしまう。
仕方ない、眠らせてあげてくれないか?
「すまないな。予定外の魔法を使わせて」
「ええんよ。しゃあないわ」
気の使う場面が続いている。精神的に疲れるな。
とりあえず2階は制圧したか。
『主、誰かが建物に入ってきます』
ここに来て更に予定外の来客か。ギャル二人も気づいたようだ。
2人は3階へ行ってくれ。俺は何をしに来たか確かめてから拘束してくるよ。
レオン、また加護を頼む。
1階に戻ると丁度入口へと入ってくる男が。
『冒険者ですね。私でも解ります』
そこそこのレベルの冒険者か。
拘束は簡単だが外から見えない位置でやらなくては。
ああ、トイレか。入口近くのトイレに来ただけか。
じゃあもう拘束しちゃおうかな。
いや待てよ、こいつは巡回中の見張りかも知れない。
だとすると、戻らないとコイツの味方が怪しむよな?
ちょっと手を出すのは待っておくか。
「長いな。大きい方かな」
『タバコ吸ってるみたいです』
早く戻りたいのにイライラする奴だな。
やっと出てきた。このまま外へ出て行ってくれるか?
食堂に行くなら拘束せざるを得ないが…外に行ってくれたか。良かった3階へ行こう。
「遅かったなぁ。ここで4部屋目やで」
ごめんごめん、3階も8部屋だった。そしてすでに半分片づけたみたいだ
てか、この状況は何だろう。
「自分でいたしてたみたいやなぁ」
ノートパソコンからは色っぽい声が、そしてその前には下半身丸出しの男が拘束されている。
「ま、まあ、人質に手を出さないだけ偉いな」
「なにいうとるん?」
「犯罪者に変わりはあらへんわ」
気まずいから適当な事言っただけだよ。解るだろ。
ノートパソコンは閉じとこ。
その後、同じ要領で3部屋を攻略する。
そして最後の部屋に入ろうとしたら…
『主、上から一人、気配が消えました』
(え?消えた?)
4階から誰かの気配が消えたって事?ギャルはまだ気づいてないみたいだ。
…人質が殺されたのかも知れない。
胸騒ぎがするが、今は3階の制圧が優先だ。
扉を開け口を塞ぎメイスを入れ拘束する。急がないと。
「4階の気配が一つ消えたらしい」
「え?」
「その部屋へ急がんと」
4階へ上がる。バク子、どの部屋だ?
奥の部屋?この一際扉のでかい部屋か?
4階は4部屋しかない、その中の一番奥の部屋。
「見た感じ、一番偉い奴がいそうな部屋だが」
「気配あるで」
「でも弱い気配やな。冒険者ではなさそうや」
取り合えず鍵を開けてくれ。
一気に飛び込むとベッドの上に女の影が。
口を押えようと思ったけど気を失ってるみたいだ。
(バク子、消えたってこの子の気配か?気を失ってるって意味だったのか?)
『いえ、消えたのはもっと大きな気配です。冒険者だと思います』
…謎だな。消えた気配と残された女の子。
この子殴られてるな。良く見ると頬が赤くなってる。
だがこの子も拘束しなければ。気を失ってるから説明も出来ないけど。
その後、残りの3部屋も制圧し、ホテルの制圧は完了した。
「数えてみたけど39人しかおらへんわ」
「やっぱり一人足りないか」
「でも考えてる暇あらへん。次は管理棟やんな?」
丁度定時連絡の最中みたいだ。
じゃあすぐに動かなければならないのか。管理棟の裏へと移動する。
『ここには15人しかいませんね。一階に5人、残りは2階です』
背の高い建物だと思ったけど2階建てなのか。
あ、カモフラージュされてるけど上の方はアンテナになってるんだな。
ここから電波を通して世界中に詐欺を行っている。あらためて許せない奴らだ。
「警備室に3人おるわ」
定期連絡が終わったようなので突入制圧。
モニターがいっぱいだ。監視カメラは今も施設中を映し出している。
む、非常ボタンがあるな。これ押したら非常ベルが鳴る感じか?
「こいつらは寝かしとくわ。暴れて押されたらかなわん」
負担がどんどん増えていくな。
ちょっと疲れてないか?MPポーション飲んどくか?
MPポーションを飲んでも顔色に変わりはない。あんまり効果は無いみたいだ。
「ここに3人って事は1階にあと2人いるはずだ」
「奥から気配するわ」
警備室の隣は電源室、ここでは無いよな?
その奥へと進む。ここは…娯楽室みたいだな。
扉が開いてる。中を覗くとビリヤードをしている2人が。
一気に制圧、次は2階の10人だな。
「疲れてないか?」
「少し疲れたわ」
「お風呂入りたいわ」
慎重な作業の連続。だがもう少しだ。
ここを制圧すれば他の冒険者達の助けを借りられる。
2階は…サウナか?
サウナの中に3人、洗い場兼水風呂に2人、外気浴で整ってるのが5人。
困ったのがほとんどガラス張りだから攻撃したら見えそう。
境目には扉の障害物があるから一気には行けないし、どうしたもんか。
「旦那の透明化と幻惑で行けへんの?」
「扉開けたらバレるだろ」
「でも外気浴の連中は全員向こう向いとるし、サウナの中はぐったりしてるで?」
ぐったりって言っても気づかれない保証はない。
一番の問題は真ん中の洗い場兼水風呂だ。
まず脱衣所から洗い場へつながる最初の引き戸開けた時点でバレそう。
サウナと外気浴は洗い場からつながってるから、洗い場を先に攻略する以外ないんだけど。
「あ、洗い場の奴が頭洗いだしたで、チャンスやない?」
「水風呂の奴にバレるだろ。潜ってくんないかな」
「水風呂に潜るのはマナー違反やで」
そんな事言ってる場合か!
うかうかしてるとサウナの奴も外気浴の奴も移動してくる。
「しゃあないなぁ」
ギャルの一人が服を脱ぎだした。え?何してんの?
バスタオルを巻き、おもむろに洗い場へと入っていく。
「お背中流しにまいりました~」
「え?誰だお前」
「こんな人質いたか?」
次の瞬間幻惑の魔法をかけるギャル。
もちろん犯罪者のセリフは予想だ。
そのままサウナ室へ、なるほど、じゃあ俺は外気浴へ。
2人で幻惑の魔法をかけて2階を制圧した。
「機転が利くな、助かったよ」
「ウチの裸見たんやからあとでお金ちょーだい」
はいはい、早く服来なよ。拘束は俺達でやっとくから。
10人を拘束し、脱衣所に転がしておく。これでこの建物も制圧か。
「じゃあ突入開始や」
「そういや突入の合図はどうするんだっけ?電気を消すのは無くなったよな?」
「ああ、菊池はんがSNS送ってくれって」
さすが菊池、抜かりが無い。
でももうちょっと待って、もうちょっと減らしておきたい。
「俺が透明化で自動小銃持ってる奴減らしてくるよ」
「せやね、あんなもん撃たれたらどこで被害が出るか解らんわ」
菊池の望みは死者を出さない事だ。
少しでも確立を上げる為に出来る事をやりたい。
アパートへ向かい、見張りに幻惑の魔法をかける。
「はれぇ?」
マガジンだけ抜いておくか。これでこの銃は脅威ではない。
マガジンは草むらに投げておく。
「何やってんだお前?」
仲間が気づいて近づいてきちゃった。
でも俺は見えてない。見張りがただおかしな事をし始めただけに見えるだろう。
じゃあお前にも幻惑をあげよう。
「うへぇ」
こいつは巡回っぽいな。こいつのマガジンも抜いておく。
移動し、次々と幻惑をかけていく。
見張りが40棟に対し1,2人、巡回が20人だっけ?
じゃあ自動小銃を持ってる奴が80人くらいは居るって事?
幻惑の魔法80回か、MPポーション飲みながら魔法をかけまくっていく。
はあはあ、結構疲れるな。
あいつもそうだな。魔法をかけては無力化、魔法をかけては無力化。
結構な数のマガジンを抜いたけど、もういないかな?
「あいつら何やってんだ?ぼーとして」
あ、やばい、マンションの奴に見つかったか。
そろそろ限界か。管理棟に戻る。
「はあはあ、菊池に合図送ってくれ」
「りょーかい」
「旦那はんご苦労様やで」
ギャルがSNSを送った瞬間、遠くで喧騒が聞こえ始める。
冒険者達が動き始めたのだろう。
「なんだ?見張りはどうした?」
「塀の外も何か騒がしいぞ?」
マンションから犯罪者たちが顔を出し始める。
まだ状況を飲み込めてはいないか。
いや、冒険者達が塀の外を制圧し、門を壊しなだれ込んできた。
犯罪者たちが慌て始める。
いよいよ大詰めだ。こっからは一気に畳みかけないと。




