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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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28 トラブル

 南紀白浜 2日目


 さて、昨日は260層までしか潜れなかったから、今日は頑張らないとな。

 501層くらいまで行って、明日は残りの99階層、で、残った時間は遊ぶ。


「でも明日雨みたい」

「あららら」


 予定通りには行かないものだな。

 じゃあ今日遊ぶか?いや、後半になる程キツくなるんだからそうもいかないな。

 今日出来るだけ潜って明日へのマージンを作らなければ。


 まあ来ようと思えばいつでも来れるしな。

 そんな訳でダンジョンに行くか。



 南紀白浜ダンジョン前広場 


 今日も昨日のアイツがいる。毎日いるのかな。

 他のパーティに因縁つけているみたいだ。


「でもあのパーティは確かに怪しいな」


 40くらいのおっさんと若い派手な女の子2人。

 こうして客観的に見ると自分達のパーティが怪しいのが解る。


「でもあれは、おっさんがレベル高くて女の子は付いてきてる感じじゃない?」

「レベル上げてあげるから~、で、ワンチャン狙ってる感じか」


 そういう奴は昔からいるんだよな。

 で、ついでにリゾートで遊んでやろうという訳か。ん?俺と一緒だな。

 でも双方が合意してるんなら別に良いんじゃないかとも思ってしまうが。


 まあいいや、気にせず潜ろうぜ。と思ったらダンジョン入り口でなんかやってる。


「私達ぃ、これから水着でダンジョンに潜るよぉー」

「チャンネル登録と高評価よろしくねー」


 布面積の少ない水着の女の子、そしてカメラマンもいる。動画撮影だ。

 その手があったかとミオコが頷いてる。やめとけよ、色物っぽくなるぞ。


「大丈夫なのかな?」


 カミナが心配してるけど、武器を見る限りではそこそこの冒険者だぞ。

 多分ダメージの少ない低階層回るだけなんじゃないかな。


「まああれに似たような防具、ウチらも紹介してるしね」

「さすがに防御力は違うと思うけどな」


 ダンジョン産の素材で作られた防具とは大きく異なるだろう。

 まあいいじゃん、好きにさせてあげようよ。


「よしカミナ、260階から頼むよ」


 ダンジョンに入り、階層移動した。



「夏でもダンジョン内は一定温度だから助かるよな」


 涼みに来るにはちょうど良い。モンスター居るけど。


「モンスターが居るからウチら儲かるんですよ」


 そうだな。無限に湧き出るモンスター。このお陰で日本は資源大国になれた。

 ひょっとしたらいつかは尽きるんじゃないか?と思ってたけど、今のところその兆候はない。

 40年経っても昔と変わらずモンスターを排出し続けている。


 本当にどこから来るのやら。

 どこか異世界と繋がってるんじゃないか?って説を唱えていた人もいるけど馬鹿にされてたな。

 荒唐無稽と言ってしまえばそれまでだが、そうとでも考えなければ説明がつかない気もする。

 いつか真実が解るのだろうか。


「そういえばおじさん、石板はどうしたの?」

「あ!忘れてる!」


 道後温泉のレアドロップで石板が出たんだよな。

 でもずっとカミナの家に居たし、アイテムボックスにしまいっぱなしだ。

 あんな大きい物カミナの家で出すのもな。新築で奇麗だし床とか傷つけたくない。


「ま、まあ、落ち着いたら自分の家で調べてみるよ」

「おじさん大丈夫?ボケてない?」

「「ミヅキ!!」」


 今日も2人にミヅキが怒られる。ミヅキは一言多い子だ。いつもの事だ。

 おじさんはもっとコンプラの緩い時代を生きてきてるから耐性出来てんだけどな。

 でも若いカミナとミオコは気になるのかもしれない。


 401階層 セーフティエリア


「今何時だろう」

「もう14時だよ」


 カミナがアイテムボックスからスマホを取り出し時間確認。

 ダンジョン内で困るのは時間の感覚が狂ってしまう事なんだよな。

 気づいたら深夜だったなんて事もある。


 4時間で140階層か。ちょっとペース悪いな。

 ここまでは邪魔な敵を排除するだけで次の階層を目指す最短効率で来ている。

 ただここからは俺達のレベルでもすんなり向かわせて貰える訳ではない。

 出来れば501まで行きたいが後半は疲労も蓄積されていく、手前で退くことも考えないと。


 やっぱり昨日ロスが痛かったな。

 不測事態は起こるものだけど、ソロでやってたらそんなには巻き込まれない。

 パーティでやる以上仕方のない事なのか。


「ミヅキ、またアンタは」

「隠しなよー」


 ミヅキはその辺でおしっこする女だ。

 簡易便所を使わず穴掘ってかがんでやるスタイル。

 一応、離れてはくれているのだが、恥ずかしくないみたい。


「ふう、スッキリしたー」

「おっさんが居るのに良く平気だな」

「大きい方はさすがに見えないところでするよ?」


 小さい方も見えないところでやればいいじゃないか。何が違うのだろう。

 俺が若い頃ならムラムラしてしまうところだ。

 男を勘違いさせかねない。良くない行動だと思うぞ。


「ちぇ、今までこうしてきたのに」


 女しかいないパーティだったから開けっぴろげだったんだろう。

 おっさんが入ってしまったから、ちょっと窮屈さも感じているかもな。

 経験値は欲しいのだろうけど、少しの弊害をお互い感じ始めている。

 折り合いをつけて上手くやっていかなければ。


 460階層


「潜り始めて6時間、ここまでかな」

「今日は200階層ですか。明日遊ぶ時間あります?」


 無いだろうね。しょうがないよ。残り140階層、恐らく300分はかかる。

 ダンジョンボスの事を考えれば330分くらいかな。


「今日もうちょっと行かない?」

「疲労が溜まってるの俺だけ?」


 3人はまだ平気そうだな。これもレベル差があるからかな。いや、若さもあるか。

 しょうがない、MPポーションを飲んでもうちょっと頑張るか。


 結局480階層まで進んだ。



 --------------------------



「うう、疲れたー」

「ごめんね?無理させちゃった?」


 いや、これくらいならなんとか平気だよ。

 こっちもダイエットで頑張ってるんだ。若さについて行かねば。

 しかし、恐らくは歳を追うごとに厳しくなっていくのだろうな。

 俺はカミナ達にどこまでついて行けるだろうか。


 ダンジョンの外に出ると少し騒がしい。

 嫌な予感がする。今トラブルに巻き込まれても俺はたいして役に立たないと思う。

 こういったタイミングの悪さで冒険者は命を失う事がある。

 頼むから大した事の無い騒ぎであってくれ。


「ここにカミナが来ていると聞いたのだがね?」


 うわーモロ当事者になりそうな単語が聞こえてきちゃった。

 一応MPポーション飲んでおこう ごくごく。


 訳の分からない事を言っている男を無視して通り過ぎようとするカミナ。

 だが当然ながら呼び止められる。


「何か用?要件なら私達が聞くけど」

「ウチら疲れてるんだよね。遠慮してくんない?」


 こういう事も慣れているんだろうか、ミオコとミヅキが盾になる。

 おっさんはどうしよう。棒立ちになっちゃった。

 おっと、ここはやはり2人の前に出なければ。疲れてて判断が悪い。


「何か用か?こっちは用は無いんだけどな」

「君がカミナの?ふぅむ相応しくない」


 はいはいそうですか。俺だってそう思ってるよ。

 相手の装備を見てみる。ふむ、中級者と言ったところか。

 でも高そうな指輪とネックレスを付けているな。お金持ちっぽい。


「3人共僕のパーティに入らないかい?待遇は保証するよ?」

「お断りよ」

「アンタもどうせハーレム狙いでしょ?」

「その枯れ果てた老木より僕の方が良いだろう」


 老木は言い過ぎだろうけど挑発なのかな。

 どっかの上流階級っぽい言い回しだ。

 もう面倒だな。幻惑の魔法使っちゃおう、ほれ。


「むぉお?!くるくるまわる~」

「さあ、行こうぜ」

「おじさん何したの?」


 後で説明するよ。早くホテルに帰って休みたい。


「おい、今あのおっさん何したんだ?」

「解らん」


 人がいっぱいいる場所で使っちゃまずかったかな。

 疲れてて判断が鈍ったかもしれない。


「あれ幻惑の魔法だぞ。攻略サイトで見た」

「え?じゃあ女の子達も幻惑にかかってるの?」


 おいおい、なんでそうなるんだ。

 …俺の見た目のせいか。


「幻惑の魔法は高レベルにはレジストされる。彼女達は俺よりレベルが上だ!」


 どれくらい効力があるかは解らない。

 だが言っておかなければ気がすまなかった。

 ゆっくりとその場を後にする。

 広場の誰もがこっちを見ている気がした。



 ------------------------



「で、どうだ?SNSの反応は」


 ホテルに帰って来て緊急会議。

 はあ、疲れてるから本当は寝たい。


「まだぽつぽつとだけど、やっぱり悪評流してる奴も居ますね」


 幻惑の魔法は夢を見させるだけだ。人を従属させるものではない。それに時間が経てば切れる。

 攻略サイトをしっかり読めば、彼女達が操られている訳では無い事くらいすぐに解る。

 だが、人は自分が理解したいように理解する。

 こんなおっさんが奇麗な女の子3人連れてるのが違和感。だから粗さがしをする。そして自分が納得出来る理由にたどり着いてしまう。それに矛盾があっても疑わない。


「判断ミスったよ。君らにもおかしな噂が立ちかねない」

「もう立ってるよ。私は股の緩そうな顔してるって」

「ウチは、娼婦だって」


 マジか………申し訳ないな。どう詫びればいいのか。まいったな。


「ちょっとミヅキ、二人で緊急会議を」


 ミオコとミヅキが出て行ってしまう。はあ、ショックだったろうな。



「ねえ、おじさん凄い気にしてるけどさ。顔出しで動画出してればこんなのしょっちゅうなのにね」

「私、初めの頃はもっとひどい事言われたよ?肉(自主規制)とか言われたことあるもん。最近はネット上の誹謗中傷への対応が進んでるからマシになったけどさ」

「でもこれってチャンスじゃない?おじさん責任感じてるみたいだし、持ってきかた次第ではずっとおじさんとパーティ組めるんじゃないかな?」

「ミオコそんな心配してたんだね。やっぱり24歳って色んな事に危機感感じはじめるものなの?」

「うるさい!真面目に考えてよ。おじさんは53歳だし、この先いつ辞めるか解らないでしょ?」

「ああ、やめられなくするって事?」

「まあ有り体に言えばそうね。ニュアンス的に言えばもうちょっと柔らかい感じなんだけど」

「で、どうするの?」

 ………



 二人が帰ってきた。


「おじさん!もうウチらお嫁にいけません!責任取ってください!」

「私の人生滅茶苦茶だよ~」


 うわ!抱き着いてきた。

 ちょっと待ってカミナの前でそれは。


「ふ、二人とも、落ち着いて!」


 カミナも動揺してる。抱き着いてきた事に不満が無いなら良かった。


「もう冒険者で生きてくしか道が無くなったよ~。なので道後800ダンジョンボス100連荘しようよ~」

「なお報酬は山分けでお願いします。レアドロップはウチら優先で」


 ………なんかおかしいな。

 全然涙出てないし、冷静に要求を言って来てるし。


『こいつらさっき廊下で悪だくみしてたぞ』

「やば!精霊がいるんだった!」

「全部聞かれてたの?!」


 いいかい?精霊はいつもそばにいる。

 全てを見ているし、全てを聞かれている。

 おかしな事もすべて見ている。


「くそ!旗色が悪いわね!出直すわ!」

「ばーか!明日もよろしくね!ばーか!」


 二人は逃げるように去っていった。

 なんだったんだよ。


「カミナは気にしてないか?」

「私は元々GODにメロメロだからね。今更幻惑の魔法なんか効かないよ」


 ほ、ほう、よく解らんけどそれで良いなら。

 少しほっとしたからおかしな事をして寝た。

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