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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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27 経験値は裏切らない

お盆過ぎ カミナ邸


「えーこれからのウチらのパーティの行動予定ですが」

「道後以外で」

「ぐぬぬ」


盆明けてすぐにミオコとミヅキが来た。

もう良いでしょ?道後には5年くらい行きたくないよ。


「でもおじさん、太ってませんか?」

「ああ、お盆に食べ過ぎて2キロ太っちゃった。そしてレベルも1下がった」

「ええ?!そんな事あるんですか?」


俺も初めて見たけどあるみたいだ。この歳になると加齢で下がるんだな。

10日ダンジョンに行かないだけで1下がってしまった。


「これは道後に行かないと!」

「うるさい」

「でもまるでカウントダウンだね。0になったらおじさんは…」

「「ミヅキ!!!」」


嫌な事言うなぁ。俺もそう思っちゃったけどさ。

冒険者カードを返しちゃってるから解らないだけで、元冒険者が老衰で亡くなる時は、レベル1とかになるんじゃないかな。

命の火が消える目前が解るんじゃないかな。


「まあ俺も死ぬ寸前までは冒険者やってないだろうから、カード返して解らなくなってるだろうけど」

「でもレベル1くらいならすぐ取り戻せますよ」

「そうだね、大したこと無いよ」

「…」


若い彼女達は知らないんだろうな。衰えるという事を。

今は10日でレベル1下がるだけかもしれない。これが5日でレベル1下がるとかになっていくのが衰えだ。

カミナを心配させたくないから言わないけどね。


「そういや最近動画配信やってるの?」

「やってません。案件はいくつか来たんですが断りました」


どうして?って聞いていいのかな。

原因は俺にあるような気がするから聞きづらい。


「だいぶ沈静化はしたけど、まだ予断を許さないというか、燃料を与えてもしょうがないので」

「前も言ったけど別に動画はやめてもいいからね」

「実際気持ち悪いんですよね。叩いてた人がしばらく動画あげないと寂しいとか書き込んでて」


うわーそれは嫌だな。

自分達のせいで動画をあげないんだとは考えないのかな。

自分は何を言っても許されるとでも思っているのだろうか。


「そういう訳で、動画は当分放置です」


そっか、じゃあダンジョンやる気まんまんという訳か。

道後以外ならいいよ。


「で、では、攻略途中だった伊豆高原にでも行きますか」

「600層か。今の戦力なら599までは行けるだろうな」

「ダンジョンボスはやっぱり難しいですか?」


ちょっとレベル足りないだろうね。

精霊使えばもちろん行けるけど、出来れば使いたくない。

精霊はチート、使わないで攻略した方がみんなの血肉になる。


「楽して勝ってたらそれが当たり前と勘違いしてしまう」

「真の実力を見誤るって事ですね」


そうそう、なのでこれからはなるべく使わない。

死にそうな時に使う奥の手くらいの気持ちでいてくれ。


「それより同じ600層の南紀白浜行かないか?」

「え?遠くない?」


遠いけど3人は行った事あるか?

無い?じゃあ俺がテレポートで連れてくよ。

どうせ初日は300層くらいまでしか潜らないからMPそんなに消費しないし。

帰りは各自で飛んでもらうけどね。


「なぜ南紀白浜なんですか?」

「南紀白浜はクラゲが居ないんだよ」

「は?」

「お盆過ぎてもクラゲでないんだぞ?凄くないか?」

「………海行こうって事ですか?」


うん、カミナの水着見たいし。夏休みの前半は温泉にずっと居たし。


「俺の計画としては、初日301まで、2日目501まで、3日目600まで行って残り時間遊ぶ」

「ん?南紀はダンジョンボスまでって事?」

「ああ、南紀のボスは比較的楽だから今でも倒せると思う。で、そうこうしてる内にレベル上がって伊豆高原も倒せるんじゃないかな」

「なるほど」

「いい案だね。でもそういう事なら向こうで泊まらない?そのほうが楽でしょ」

「今から予約取れる?」


夏は人気の観光地だ。でもパ〇ダがいなくなったから取れるかもしれない。



----------------------



そんな訳で翌日 南紀白浜へ来た。

宿の予約はなんとか取ることが出来た。


「うみだーーーーー!」

「おじさん、なんで水着に着替えてんの?初日は301まで行くんでしょ?」

「なんだよミヅキ、水着みたいな名前のくせに」


怒っちゃったから着替えた。よし、真面目にダンジョン行こうぜ。



南紀白浜ダンジョン前広場


「おお、カミナだ」

「ミオコとミヅキも居るな」

「あのおっさんひょっとして」


もう堂々としたもんだ。慣れてしまった。

気にしてたらキリないしな。


「へいへいへいちょっと止まりな。この南紀白浜のボス、菊池泰明様を知らないとは言わせねえぜ?」

「え?知らん。みんな知ってるか?」

「知らない」

「知るか」

「知らないね」


なんか様子がおかしいやつに絡まれた。

やたら低い声にアロハにリーゼント、南紀白浜は今時こんなのが居るのか。


「おっさんがこんなカワイ子ちゃん達を連れてちゃいけねえな。世論が許しても俺が許さねえぜ?」

「カワイ子ちゃんって死語らしいぞ?」

「世論に抗う俺カッコイーの人?」


ミヅキ言うねえ。他の2人はもう無視するみたいだ。

じゃあ俺らでコイツの相手をしなきゃいけないのか。


「ノンノンノン、無理するなよおっさん、本当はビビってんだろう?」

「ビビってはいるな、このままじゃ海で遊ぶ時間なくなる」

「今日は301まで、遊ぶ時間ないでしょ」

「おーいおいおい、ついに俺を怒らせちまったようだな?もう謝ってもゆるさねえぜ?」


いつまで続くのかなこれ。

結局どうしたいのか言ってくれよ。


「おっさん、俺と勝負しろ」

「どういう勝負?」


木刀で勝負しろって事らしい。

大丈夫なのか?これ捕まらない?


「安心しろ、おれは捕まったことがねえ」

「いつもこんな事してんのか?」

「美しい花たちを解放するため、仕方のない事なのさ」


よし、じゃあ、スキルは使っておっけー?いくぞ。


「どうした?うぎおおげ!!!!」


男が倒れる。終わりだな。


「おじさん、今何しました?」

「一歩も動かなかったよね?」

「特殊スキルだよ」


レアドロップの剣術スキル『残心』だ。

周りからは動いてないように見えるが、実際は素早く攻撃して元の位置に戻ってる。


「冒険者が人を攻撃したら捕まりかねないからな。だから解らないスキルを使った」

「モンスターにも役に立つの?」


いや、そんなには役に立たない。

残心と幻惑の魔法は対人用に覚えたんだよね。

いつの時代も、こういう奴はいるからな。


「いててて、な、なにをされたんだ俺は」

「おお、気絶しなかったか。なかなかレベルが高いんだな。まだやるか?」

「い、いや、訳が分からな過ぎて、も、もういい」


戦意喪失したみたいだ。じゃあもう行かせてもらうぞ。


「待ってくれ!謝罪させてくれ!悪かった!」


リーゼントを地面にこすりつけ土下座だ。こいつ、潔いな。


「いいから。こんな事はもうやめておけ」

「いや、だが力を振りかざし、女を手籠めにしてる奴が居るのも確かだ。やめられねえ」


ん?どういう事?


「冒険者は真面目にやってるように見えても裏では何をやってるか解らねえ。特に男は力を手に入れる程に金と性欲に走る」


ああ、解らないでもないかな。

おれもED治したいから再開した訳だし。


「だからアンタみたいにハーレムを作ってる奴も多い。お願いだ!その子達を解放してやってくれねえか!」

「おい、ちょっと待て」

「おじさん、そう見えるのはウチら想定済みです」

「世間はそうとしか見ないよね」

「GODは私だけの彼氏なの!」


その後、なんだかんだで誤解は解けた。


「いや~本当にすまなかった。おっさんとこんなに若くて奇麗な女の子が付き合ってるなんて思わねえからさ」

「不釣り合いだって言いたいんだろ?解ってるよ」

「GODは私の方からお願いして付き合って貰ったんだよ?」

「そ、そうなのか。じゃ、じゃあそのおっさんのレベルが、凄く高いとかか?」


今度はカミナ達が寄生虫してるんじゃないかと気になりだしたみたい。

なかなか疑り深い男だな。

なお、ミオコとミヅキは俺の精霊目当ての寄生虫ではあるから彼の疑念は間違いでもない。


「レベルは俺の方が低いんだ」

「じゃ、じゃあ純愛じゃねえか!」


男は驚き、襟を正す。

何かカミナの威光で見直されたみたいだ。


「誤解して悪かった!なんかあったら俺の名前出していいから、すまなかったな!」


そういって男は去っていった。

あいつの名前…なんだっけ。


「もう、時間かかりすぎ」

「今日は301層まで行くのは無理かもしれないな」


俺がチョイスの魔法使えば低階層はカット出来る、けどカミナの為に1階層から潜りたい。

仕方ない、こういう事もあるさ。

彼も悪いやつでは無かったみたいだし、許してやろう。

そんな感じで本日は260階層まで潜った。



「ねえねえGOD、どの水着がいい?」


宿泊先のホテルにチェックインし、夕飯を食べ部屋で落ち着く。

カミナがアイテムボックスから水着をたくさん取り出した。


「うーん、数が多すぎてな」

「これとか可愛くない?」


これは、もう答えが決まってるのに聞いてくるやつじゃないか?

俺としてはこっちの布面積が少ないやつを行きたいところだが、これは恐らく罠。

今カミナが持ってる可愛めの水着を選ぶのが正解だな。


「じゃあそれ」

「やっぱり?これが一番いいよね」


ふう、焦ったぜ。……でもこっちの水着のカミナも見たかったな。


「こっちはちょっと外で着るには恥ずかしいやつだからね。今着るね」

「!!!」


カミナとおかしな事をした。



-----------------------



夜 ナイトプール


「おじさん来ないね。せっかく私の水着姿見せてやろうと思ったのに」

「ミヅキ、えぐいの選んだね。お尻丸見えじゃん」

「ミオコだって下乳出すぎだよ。ツーサイズくらい下のヤツでしょそれ」

「動画のクセが抜けなくてね。ついついこういうの選んじゃう」


プールに来てもデッキチェアで寝っ転がるだけ。

へたに動くとすぐにはみ出てしまう。

ああ、でも風が気持ちいいな。


「ミヅキ、何してるの?」

「あっちの若い子がチラチラ見てるから挑発的なポーズを」


苦笑い、あの子をどうしたいのよ。

可哀そうに、前かがみになってるでしょ。


「ミオコは彼氏と続いてるの?」

「一応、会ってないけどね」

「なにそれ、続いてるって言えるの?」


おじさんとパーティ組むって言った時のあの顔を見たら、ほぼ終わっているだろうね。

別におじさんとは何もないのに。でも外からはそう見えてしまうものなのだろう。


「ミオコはそう見られて嫌じゃないの?」

「最初はね、でももう慣れたし、おじさんそんな人じゃないし」

「私はハーレムでもいいけどね」


ええ?ミヅキあんた…


「でもカミナが怒るから変な事はしないよ?」

「そうだよ、カミナだって大事なパーティなんだから、2人がいるのが大事なんだから」


精霊2体で経験値4倍。この状況をずっと続けていきたい。

2人がいつまでも続くとは限らない、だから今が大事なんだ。

寄生虫と呼ばれようとも、気にするものか。


「まあカミナが別れたらおじさんはウチが貰えばいいか」

「結局あんたも?なによそれ」


好きとかではない。でも仕方ないじゃない。

経験値は裏切らない、ウチらはそういう世界で生きているのだから。

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