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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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26/47

26 育成終了

 ―――ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 今日も朝から不死王退治、お疲れ様。


「レベルはどうだ?」

「14上がって110です」


 達成だな。今日はレアドロップは無い。

 レベル10ほどオーバーしちゃったけどまあサービスって事で。

 精霊引っ込めようかとも思ったけどセコい気がしたからやめといた。



 道後ダンジョン前広場


「お疲れ様です。報酬は後日口座の方へ振り込ませていただきます」

「ああ、解ったよ。この子達はすぐに帰るの?」

「いえ、夏休みなのでお盆前までは立ち回りを教える事になるかと」


 昨日は15階層まで探索したらしい。手厚いな。


「そちらはどうされるんですか?」

「こっちもせっかくだからもうちょっと残って、あ、宿は変えるから引き払っていいですよ」


 手厚い支援をありがとうございました。そしてここからは甘えられない。


「よし、じゃあ俺達は引き続きダンジョン探索を進めよう」



 -------------------------------



 10日後。


「なあ、さすがに不死王、可哀そうじゃないか?滅茶苦茶死んでるぞ。不死王なのに」

「翌日には復活するじゃん。不死王だから」

「復活するのはどのモンスターも一緒でしょ」


 パーティメンバーと言い合いになってる。

 俺は正直飽きてきてるのだが、彼女達はまだまだ潜りたいみたいだ。

 この10日で不死王10回倒し、その後はみっちりダンジョン探索。

 レベルはカミナが680、ミオコが648、ミヅキが640、俺が584まで上がっていた。

 ダンジョン探索は630まで進んだ。


「もうすぐお盆だし不死王殺しちゃ可哀そうじゃないか」

「不死王お盆関係ないでしょ。おじさんも痩せてきてるんだから良いじゃん」


 確かに痩せてる。一番太ってた頃から10キロ痩せた。

 まだまだ太めではあるのだが。

 でもそういう言い方は無いんじゃないかな。


「ミヅキ、もっと丁寧に言いなよ」

「お願いおじさん!なんでもするから!」

「ん?なんでも?」

「カミナみたいなキッズには出来ない色んなテクニ…」

「ちょっとミヅキ!」


 このままではパーティの関係も悪くなりそう。

 なによりね、腕が鈍ると思うよ?不死王では戦わずにレベル上がってんだから。


「むーー」

「納得してくれ、お墓掃除にも行かなきゃならんし」

「…解った」


 渋々納得するミヅキ、ミオコも本当は潜りたかったんだろうけど大人だから納得。

 カミナは相変わらず俺次第、ふう、やっと帰れるな。



「飛川さーん、俺達は明日帰るよ」


 道後に半月間、さすがに長かったな。

 温泉地にそんなに居ても仕方ないよね。

 こういう場所は、たまにのご褒美で来る場所だ。


「子供たちは成長してる?」

「ええ、順調に育成出来てると思いますよ」


 時々休みを挟んで現在60層まで到達、子供たちはもうちょっとだけ残るらしい。

 あの子達はダンジョンに潜りながら夏休みの宿題もすでに終わらせたとか。マジで偉い子達だな。


「子供達ーおっさん達は明日帰るよ」

「「「お世話になりましたー」」」


 軽く手を振り別れを告げる。まっすぐに育つんだぞ。



「ねえ、カミナさん達この十日でレベル70くらい上がったらしいよ」

「え?!私達2つしかあがってないよね?」

「レベルの割に低階層を回ってるから仕方ないけど、ここまで違うのですね」

「あのおじさん凄すぎない?私もパーティに入れてくれないかな」

「それなら私だって…でも無理だろうね」

「向こうも私達じゃメリット無いわよ」


 去り行くおじさんの後ろ姿が小さくなっていく。

 凄い人には見えないんだけどな。


「私達は私達で頑張ろ?」

「うん、まずはパーティ探さないとね」

「お互いの近況報告しあわない?」


 いいね。それは大賛成。

 連絡先はもうとっくに交換してる。

 ここまでは育てて貰ったけどこれからは自分で育たないと。

 ダンジョンは自己責任。ここからが本当の私達の戦いだ。



 飛川とびかわ 珠希たまきは女の子達の姿を遠くから見ている。

 この子達が成功してくれれば次の育成計画も考えないと。

 今回は女の子しか居なかったけど、男の子達も…うーん、若い男の子ってすぐ調子に乗るのよね。

 それに冒険者の男性の犯罪が多いのは事実だし、思春期の男の子は特に背伸びしたがるものだから、力を与えていいのかしら?

 冒険者は女性だけにしたいって言ってる人が居たわね。ちょっと解るかも。

 男性は完全に排除ではなく、女子は15歳から、男子は18歳からとかに出来れば、少しは落ち着きそうな気もする。

 ちょっと意見を出してみようかしら…


 元冒険者議員 飛川とびかわ 珠希たまき

 結構やる気が出てきた。



 -------------------------



 熱海ダンジョン


「おーい、お前達久しぶりだな」

「「!!!」」


 クオンとエレナが無茶苦茶びっくりしている。

 解るぞ。カミナが居るもんな。


「し、ししょ…」

「おじさん、久しぶりだね」

「「!!!」」

「おおルシル、元気だったか?」


 俺と話すルシルをまじまじと見つめるクオンとエレナ。

 んん?なんか変だな。


「お、おじ様!今日はどうして…」

「ああ、こっちに墓があるもんでな。掃除して今帰りだよ。ついでにお前たちの様子でも見とこうかなって」

「そっか、おじさん地元はこっちだもんね」


 ルシルが普通におじさんと話してる。大丈夫なの?安心していいの?


「カミナさん、初めまして」


 普通に挨拶してる。

 ルシルはカミナの事ハイエルフって…何の事だったのだろう。


「なんか変だなお前ら、カミナに緊張してるのか?」

「え、ええ!私大ファンだし」

「う、ウチもっす」


 そうか、ならばしょうがないか。



「へえ、それでクオンが今レベル59、ルシルが58、エレナが57まで来たの?滅茶苦茶頑張ってるな」


 彼女達は夏休み集中強化中らしい

 もう一人前の冒険者じゃないか


「それよりなんですか?その育成計画って」

「ずるいっすよおじ様、こんなに慕ってるウチらを差し置いて」

「1億くれればやろっかな」

「「…」」

「あはは、あたし達はあたし達で頑張ろうよ」


 ルシルはいつものルシルみたいだ。あれは何だったのかな。

 あの日のルシルはどう考えても普通じゃなかった。


「まあそのうちお前達の方がレベルは抜かしてしまうと思うけどね。頑張ってるし」


 精霊が居る事をカミナに話していいかクオンに確認取らずには話せない。ぼやかしておくか


「じゃあな」

「またねー」


 一応受付さんにもあいさつしとくか。

 なんかキューピットやってたみたいだし。


「あ!カミナさん、レベルが日本のTOP1000にランクインしましたよ!」


 受付さんがカミナの顔見るなり大騒ぎだ。

 TOP1000?そんなのがあるの?


「一応内部情報なんですが、解るんですよ」

「それって言っても良いやつなのか?」


 この人相変わらずガバガバだな。


「失礼な!ガバガバじゃありません!!」

「え?」

「い、いえ(やばい勘違いした)他の人に教えるような事は無いので」

「ちなみにTOP1は?」

「教えませんって」


 まあこの人がお金持ってますって言ってるようなもんだからな。教えちゃ駄目だよ。


「でも二十歳でTOP1000ですよ?ダントツの若さです」


 そうか、それは凄いな。俺も誇らしいよ。

 受付さんに手を振り東京に戻った。



 -----------------------



 カミナ邸


「ふう、やっと落ち着けるな」

「ねえ、普通に可愛い子達を紹介されたけどさ」

「ん?」

「3人共可愛かったね」


 ん?………あれ?ひょっとして、嫉妬してる?

 まだ未成年だぞ、あの子達。


「私だって二十歳だよ?15歳でも良いんじゃないの?」

「社会が許さんだろうが」

「社会が許したら、手を出せるって事?」

「いや、そうじゃなくてだな」

「可愛かったよ、特にルシルちゃん」


 うーん、困ったな。どう言えばいいのか。


「ルシルちゃん、あの子は凄いよ。見つめられると吸い込まれそうだった」

「意識してないから紹介したんだぞ?逆に気があったら紹介しないでしょ」

「うーん、そうかも」

「そもそもカミナも熱海に居たんだし、会った事くらいはあるかと思ってたよ」

「学生は夕方潜るでしょ?私達は朝から潜ってダンジョン泊りがけで終わったらすぐ帰ってたからね」


 そっか、活動時間が合わなかったんだな。

 レベルも違い過ぎるし、かち合わないか。


「とにかくなんもないよ。可愛かったというだけで疑ってたらキリないぞ?」

「うーん」

「カミナが一番可愛いのに、自信持ってくれよ」

「ほんとー?♡」


 結局イチャイチャの前振りだった。



 --------------------



 静岡県内の学校に通う高校3年生 小早川こばやかわ智花ともか

 今年は受験生、夏休みでも夏期講習に明け暮れている。


(あの子達、本当に大学行かずに冒険者続ける気なのかな)


 3か月ほど前に辞めているが、トモカは元冒険者。

 命を失うギリギリのところで助かり、今は平穏無事な生活を送れている。


 教室の窓から見える夕日、奇麗だな。もうすぐお盆だ。

 もし私が死んでたら、家族に悲しい初盆の頃を迎えさせていたかもしれない。


 ぶるっ


 今でも時々震えが来る。

 あの時、あの人が来なければ、私は…


 臆病者と思われても構わない。私は絶対に冒険者には戻らない。



 ---------------------------



 やっと城崎温泉に来れたわ。


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップス。

 山陽地方にあまり温泉が無かったので、山口から山陰へ進む事を選んだのだが、思いのほか抜けるのに時間がかかってしまった。


 とにかくアクセスが悪い、電車の本数が少ない、草ボーボー。

 鳥取駅の隣駅が山奥過ぎて不安になったわ。鳥取って県庁所在地なのよね?


 でも途中で海沿いを走っていた時は素敵だったわ。まるで海の上を滑るようだった。

 あんな経験はなかなか出来ないわね。


 さて、そんな事より今は城崎温泉。

 街の真ん中を川が流れ、川沿いには柳が植えてある。

 なんというか、旅情を感じさせる場所だわ。


 えーと、ここは7つの外湯があるのよね?

 一日で入りきるのは無理だし、近くに700層ダンジョンもあるから何日か泊まろうかしら?

 取り合えず予約してあった宿へと向かいましょう。



 ふう、もう暗いわね。すっかり長湯しちゃった。

 外湯から宿に帰る道が川沿いのせいか夏なのに涼しく感じるわ。え?何?


 ひゅ~~~ドーーン


 花火?花火だわ?どうして急に?

 川沿いの柳越しに見る打ち上げ花火。とても奇麗。

 でも何かもの悲しさを感じるのはどうしてだろう。


 確か日本では花火は夏の風物詩、慰霊や供養の意味も込められてるのよね。

 8月中旬には先祖が戻ってくると信じられているのよね?

 そうか、先祖が道に迷わないよう、花火は空を照らしているのかもしれない。


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップス。

 日本の風情を知る事となる。

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