表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/47

24 道後デート

 道後2日目


「うー朝から温泉贅沢だ―」

「私達、温泉ばかり来てるね」


 そうだな。そういや普通のデートしてないな。

 温泉なんて年配者の趣味だ。カミナは楽しくないのかもしれない。


「そんな事無いよ?GODと一緒ならどこでもいい」


 カミナは俺の事全肯定するからこの言葉は本当だかどうだか。

 ちなみにやりたいこと無いの?


「私、ダイビングしてみたいんだよね」

「へえ、俺もやった事無い」


 しかし海の中だと髪が…

 この腹でウェットスーツ着れるのかな。


「遊園地も行きたい」


 ジェットコースターは髪が…


「や、やっぱりどこでもいい」

「なんかすまんな」


 朝からカミナに気を使わせてしまった。

 俺はなんて駄目な男なんだ。



 ---------------------



「じゃあ今日もさっさと終わらせますか」

「今日も昨日と一緒な感じ?」


 いや、経験値アップの加護を1体出しちゃおう。

 すまんが今日も1体だけアイテムボックスに入ってくれ。

 文太が我儘だと判断したカイ君が空気を読んで入ってくれた。ありがとう。


 道後ダンジョン 800階層 ダンジョンボスエリア


 ―――ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


「どう?今日はどれくらい上がった?」

「31ですね。合計で73になりました」

「体は痛くないか?」

「ちょっとおかしいけど、昨日ほどでは」


 明日、精霊2体出せば終わるかな?

 いやちょっと足りない気もするな。

 まあいい、取り合えずドロップ品拾って地上に戻ろう。


 子供達を医者に預け一休み、みんなはレベルあがった?2つあがった?計算通りだな。


「レアドロップあった?」

「ああ、そういや槍が出てたな」

「槍?!」


 槍職のミヅキの顔が変わった。

 一応、分配はしない約束だったはずだが気にはなるのだろう。


「これだな、アダマンタイト製の槍だな」

「うわ、高そう」


 アダマンタイトで槍なら億行っちゃうかもな。

 買うなら適正価格で譲るけど。


「うーん、悩みどころだけど、やめておくかな」


 今使ってる槍が気に入ってるなら別に無理して買うほどの物ではない。

 ダンジョン誕生から40年、レアドロップとはいえもう何本も確認されていたはずだ。


「こういうのは海外の富裕層に高値で売れるからな」


 深い階層ダンジョンの無い海外でのほうが貴重品になるんだよな。

 そういう訳で換金所で売っちゃった。


「結構容赦なく売るんですね」

「売らないとたまる一方だからね」


 俺、槍は使わないし持っててもしょうがない。

 名前が付いたものなら何本か保管してあるけど。

 持ってるって言ったら目の色変わりそうだから言わないでおこう。


「じゃあ本日は301から再開しようか」

「どうせなら300層の中ボス倒さない?」


 そうだね、じゃあカミナ300層にお願い。



「いやー便利だね。チョイスって」


 チョイス初体験の2人は嬉しそう。

 カミナも今回初めて使ってみてどうだった?


「想像よりMP持っていかれるね」

「4人分だからな、更に深さによって消費多くなる」

「じゃあ800層まで7人運ぶのは大変なんじゃないの?」


 ああ、今の俺のレベルじゃ6割くらい持っていかれるな。

 でもボス倒すには支障ない、その辺はこの数日で調整済みだ。

 抜かりはないよ。



 そんな事言ってたら450層くらいでMP尽きてきた。


「GOD大丈夫?」

「うーん、こんなところでMPポーション使う羽目になるとは」


 敵も強く感じる、加護使わないと俺の限界はこの辺なんだろな。


「3人は伊豆高原の549まで行ってるんだよね?俺そこまでついて行けるかな」

「800のダンジョンボスをソロで倒す人が何言ってんの?」


 あれは相性の良い武器+加護全開だからだ。

 俺のレベルは決して高い訳ではない。


「まあ、後衛で魔法撃つ分にはまだ行けそうだけど、前衛やれって言われたらちょっと厳しい」

「それで良いですよ。前衛はウチらにおまかせ」


 情けない。女に前やらせて隠れてる気分だ。



 501層 セーフティエリア


「うーん、滅茶苦茶食らった」

「GOD大丈夫?まだどこか痛い?」


 セーフティエリアで大の字になって転がる。

 500層の中ボスに結構攻撃食らっちゃった。

 カミナは大慌て、俺にヒール使う為に付きっ切り。

 今回は目に見えて足を引っ張ってしまった。


「おじさん、今日はここまでにしておきますか?」

「ごめんな。俺は勘違いしてたかもしれない。行ける気になってた」


 明日、MPを万全にしてから潜ればもう少し先まで行けると思う。

 つかやっぱ、歳なんだよな。若い子について行くのは大変だ。


「ふふ、おじさん頼りになるのかならないのか解らないね」

「ミズキ、言い過ぎだよ?」

「くそー」

「でもさっきレベル上がったから一日で3つ上がっちゃった。おじさんのお陰だよ」


 おお、そうか。ちょっと元気出たな。

 若い女の子の一言でおじさんはすぐ調子に乗るからな。


「じゃあ、今日はちょっと早いけど、この辺でお開きにしましょう」


 リターンを使ってもらい、地上まで戻った。



 --------------------



 旅館の温泉に入って一休み。

 うー、今日は本当に疲れたぜ。足を引っ張るってのは精神的にも来るよなぁ。


「この浴衣で外歩いてきたら無防備かな」


 カミナが出かけたがってるな。

 道後温泉は外湯が何か所かあるから浴衣で歩いてる人は珍しくない。

 でも有名人にはハードル高いんじゃないかな?どうなんだろう。


「時間も空いたし少し散策してみるか?」

「いいの?疲れてるでしょ?」


 いいよ、温泉で少し回復したし。

 それに朝の話がちょっと引っかかってるし。

 せっかく観光地に来てダンジョン潜ってるばかりじゃ味気ない。行こうぜ。



「エッチなお店ばっかだね」

「…」


 風情があるんだか無いんだか。温泉街ってこういう事良くある。


『あそこがワシが言ってたストリップじゃ』

「ふーん」

『なんじゃ!言ってみただけじゃ!』


 レオンがすぐに引っ込んだ。デートだから空気読んでよね。


 年配の方が多いせいか、カミナに気づかない人多いな。

 浴衣のせいもあるのかな。いつもと感じが違うからかな。


「いいね。浴衣デート」


 しかし若い女の子とおっさんだ。

 おそらく不倫デートだと思われてそう。まあ気にする事ないか。


「ここが外湯?一緒に入れるの?」

「ああ、こっちは本館なんだけど、家族風呂は無かったと思う。別館の方にはあるぞ」


 でもこっちも一回は見といた方が良いぞ。

 あとでパーティメンバーと来ると良い。


「どこもかしこも奇麗になってるな。俺が若い頃は…」

「どうしたの?」


 俺が若い頃はとか言っちゃった。こういう事を言うと嫌われるんだよな。

 世の中進化してるんだ、昔の事なんて今の子らには関係ない。

 自分が昔嫌いだった大人に近づいてる。嫌だな。


「大丈夫?」

「すまん、勝手に凹んでた。若い頃は大人が言ってる事なんて古臭いと思ってたんだけどさ、いざ自分がその年齢に近づいてみると、理解出来る事も出てくるんだよね」

「ふーん」

「自分が時代についていけてないだけなのに、今時の若いもんはって言ってみたり」

「あはは、GODはそんな事言わないでしょ?」


 言わないだけで思ってはいるんだよな。

 進化についていけない哀れな老害だ。


「スマホとか、まったく使いこなせてる気がしないんだよな」


 若い子は俺の10倍はスマホを活用してる気がする。


「四六時中スマホみてるもんな、まったく、今時の若いもんは」

「あはは、ワザと言ってる」


 こうやって誤魔化さないとやってられないおじさんの悲哀。

 なんか考えれば考えるほど黄昏てしまう。ん?誰かに挨拶された。


「あれ?君はたしか」

江藤えとう 彩花あやかです。デート中にすみません」


 15歳のヒーラーの子だ。カミナに助けてもらったと言う子。


「そっちも今日はもう終わったの?」

「はい、今日は6~10階層を重点的に回ってきました」


 飛川さんの引率により、引き続き立ち回りの練習中。

 終わったからプリンを買いに来たらしい。どこだ?俺も食いたい。


「調子はどう?何か解らないことは無い?」

「すみません、ヒーラーの立ち回りなんですが…」


 ああ、カミナに聞きたそうだな。その方が早いか。


 2人が歩きながら話す。俺は傍でなるほどうんうん。

 ほう、君は神戸から?他の二人は群馬と熊本か。

 じゃあこれが終わったら離れ離れになるんだな。

 なんとなく一緒にパーティ組むもんだと思ってたけど、それぞれ違う場所で頑張るんだな。


「じゃあ年上とパーティ組むことになるのかな」

「そうですね。同年代ではレベル近い子いないと思うので」


 そうだよな。それもどうなんだろう?お互い気を使いそうだな。

 この子達は本当にパワーレベリングしてもらって幸せだったのかな。


 ふとルシル達を思い出す。

 あの子達はなんだかんだ楽しそうにやってたな。

 ダンジョンは遊びじゃないけど気の合う仲間とワイワイやった方が思い出にも残っていいんじゃないかな。


「プリンそんなに買うのか?」

「ミコトがその、我慢してるようなので」


 ああ、家庭が大変な子か。そうかそうか買ってあげるのか。

 ええからええからおじさんが買っちゃる。

 たくさん買うからみんなで分け分けしなさい。

 ありがとうと手を振り、アヤカが帰っていった。


「いい子だねぇ」

「いい子ばかりだよ。あんな子がほしいなぁ」


 カミナがくっついてきた。な、なんてことを言うんだ。

 おじさん今晩どうにかなっちゃいそう。



 -------------------



 なんでなのかしら?


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップスは現在 鳥取 皆生温泉に来ている。


 何故か解らないけど温泉街には特殊浴場ってお店が多いのよね。

 ここもそうだわ。あと多分あれも。

 特殊浴場ってなってるけど温泉に来てるのに更にお風呂に入るの?意味が解らない。


 私が知らないだけで更に極上の温泉があるとか?

 でも建物を見た感じどうも違う気がするのよね。

 なんだか派手だけどチープでピンク色だし。

 他の温泉とは真逆の印象というか。


 しかし私は外国人、文化を理解出来ていないだけなのかもしれないわ。

 ここはひとつ、思い切って飛び込んでみようかしら?

 でもなにか勘違いしてたら恥ずかしいし、ここは『ニホンゴワカリマセン外国人』で行ってみるわ。


「スミマセーン」

「うわっ!が、外国人のお姉さんかい?どうしてこんなところに」

「オフロハイリマス」

「ええっ?ひょ、ひょっとして、働きたいの?」


 働く?なんで?なんで私が働かなきゃならないのよ。

 CIAの任務もやる気ないのになんで働かなきゃならないのよ。


「困ったなぁ。法律で外国人は働けない事になってるんだよ」

「オフロダイスキ」

「そう言われてもなあ」

「オフロテンゴク」

「確かにここは天国だけどよぉ」


 天国?!やっぱりここは、極上の温泉があるのね!

 なんて事なの?ここまでずーっとスルーしてきてしまったわ!

 わ、私としたことが、こんな重大なミスをするなんて!!


 ここは絶対諦める訳にはいかないわ!

 入り口のおじさんは渋ってるけど多分VIPしか入れないとかなんじゃないかしら?

 ふふ、舐めないでよ?私、お金は持ってるんだから、ほら100万くらいでどうかしら?


「おわ?お客さんだったのかい?」

「オフロダイスキ」

「なんだ、勘違いしちゃったよ。安心しな!ウチはジェンダー対策もバッチリだ!一名様ごあんなーい!」


 ふっ、なんて簡単にミッションだったのかしら?

 ん?あなた誰?どこへ連れて行くの?なんで服を脱がそうとしてるの?


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップス

 この後逃げるように店を飛び出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ