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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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23 育成計画

 道後ダンジョン前広場


「移動お疲れ様です。もし必要ならMPポーションを準備してあるので」


 朝からカミナ達のパーティを連れ、テレポートでここまで来た。

 移動分のMP補充せよとの意味だろう。ありがたくいただこう。


「飛川さん、子供たちは?」

「バスの中で待機中です」


 大きなバスが2台とマイクロバスが横づけされている。

 それぞれ休憩室、医務室兼マッサージ室、政府関係者待機所として準備されたらしい、手厚いな。


「俺達も休憩室使っていいの?」

「はい、子供達に挨拶してあげてください」


 そうだな、でもその前に。


「じゃあ文太、申し訳ないけど」

『しゃーねーな』

「ごめんね?カイ君も…」

『解ってます』


 今回の段取りはこうだ。

 目的は15歳の女の子達のレベルアップ。

 その為に道後800層のダンジョンボスの攻略をする。

 やり方は従来どおり俺の一人攻撃、残りはカミナの絶対防御の中に入ってもらう。

 絶対防御は直径5メートルくらいの球体、余裕をもって6人入れるらしい。

 ただ、一気にレベルを上げるのではなく何日かかけてレベル100に持ってくのが目標。

 その為に俺+カミナパーティ+15歳三人の7人パーティで行くことにした。

 なるべく経験値を分散させて、15歳の女の子達の体に負荷をかけない為の配慮だ。

 ただ、それでも精霊の加護が加わる事により、レベル1の子達にとっては莫大な経験値が入ってしまうと考えた為、悩んでいたところ文太がこう言いだした。


『経験値アップはパッシブだから外せないけど、俺をアイテムボックスに入れれば加護は途切れるぞ』


 知らなかったけど精霊達はアイテムボックスに入れるらしい。

 入りたいもんじゃないらしいけどね。

 文太とカイ君の合わせて経験値4倍の加護を途切れさせることが出来るそうだ。

 これならなんとか行けるかな。


 あと、政府関係者と女の子達も精霊がいる事は内緒にしてある。

 言ってもいいかなとも思ったんだけど、面倒事も多いからね。

 おかしなレベルの上がり方をする事になるだろうから、そのうち気づくかもしれないな。

 でも今回だけの依頼のつもりだし、しらばっくれればいいかなと。


『終わったらすぐ出せよ!』

「解ってるって、女の子達には見えないようにな」


 よし、女の子達にも段取り教えないとな。



「そうですか、カミナさんの後ろに居ればいいんですね?」

「ああ、ちょっと怖い顔した敵だけどびっくりして離れないでね」


 パニック起こさないでくれると良いけどな。


「大丈夫、ウチらが捕まえておきますよ」

「私らは本当に何もしなくていいの?」

「ああ、その代わりドロップ品は分割できない」


 ドロップ品は俺一人の物にする事にした。

 15歳の子達に分けちゃうと、これまたおかしな事になるからね。

 国に1億かけてもらってんのに何もせずに儲かるんじゃおかしい。

 なのでカミナパーティも同じ扱いにした。


「よし、質問は無いな?じゃあ行こう!」



 道後ダンジョン 800階層 ダンジョンボスエリア


 ―――よくぞここまで来た!この…いて!まだ喋ってる最中だろうが!!


 ごめんな、ここのところお前の顔ばっか見てるもんで。

 気にせずグサグサやっちゃう。


 ―――許さん!!許さんぞ!!!


 第二形態だ。いったんカミナ達の方を見てみよう。

 やっぱり3人共震えてるな。怖い顔だもんな、コイツ。

 すぐ倒すから待っててね。


 ―――ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 最後の断末魔と共に、不死王が崩れていく。

 ちょっと飽きてきた光景だ。ごめんな、毎日しつこくやって来て。



「いたた!!体がおかしい!」

「あ、足がおかしい!普通に歩けない!!」


 子供たちの声だ。あらら、やっぱりそうなっちゃったか。


「大丈夫か?レベルは?」

「42です」


 お前は平気そうだな。水泳の子。

 体鍛えてたからやっぱり違うのかな。


 しかし7人分割なのに42まで一気に来たか。

 やっぱり最初の計画だとやばかったな。


 早く医療スタッフに見せなきゃ。

 ドロップ品をアイテムボックスに押し込み、と、思ったら文太が怒りながら出てくる。

 ごめん、忘れてたよ。


『びっくりするじゃねーか!』

「ごめんごめん、女の子達に見えてないよな?」

『たりめーよ』


 女の子達はこっちを見る暇もなさそうだ。

 じゃあさっさと詰め込んで、ほいリターン。


 道後ダンジョン前広場


「どうかしましたか?!」


 飛川さんが慌てて駆け寄ってくる。

 この子達を医者に見せてください。



「ふむ、成長痛と同じような感じですかな。ストレッチで筋肉をほぐせばおそらくすぐに痛みは収まるでしょう」


 急激な成長でおかしくなったんだな。予想してた事だ。

 ではストレッチをしてもらって君達はしばらく休みなよ。

 水泳の子、君は平気そうだけど一応やってもらいなさい。


「さて、女の子達は今日はもう…飛川さん、その恰好は?」


 慌ててて気づかなかったな。

 飛川さんがセクシーな冒険者装備を着ている。


「立ち回りとかでしたら私でも教えられるので、一応準備してきました」


 そっか、確かに今は戦い方を知らないレベル42だからね。

 飛川さん、現役時代はレベルいくつだったの?


「270までは行きましたが、先ほど再発行してみたら264まで落ちてましたね」


 2年でレベル6落ちたらしい。でも若いからかな、そこまで落ちてない。

 264なら指導役としても十分だろう。


「しかし議員さんがそんなセクシーな格好していいの?」

「げ、現役時代の装備なんだからしょうがないじゃないですか」


 現役時代の装備を着れたんだね。羨ましい。


「じゃあ、子供たちが大丈夫そうならお願いしてもいいのかな?」

「はい、午後から浅い階層で立ち回りを教えておきます」


 手厚いな、子供たちは幸せだ。じゃあ後はおまかせします。

 バスを降りたらみんなが話をしていた。


「怖かったね。ウチもちびりそうだったよ」

「滅茶苦茶怒ってたね。おじさんが何してるかも解らないし、不安だった」

「みんなはレベル上がったか?」

「「「1つだけ」」」


 まあ加護無しの7分割だもんな、そうなるか。


「何かレアドロップあった?」

「全然見る暇なかったよ」


 急いで詰め込んでたけど、魔法書とかは無かったと思う。

 一度アイテムボックスの整理の為に換金しに行くか。


 換金の結果、レアドロップは全然無かった。こういう事もある。

 さて、じゃあ俺達はあらためて1階層から探索しよう。

 1階層から潜るのはカミナのチョイスの魔法の為。

 低階層にそこまで用事は無いんだけど、一応行けるようにしておいた方が良いかなって思って。

 精霊の加護はもちろん利用してここからはドロップ山分け。


「あの子達は大丈夫なんですか?」

「ああ、今日はもう任せた」

「あの子達の特性なんだったの?」


 確認してない。そんな余裕無かったな。

 まあ後で解るでしょ。


 そんな感じで夕方まで潜り、301階層まで行って今日は終わりにした。



 ---------------------



「うー、夕日だー!」

「奇麗だねー」


 ダンジョンから出る時のこの感覚は何回体験しても気分が良いものだ。

 空気が美味しい気がするし、開放感がある。


 飛川さんと子供たちが普通に歩いてた。平気だったんだね。


「体は大丈夫か?」

「はい、ご心配をおかけしました」


 ちゃんとしてるな。俺の15歳の頃とは大違いだ。


「午後は5階層まで探索してきたんですよ」

「そっか、で、特性はどうだったの?」


 カミナに助けてもらった子はヒーラーだったらしい。良かったんじゃないか?

 水泳の子は剣士、ふむ、イメージ通り。

 家が貧しい子はスカウトか。家が貧しいって呼び方は嫌だな。君は名前何だっけ?


坂本さかもと美琴みことです」

「そうか、ミコト、よろしくな」

「今ですか?それ言うの」


 飛川さんが怒ってらっしゃる。

 確かにな、でも一気には覚えられない。他の2人は後日でお願いします。


「おじさん、スカウトって強いんですかね?」

「いろいろ出来るジョブだな。敵をいち早く発見して奇襲できるし、罠を仕掛ける技術も覚えるし、身軽だから敵の攻撃も避けやすいし、悪くないと思うけどな」


 剣士や魔法使いと違って派手さは無い。

 でも成長すればアサシンみたいなことが出来る。


「暗殺ですか?私向いてるかな」

「まあ別に職業が明確に決まってる訳じゃないから、好きな事やっていいんだけどな」

「でも、飛川さんはせっかくだから特性を伸ばしたほうが良いよって」


 それが理想なんだけどね。

 でも若いのに可能性を狭めて良いのだろうか。難しい所だ。

 まあもうちょっと頑張ってみなよ。慣れると面白いかもしれないぞ。


「最初に怖いって言ってたけどどうだった?」

「怖いです。全然慣れません」


 彼女は低階層でもビビりまくりだったそうな。

 最初に滅茶苦茶怖い奴見せたのに、それでも駄目だったか。


「そうは言っても初日だからな。これから頑張ろうぜ」

「はい、頑張ってみます」


 やる気はあるみたい。早く家族を楽させられると良いな。



 ---------------------



「うー、疲れたな」

「GOD、肩揉んであげるね」


 旅館の部屋でカミナと二人きり。

 飯食って風呂入って気づいたらなんでだろう?今日はなんだか疲れた。


「若い子達の面倒を見るのって疲れるものだよ?」

「そっか、気を張ってたのかもしれないな」


 午前中、ちょこっと面倒見ただけなのに。

 その後のダンジョン探索もあるのかなぁ。


「私達も若い子だからね」

「解ってるよw」


 4人パーティは久しぶりだった。

 300層に行くだけなのになんか疲れちゃったな。


「あの二人が剣と槍だから俺は魔法撃ってたんだけどさ、パーティ久々だから当たらないよう気を使っちゃって」

「うん、まだあの子達の動きが把握出来てないからだよ」


 その通りだ。連携が取れてないんだ。ソロでやってた弊害だ。

 明日からは301~を回るつもりだし敵も強くなる、どこまで行けるかな。


「無理はしないでおこうよ」


 そうだな、別に踏破しに来た訳じゃない。

 踏破するには加護を連続で使わなきゃ無理だろうし、精霊達にそこまで負担はかけられない。

 ダンジョンボス戦だけフル回転してもらって、通常探索ではなるべく休ませたい。


「そういう訳で、夜も無理しないの?」


 するに決まってる。カミナとおかしな事をした。



 -------------------



「いい湯だねミヅキ。今頃おじさんとカミナはおかしな事してるのかな」

「そうだねミオコ。こういう宿なら彼氏と来たかったよ」

「別れたんでしょ?」

「うん、それが最低なんだよ?最後に一回だけおかしな事させてくれって」

「ひどいね。おかしな事するだけが目当てだったみたいじゃん」

「私の価値はおかしな事しかなかったの?」

「そんなのおかしいでしょ」

「頭がおかしくなりそうだわ」

「おかしな事言わないでよ」

「つか、おかしな事って何?」

「おかしな事はおかしな事でしょ」

「15歳の子達に聞いてみようかな」

「おかしな事を聞くのはやめなさいよ」


 道後遠征一日目が終わった。

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