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ダンジョンだじょーん(仮)  作者: ヒゲ面の男


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22/46

22 引っ越し

 朝から道後ダンジョンに来た。


「よし、今日は打ち合わせもばっちりだし、みんな準備は良いか?」

「大丈夫だよ」

『仕方ないのう』


 雨降って地固まるとでも言いましょうか。

 気遣いもあるのか今日はみな協力的だ。じゃあ行くぜ。


 道後ダンジョン 800階層 ダンジョンボスエリア


 カミナが歩いてくる。

 実際にはその前を俺が歩いているのだが、レオンの加護で見えなくなっている。


 ―――よくぞここまで来た!この愚か者め!


 人型タイプだからか喋るんだよな。

 ここのダンジョンボスは不死王ノーライフエンパイア。

 我を倒してみよとばかりに手を広げ、高笑いをしている。

 今だぞカミナ、絶対防御を張れ。


 ―――むむ?なにか居るな?


 光の剣クレイヴ・ソリッシュの威厳なのか、俺が感知されているのか解らないが、気配には気づくみたい

 でも、ちぃ太の加護で…


 ―――むむ、動きが…


 気配を絞らせない、そしてゴリ左衛門の加護で胸の弱点の宝石に… ズガッシュ!!


 ―――ぐぁあぁ!!!おのれ卑怯な!!


 後はこれを繰り返すだけだ。


 ―――おのれ!ならばお前から先に!


 カミナの方へ向かった。その隙に2発入れる。


 ―――ぐおお!!!くらえ!!


 不死王の頭上に大きな隕石が膨れ上がっていく、俺はその隙に更に3発入れる。

 こいつも無詠唱使うんだよな。でもメテオは発動まで時間がかかる。

 なのでもう3発入れさせてもらった。


 ―――うおおお!!行け!!!


 メテオがカミナに向かって急降下していく。

 カミナは少し緊張してるな、本当に10分持たせられるのか?

 いや、今は仲間を信じよう。俺はもう1発不死王に入れた。


 ―――ぐぬぅ!防いだか、苦々しい


 カミナは無傷だった。ほっとした表情。手で合図を送ってくるが俺が見えなくなってるからキョロキョロしてる。しかしまだ耐えれるという事なのだろう。

 ならば攻勢あるのみ。俺は更に3発入れる。腕を大きく振り回してきたから退避。ハエになった気分だ。


 ―――おのれ!どこだ!どこにいる!!


 ここにいるけど教える訳ない。俺は更に1発入れた。


 ―――許さん!!許さんぞ!!!


 不死王の体が闇の炎に包まれていく。

 ここから第二形態だ。あの闇の炎に触れるとダメージを受ける。

 そしてここからが光の剣クレイヴ・ソリッシュの真骨頂だ。

 クレイヴ・ソリッシュは元々投擲武器、投げて使用する武器なのだ。

 よし、行け!


 ―――うおおお!どこから!!


 そして戻ってくる、これを繰り返すだけ。

 行け、行け、行け。


 ―――おのれ!!!姿も見せず、卑怯な!!


 負け惜しみを言うようになってきたら終わりは近い。

 行け、行け、行け。


 ―――くっそぉぉぉ!!!許さんぞぉぉぉ!!!


 またメテオをカミナに向けて準備する。

 それは悪手だぞ?さっき6発入れられたのに。苦し紛れの悪あがきだ。

 行け、行け、行け。


 ―――ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 最後の断末魔と共に、不死王の体が消滅していく。

 煌めく砂塵のように結晶化して崩れ落ちた。

 ドロップの山が後に残った。


「終わったぞ」

「うん、うわぁ!レベルが16もあがった!」


 良かったね。俺も27上がった。

 これで次はもっと早く倒せるかもしれない。


「カミナ、大丈夫だったのか?」

「う、うん。一発でMP60%くらい削られちゃったけど」


 なんだよ、危なかったんじゃないか?

 特級MPポーション飲みながら耐えてたらしい。3発なら耐えれたって。


「さて…レアドロップは…お、賢者の石があるな」

「確かエリクサーの材料だっけ?」


 そう言われてるな。蘇生も可能と言われているエリクサー。

 だが未だに作られたことは無い。現代科学では難しいのではないだろうか?

 因みに賢者の石は俺すでに持ってる。これで3つ目だ。


「多分ドロップ品で錬金術の本とかがあるのかもしれないな」


 魔法薬学の本は結構出るんだよな。

 それを使ってポーション作ってる人達がいる。


「でも聞いたことの無いドロップ品だよ?」

「別府第一とかでしか出ないのかもな」


 別府第一のダンジョンボスオロチ。

 1回しか倒してないからレアドロップコンプは出来てないと思う。

 因みに1回目の討伐で出たのが無詠唱だ。売っちゃったけどね。


「さて、他のドロップ品分けるか」

「いらないよ?私何もしてないし、むしろレベル16も上がって私も1億払いたいくらい」


 いやいや、さすがにそれは。

 カミナがタゲ取ってくれて助かったんだぞ?

 特級MPポーションも使ってくれたんだろ?


「じゃあ1億は勘弁して?」

「最初からいらんて」

「ドロップ品はGODの物、で、明日も来よ?」


 …ドロップ品はいらないからレベルは欲しいか。

 まあ、少しも欲が無いとこっちも気を使うから良いけどさ。

 俺もレベル上がるから良いかな?子供達を育てる時もうちょっと余裕欲しいし。

 しかし、554のカミナが570まで上がってしまったか。

 ちょっと計算ミスしてるかもしれないな。

 レベル1の子が無茶苦茶上がり過ぎても困る。ちょっと調整しないとな。



 ---------------------



 1週間後。


 本日はカミナ引っ越しの日。

 新しいマンションは麻布十番なのか。良い場所選んだな。

 新築タワマン最上階の広い部屋、見下ろすのが好きなの?

 引っ越しと言っても襲撃された部屋の物はなんか穢れてしまったと感じるらしく、ほとんどが廃棄。

 新しい家具を自分達で運び入れ、3時間くらいで終わった。


「カミナー、なんでレベルこんなに上がってんの?」

「愛の力だよ♡」


 パーティメンバーも手伝いに来てくれた。

 カミナのレベルは現在617、パーティメンバーとは50くらい差が出来ちゃった。

 俺のレベルもかなり上がった。不死王を余裕で倒せるようになった。

 精霊の力をフル回転させればレベル900くらいの力は出せるかな。


「付き合い立てだし気を使ってたら自分だけ抜け駆けかよ」

「おじさん、私達もー」


 こうなるよなー、恐れてた事態だ。

 しかし、カミナは恋人でお前たちは違う。


「まあまあ、それよりチョイスの魔法を手に入れたよ。これでダンジョンに泊まらなくて済むよ」

「「え?」」


 3回目の討伐で出たんだよな。

 他のドロップ品はいらないけどこれだけはくださいと頭を下げられた。

 別にそこまでしなくてもあげるのに。


「と、という事は、まだウチらとパーティ続けてくれるの?」

「良かったー」


 何か心配事があったようだ。

 そうか、俺のせいでパーティ解散になると思ってたんだな。

 そう言えばその問題があったな。これからどうする?


「そーゆー訳で、ウチらとしては配信を諦めてでもおじさんにパーティに入っていただければと」

「彼氏と別れたし、カミナに飽きたら私でもいーよー?」

「ちょっとユヅキ!!」


 ま、まあ冗談として聞いておくよ。

 そうか、俺もカミナの傍から離れる考えは無いし、それしか選択肢無いかもな。


「まあでもちょうどいいかも知れんな。明後日から教育係だし」

「何の話?」

「みんなで道後ダンジョンに行こうよ」


 世間は現在夏休み。

 明後日から道後ダンジョンで15歳の子達をパワーレベリングする。

 …なんとなくルシル達の事を思い出した。

 熱海に全然行ってない。あいつら元気にしてるかな。



 --------------------------------



「な、夏休みだー」

「昨日からでしょ?」

「昨日、10時間は潜り過ぎたっすよね」


 熱海ダンジョン前広場


 時間が余って仕方がない夏休み。

 ルシル達は宿題する気などサラサラなく、今年の夏はダンジョン三昧と決めたのだ。


「テスト中潜れなかったんだから取り戻さないと」

「赤点あった?私は回避」

「ウチは英語が駄目だったっす」


 あたしは数学が駄目だった。

 でも1年の1学期という事で補習は回避できた。良かった。


「夏休みの間にどれくらい行けるかな?」

「うーん、頑張ればレベル80くらいまでは行けるか?」


 普通なら無理だけどあたし達にはサルエロの加護がある。

 現在ルシル26、クオン28、エレナ25、この夏休みでレベルを50以上底上げするつもりだ。

 貯金も200万に到達、少し防具をそろえ直してお金使っちゃったけど、順調そのもの。


「レベル80っすか。じゃあ来年の夏までに150くらいまで上げて、来年の夏休みこそはダンジョン巡り旅行を」

「あはは、エレナ諦めてなかったの?」

「クオンちゃんは3年生だよ?進路決めたの?」

「………」

「決めてないんだね」


 エレナは好き勝手言ってるけど現状25~28の私達、道のりは長い。

 でも夢を語る位は良いよね。



 -----------------------------



「というか、おじさん痩せました?」

「ああ、5キロくらいだけどな」


 不死王連戦の影響かな?痩せてきた。

 ダンジョンマラソンするよりボス巡りした方が良いのだろうか。


「みんな手伝ってくれてありがとう。お寿司とったから食べてね」


 ウバーでお寿司到着。

 高そうな寿司だな。俺イカと鉄火巻きだけでいいよ。


「おじさん偏食家なの?」

「食えないことは無いけど食わないだけだ」


 若い時は全国回ってその土地の美味いものを食べまくったけどなー。

 現在は一周回って落ち着いた感じだ。


「一番好きなものは?」

「茶碗蒸し」


 3人にクスクス笑われる。

 なんでだ?茶碗蒸し美味いじゃないか。


「美味しいけど一番じゃないよねー」

「ウチ銀杏苦手」


 俺も若い頃は銀杏苦手だった。

 なんで年取ると好みが変わるんだろうな。不思議だ。


「それで、さっきの話なんですけど」


 ああ、若い子育成計画だな。

 どうせ時間余るから君達も来なよ。

 空いた時間でダンジョン探索しよう。


「800層をですか?願ってもない話ですけど」


 彼女達は現在熱海500階層踏破が最高で、今は伊豆高原600層に挑んでたんだっけ。

 で、549階層までは行ったらしい。

 まあ道後は800、かなりレベル高いけどこの機会に体験しておいて損は無い。


「2人の宿手配してもらわなくちゃ」


 カミナが飛川さんに連絡、夏の温泉地だから空いてると思うぞ?

 今回は国の全面バックアップの元、計画が行われる。

 医療スタッフとかメンタルケアとかマッサージ師まで準備されるらしい。

 ヒーラー居るのに医者まで来るのか。万が一の為の手厚い体制だな。


「でも15歳でいきなりレベル100か。大丈夫なんですかね?」


 懸念は解るぞ。俺だってそう思った。

 まあ現地で会えるから話してみると良いよ。


「ミオコは15歳から始めたんだよね?一年でどこまで行けた?」

「ウチが伸び始めたのは精霊契約してたカミナと会ってからだからね。家からダンジョン遠かったし、そんなに頑張ってた訳じゃないし高校の間は70も行かなかったよ」


 まあそんなもんだろうね。

 カミナより4歳年上のミオコ、カミナに会ったのはいつくらいなのだろう。

 いくつもパーティを渡り歩いてきたのかな。


「それなのに高1の夏休みでいきなりレベル100か、羨ましい」


 モチロン有利な状態から始められるのは間違いないんだけどさ。

 そうは言っても、結局精霊の力があると無いとじゃ大違いだから君らは恵まれてると思うぞ?

 15歳達は100までブーストした後は普通の冒険者生活だ。

 下とのレベル差はどんどん縮まり、次第に収束していく気もしてるんだよな。


「おじさんが一番恵まれてると思う」

「そうだよ」

「………」


 藪蛇だったみたいだ。



 -----------------------



 フグ?!オーマイガー、オーマイガー、オーマイガー。


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップス。

 天草下田、佐賀嬉野、武雄と抜け、現在は山口県に来ていた。


 いやいやいやいや、フグは無いでしょ。なんでわざわざ毒のある物を食べるの?

 そんなもの食べなくても日本にはいくらでも食べるものあるでしょうに。

 周り中海なんだから魚もいっぱいいるでしょ。なんでその中からフグを選ぶかな。


 まあでも、人間は成長する物ね。だんだんと動じなくなって来たわ。

 知ってるわよ?なんかでっかい皿に薄く盛り付けられて出てくるんでしょ?

 それを一列かっさらって食べるのが豪快な食べ方なんでしょ?解ってるわよ。


「フグの白子、お待ちどう様でーす」


 …………なにこれ?なんかデロンとしたものが出てきたわ。こんなのだったかしら?

 焼いてあるけど、わ、凄く脆い、こんなのだったかしら?

 ま、まあいいわ。なんか間違ったものを頼んでしまった気がするけど、恥かきたくないし。

 私は解ってて頼んだのよ?これを口に入れるのが大好きなの。なんなら大量のこれを顔中で受け止めたいわって感じで食べないとね。ぱくり。


 ん~!すっごくクリーミー!の、濃厚!味が濃厚だわ!

 舌触りが素晴らしいわね!外側の焼けた部分との対比が面白いわ!

 なんなのこれ?シラコって言ってた?

 ちょっとスマホで調べてみようかしら?


 白子=フグのオスの精巣。


 …………なんなのよ日本!!もっと食べるもんあるでしょうが!!毒魚の種なんか食うな!!バカ!!


 CIAエージェント、ケイトリン・リリー・フィリップス。

 なんだかんだ舌にネットリ絡めながら全部食べました。

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