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8.なろうがわからない

「この作品、めちゃくちゃつまらないのでは……?」



 先のカクヨムでの事態だとか、なろうでの読まれなさっぷりとか。

 そういうので、上記の疑念。

 ここに加えて、もうひとつ。




「これもしやなろう系ではないのでは……?」




 追放要素が入っている。なろうデビューできたと思った。

 というかなろうに投稿してるからもうなろう系だよ。そう思っていたけれど。

 少し冷静に分析してみる。



 追放ものは、追放した側がやりこめられる要素がある。

 それはもちろん知っている。悪者が痛い目を見るスッキリ展開は、やっぱり物語の王道。

 実際スッキリする。大変に良いことだと思う。



 自分の書いたものはどうか。

 スッキリ要素。

 特に、ない。



 読者目線で、考えてみる。

 追放ものを読もうと作品を探している人が、追放ものだと思ってこれを読んだら。

 思ってたものと違うものがくる訳で。

 ラーメン食べようと思ったらソーメンが来る訳で。

 それはもう裏切りな訳で。





「もう駄目だ……」





 郷に入ったつもりが、なんか知らん所に入っていた。

 己の居場所が分からない。迷子。ロストマン気付いたろう。

 僕らが丁寧に切り取ったその絵の名前は思い出。




 ここらでなろうを、改めて調べる。

 「なろう系」自体がすごい曖昧なんだということを知った。

 軽く考えててごめんなさい。



 いろんなジャンルがあることも知った。

 スローライフ、婚約破棄、悪役令嬢、ダンジョン配信……。

 …………。




「悪役令嬢……?」




 スローライフ。これは知っている。

 婚約破棄。なんとなく想像がつく。

 ダンジョン配信。展開は分からないけど、状況だけは分かる。

 悪役令嬢。悪役令嬢?





「悪役令嬢って何!!?」






 字面だけでは全くわからないものが飛び出してきた。

 悪役令嬢。悪役の令嬢。わからん。状況も展開も分からない。さっぱり想像ができない。

 しかしこれ、なろうでは一大ジャンルらしかった。こんなことすら知らなかった。



 自分が思っていた以上に、なろう知識がなかった。




「もう駄目だ……」




 二度目の駄目だが飛び出した。

 なろう書こうと思ったらなんか全然なろうじゃないのを生み出していた。

 そりゃそうだよ知らなかったんだもの。しょうがないじゃないかちゃんと読んだことないんだもの。

 読んだ事ないくせになんでお前こんな所にいるんだよと石を投げられてもしょうがないよ。

 申し訳ない申し訳ない。誠に申し訳ない。




 ここに至って、もう一朝一夕ではなんともならないことを悟る。

 小細工を弄しても最早変わらない、そう確信し始める。

 そんならいっそ、タイトルもあらすじも自分好みにしてみようと考える。

 ちょっと含みのある方が好きなので、そんな感じにしよう。「追放」だけは残しつつ。




 少し悩んで。




『邪教徒は追放されるし勇者はぼんやりしてるし魔王は死んでるし聖者は怒ってるし』




 電気グルーヴの歌詞みたいなタイトルになってしまった。

 でもまだなろうっぽい感じがしないでもない。ならばセーフかもしれない。セーフだ。



 あらすじは。

 シンプルに一行になった。

 シンプルだけど、中身が全く分からないあらすじになった。



 悪化してないかなこれ。いや完全に悪化してるよ。多分駄目だよこれ。

 でも自分のセンスなんてこんなもんだよ。もうわかんないよ。どこへ突き進んでるかわかんないよ。

 悪役令嬢すらわかんないんだから何一つわかる訳ないよ。どうしようもないよ。



 どうしようもないながら、最早己の頼りない感覚とセンスに拠る他ない。郷はすでに見失っている。

 とりあえずの暫定タイトルということにして、いいのが思い浮かんだら変えることとした。

 結果的に変えることができなくなってしまうのだけれど、それはまた後で。(※)




 それにしてもこうした作業が、一番疲れた。

 本文の内容じゃなく、読まれるためのあれやこれやにこうまで腐心するとは。

 つかれる。つかれた。つかれてる。

 これがなろうの厳しさ。恐ろしい。




 異世界転生と追放。それだけの知識だけでここに来たのが、駄目だったのかもしれない。

 ゆるして志賀直哉。今度読むから志賀直哉。

 あとで悪役令嬢を教えて志賀直哉。


※結果的にタイトルは変更されました。だれかたすけてください。

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