3.キャラの作り方がわからない
ひとまず気の向くまま、あれこれ並行して書いていった。
その中で、連載にしようかなと思うのがひとつ、思い浮かんだ。
宗教勧誘してたらギルドを追放された、という導入の作品である。
追放要素が入っている、つまりなろう系だ、これで自分もなろう作者。がんばるぞ。
長編は大変だけれど、育っていくキャラクターの掛け合いがとってもたのしい。そんな思い出。
短編を書き散らしながらも。メインとなる連載はひとつ持っておこう。そう考えていた。
キャラクターを動かす、これぞ創作の醍醐味。キャラクター。キャラクター……。
「……キャラクター?」
キャラクターの作り方が、分からない。
ここで過去に活動していた「ブーン系」の特殊性が問題となる。
このジャンルにおいては、キャラクターを生み出す必要がなかった。
そもそもブーン系とは何か。
なんとこのジャンル、スターシステムを採用しており、キャラの配役をAAから選ぶのだ。
「AA」というと分かり辛いかもしれないが、要はテンプレのキャラクター達がいる。
例えば「ブーン」は明るい、お調子者。( ^ω^) ←こんな奴。
例えば「ドクオ」は根暗で面倒くさがり。('A`) ←こんな奴。
例えば「ツン」はツンデレな金髪縦ロール。ξ゜⊿゜)ξ ←こんな奴。
等々。
性格や容姿、口調に至るまで、過去の作品によって蓄積されてきた土台がある。
それらを踏まえた上でAAキャラを選んで配役し、喋らせる。こういうジャンルなのである。
一からキャラを考える必要が、なかった。あとはそこに独自の個性を乗っけていくだけだった。
「どうすればいいの……?」
己でキャラクターを考えるという、初体験。
名前を、容姿を、性格を、一から考えるという当たり前が、わからない。
AAという役者に頼ってきた自分にとっては、ここが一番困った。
なんなら今でも一番困っている。
読者は、自分が生み出したキャラを知らない。
というか、作者ですら自分の生み出したキャラがよく分からない。実際に書き進めてみないと全然分からない。
なんとなくキャラを出してみたけれど、こいつは一体誰なんだ。何者なんだ。何ひとつわからない。
ある程度書き進めてからようやくキャラ像を掴み始め、掴んだそいつを元にして修正を繰り返す。そんな日々。
会話だけで進めていくギャグが好きなのだけれども。
好きというか、そんなのしか書いたことないんだけれども。
作者読者共々、キャラクターの共通認識がないから、初っ端からの会話進行が難しい。やり方が分からない。
まずは地の文で、最低限キャラの説明をしなければならない。
ここの匙加減もよく分からない。すごく悩んだ。
「小説書いてる人すごい……」
正直、ここらで段々後悔してきたけれど、まだやる気はある。
試行錯誤の末、なんとか形式だけでも「小説」を書き進めていく。
が……。