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専業主婦は見た!①












   専業主婦は見た!①













   中村美月














それは、無味乾燥なコンクリートの屋上の隅っこにあった。


「神社がある……」


小さな神社がビルの屋上にあった。小さな鳥居まである。なんだかそれが気になった。屋上に上がるたびになんとなく見ていた。いつも綺麗に整えられていて、だから、多分掃除のおばさんがここも手入れしているのかなと思ってた。


とある朝、お願い事をしたくて始業前に屋上までいった。お賽銭を奮発しました。それから、両手を合わせて一心に祈った。


「朝から何をお願いしているのかな?」


振り向くと箒を持った初老の男性がこちらを見ている。


「今日は大事な日なので、うまくいきますようにって」

「ほうほうそうですか」


それきり男性は、わたしに構わず掃除用具を地面に置いて、箒でそこらを掃き清め始めた。ノーネクタイだがスーツ姿でした。定年間近で窓際に回された人なのかなと思った。


「あの……」

「なにか?」

「なんでこんなところに神社があるんですか?」


軽い気持ちでした。さぁ、わたしもわかりませんと言われると思いながら尋ねた他愛もない質問。ところがご老人は博識でした。


「ここに祀られているのはお稲荷さんですが」

「はい」

「お稲荷さんというのはもともとは農耕の神様だったそうですよ。江戸時代の頃にそれが農村から江戸に伝わり、商いの神様としても祀られるようになったそうだ。あちこちにお稲荷さんが祀られてね。なんのことはない。このビルを建てる土地に祀られてた神様です」

「へー」


改めて小さな祠を眺めた。


「なんでそんなに詳しいんですか?」

「僕も君と同じことが気になってね。凝り性なもので、気になり出すと止まらない。だから調べたんですよ」

「はぁ」


わたしがペラペラと話すものだから、ご老人も少しわたしに興味を持ったのかもしれません。箒の手を止めてじっとわたしを眺めました。


「あなたのその大事なことというのは、仕事?」

「いえ、そういうわけでは」

「そうか」

「わたしは子供の頃から夢はお嫁さんなんで」

「え、そうなの?」

「ええ、いいお婿さんを見つけるために頑張ってこの会社に入ったんです」


そういうとご老人はいい顔ではははと笑った。


「あなた、そういうことをペラペラと自分の部署で話してはダメですよ」

「そんなことはわかってますよ。そこまで馬鹿ではありません」


なんだか話しやすい人だったので、つい調子に乗ってわたしは続けて話しました。


「今日は、いいなと思ってた人に誘われて初めてデートする日なんです」

「ああ、そういう勝負の日ね。じゃあ、うまくいきますように」


そう言って軽く頭を下げてくれたおじいさんについため息をついてしまいました。


「心配なんですか?」

「いえ、そういうわけじゃないんですが」

「はぁ」


それから、ちょこんとお辞儀をすると回れ右をして自分の階へ戻ろうとした。すると、後ろから呼びかける人がいる。


「ちょっと君」

「はい」

「そんな憂鬱そうな顔で去られると、気になってたまらない。何を心配しているの?」


なんだか、親切な人だったんです。


「いい人だと思うんですけど、同期の子達は地味だっていうんです。他にもっといい人いるじゃないって」

「ほう」

「そうすると、なんだか迷っちゃうんです」

「あなたはいいと思ってるんでしょ?」

「はい」

「あなたは彼のどういうところをいいと思ってるの?」


そこで、わたしはちょっと空を見上げました。東京の空を。


「同期の子達がいいなという人たちは確かにかっこいいと思うんですけど」

「うん」

「仕事の仕方が好きじゃないんです」

「そうか」

「まぁ、要領がいいっていうか、見えているところではきっちりやってるんですけど、見えてないところでは適当に人に任せてて、で、いい顔しても得にならない相手となる相手に分けてて、態度が違うんです」

「なるほどなるほど」

「ま、社会なんてそんなものだって言われたら、それまでなんですけど」

「あなたのいいなと思う人はどんな人なの?」


わたしはそこでしばし首を傾げた。


「とても丁寧なんです」

「うん」

「見えてるところでも見えてないところでも」

「うんうん」

「わたしの同期の子はそういうところ、要領が悪いって思うみたいだけど、わたしは、わたしたちみたいなアシスタントにもちゃんと同じように気を遣ってくれる彼の方がいいと思うんです」

「なるほど」

「どう思いますか?」

「どう思うって?」


いきなりわたしに聞かれておじいさんはきょとんとした。


「どっちの方がいいと思いますか?」

「え?……そうだなぁ」


おじいさんは箒を杖のようにして寄っかかりながら、空を眺めました。


「人生は長い」

「はぁ」

「最初の方で調子よくぴょんぴょん飛んでいた人が、最後まで跳び続けることが果たしてできるかな?」

「なぞなぞみたい。よくわかりません。つまり?」

「若い人というのは、人生は意外に長いということをわかってないんですよ」

「はぁ」

「短い期間で観察して成功している人を見て、そういう人がずっと一生うまくやっていくと思っているかもしれませんが、長い会社人生の中では、成功していた人が挫折する場面というのも多々あると思うんです」

「はい」

「できるだけ周りに敵を作らないように慎重に行くその彼のような人は、長い目で見てあげたらいいのじゃないかな?」

「つまり最後には成功すると?」


おじいさんは笑って答えなかった。ふと時計を見ると結構な時間になっている。慌てて自分のフロアへ降りました。


***


わたしはその人を定年間近の窓際の人だと勝手に思い込んでいた。大きな会社です。いろんな人がいる。だから、会ったっきりすっかり忘れてた。そして、一年ほどたった頃でしょうか。彼が社内報を眺めてて、それを肩越しにのぞいた時です。椅子に座って微笑んでいる上半身の写真が大きく載せられていた。


「この人、見たことある」

「そりゃあるでしょ。社員なら」

「いや、違くて、話したことがある」

「え?」


彼がメガネの奥から怪訝な顔をしてわたしを見る。


「誰か他の人ではなくて?」

「なんで?」

「どこで話したの?」

「屋上の神社の掃除してた」

「え……」


動揺し始めた彼を眺めながら思った。なんだ。窓際の人じゃなかったのか。


「偉い人なの?」

「偉い人も何も、会長でしょ?」

「あ……」


窓際どころか、むしろ一番と言ってもいいほど偉い人だったのか。


「なんでそんな偉い人が神社の掃除なんてしてたんだろ?」

「知らないよ。それより美月ちゃん、どうして会長だって気づかなかったの?」

「いや、だって、社長じゃないし……」


会長は前社長で、社長職を譲った後は会長として重要な会議があるような時のみ、不定期に出社していると聞いている。それで、たまたま出社した時に、神社の掃除してたってこと?


「何を話したの?」

「大したことじゃないよ」

「失礼なことはなかった?」

「大丈夫だよ、だって、名前を教えてないし」


彼ははぁとため息をつく。それが、あの日、会長に相談をしていた例の彼で、今の主人です。


お付き合いして、求婚されて、両家の顔合わせがあってとトントンと話が進んでゆく。わたしの夢はお嫁さん。安定した生活がしたくて、有名な会社にアシスタントの職務で滑り込んだ。いわゆる一般職の男性のお嫁さん候補です。自分の狙った方向に進んではきていたけれど、自分にも人並みにマリッジブルーのようなものはありました。


文也さんは優しくて誠実でいい人だと思うのだけれど、本当に一生をこの人と一緒に生きてゆくのでいいのかしら?迷わないわけではなかったのです。間違ってしまったらもう、基本的にはやり直しが効かないものですから、結婚は。


そんな自分の迷いをかき消してくれたのは、祖母でした。文也さんと一緒にホームに会いに行った時のことです。


「美月ちゃん」


久しぶりに会った祖母は、わたしの手をしわしわの手でぎゅっと握って、顔をこれでもかとしわくちゃにして笑って体から搾り出すように声を出した。


「いい人を見つけたねぇ」

「やだ、おばあちゃん、まだ話してもないのに」

「話さなくてもわかるよ」


そういうと今度は、わたしから手を離して、文也さんの方へ向けて必死に手を伸ばすのです。


「どうも」


慌てて文也さんが駆け寄ってその手を取ると、やっぱりこの手をぎゅっと握ってシワシワな笑顔で笑うと、


「嬉しいねぇ、嬉しい嬉しい」


手を振りながら喜んでくれた。


その様子を横から見ながら、少し、泣きそうになりました。


夢はお嫁さん……


子供の頃から一筋にそう言い続けてきたのには訳がある。わたしの母は、小学校の教師です。物心ついた時からいつも、家にいても忙しくしている人だった。心ここにあらずといった様子で。母の口癖は何かっていうと、


「おばあちゃんに言って」


でした。そう、仕事に忙しい母に代わってわたしたちの世話をしてくれたのは、その頃はまだ近所に住んでいた祖母だったのです。わたしと妹はおばあちゃんに育てられた。


声をかけてもいつも空返事でわたしの方を向いて話してくれない母親。小学校の教師として学校でそりゃたくさんの子供を育ててきたのかもしれません。でも、自分の子供はほったらかし。


そんな母に対する反感の気持ちから、わたしの夢はお嫁さん。

完璧なお母さんになること。


わたしは結婚しました。結婚して、寿退社をした。仕事を辞めるわたしに母は何も言いませんでした。自分にばかり精一杯で、この人はわたしに関心がないのです。そんなことはもうどうでも良かった。やっと自分の城が持てたのですから。


ほどなくして妊娠し、長女を出産しました。文也さんと二人で芽衣と名付けた。祖母のもとに連れてゆくと、芽衣の小さな手に触れて、祖母は涙を流した。


「かわいいねぇ、かわいいねぇ。芽衣ちゃん」


泣きながら笑いかけて、そして、こう言った。


「生きていてよかった。あの小さかった美月ちゃんが大きくなって、お母さんになったんだねぇ」


わたしの人生の中で、この時が一番光り輝くほどに幸せだったんです。一番幸せだった。大切なおばあちゃんに芽衣を見せて、喜んでもらえたこの時が。


子供ができて文也さんも変わりました。


「美月さんと芽衣ちゃんは僕が守ります」


柄にもなくとある日にわたしの前でそう宣言をして、そして、それから優しい人が少し強くなったようでした。もっともその強さは強引な方向へと伸びたのではなく、諦めない、投げ出さない、そういう方向へ伸びたようでした。


年齢を重ね、後輩を持ち、リーダーとしてチームを率いることを求められる段階になった時に、ともすれば簡単に投げ出そうとする若い子達を粘り強く説き伏せ、育ててゆく主人の地道な努力は次第に会社でも評価されるようになったようで、明るい顔をして帰ってくることが増えました。


そんな様子を眺めながら、あの不思議な邂逅をした会長のことを時折思い返してました。人生は長い。コツコツと時間をかけてゆっくりと成功する人もいる。あの人は、会長だったから、現実の人間なんだけど、でも、まるで神社から出てきた神様みたいだったなと、勝手に思ってました。あるいは代理人。神様からお言伝を与えられて、代理人として読んでくれたみたいだった。


正直いうと、このままいくと思ってた。このまま、少しずつ良くなりながらわたしたちは暮らしてゆくのだろうと思っていたのです。


幸せでした。


***


芽衣が学校に行きたくないと初めて口に出すその時まで、わたしは芽衣が落ち込んでいるということに気づいていなかったんです。これっぽっちも気づいていなかった。


その日、娘は部屋から出てこなかった。


「芽衣ちゃん、どうしたの?」


朝ごはんを作ってたわたしはエプロンをつけたまま娘の部屋を開けて、そして、下に机を置き、上がベッドになっている、いわば二段ベッドの上だけあるような梯子を数段上って、娘のベッドを覗き込んだ。


「具合でも悪いの?」

「学校に行きたくない」

「どうして?」

「ごめんなさい……」


布団をかぶっていて、顔をこちらに見せてくれないのです。


「頭が痛いとか、お腹が痛いとか?」

「ごめんなさい……」


布団ごしに声を忍んで泣いているのがわかりました。これはただ事ではないとそっと梯子を降りると、リビングでスーツ姿でニュースを見ていた主人に話しかけた。


「あなた」

「なに?」

「芽衣が学校に行きたくないと言って泣いてるんです」

「え?」

「具合が悪いの?と言っても答えないし」


主人は何も言わずに立ち上がると芽衣の部屋へ行きました。


「芽衣ちゃん、お母さんから学校に行きたくないって言ってるって聞いたんだけど……」


芽衣はやはり、頭から布団をかぶっていて主人に対して何も答えなかった。主人はその様子を厳しい顔つきでしばらく観察していた。それから、口を開いた。


「今日はゆっくり休みなさい」


主人はそういうと、布団の上からぽんぽんと芽衣の頭を撫でました。芽衣はその日、そのまま寝てしまった。ほとんどをベッドで過ごし、なかなかわたしとすら顔を合わせようとしなかった。


それが始まりでした。


本人がこの状態だから、状況がよくわからず学校の先生に電話して学校で何か問題らしいことはなかったのかと様子を尋ねると、そんなものは把握していない。とにかく、ご本人とよく話してみてくださいと突き返された。


それで、しょうがなく口の重い娘に話しかけ、また、学校に連絡して、そんなやりとりの中で徐々に見えてきた、娘はいじめられていたのです。クラスの子達、全員に。


「どうしてこういったことが放置されていたのですか?」


2人で学校に行って、先生方の向かいの黒皮のソファーに並んで座った。何を言えばいいのかどうすればいいのかわからないわたしの隣で、主人は学校側の不手際を攻めました。


「なかったことにして許されることではないですよね?」


学校としては、これは未然に防いだといった見解だったようです。つまりは、うちの娘は別にカミソリを手にあてたわけでも、屋上から飛び降りたわけでもない。ただ、学校に来られなくなっただけ。今は激怒している我々の怒りの言葉を頭を下げてのうのうと聞き流し、怒りの頂点が過ぎればなかったことにできるだろうと思っているのがありありとわかりました。


その時、わたしたちは、自分たちのためにというよりは芽衣のために、戦っていました。このまま引き下がってしまっては、芽衣が前に進めないと。


主人は学校と加害者側を相手どって裁判が起こせないかと知り合いの伝手を辿るようになり、ここに至って学校の先生方は青くなりました。やっと慌て出した。


そんな生活の傍で、芽衣はカウンセリングを受けていた。カウンセリングを受けながら、保健室に通うという形で登校を続けていました。カウンセリングの先生にカウンセリング上での芽衣の様子を聞いたり、帰り道や家で、今日はどうだったとか色々聞いてみるのですが、この頃の娘は本当におとなしくて、わたしの言葉が聞こえていないようなのです。それで、同じ質問を繰り返すと、決まってこう言った。お母さん、ごめんと。


カウンセリングの先生にそのことを相談したら、そっとしておいてくださいと言われました。その時がくれば本人から話し出しますからと。それで気づいた。あ、わたしは、余計なことをしていたらしいと。その後に、ずんと落ち込みました。


娘のために何かしてあげたいのに、親って何もしてあげられないものなんだなと。


とある日、カウンセリングからの帰り道、運転する車の後部座席で芽衣は寝てしまった。その平和そうな寝顔を見ていると、この娘のいろんな顔が思い浮かんだ。


生まれたばかりの芽衣の寝ているベビーベッドを文也さんと2人で囲み、飽きもせずいつまでもニコニコしながら見ていた昔。あの頃のわたしたちの会話のほとんどが芽衣の話ばかりだった。寝顔を見たり、撮った写真を見たり、少しずつ成長してゆく我が子を見ながら、何度2人で可愛いねぇと言い合ったでしょう。


少しずつ娘は大きくなり、思春期にもなると親に可愛いと言われてため息をつく。


「もう、親バカなんだから」

「なんで?芽衣はかわいいよ。世界一可愛い」


もう一度ため息をつく。後部座席で寝ている娘を見ながら、そんな芽衣の呆れ顔を思い出していた。ハンドルを握る。空はどんよりと曇っていて、今にもポツポツと雨が降りそうな空。そんな空と一緒で、わたしも泣き出したかった。


娘は前と同じように治るのでしょうか?もとに戻れるのでしょうか。

一体誰がどんな権利でもって、こんなことをしたというのでしょう?

その人は、それぞれの人間がそれぞれの親にとっては等しくかけがえのない宝物だということを知らず、そして、親のこんな気持ちも知らないに違いない。


冷静になって考えればそれはそうです。だって娘を追い詰めたのは、まだ子供である同級生たちなんですから。


「芽衣、お母さんの何が悪かったんだろう?」


その日の夜、娘が寝ている顔を眺めながら悲しくなって、そう呟いてしまいました。


わたしは完璧なお母さんになるのが夢でした。それなのに、娘が大変な目に遭っているのに気づきもしなかったなんて。もっと早く気づいてあげられてたら……。


「どうしてお母さんに何も言ってくれなかったの?」


悲しくてたまりませんでした。わたしの母はいつもわたしが話しかけても空返事で、わたしの顔を見て話をしてくれなかった。わたしはそれが嫌で、夢はお嫁さん。いつも家にいて、いつもこの子の顔を見て、この子と話してきたと思うのに。どうして芽衣はわたしを信じてくれなかったのだろう?


結局わたしは、いい母親ではないのではないだろうか。


その思いがいつしか、わたしがいい母親ではなかったせいで、芽衣が辛い目に遭ってしまったようなそんな思いに繋がっていきました。


最悪な気分でした。


***


その日の夜に、不思議な夢を見た。あの祖母が夢に出てきたのです。その頃はすでに他界していた祖母が現れた。


「美月ちゃん」

「おばあちゃん」


そこは明るい青い夜を背景に一面に白く輝く不思議な花の咲き乱れる野原だった。


「おばあちゃん、芽衣がね」

「知ってるよ」

「……」

「言わなくっても知ってるよ」


祖母はいつかのように顔をしわしわにして笑いながら、わたしの頭を撫でました。子供の頃何度もしてくれたように。


「代われるのならわたしが代わってあげたい」


そういって祖母にしがみついて泣きました。祖母はしばらくそんなわたしを抱きしめていてくれた。


「美月ちゃん、大丈夫」

「大丈夫?」

「大丈夫だよ」


わたしが泣き顔のまま顔をあげて祖母を見上げると祖母はやっぱりあの笑顔で言いました。


「人生は長い」


それは、いつか会長がわたしに言った言葉と同じ言葉だった。


「今がどんなに辛くても、それはいつまでも続かないよ。人生は長い。明けない夜はない」


するとその言葉が終わると同時に祖母の身体とあたり一体に咲いていた白い花が真っ白に輝き出した。これでもかとばかりに輝くとその後消えた。


そこで目が覚めた。いつの間にか青白い朝が来ていた。

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