表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

05

 天界は常春(とこはる)の陽気でつい忘れてしまいますが、

そろそろ神々が一堂に会する時期が差し迫って参りました。

――あの有名な出雲(いずも)会議です!


 暦で神無月(かんなづき)に神様方が出雲へ集結します。

主催は大国主命オオクニヌシノミコト様、

最初は家族だけの会合で

そこに他の神々も集まったのが始まりです。


 オオクニヌシ様は縁結びの神様ですから

主に誰と誰を結ばせるか話し合う他、

翌年の作物や大まかな収穫を協議します。


 神様随一の色男として名をとどろかせていますが、

実はかなり苦労なさっているお方なのです。


 何しろ兄たちから二度も殺害され、

その度にお母さまの刺国若比売サシクニワカヒメ

多神に祈り生き返らせると云う

なんとも恐ろしいご家族なのです。


 きっかけは重症を負った因幡いなば白兎しろうさぎを助け、

その御礼として八上比売ヤガミヒメを紹介されて結婚したことです。


 兄たちは彼女に会いたくて地上へ来た訳ですから

八上比売と結ばれた弟を恨み、執拗しつように虐め殺します。


 困った母神は身内である須佐之男命スサノオノミコト様を頼り、

の国』での修行が始まるのです。

 そこで強くなっていくのですが、更に

スサノオ様の娘、須勢理毘売命スセリビメノミコトと恋に落ち

宝とお姫様を担いで地上へ戻ります。


 強靭きょうじんな神となったオオクニヌシ様は

少彦名命スクナヒコナノミコト大物主オオモノヌシの力を借りて開墾かいこん

医療等を整え出雲の国作りをするのです。


 艱難辛苦かんなんしんくを乗り越えた立派な神様ですよ!

ただね~女性関係がダラシないのですよ。


 モテ男は沢山の女性と婚姻を結ぶので

正妻の須勢理毘売スセリビメは大層ご立腹となり、

新しい妻とその子供たちを(いじ)めまくります。

 八上比売ヤガミヒメは最初の妻でしたが

猟奇的りょうきてきな彼女を恐れて実家に帰りました。


 西洋の神ゼウスとヘラのような関係ですね、

殺意がいた兄神たちの気持ちも分かるような―


 いえいえ、尊敬する神様ですよ!

ただちょっと羨まし……ゴホン。

ええと、私は独身で常に恋人を募集しております。


 父や兄ほど美丈夫びじょうぶではなく

母と弟ほど美形では有りませんが、

そこそこイケてると思うのです。

 幼少の頃、兄から軟弱者(なんじゃくもの)と言われたのは

つまり『たおやかな美少年』の意味ですよね!


 話がどんどんズレてしまい、失礼しました。

もちろん出雲会議のお手伝いもしますよ、

案内状にお酒や食事の発注など色々大変なのです。


 やはり全体的に裏方の仕事ですね~

改めて書くと地味で皆様は退屈かもしれません。

 明日はお休みですし、

華やかにショッピングの実況でもしましょうかね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ