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 皆さん初めまして。私は火須勢理命(ホスセリノミコト)

長い名前なのでホスセリで結構です。

聞いたことのない名前でしょう?


 私は有名神に囲まれた地味な存在なのです。

ですが、父は邇邇芸命(ニニギノミコト)で母は木花咲耶比売(コノハナサクヤビメ)

そう父は天照大御神(アマテラスオオミカミ)の孫なんです!


 凄い家系の次男に生まれているのですよ。

しかも我が兄弟も海幸彦(ウミサチヒコ)山幸彦ヤマサチヒコと親しまれる神様。


 何故か真ん中の私だけ全くの無名……

なんでしょう目頭が熱くなってきました。


 いけませんね、気持ちを切り替えて

日本神話とお仕事をご紹介致しましょう!


 冒頭でも触れたように、

私の家族はド派手な神話を持っています。

まず有名なのは父と母、磐長姫(イワナガヒメ)との関係です。


 天孫降臨した父は母に一目惚れをして求婚、

これを受けて大山津見神(オオヤマツミノカミ)

妹の磐長姫も一緒にと嫁がせます。

 しかし、父の邇邇芸命(ニニギノミコト)は容姿が

美しくないと磐長姫だけを送り返したのです。


 大山様は激怒し、磐長姫を嫁がせたのは

命が岩のように続く契約であり、

拒否したことで短命になると告げます。


 これで人間の寿命が決められたのですよ、

我が父はとんでもない事をしでかしました!

母は父と喧嘩する度に悪い教訓だと責めています。


 それから兄と弟、海幸彦と山幸彦ですね。

此方の事件は長いので後で説明します。


 まあ、私だけ地味な存在です。

神話など一つも持っていないのですから……

 これでも生まれた時は派手だったんですよ、

なにせ母が別子を疑われて怒った挙句に

火中(かちゅう)の中で誕生した炎の子なんです。

 そこで運気を使い果たしたのか

誕生以来、特別目立つことは御座いません。


「古事記」に名前が載ってるから良いものの、

「日本書紀」では私が兄の火照命ホデリノミコトになってますよ。


 これは虐めですか? 

私だけ存在を抹消(まっしょう)されてるじゃないですか!?

済みません、少し熱くなりましたね。

 永遠に日の目を見ないまでも、

ちゃんと働いている姿だけはお伝えしたく、

こうして筆を取った次第です。


 ああ最初に注意しておきますが

神々の外見には触れません。

私を含め、古来の方たちは恥ずかしがりやなのです。

どうぞ各々が想像する姿でお楽しみを!


 神話も多くなりますが割とザックリなので、

詳しく知りたい人向きでは有りません。

それでも興味のある方はお付き合いください。


 まずは我々が住んでいる土地ですね。

古事記や日本書紀には載っていませんが、

天界は大きく分けて天上地(テンジョウチ)・ 桃仙区(トウセンク) 

松仙区(ショウセンク)・ 竹仙区(チクセンク)・ 梅仙区(バイセンク)の五層。


 円を描く感じで中心に天上地があり、

そこに神様や天女たちが住んでおります。


 桃仙区は主に悟り深いお坊さんが多く、

他人の為に身を尽くしてきた徳の高い人。


 松仙区は導いた数は少ないが良い事をした人。

竹仙区では導きはないが良い行いをし続けた人。


 最後の梅仙区は一度地獄に落ちたけれど

大した罪ではないと減刑された人たちです。


 各教徒とはまた別の区分けもありますが、

色々と混乱するので端折はしょります。

とにかく神様も仏教関係者も沢山いらっしゃる上

キリスト教や他教徒も混ざり合い、

日本は混迷を極めた多神国家(たしんこっか)となっています。


 因みにキリスト教担当はザビエル様ですよ、

皆さんご存知のように逸早(いちはや)く布教された方ですからね。


 仏様方、及び各教徒さまはとても親切で

天界のみならず黄泉(よみ)の国でさえも

足繫(あししげ)(まわ)って魂を(いや)しております。

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