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警察

 俺たちのライヴを見ようと集まった多くの中には、同級生もチラホラといたにはいたんだが、ほとんどが見ず知らずの誰かだった。通りすがりに耳に飛び込み、それを気に入る。知り合いに声をかけ、その輪が広がっていく。気がつくと、人並みは車道にまで広がっていた。

 警察の指導により、俺たちのライヴは禁止された。敷地内でなにをしても自由なはずだろ? とは言ったが、騒ぎはまずいよな。俺たちだって、そんなことは望んでいなかった。車道に溢れた観客が、通行車両と揉めたんだ。流石によくないよな。俺たちは大人しく、シャッターを開けての演奏を中止した。

 閉じこもっての演奏は、俺たち向きじゃなかった。曲を仕上げるためには役に立つ。途中で何度も演奏を止められるからな。しかし、それだけじゃダメなんだ。俺たちの音楽は、人前でこそ成長もするし、楽しくなるんだ。っていうわけで、聞き屋の占い通り、ケンジが相談に出向いて行った。まぁ実際には、あれから三ヶ月が過ぎていたんだけどな。俺たちのファンは、マナーがいい方なんだよ。

 やっぱり来たかと、聞き屋はケンジに言ったらしいよ。そしてすぐ、ここで歌えよと言ったんだ。警察には話をしといてやるよ。そうも言っていたが、信用はならない。もともとその場所では、多くの誰かが演奏をしていた。許可なんていらないはずだったんだ。

 聞き屋が言うにはだが、お前たちがやると騒ぎになるからな。そうならないためには、警察の協力も必要になるんだよ。そう言われ、全てを聞き屋に任し、俺たちの横浜駅前デビューが開催された。いつの間にか、夏休みは終わっていたよ。

 お前たちさ、警察に捕まったんだって?

 新学期が始まってすぐ、長髪男に声をかけられた。嫌な予感しかしなかったよ。

 どこの情報だよ、それ?

 学校中に広まってるぜ。知らなかったのか? 今日は一日、みんながその話題で大盛り上がりだよ。学校始まっていらいの問題集団。ケンジ組だってな。

 おいおい、なんだ、そのダサい名前は?

 あれ? お前たちのバンド名だろ?

 馬鹿言うなよ! ポップンロール。それが俺たちだよ。

 はっ、どっちにしろダサい名だな。

 ダサいかどうかはさ、世間が決めてくれるんだ。どうでもいいことだよ。

 なに言ってやがる。俺だってその世間なんだぜ。

 長髪男にしてはまともなことを言うなと驚いた。確かにそうなんだ。こんな奴にも、俺たちの音楽は届くんだ。むしろ、こんな奴にこそ届けるべきなんだろうな。そう思ったよ。長髪男こそが世間の中心だったりする。


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