表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/107

転入

 いじめを受けていた彼女に、ナオミはその想いの全てを伝えてはいたんだが、なんせ情報が曖昧で、彼女はナオミが想いを寄せる相手を一時、俺と勘違いしていたようだ。まぁ、それも無理がないんだ。ナオミはさ、幼い頃からの教育のおかげなのか、頭がいいからな。入学自体は実力で果たしたんだが、彼女と同じクラスになったのは偶然なんかじゃない。俺と同じクラスになったのは偶然なんだがな。ナオミは常にケンジに熱視線だったが、その隣には俺がいる。まぁ、勘違いをしても当然だよな。しかも前々から聞かされていた名前と同じなのは俺の方だしな。

 ナオミはケンジと同じクラスになりたいとは、お願いをしなかった。というか、例えその願いを聞いていたとしても学校側にそんなことを伝えるはずもないだろ? 親にだって、その名前は伝えていなかったんだ。

 彼女の裏切りがどうとかっていうナオミの言い分は、俺には理解ができない。けれど、一応はお互いに謝り、ケリがついたようなんだよ。冬休み中の出来事だった。クリスマスパーティーの後、彼女はナオミに会いに行き、二人で話し合った結果だそうだ。

 けれどその後、予想外のことが起きたんだよ。まぁ、俺からいわせれば、どうしてそれまで騙せていたのかって方が不思議だけどな。彼女がこの高校に通っていたことが、彼女の親にバレたんだよ。

 彼女の親はそりゃ怒っていたよ。その理由を問い詰めても、彼女は答えないんだが、検討はつくよな。彼女の父親は、ナオミの父親の会社で働いている。しかも、優秀な直属の部下としてな。

 本当に優秀な人間っていうのは違うよ。上辺だけで気に入られている人間なら、きっと娘に我慢をさせるだろう。仕方がないと、そのままなにも知らなかったことにしていたはずだ。けれど彼女の父親は、しっかりとナオミの父親に楯突いた。そして彼女は、お嬢様学校に転入することになった。

 彼女の本音としては、転入なんてしたくはない。この学校にはヨシオがいるんだしな。けれど、親を騙した償いはしなくてはならない。俺は思うんだけど、彼女の両親ならきっと、本心を伝えたら納得してくれたはずなんだ。余計なことって俺は思うんだが、そういう場面に限ってナオミは嘘を言えないんだ。私が全部悪いんです。そう言った。それで全ては解決してしまったんだ。彼女はその本音を言えなかったんだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ