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君が奏でた音楽  作者: 鶯
7/8

幻想即興曲

最初の音


剣人のピアノが重く、低い音を響かせる


そして軽やかに、静かに曲が始まった


深呼吸をして私は弓を動かし始めると、頭の中で剣人が楽しそうに鍵盤を叩いていた


暗いけど軽やか、みたいなイメージを持って弾いていた私はそんな剣人に近寄る




剣人、私のイメージではこの曲は黒なんだけど…


えー俺は黄色がいい、なんか月って感じだから!

あ、じゃあ夜空!夜空描こう!


描く?


ペンも楽器も手を使って音を出すじゃん


…何の話をしているの


ペンで絵を描くみたいに、同じ感じで音を描くの

俺はいつもそうやってピアノ弾いてる


そっか、じゃあ2人で1つの絵を描けば…


めっちゃ豪華なヤツ出来るよ!



満面の笑みを浮かべた剣人


私もなんだか可笑しくなって笑い出した




左手は狂ったように動き続けていて、音楽も私と剣人、2つのイメージを描き出している


でもこれを1つに混ぜ合わせるんだよね、剣人



剣人が月なら


杏奈は空



突然、全てが1つになった気がした


ピアノとバイオリンが完全に交わって、夜の空を描き出している


暗い、暗い空が全てを包み込み、それを月の光が優しく照らしている


凄い


それは弾いている私も圧倒されるくらい綺麗なもので


目を閉じると本当にその世界に迷い込んだみたいな気持ちになる


…いつも剣人はこんな世界を一人で創り出しているのかな


ちらっと剣人の方を見ると、剣人も私の方を見て、ニヤッと笑った


どうだ、凄いだろ、みたいな顔



凄いよ


音楽を奏でるってこんなに楽しい事なんだ


私、もう一度音楽やってみようかな




“やってみなさい、君なら出来るよ”




さっきとは違う声


思わず声のする方を振り向くと、男の人が月を見ながら微笑んでいた




あくまでも私のイメージですよ⁉︎


こんなイメージで書かれた曲じゃないですよ⁉︎多分



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