第48話 胸のエンジンに火を付けろ!
桜と唯が到着すると、ちょうどカリンが変身をする言葉を叫んだ所だった。
桜はすぐさま撮影を開始する。
小さな事からコツコツとおいしいネタはどこに転がっているのか分からない
その場に陽二達が遅れて到着すると、促されたのでのぞき見る
「スマイルセーラー!」
王妃が思わず呟く。
髪はピンク色なのだが、どう見てもカリンだ! パトリシアもナーナもキラキラとした目で見ている
「アレがスマイルセーラーという者なのか?」
ランスロットは可憐❤ウィッチを知らない
「なぜ、ここにスマイルが? あれは楓なのですか?」
アスモデウスは桜に問いかける
「いやアスモ、楓ではないのぢゃ、誰かは分からぬのぢゃ……が、あれは正真正銘、本物のスマイルぢゃ……」
カリンの事を知っている陽二が、ここぞとばかりに説明する
「あの子はソラマン領主の娘でカリンって子だ。リックの婚約者で、俺が王都に着いたときから面倒をみてもらっている子だよ」
「そう言えば、あの時にいた娘だな」
と、ランスロットも相づちを打つ
「ソラマン領主の娘……そう言う事か! 楓め……何ておいしいシチュエーションを……むかつくのぢゃ!!」
母からスーパーヒーローを受け継ぐシチュエーション
桜は相当悔しかったのか、何度も『くそぢゃ!』を連呼していた。
幼女の吐く言葉ではないぞ?
と陽二は思ったが口には出さなかった
「カリンってスマイルだったんだぁ……」
パトリシアはカリンのことを王妃に説明しながら呟いていた。
当の王妃はスマイルセーラーをロックしたまま興奮しっぱなしだ。
王妃様、お体に触りますよ?
「ふーむ。だが、あのゴブリンには勝てないじゃろうな」
唯がそう言った
「それなら早く助けに行きましょう」
と陽二が提案すると、桜は
「まあ、待つのぢゃ。すぐにどう、というわけでもないぢゃろう、しばらく様子をうかがう。母様とアスモは、いつでも飛び出せる準備を」
2人とも笑顔で頷く。
陽二は、なぜ助けに入らないのか理解できなかった。間違いがあったらどうするつもりなのか? それを察したのか
「大丈夫ぢゃ、死なせる様な事は絶対にない!」
桜の強い言葉に陽二は何も言えなくなった。
そもそも力もない陽二には、言う資格すらないのだ。心の中でカリンを応援することしかできなかった。
くそ、強くなりたい!
陽二はそう願った
カリンはゴブリン将軍と良い勝負をしていた。
もしかしたらこのまま勝てる! とカリンを応援していた。
そして『超変身』したカリンが、ゴブリン将軍を斬り捨て勝負は着いた!
と思ったら、なんとゴブリン将軍も変身をした!
「おお~! 素晴らしいのぢゃ!」
桜は興奮していた。その横をアスモデウスと唯が飛び出した
*
将軍ゼブラは突然の攻撃に吹っ飛ばされ、アスモデウスの姿を確認すると絶望の表情になって蹲ってしまった。
逃げたときは本能で逃げたが、将軍ゼブラになってゴブリンキングに手が届く程の力を手にした今、絶望と言えるべき力の差をハッキリと感じていた。
唯達が飛び出した事で、他のメンバーもあとを追いカリンの側まで来て陽二はカリンに恵みを施している
「えっ? 陽二、なぜここに? パトリシア様まで……。ええっ!
王妃様!?」
王妃の姿にびっくりするのは仕方がない、だが話はあとだ。
桜は前に出て、バシバシとたたきながら将軍ゼブラに話しかける
「おぬし……変身とは、なかなかやるの!」
将軍ゼブラは桜を見ながら押し黙る。
変身? 何の事だ? それよりも、この偉そうに俺の肩をたたく絶壁は誰だ?
「妾の名前は桜。良き物を見せてもらった礼ぢゃ!
チャンスをやろう。もう1度スマイルセーラーと戦い勝てれば見逃してやるのぢゃ!」
助かるチャンスなのか? アスモデウスと唯も笑顔で頷いているのを見た将軍ゼブラの表情が明るくなる
桜からルールの説明が始まった
将軍ゼブラと回復したスマイルセーラーが戦って勝ったら逃げてもよし。ただしスマイルセーラーには助っ人が加わり1vs2の勝負だ。
勝敗は将軍ゼブラが倒されるか、スマイルセーラー達が危ないと思ったらアスモデウスと唯が介入する。
そこで将軍ゼブラの勝ちになる
将軍ゼブラに助っ人が紹介されると、勝てるとほくそ笑む。
紹介されたのはパトリシアだった。
「え? シア? 無理! むりむり!」
パトリシアは両手を最速のワイパーの様に左右に振りまくる。
王妃もナーナもパトリシアの大抜擢に驚いていた。
カリンに至っては知らない人が出てきて音頭を取っているのだ。ポカーンとしている。
そのカリンにアスモデウスが近づき声をかける
「カリンさん。炎賜玉をお貸しください。魔力を補充いたします」
アスモデウスに言われ素直に差し出すカリン。アスモデウスの笑顔に思わず照れてしまう。
何? この人、すごくかわいい!! 断れる人がいたら見てみたい!
そのかたわら
桜は細かなデザインのネックレスをパトリシアの首にかけると、嵐賜玉をネックレスにセットする。
「おめでとう、パトリシア=クルシュナイン。2代目ピュアセーラーの誕生ぢゃ!」
パトリシアはキョトンとしている
「キャーーーー! パトリシアーーーー!」
誰よりも叫び喜んだのは、王妃マナリシアだった。
くっくっくっ見たか楓め! 初代から2代目へのバトンタッチ! それも直接ぢゃ! こちらの方が劇的ぢゃろうて!
「ワーハッハッハ、ワーハッハッハ、ワーハッハッハ!」
「どうしたんだ? 急に笑い出して……大丈夫か?」
陽二がつっこめば、ランスロットも追従してくる
「陽二、いつもの事だ。気にしたらそこで試合終了よ!」
「それ、使い場所間違ってるから!」
パトリシアはネックレスを握りしめながら桜に向かい
「桜ちゃん……シアには無理だよ」
「シア! 諦めたらそこで試合終了ぢゃ!」
「おまえら、先生を馬鹿にするなよ! 軽々しく使っていい言葉じゃねーぞ!」
「大丈夫! パトリシアならやれるわ! だって私たちの娘だもの『胸のエンジンに火を付けろ』よ!」
あと押ししたのは他でもない王妃だった。
*
「陽二!」
「カリンすごいよ。めちゃくちゃ格好よかった。でも、どんな経緯で可憐❤ウィッチに?」
「可憐❤ウィッチ? スマイルセーラーのことならなりゆきよ。でも、まあ……格好よかった? ゼラニオンみたいになれたかしら?」
「むしろゼラニオンより強いんじゃないかなぁ? 間違いなくゼラブラックには圧勝だよ」
「何を言っているの? ゼラニオンより強いわけがないじゃない。それとブラック? そんなメンバーはいないわ、おかしな事を言わないで! それよりも……あの子達は何者なの?」
桜の耳がぴくっと動いたのを見のがさなかった
「俺からは話せないけど悪い人たちではないよ。ものすごく頼りになるのは間違いないし、王妃様を助けてくれたのも彼女たちだよ」
「生きていたのはうれしいのだけど……大混乱になるわね」
ぼけーっと待っている将軍ゼブラは唯が見張っている。
いっぽう、桜とパトリシアは
「思いっきりやればよいのぢゃ、母様とアスモも見ておるし心配はない」
「そうよ! こんなチャンス2度とないわよ! 憧れのピュアセーラーなのよ」
桜と王妃の怒涛のラッシュだ
「お母様……シア、頑張ってみる!」
「よく言ったのぢゃ! 基本的にピュアは昔のままぢゃが……」
魔力操作が上手なパトリシアにアレコレと手ほどきをする桜
「待たせたの! ぬしの体調は万全なのか?」
「大丈夫だ。それよりも……約束は本当に守ってくれるんだろうな」
「モチのロンぢゃ」
「ランス! アレをこやつに渡してやるのぢゃ」
「アレとは何だ?」
「売るために拾ってきたのぢゃろう? 母様に聞いて知っておる」
ピーンときたランスロット
「断る! アレの所有権は、既に私だ!」
桜は何かが映っている玉をランスロットの目の前に取り出す
「こ、これは……」
「次の映画にコレを使ってみるのも面白そうぢゃ」
陽二をゼラニオンへ勧誘するときに使った玉だ。
陽二に渡したのは編集品。こちらはノーカットのオリジナル版だ!
「いつこんな物を撮ったのだ……卑怯だぞ! プライバシーの侵害だ!」
言うだけ無駄なのをランスロットは分かっているが、抗議はする。そのあと土下座をして、将軍ハンマーと交換してもらったランスロットは玉を粉々に破壊した。
こんな姿を陽二に見られでもしたら、私は……私は生きていけない!
ランスロットは知らない。既に陽二の手に編集した物が渡っていることを、映像を見たあとだということを
「いいのか? これがあれば『将軍に金棒』だぞ?」
「構わん。本気でやるのぢゃ」
*
「スマイルセーラー召喚!」
「ピュアセーラー召喚!」
ピュアセーラーの魔法少女衣装は、スマイルセーラーとデザインは同じだが色は緑。ブーツに羽根はついておらず空中を蹴ることはできない。
髪形も変化して、耳の後ろでまとめた薄緑のツインテールだ
「超変身! 全力全開よ。炎剣スマイルハート!」
カリンは初っぱなから全力で行くらしい、いきなり切り札をだしてきた
「ピュアスター!」
パトリシアが出した武器は先端に正12面体が付いている杖。単純に鈍器として使っても威力がありそうだ
お互いの準備が終わったところで桜が合図をする
「行くわよ!」
「来い」
まずはスマイルが戦うみたいだ。
将軍ゼブラのハンマーは自身と同じくらいの長さで、先端にはドラム缶程の塊が着いている。
対してスマイルの剣は、ピンク色で刀身が1メートル以上はある
スマイルは剣を両手で持ち、素早い立体的な攻撃を繰り出す。
将軍ゼブラとスマイルの早さは、ゼブラがやや有利。なので挙動の定まらない立体的な攻撃を繰り出し五分五分に持っていくが、1撃の強さは体の大きな将軍ゼブラが圧倒的に有利
スマイルセーラーは、将軍のハンマーを上手に流し攻撃する。だが、パワーアップした将軍の体を斬り裂くには力が足りなさそうだ。ここでピュアも参戦する。
「火塊の攻撃ダブル!」
ピュアセーラーは魔力を込めた魔法を放つ。
1発はハンマーで破壊され、もう1発は腕に当たり火をまき散らすが、火が燃え移ることはなく霧散する。
ダメージは小さそうだ
将軍が跳び出しピュアセーラーにハンマーを振り下ろす、それを横からスマイルセーラーが弾く、同時に避けていたピュアセーラーが魔法を唱える
「火土の攻撃!」
火の着いた30センチくらいの細長い岩で将軍の足を狙う
太股に突きささり、抜ける時に内部を焼く
「ふん」
が、気にした様子も見せず、追撃に構えたスマイルセーラーをパンチで吹き飛ばし、そのまま下にいるピュアセーラー目がけて蹴りを出す。
ピュアセーラーは必死にかわすも左腕にかすった。
擦っただけでピュアセーラーは弾き飛ばされる『危ない』と陽二は思ったが、将軍ゼブラは膝を着いて次の攻撃はできなかった。
ピュアセーラーの攻撃は左の太ももを深く貫きダメージを与えていたのだ。
スマイルセーラーは、蹲っているピュアに水の祝福を唱える。
変身したおかげなのか、魔方陣が必要な魔法も無詠唱で唱えている
「(無詠唱は)ドレスのおかげぢゃ。ちなみにパトリシアの左腕……折れておるの」
「マジかよ……見ていられないよ」
「しっかり見ておくのぢゃ。陽二には無い物をあの2人は持っておる。それに、魔法少女衣装を着ておるのぢゃから致命傷もないはずぢゃ」
「腕が折れてるっつーの」
*
将軍ゼブラは将軍散弾を繰り出す。兵士のハンマーより3倍は大きくなった将軍ハンマーからは、先程と比べ物にならないほどの大地がえぐり出される
陽二達はアスモデウスが張った結界に守られているので安心だ
「スマイル、任せて! 嵐の防壁!」
ピュアセーラーが持つ杖の先から2人の前に嵐の壁が現れ、飛んでくる石や岩が風で切り裂かれ防壁に取り込まれていく
それを見た将軍ゼブラは、なおも将軍散弾を繰り出してくる
「お返しだよ! 暴風!」
嵐の防壁を暴風で将軍に押し飛ばす。
嵐の防壁には将軍の攻撃によって大量の土砂が含まれており、見た目はただの壁だが実際は違う。大量の土砂が圧縮されていて質量や硬さは相当の物だ
「将軍大攻撃!」
それでも将軍ゼブラの攻撃で、飛ばした嵐の防壁は粉々に砕かれた。だが、破片が体に当たりダメージは与えている
「たわけ者が、正面から当たるからぢゃ!」
桜の呟きは将軍ゼブラを応援している様にも聞こえる
将軍ゼブラはハンマーを回転させると、スマイルセーラーとピュアセーラーへと突っ込んでくる。
その回転は早くてまるで球体に見える
「炎刃!」
スマイルセーラーが炎刃を飛ばすと、弾かれずに将軍ゼブラにまとわり付いた。
だが、回転を上げて遠心力で炎を吹き飛ばすとピュアセーラーへと突っ込む
「土壁!」
ピュアセーラーが土の壁で坂道を作り上げると、将軍はそのまま登りきりジャンプしてしまう、空中では引っ掛ける場所がないため回転は上がるが方向転換がうまくできず回転が1方向になり無防備な場所が生まれてしまった
それを見逃すスマイルではない!
「ピュアセーラー力を貸して!」
「任せて、嵐!」
炎剣スマイルハートの刀身を嵐がまとうとスマイルセーラーも魔法を使う
「炎嵐剣!」
ジャンプ1番。空中を蹴り加速をつけると将軍ゼブラへ一直線
「炎嵐やおい突き!」
将軍ゼブラのお尻に思いっきり突き刺さし体内に炎嵐を放つ
「うぎゃーーー!」
体内に炎嵐を放たれた将軍ゼブラは、ピクピクと空中で震えると体から煙を出しながら落下、地面にたたきつけられ動かなくなってしまった。
「カリン達が勝ったのか?」
「勝ちぢゃ!」
カリンとパトリシアはピョンピョンと跳ねて喜んでいる。
あっという間の出来事だった。カリン達が勝利してうれしいのだが、陽二の中ではモヤモヤとした嫉妬が残った
ランスロットは将軍ゼブラに近づくと、ボロボロになった将軍ハンマーをしまって、ついでに魔石も回収した
「パトリシア、格好よかったわ!」
「ナーナ!」
パトリシアは魔力操作の特訓後、基本4属性の全てを使える様になって、変身中は嵐属性も使える様になった。カリンは火属性を覚えたらしく、変身中は炎属性も操ることができる。
嵐も炎も上位属性だ。
*
それから兵士の寄生虫を駆除して休んでいると
「ところで、パトリックはどこかしら?」
王妃がカリンに尋ねる。そう言えば菓子折を持ってくるのを忘れていたな……
「それが、修行からまだ帰ってきていません……」
カリンがこたえる
「私たちはどうしますか?」
「そうぢゃな、撮りだかも申し分ないし……」
カリン、王妃、パトリシアにナーナはパトリックの事で話し合いをしている
桜とアスモデウス、ランスロットは、これからの行動について話をしている
唯だけは森の向こう側の町、セナドゥースの方向を見つめている
陽二はランスロットの隣に座り時間を使いながら、桜に教わった魔力操作の練習をしながら考え事をしていた。
カリンもシアも強くて格好よかったなぁ、アスモさんや唯さんは当然として………桜やランスロットも見た目もいいし力もある……正直うらやましい。
俺の持ち駒は『時間』と『魔法と魔技』か、頑張ろう!
ずっーと森の方ばかり見ている唯
「母様どうしたのぢゃ?」
「今、森の向こう側に何かが飛んでいくのが見えたのじゃ」
「唯?」
ん? どうしたんだ?
「見に行くのじゃ」
見に行く? 何を?
そこにカリンが話しかけてくる
「ちょっと待ってください! もし良かったらなのですが……森に入ってパトリック王子を探してきてもらえないでしょうか?」
王妃とカリンたちが話し合いをした結果、待つよりもパトリックを探しに行った方がいいと判断したようだ。
だが王妃を置いて行けないし、変身できるようになったからといって森に入る自信はない。そこでゴブリン将軍がビビっていた桜達に依頼しようとパトリシアが言ったらしい。
「桜ちゃん……お願いできる?」
「2代目に頼まれたら断れんのぢゃ!」
ピュアな絆が生まれたらしい
「よし。作戦名を発表する!『母様は見た! ついでに王子を捜索』ぢゃ!」
王子をついで扱いにしちゃ駄目だろう。だがパトリシアはそんなことなど気にしない!
「ありがとう桜ちゃん! さすがはゼラニオンだね!」
その言葉に大きく反応したカリンはガバッと立ち上がり、王妃は『ごめんねぇ』って感じでアスモデウスに手を合わせていた。
パトリシアの失言でゼラニオンの正体がバレてしまった。
陽二からしたら別にいまさらって感じではあるが……興奮して一歩も引かないカリン
結局、目の前で変身して出かけることになったのだ
「ヒーロータイム!」
「「「「乙女戦闘服召還!」」」」
またもや陽二の変身だけが長かった。
今度は王妃にもアリーナ席で見られてしまった。カリンは、陽二が女の子になったことよりも、変身したことに驚いていた。
「なぜ? どうして陽二が変身するのかしら? ゼラニオンなのよ!」
「ゼラニオンなのよ! って言われましても返答に困るわ……」
桜は面白いのだろう。口元をニマニマして見てやがる
「でも変ねぇ……サラリーちゃんってもっと胸が大きいはず……それに、残念無念のランリーさんが……何か詰めているのかしら?」
陽二はピーンときた
「読めた! 俺に偽装は通じなかったので分からなかったが、自分ばっかり巨乳にしてランスロットは絶壁に加工してやがったな?」
ヒュー、ヒューヒュー
「うん? 何の話だ?」
桜はお約束の鳴らない口笛。ランスロットは……まぁ分かっても気にもしないだろう。そういうやつだ。
桜と違って胸も心も大きいのだ!
それはさて置き、カリンは期待の新人・ゼラブラックを除いた全員にサインをもらっていた。
常に色紙とペンを持ち歩いているのか?
「よし! 最短距離で突っ切るのぢゃ。ランス、よしこを任せた」
「無論だ、任せろ!」
「私と唯が先頭して露払いをしますね」
「とうとう、よしこ呼ばわりだよ!」
唯を含めたゼラニオン、都合のいい流れだが向かう先にはパトリックとハズキもいる。
当然その事はまだ知らないのだが




