第1話 始まり
初めて投稿します。よろしくお願いします。
沖縄県から鹿児島県に向かってフェリーが出発する。そのフェリーの客の一人、彼の名前は中山 陽二、42歳の中堅サラリーマンだ。
ゴールデンウィーク中にとある出来事を目撃した。ショックを隠すかの様に勢いに任せ飛行機に跳び乗り、そのまま船にも飛び乗った。
昔からの夢であったフェリーでの長距離移動であったがこんな形で実現してしまうとは……。
知り合いからは、長くて暇だと聞いていたが、昔から一度は体験したいと思っていた。
沖縄県から島々を巡って、最終目的地の鹿児島県に到着した。確かに長時間はつらかったが、360度、海に囲まれての絶景は最高でいろいろと悩んでいたのがちっぽけに感じた。
「長い船旅も終わりか…これからどうしようかな…」
特に計画して来た訳でもないので、これからどうすれば良いのか途方に暮れてしまう。5月の連休なので客はおおぜいいたのだが…おかしい? 妙に静かだ。訝しみながらもフェリーから降りる
待合室にも人が一人も居ない。よく見ると待合室の隅にフードをかぶった女性が二人いる。フードの隙間から髪の毛が見えており、一人は薄赤い長髪、もう一人は金髪で隙間からのぞく顔は二人とも超可愛い。大凡、20代前半の不思議なオーラをまとった女性達
日本人じゃないのかな? と思いながら歩き出す。二人の女性は何も言わず、ただ陽二を見つめていた。
ネットリとした空気がまとわり付くような感じがするが、土地が変わったので湿度の違いと思い建物の外へ歩き出す、この時既に手遅れだったのかもしれない
陽二が一歩進むたび、後ろの景色も少しずつ塗り替えられていく、が陽二は全く気付いていない。建物を出る、一瞬で辺りの景色が変わる
おかしいぞ? まわりの建物も消えてるし、後ろを見てもそこにあるはずのフェリーもない
「ん? おかしいなぁとうとうぼけてしまったのかな?」
辺りを確認してみる
前方10メートルくらい向こうは背丈以上の雑草が生い茂る平原
後ろは海、ただし10メートル以上の断崖絶壁
左右には、膝下程の雑草が生い茂っている
ここはどこなのだろうか? なにか空気も違うし妙に静かだ
陽二は、取りあえず人を探すべく歩き出した。
5分ほど歩いた時にポケットのスマホに気がついた
なる程、あまりにも想定外の事に遭遇すると、人は取りあえず何も考えず歩き出すらしい
「んなことあるかよ!」
軽く自分に突っ込みを入れつつ、スマホを取り出し画面を見ると電波はある。まずは衛星利用測位システム(GPS)で現在場所を調べてみる
「えーと、場所は‥‥‥所在地不明かぁ」
先程は前と下しか見てなかったが、海の向こうを見てみると確かに桜島っぽい山もある。
なので、鹿児島だと思うけど‥‥‥
「おい! ここどこだよ!!」
今更ながら事の重大さに気づき始めた
「まあ、焦ってもしょうがない、取りあえず海沿いに歩いて人を探すかぁ」
焦る心を落ち着かせるように呟き、とぼとぼ歩き出した
辺りはどんどん薄暗くなり本気であせる、のども渇けば、おなかも減っているし軽いパニック状態だ
「マジでやばいぜ!」
軽口をたたきながら、何とか落ち着こうとするがやっぱり駄目らしい、自分の顔が青くなっているのも分かるぐらい焦りだし、足も疲れて痛くなってきたので座り込んでしまう
横になって空を見上げてみる
「すっげー星だなぁ…」
気づけば周囲はもう真っ暗だ、何も見えない。陽二は星を見て少し落ち着いたみたいで、いつの間にか眠りについていた
「*******」「*******」「**」
ん? うるさいな
「********」
なんだ…? 目の前にオッサンがいる。何かしゃべりかけているが言ってる言葉がさっぱり分からない
陽二は右手を上げて答える
「ハロー、おはよう、こんにちは、言ってること分かりますか?」
意外と冷静な対応、俺マジイケメン!
オッサンは頭の上に ? が浮かんでいる顔をしているが、なにか納得したのか陽二に向かって何かを呟いた
「よう少年、俺の言ってることわかるか?」
少年だと‥? 俺はどう見ても目の前のオッサンと同い年位だと思うのだが…まあいいか下手に出た方が良いだろう
目の前のオッサンは見た目40位のなかなか渋い面構えをしている
髪形は角刈りっぽい短髪で、どう見ても日本人、身長が180センチくらいでガタイの良いオッサンだ、上は動物の皮っぽいTシャツにゴツイ胸当て、膝下程の皮のズボン。見た目は日本人だか何か違う
「おい! 言ってることわかるか?」
「あ、はい。わかります。こんにちは、どちら様で?」
「俺はバリソン。探索者だおまえは? 人族に似ているが言葉は通じないし格好は……高そうな服を着ているな? この辺りはそこまで危険な場所ではないが、そんな手ぶらで歩けるほど安心はできない場所だし……おまえ、いったい何者だ!?」
おっと、何か危ない場所らしいし、めちゃくちゃ警戒されている。言葉が通じないと言うことは、日本っぽいが違うのかもしれない。
「僕の名前は中山って言います。日本人です。怪しい者ではありません。実は道に迷ったと言いますか…気付いたらここに居たといいますか‥」
「なるほど…な、日本人? よその国から来たのか? しかし日本なんて聞いたこともないし……近くに人族が暮らしてる場所があったか? もしかして…異世界人か?」
日本人を聞いたことがない? 異世界人? アニメとかである召喚とかあの類のやつか? 詳しくは分からないけど情報を集めよう
「あのぉ、異世界人とは? それと、ここは日本という国ではないのですか? てかここどこよ! 」
「なんだぁ? かしこまった口調かと思えば…それが地か?」
オッサンはクックッと笑っている
「まあ焦るな、言葉が通じるんだ質問には答えてやる。俺は優しいからなぁ、ここはマツサ開拓地。人族で暮らせる土地を開拓しているんだ!」
オッサンの話によると、ここは人族の国がある大陸で、とにかく広くてオッサンも全部は知らないらしい。魔物も多く、討伐しながら開拓し町を広げている途中らしい
で、この場所はマツサという町の南に2日程移動した場所で、数は少ないが魔物も出て、危ないので町まで連れて行ってくれるらしい、とりあえずお願いしよう。
異世界人に関しては、遥か昔から、言葉の通じない人が見つかっているらしい、その中の一人が異世界人と言ったことから、まとめて異世界人と呼んでいるのだとか。当然ここは、日本ではない!
「とにかく、途方に暮れていたので、町まで連れて行ってもらえると助かります」
「まあ、町まで行けば領主もいるし、もうちょっと詳しいことが分かるだろう、町まで時間もかかるし行きながら話でも聞かせてくれや」
馬車に乗れと言ってくれた。馬車かぁ初めて乗るな
馬が2頭つながっていて前に3人程座る場所がある、その後に軽トラック風の荷台と帆が着いておりいろいろな物が乗っている。詮索するのも失礼なので、前の席に座らしてもらう
「じゃあ行くか! 暇つぶし位にはなってくれよ? ハッ!」
「聞きたいことがたくさんあるので、嫌でも話してもらいますよ」
こうしてマツサに向かって出発したのだった。
とうとう投稿してしまいました。書きたいことは山ほどあるのですが、其れを文に出来ないもどかしい気持ちの中ボチボチやっていこうと思っています。