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天才サッカー少年の異世界生活  作者: 夜乃 夜空
4/7

練習場作製(1)

 朝、まだ日が出ていない頃。蒼也はそんな時間に目が覚めた。異世界に来ても習慣がまだ身についていたのだ。蒼也が日本にいた時はいつも4時に起きて、友人と優と近くのグラウンドで6時までサッカーをしていた(優は時々しか、やっていなかった)。


 しかし異世界にはサッカーグラウンドどころか、サッカーすら知らないのだ。

 朝早くに起きても何にもしないのは、嫌なので妹の優を起こして、村の周りを走りに行くことにした。


「優、起きろ。走りに行こう。てかお前も付き合え最近走ってなかったろ。寝たふりなんてしないでいいなからな」

「ギクッ。おはようお兄ちゃん。確かに最近走ってなかったね。でも大丈夫!体力落ちてないから!」

「なら試しに行くぞ。今の格好なら走りに行けるだろ?後、笑顔でそんなこと言うな。」

「うっ。走らないとダメ?」

「うん。ダメ。太るぞ?」


 優が上目遣いでダメか聞いても即答。それで諦めたのか優はベットから降りて、蒼也と外に出た。

 

外に出て村の門の外まで行くと、自警団団長のノリートさんがいた。


「ノリートさん。おはようございます」

「おはようございます」

「朝から、何やっているんですか?剣なんか持って」

「おはよう。素振りに行くところだったんだよ。森の中は魔物もいるしね。そうゆう君達は?」

「俺たちは日課である体力作りです。毎朝走って、体力をつけるんです」

「そうか、頑張れよ」

「ノリートさんこそ頑張ってください」


 そう行って俺たちは別れた。




 ストレッチしたら村の周りを先に優が走ってタイムを測った(蒼也がいつも腕につけている時計で測った。村は、1周2km)。

 すると、前のタイムより13秒落ちていた。(この兄妹は普通に2km毎朝走ってます)


「おい優。タイム落ちてるぞ?」

「はぁ……はぁ……はぁ……まじで?」

「真面目も真面目。大真面目さ」

「これから毎日走ろうな?」


 蒼也が笑顔でそう言うと優は『まじかよ』と言わんばかりの嫌な顔をしていた。


「優。これでタイム測って。俺も今のタイムが知りたい」

「はいはい。スタートはいつでもどうぞ」


 その言葉の後にスタートすると、もう見えなくなっていた。

 蒼也は小学校6年の時の50mのタイムは6秒ぴったしだし、中学校の1500mのタイムは学年トップの5分34秒という記録を叩き出したほどだ。

 しかも、本人は1500m走っただけでは物足りなかったらしくもう1回1500mを走ったのだ。


「ゴーーーール!!タイムどう?何分?」

「えっとね。6分52秒」

「前と同じか」


 蒼也はタイムを聞くなり少し落ちこんなだ。

 そのあとは、優の体力を作るために徹底的に走らせた。

 ちなみに蒼也はドリブルをしつつ優と一緒に走った。


「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……もう………むり………はぁ……はぁ……」

「おいおい。今日はここまでだがこれからも走るぞ。まだまだなんだからな」

「お兄ちゃんの体力がありすぎるんだよ。もう20周近く走ってるよね?」

「確かにそれぐらい走ったかな?でもな優。体力は一杯あった方がいいんだぞ」

「それでもお兄ちゃんは、ありすぎだよ。お兄ちゃんもう人外だよ」

「それぐらいはあって当然だからな。また明日も走るぞ」


 そう言ってボールを優に預けて、また走り始めた。




 6時まで走ったらクエントさんの家に帰って行った。

 クエントさんの家に着くとクエントさんが出て来た。そして、ドアの横にある牛乳を持って家の中に入って行った。


「「ただいま」」

「おかえり。朝早くからどこに行っていたんだい?そんな汗かいて」

「村の周りを入っていたんです。日本にいた時の日課だだったので。それと、優の体力を取り戻すためですね」

「はぁ……はぁ……お兄ちゃん………鬼だよ。どれだけ走らせればいいんだよ」

「ははは。疲れただろう。今タオルを持ってくるよ」


 そういって、クエントさんは洗面所に行った。

 

クエントさんが戻ってくるとタオルを2枚持って来てくれた。


「ありがとうございます」

「ありがとう」


 蒼也たちは、タオルをもらうと客室に向かった。


 蒼也と優が体を吹き終わると、クエントさんが『ご飯だよ』っと呼びに来てくれた。


 下に行くと、パンと野菜そしてスープが4人分あった。

 椅子に座ってご飯を食べ始める。野菜はどれも日本と似ていて、クエントさんの嫁さん、フウさんの料理は美味しかった。




 ご飯を食べ終わったら、優は客室に戻り、蒼也はクエントさんと冒険者ギルドに来ていた。

 冒険者ギルドは1日中やっていて、マークは真ん中に盾がありその横に剣と槍があるマーク。

 冒険者ギルドの中は真っ直ぐ進むと受付があり、左に進むと酒場みたいな場所がある。すぐ右には、掲示板がある。掲示板には依頼の紙がびっしり貼られていた。

 受け付けには美しい女性がいた。


「おはようございます。本日はどんなご用件でしょうか?」

「ソウヤの登録がしたいんだかいいか」

「わかりました。ではこちらに名前と年齢、タイプを記入してください。記入し終わりましたらまた声をかけてください」


 そう行って、受付嬢は他の人の対応に当たった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:如月 蒼也

 年齢:15

 タイプ:


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前と年齢を記入してから疑問が浮かんで来た。それは『タイプ』。

 タイプとは何かがわからなかったからクエントさんに聞くことにした。


「クエントさん。タイプってなんですか?よくわからないんですが?」

「あぁ。タイプとは、簡単に言えば職業に近いな。例えば剣士の場合は、剣士と書くし、弓使いだったら、弓師とこんなところなか?」


 まだ蒼也は理解しきれてないが、タイプのところに『サッカー選手』と記入した。




「冒険者カードができましたよ。無くさないようにしてください。これがあれば国や村に自由に出入りができますので。無くしは場合は、ギルドの受け付けに来てください。銅貨10枚でで再発行します」

「なるほど。だからクエントさんは、冒険者カードを作ることを勧めたのか」

「あとは依頼を月に1回はやってください。一定の依頼の量を達成すると、ランクが上がります。ランクは、最初がFランクで始まり一番上がまだ誰もいない、SSSランクになっています。兎に角最初は中級のCランクを目指して頑張ってください」


 受付嬢の説明が終わると冒険者カードをポケットに入れてクエントさんがいるギルドのドアに向かった。しかし、ドアに向かっても誰も居なかった。そしてギルドの中を見ると酒場のカウンターで飲んで居た。


「クエントさん。朝から飲んでいいんですか?フウさんに叱られますよ?」

「大丈夫だよ。それに少しだけだから」

「大丈夫じゃないし、全然少しにいざ見えないんですけど?」


 クエントさんがいる前のテーブルを見ると、酒の入った瓶が5、6本あった。

 流石にまずいと思った蒼也は、クエントさんを支えながらギルドを出て行った。その時、周りは苦笑いをして居た。まるで、『嗚呼、またか』と言いたげなような。


 クエントさんを家まで運んだら、優を連れてログハウスに戻った。


「優。これからどうする?何かやりたいことでも見つかったか?」

「全然ない。暇すぎる」

「なら手伝え。これから運動場を作るぞ」

「え、マジ?」

「真面目も真面目。大真面目さ」


 優は嫌な顔をしても、蒼也はそれを無視して優を引きずりながら外に出た。

 まず、場所決めだ。ログハウスは森の中にあるから周りが、木だらけなので木を伐採からだ。

 しかし、これは優にはできないので雑草を抜いてもらっていた。


「木の伐採か。どうしよう。ボールで折れたりしてな」


 そう行って、木に向かってボールを蹴った。

 蹴った瞬間にボールに何かを吸われた。

 蒼也が蹴ったボールは、木にまっすぐ向かって木を貫いた。それには蒼也は何が起こったのか、よくわからないような顔をしていた。


「え?木を貫いた?え?え?」

「お兄ちゃん、何かを大っきな音がしたんだけど?何が………あっ………た………の?」


 これには優も驚かずにはいられなかった。

 蒼也が我に戻ると、ボールを拾いに行こうとしたら、蹴った方向からボールが戻って来た。

 戻って来た方を見ても誰もいなかった。まるでボール自身が、蒼也の元に戻って来たかのように。


 するとどこからか声が聞こえてきた。


『マスターの名を教えてください』

「?誰かいるのか?聞こえているなら返事をしてくれ」


 しかし返答はなかった。

 また同じ声が聞こえた。


『マスターの名を教えてください』


 蒼也は悩んだ。そもそもマスターとは、誰なのか。なんで名を聞こうとしているのか。悩むが周りには優がまだ棒立ちしているくらいだった。

 蒼也は悩んだ末にマスターとは誰なのかを聞こうとした。


『マスターの名を教えてください』

「マスターとは誰のこと?なんで名を聞こうとするの?」

『マスターはマスターです。マスターだからです』

「よくわからないよ。一応名乗っとくよ。俺の名は如月蒼也」

『マスター名、如月蒼也。登録完了。これからよろしくお願いします。マスター」


 そう行ってさっきの声はしなくなった。そして周りが、今まで止まっていたかのような動きをする。特に優は、声が聞こえてなかったらしい。


「あの声は一体誰なんだ?」


 そんな疑問を抱きながらも又、ボールを蹴って木を伐採し始めた。

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