魔法の基礎
■魔法の基礎
それではいよいよ魔法の勉強です。
魔法の基礎を学習しましょう。
魔法とはなんでしょうか?
簡単に言うと、私たちの人間界と、悪魔たちのすむ魔界の、それぞれの世界の法則の違いから生まれる異常現象です。
人間界と魔界の間につなぎ目ができると、世界の法則の違いから法則の流れが起きます。この流れの強さのことを魔力と呼びます。この流れに乗せて様々な奇跡を起こすことが、魔法です。
あなた自身が魔力を持っている必要はありません。あなたに必要なのは、二つの世界の間に小さなつなぎ目を作ることだけ。そうすれば自然と流れが起こり、魔力が発生します。
つなぎ目を作ることも、そんなに難しいことではありません。誰もが、その魂を二つの世界に持っているからです。魔界にもあなた自身がいます。二つの世界は最初から重なり合っているのですから、魂もほんの少しだけ重なり合っているのです。魂を人間界側にたくさん持っているヒトが人間で、魔界側にたくさん持っているヒトが魔族と呼ばれています。決して魔族だから魔法が得意と言うわけではないのです。人間も魔族も、生まれながらに条件は同じなのです。
それでも特別なヒトはいます。例えば魔界にいる魔王は、人間界と魔界にほとんど同じ量の魂を持っています。だから、とてつもない魔力を生み出すことができます。人間界でも、時折それに近い人が生まれることがあり、時には英雄王となり、時には大神官となります。あなたがそんな中の一人ではないと、誰も言えないのです。
それでは早速、魔力を生み出してみましょう。
深い瞑想と想像が必要です。魔界を思ってください。あなたの中にいろんな魔界のイメージが湧くと思いますが、そのイメージが魔界のあなたの魂の見る光景に近づくと、とたんにつなぎ目が発生します。後はその魔力をどのように使うかです。
それでは学習メモにお進みください。
●学習メモ
早速魔力を生み出すことに挑戦する。
魔法学校で勉強した魔法使いの人たちは口が重くてこういうことをあまり教えてくれないけれど、この本に書いてあるとおりにするだけならそんなに難しくない。
魔法使いたちは、大体、己の真なる姿を魂で感じそれを具現化するのである、などとしゃちこばった言い方しかしない。それよりも、魔界ってどんな場所だろう、と想像するだけなら簡単だし、楽しい。
もちろん、魔界は、今攻め込んできてる魔族の軍隊の出身地だから、憎らしい敵地だけれど、もし人間が勝てば、魔界も人間界のように暮らしやすくなるだろうし、あっちに移住する人も増えるかもしれない。
きっと家もあるし畑もある。お店があって市場があって、鍛治屋さんは穴の開いた鍋を直してる。
……そんなことを考えてたら、耳元を、何かがひゅぅと駆け抜けていくような感覚があった。
風じゃなくて、もっと根元にあるようなもの。
空間が直接流れているような感覚。
これがきっと『法則が流れてる』ってことなんじゃないかと思う。
どうなんだろう。
この学習メモを書き終えたら、次のページが開きますように。