エロス攻防戦Ⅰ
大食堂に爆薬をしかけて、毒で悪夢を見ている入所者たちを爆殺した後、お爺さんとお婆さんは一階のロビーまで歩きました。
やることなすこと、どこまでも外道ですが、まあこんな連中です。
ロビーの中央には一人の老人が立っています。仁王立ちです。
その老人は鼻の下にたくわえた立派な髭をさすりながら
「よくぞ来たな、このド腐れ外道! ワシは一階のボスを務める、本江路太じゃ。老人ホームに入所して二十二年、このワシを突破したものは数えるほどしかおらぬぞ」
と自己紹介していますが、もちろんジジババが聞いているはずありません。
お爺さんはあからさまにがっかりして
「何じゃクソジジイ。美人でボインのおにゃのこではないのか。さっさとハウスするがよいぞ」
と目も向けません。
「むう、貴様。我が戦闘力を知らぬな? 我が戦闘力を聞いて驚け! 二十万じゃ!」
「エロスじゃと? このワシにエロで勝つつもりか、身の程知らずな! ならば、ワシがエロのなんたるかを説いてやろう! そこに直れィ!」
お爺さんは本江路太と名乗る老人を睨みます。にやけながらですが。
お婆さんは座禅を組んで解脱しようとしていました。面倒くさいので放置です。核ミサイル持って暴れないだけマシです。
「まあ待て。ワシも貴様にエロを説いてやる。その上でどちらが、よりエロかを決めるのじゃ。良いな、解説者よ」
本江は、どこからかやってきた解説役の若い介護士に問いかけます。
若い介護士は頷きました。
「ただ今から、第一階の戦いを始めます! 両者、準備してください!」
二人の老人はじりじりと間合いをはかっています。
「「これでどうじゃ!」」
二人の声が重なります。
二人は同時に両手に何かを持って、それぞれの相手に向かって突き出しました。
こんばんは、星見です。
アホなことを書いている時間が至福です。これでいいのか社会人とか突っ込まないでください(笑)
今回はちょっとアホさ控え目。
次回から再びアホになります主にお爺さんが。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……