ガスガスパニック
藤崎ゴドウの背後に回り込んだお婆さんは怪鳥のごとき奇声を発しながら、敵に飛びかかりました。右手には釘付バット。前言通り、この老人ホームは世紀末です。
正面からは汚物ガス、背後からは世紀末暴徒が襲いかかります。
しかし、それでもなお藤崎ゴドウは気を乱されず。泰然自若として、無形の位をとります。
迫りくる一つの影と一つの汚物がぶつかるその目前に、狙いすましたように抜刀。瞬目の間に殺人ガスを吹き飛ばし、同時に背後のお婆さんをも吹き飛ばします。
「ふん、さすがに剣を極めし者の異名は伊達ではないようじゃの。だがしかし! 剣を極めた程度でワシに勝てるとは思わぬことじゃ。産業廃棄物や、次はガスロールケーキを……」
器用に身体をひねって着地したお婆さんは目の前の光景を疑いました。
何せ、その照準は
「ぐひゃへへへガスベガスガスベガス」
お婆さんに向けられていたのですから。
「落ち着くのじゃ、ガスタンク! 今ラリってはガスベガス行きは海の藻屑と消えるのじゃぞ!」
「ひゃひゃひゃひゃ」
もはや作務衣のお婆さんには聞こえていません。これはお婆さんにとって完全な想定外でした。
これでは賞金を手にして男遊びをすることが出来ません。
作務衣のお婆さんは尻をお婆さんに向けます。そこには汚物の集大成である対人自動追尾型ガスミサイルが装填されています。
「@;。;、;+*>」
宇宙の言語を唱えるガス発射基地と化した作務衣のお婆さん。力を溜めています。
「待つのじゃ! 今それを使えばワシどころか、この老人ホームが居住禁止区域になってしまうではないか! 考え直すのじゃ!」
お婆さんの悲痛な叫びも聞こえていません。
ガスミサイル発射準備完了。
作務衣のお婆さんは勢いよく凶器をお婆さんにめがけて発射しました。それは悪臭の砲弾となって、コンクリ製の屋上の床を削り取り、拡散しながらお婆さんへと直進します。
そんな時でした。意外な助っ人が来たのは。
こんばんは、星見です。
どうも下品なネタですみません。基本的にアホなもので。まさか年頃の女の子はこれ見てないですよね? 悪影響を受けない程度に読んで下さると嬉しいです。私が親なら読むなと言うかもしれません(笑)
まともな作品も書いてはいるのですが……
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




