表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/22

悪臭の包囲網Ⅱ

 作務衣を着たお婆さんは立ち上がって、尻をお爺さんのいる方向へ向けました。

「ふん、その色気のない尻でワシを誘惑するとは万年早いわ!」

 お爺さんは構わず大根を振り上げます。

「喰らえィ! 聖剣ロリスカリバー!」

 お爺さんの聖剣だいこんが作務衣のお婆さんの尻に振り下ろされるのと同時に、ばすんというくぐもった破裂音がしました。

 尻からはどす黒い気体が放出されます。

「ぐぶほぁ?!」

 それを吸ったお爺さんは畳の上に倒れてのた打ち回りました。

 その様子を作務衣のお婆さんは穏やかな笑みを浮かべて眺めています。

「あらあら、致死量はとっくに吸ったと思うのだけれど。まだ足りないのかしら」

 若い介護士は今度こそ倒れないように対毒ガス装備をきっちり身に着けています。

「ぐぬぬ、ロリの貧乳が目の前にあるというのに……倒れる訳にはいかぬ」

 お爺さんは立ち上がろうとしますが、残酷にもその上に作務衣のお婆さんのぶきが向けられます。

「こんな汚いケツで死ぬならば、うちのクソババアが保存していた三十年物のビンテージみたらし団子を食っておくべきだった」

 ぶすん、ばすんと二発の毒ガスがお爺さんに照射されます。

「臭すぎる!」

 お爺さんはそう叫んで再びのた打ち回ります。部屋では既に悪臭の包囲網が完成しつつありました。

「うふふ、この部屋、そろそろガスで満たされる頃合いだわ。この部屋に入るだけで即アウト。今まで私に勝った者は一人しかいないのよ」

 こんなとんでもババアに勝った人間が一人でもいるとは。そっちの方が驚きです。

 毒ガスは刻一刻と部屋を侵食していきました。

 そんな中でも作務衣のお婆さんは平気な顔をしています。一体どこの宇宙人でしょうか。

「ぐぬう、ツンデレラの秘蔵写真集をわが手におさめるまでは倒れる訳にはいかぬ! 倒されません揉むまでは!」

 カッコいいセリフのようですが、やはりカッコよさ台無しです。

 しかし、台詞とは逆にお爺さんは既に満身創痍でした。

「あらあら、ゴキブリ並の生命力ねえ」

 しかも、レアアイテム『ツンデレラのブルマ』はもう使ってしまいました。体力回復の手段がありません。

「ブスとババアは倒す!」

 お爺さんは聖剣だいこんを地面に突き立てて、それを支えに立ち上がろうとします。セクハラのためならどんな努力でもする、その姿は勇ましくも滑稽です。

 お爺さんの頭の上には無慈悲にも作務衣のお婆さんの尻がありました。

 ぶすぅーっと長いガスが発射されます。それも一発ではなく、何発も何発も。

「おほほ、フルコースは味わっていただけたかしら?」

 誰も味わいたくないフルコースをたっぷりと堪能したお爺さんは動かなくなりました。

 心なしか顔がにやけているのが、気になります。

「ほほほほ、私のガスの前ではすべての男がひれ伏すのよ!」

 作務衣のお婆さんが勝利宣言をしたその時でした。

「ふん、ワシの作戦が見事はまったようじゃの!」

 特攻服を着込んだお婆さんが乱入してきたのは。

こんにちは、星見です。

今週は仕事上でいろいろありまして、ほとんど家をあけていたので書けませんでした。詳しくは書けませんが、この四月から身分ががらりと変わるので、そのせいでもあります。


ではまた次回お会い出来ることを祈りつつ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ