山羊座、更に蛇遣い座も?
シルゴート・ファリス。
大地を照らす13星座の山羊座。
13星座の中で最も温厚で、最も犀利な剣士。
と、変な紹介だが、紹介をした所で発表がある。
今回は二話分ある。
何故か、という質問にはこう答えよう。
―――二人いるから。
「何でお前がここにいるんだ、アルティス」
「meが何処に居ようと、meの勝手DESYO!」
そりゃそうなんだけどさ。
アルティスからの手紙を見てみる。
確かに、『愛するシルゴートの家にいるKARANE!』と書いてあった。
「ロアールから何とか言って下さいよ。この子、いつも僕の家に来るんですよ」
「へぇ、良いじゃねぇか。わー、羨ましーなー」
「これ以上ない棒読みでしたね」
だって思ってねーもん。
羨ましくなんか……羨ましくなんかねーもん!
「いや、別に良いんですよ?ただ、僕が起きてから寝るまでずっといるんですよ。僕に自由は無いんですよ」
「……もういっその事同棲しろよ」
「ど、同棲だなんてまだ早いYO!」
何で照れるんだよ。朝から晩までいるのと、同棲って殆ど一緒じゃねぇのか?
俺には違いが解らん。
ん、待てよ、"まだ"って事は予定あんのかよ。
「結婚式くらい行かねぇでやるよ」
「色々ツッコむべき場所が場所がありますけど、とりあえず一つだけ。来てくれないんですか」
「とりあえずそれなんだ!」
確かにツッコミ所多かったな。
ツッコミマスター位になると、全てツッコむんだろうな。
……何だよ、ツッコミマスターって。
「何だよ、シルゴート、お前結婚する気あんの?」
「……………」
こりゃ答えにくいよな…。
だって隣りに、獲物を狙うチーターみてぇな目で睨んでいる少女がいるし。
「まぁ良いや。とりあえず本題に入るぞ」
……あ、ヤベ、本題なんかねぇんだけど。
勢いで言っちゃったんだけど。
「え、えーっとさ、最近何か変わった事とかないか?」
とりあえずこれしかねぇよ!
「僕は、アルティスの事以外は時にありませんよ」
「meも無いYO!」
うわぁ……話が続かねぇ。
何なのコイツ等、無くても絞り出そうとしろよ。捻り出せよ。作り話でも良いから、話を続ける努力をしろよ。俺次行っちまうぞ、チクショー。
「そ、そうか、ねぇなら良いんだけどよ」
「そういえば、今日は何の日でしたっけ?」
「CHYOTTO、シルゴート!」
今"ちょっと"って言ったのか?
解りづれぇよ、その喋り方。
作者も言ってたぞ。
一々ローマ字にするの面倒臭いって。ルビ振るのメンドイから、番外編ではルビ振らないって。
キャラ作りかなんか知らんけど、作者に嫌われたら出番無くなんぞ。
……って言ってる俺は大丈夫だよな…!?
「今日が何の日か?あー……日曜日だな」
「………そうですね」
シルゴートは溜め息交じりに言った。
何か腹立つな、ぶっ飛ばして良い?
「シルゴート、今更だけどお前とメイディンっていつから仲悪いんだ?」
何か知らんけども、メイディンの奴、何かとシルゴートの悪口言ってんだよな。
最初は好きだけど素直になれない、的な事かと思ったけど、それは無さそうだ。
何故かって?「シルゴートの事好きなの?」って訊いたら吐きそうになってたもん。
「いつから……恐らく初めて会った時からですよ」
「会った時からって……」
「彼女とは本当に気が合いませんからね。いつか殺してやろうと思ってます」
気が合わない、とか言いながら言ってる事全く一緒だぞ。
何で変な所で以心伝心してんだよ。
「あー……アルティスはシルゴートを抜いたら、誰と仲が良いんだ?」
「シルゴート以外の人間なんて皆興味NAIYO」
「そ、そうか」
13星座って何でこう、クセの強い奴ばっかなんだろ。
一番まともなのは……クラビスだな。蟹座ね。
「そういやぁ、俺まだお前の能力知らないんだよな。どんなのなんだ?」
「僕も見た事ないですね」
朝から晩までずっと一緒に居るにもか拘わらず、知らないだと?
何やってんだよ。
因みに、新しい13星座を決める時は、全てカウリー任せにしている。
アイツ、人を見る目とかヤバいんだよ。具体的にどうヤバいかはよく解んねぇけど。
「meのcapacityは……」
何か知らん単語出て来たんだけど!
まぁ、話の流れからして、多分"能力"とかそんな感じの意味だろう。
「"W"=Water」
そう言ってアルティスは俺に人差し指を向ける。
すると、人差し指から俺に向かって、水鉄砲のように水が飛び出してきた。
……うん、俺ビッショビショになっちゃったんだけど。
「"L"=Light」
今度は突然、電球の様な光が現れる。
「meのcapacityは『字物変換』DAYO」
「英語多過ぎるわ!」
「"私の能力は『字物変換』だよ"ですね」
「あぁ?何だそりゃ」
シルゴートの説明を聞いてみた。
正確には、アルティスの説明をシルゴートに翻訳してもらった。
アルティスの言葉、長かったら解り辛いんだわ、これが。
だが、難しい単語が幾つも出て来たからどちらにしても解り辛い。
なので、俺が簡単にして、説明しよう。
字物変換とは、名の通り、字を物質に変える能力。
ここで言う字とは英語。厳密に言うと、字ではなく言葉。
A~Zまでの26個に物質を登録している。一つの文字に一つの物質しか登録できない。
つまり、26通りの能力が使えるのと殆ど同じ。
例を挙げると"F"には"Flame"、つまり"炎"、"W"には"Water"、つまり"水"。
自分で出した物は、勿論自分で操れる。
うん、俺が説明しても解り辛いな。
どうしても解らんかったら作者に訊いてくれ。
「この能力、結構エグイな」
「特異輝流士ですね」
話が噛み合っていない。
コイツ、何か苦手かも。
「A、シルゴート、そういえば今日はmeと買い物に行く約束してたYONE?」
「えっ?」
「そうなの?なら俺はお邪魔だな」
「いや、そんな約束……」
「したYONE?」
「………はい」
女子怖し。
有無を言わさない、じゃなくて無を言わさなかったな。
「ごゆっくり~」
「ロアール!」
「シルゴート~、I love you~!」
「うわぁぁっ!!」
「………大丈夫かな」
俺は振り返らずに家を飛び出した。
アイツ等……てか、アルティス、アイツ何なんだよ。
客放っといて、いちゃつくことしか考えてねーだろ。
「まぁ良いや。グダグダになっちまったけど…次は誰にしようかなぁ……これだ!」
レイウス・ケイル。
大地を照らす13星座の天秤座。
13星座の中で最も自由で、最も軽薄な自由人。
~大地を照らす13星座の名前解説~
今回はウィンツ。
ウィンツ=『Twins(双子)』のアナグラム。
ジェイレーン……すいません、コレ何だったか忘れちゃいました(笑)
とりあえず、英語で書くと
Wints.Jaylern