第七章
物事を考えている内に朝になってしまった。
天井を眺めていた悠呂の上で、目覚まし代わりにタイマーをセットしていたテレビが時刻になって、今朝のニュースを告げ始めた。
それに、重く粘る体を起こして消し、ベットの傍らに腰を降ろして軽く息を吐いた。
そして、しばらくだるそうに俯くと、意を決したように立ち上がり、寝着のままダイニングへ向かった。
ダイニングに出ると、家政婦ロボットのミラハがもうキッチンの側に立っていた。
「おはよう。ミラハ。」
悠呂の声にミラハは振り向いて、驚いたように声を掛けてきた。
(実際は表情など読み取れないのだが)
「悠呂さん!今朝は随分とお早いですね?」
洗面所へ向かいながら、悠呂は答える。
「うん……今日もはじめくんと約束。」
と洗面所に消えていく。それにミラハが新しいタオルを持ってついてきた。
「そうですか…朝食は如何なさいます?」
ミラハから渡されたタオルで顔を拭きながら、
「う〜ん…あんまり食欲ないんだけど…一応軽く食べとく。」
「承知しました。」
と言ってミラハは先にキッチンに戻って行った。
悠呂は、タオルを置くと自分の部屋に戻り、服に着替えて再びダイニングに戻って来た。
そして、キッチンに行かずその側のテレビ電話の画面に触れ、はじめのフルネームを呼んだ。
すると、感知したのか電話の呼び出し音が鳴る。
「はい」
と画面に映ったのは、はじめの母親だった。
「あらぁ♪悠呂くん、おはよう。」
「おはようございます。おばさん。」
「はじめね?ちょっと待っててね。」
と言うと保留の美しい音楽と
「しばらくお待ち下さい。」
の画面が現れた。数秒後、はじめが画面に現れた。
「おっす。」
「おはよう。起きてた?」
「いやぁ…実はさっき起きた。」
「そう。僕これから朝食食べてからそっち行くから、うんと30分ごろにそっち行く。」
「OK!んじゃっ待ってるぜ。じゃあな。」
と画面は途切れた。
未熟者ですが…最後までお付き合い願えれば…。ご意見感想もお待ちしております。