第六章
家に帰った悠呂は、コラルロッドを駐輪場にしまうと何か思いふけった様子で中に入った。
「お帰りなさい。悠呂さん。…はれ?服が汚れてますが?どうなさいました?」
玄関を入るなり、ミラハが声を掛けてきた。
「…なんでもないよ。シャワー浴びてくる。」
とそのまま真っ直ぐにシャワールームに向かった。
ミラハはそんな悠呂を黙って見送った。
脱衣所で服を脱ぐとすぐに浴室に入り、マンホールのような円盤の上に立つと悠呂の体がフワリと浮いて薄い膜のようなものが円盤の周りを囲った。
すると、何処からか水蒸気のようなものが出てきて悠呂の体を洗い流し始めた。
それに合わせて体がゆっくりフワフワと回転し始める。
それに身をまかせ、悠呂は今日のあの彼女の顔を思い出していた。
(…何故。…あそこに何かあるんだろうか?それとも、はじめくんの言う通りただ危ないから…。)
帰り際、はじめとこんな話をした。
「…はじめくん。今の、どう思う?」
「ん?どうって?」
「さっきの彼女達…。」
「あぁ〜あのおっかねぇ女なっ!」
「…変…だと思わない?」
「あっ?変って何が?」
「あそこに近寄るなって言ってた。」
「あぁ。ただのお節介やきなんじゃねぇの?危ないから近寄るなぁってやつ。」
「それ…だけなのかなぁ。」
「他に何があんだよ?」
「わかんないけど…。」
「……考え過ぎなんだよおまえは!」
悠呂は、まだこちらを見ている彼女達に目をしばらくやって
「そう…なのかな…。」
「そうそう!ほらっ!俺が運転してやっから早く乗れよっ!」
と言われるがまま悠呂は黙ってはじめ運転のコラルロッドの後ろに乗った。
何か考えてる風の悠呂の顔をしばらくみやってすぐにアクセルを開けた。
悠呂は、シャワーを終えゆっくり目を開けた。
(あそこには何かある…誰も知られていない何かが…。)
いやぁ…なかなかどうして書き出せなくてこんなに遅くなっちゃいました。皆さま、どうか読んで下さいましぃ。