表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕達が生きる明日へ  作者: 愁真あさぎ
41/64

第四十章

 はじめが見ている光景は、まるでTVで見るスローモーションのようだった。目の前を走り去って行く星羅の後ろ姿、自分達に気付き群がるようにこちらに駆けてくる数人の警備兵達。全ての動きがゆっくりゆっくりと、はじめの瞬き一つ一つでコマ送りのように場面が次々変わってゆく。

その内の一コマに、星羅が何人かの警備兵に囲まれ、それを振り切ろうとするがその中の二、三人に捕まりもがく彼女の姿が見えた。それまで現実いまを把握できず客観的に見ていたはじめだったが、はっと我に返り彼女を助けなければと気がつけば走り出していた。

「は〜な〜しぃ〜…。」

とその走った勢いのまま、はじめは足に力を入れ飛躍した。

「やがれっ!!!」

目の前で星羅を囲って居た一人の警備兵の横面めがけて、はじめは跳び蹴りを食らわした。

蹴られたその男は、

「ぐあっ!」

と呻き声を上げ、少し飛ばされる形で地面に倒れ伏した。

それを目の当たりにした、もう一人の警備兵はギョッとして星羅を捕まえた手を引き寄せ後退った。跳び蹴りから着地したはじめは、

「だ〜か〜ら〜…!」

その足で星羅を捕まえているこの警備兵の隙だらけの懐めがけて、

「離せっつってんだっ……。」

頭から突っ込んだ。

「よっ!!!」


思いっきり腹に頭突きを食らったその警備兵は、

「ぐふっ!!!」

と声を上げ、はじめと共に後ろに少し飛ばされ仰向けに倒れた。その拍子に警備兵の手から離れた星羅もまた、勢いに釣られ尻餅をついた。

「きゃっ!!!」


その警備兵の上で四つん這いになっているはじめは、頭をブンブンと振った。意外とこの男の腹は堅かったのだ、頭がクラクラする。

はっと気づいたように顔を上げ、星羅を見つけると

「今の内だっ!早く行けっ!」


と促した。

痛そうに腰をさすっていた星羅は、はじめを見て

「でもっ…あなたは?はじめくんはどうするの?」


と訊いてきたので、

「俺も後からついていくからっ!早くっ!」

と急かした。すると彼女は頷き、ゆっくり立ち上がると背を向けた。そして一度こちらを振り向くとすぐに顔を戻し走って行った。

それを見て、はじめもゆっくり立ち上がり後を追おうと踏み出したその時、目の前に大柄な警備兵が立ちふさがった。

「!!!」

はじめは、その大きく横に手を広げた大柄な警備兵を、睨みつけ

「どけよっ!」

と無理に行こうとする。しかし、大柄の警備兵はテコでも動こうとせずかわりに

「少し落ち着け…これには……わけっ…。」


ガスっ!!!!


「¢*%&※っ…‥!!!」


はじめの蹴りが、彼の股間にクリーンヒット。大柄な警備兵は言葉にもならぬ呻きを上げうずくまった。

「どけって行っただろっ?んじゃ〜なっ♪」


とうずくまる大柄な警備兵を避け、その先へ行こうとして足が止まった。フェンスの近くで再び警備兵と揉み合う星羅。

「くっそっ!あいつら!次から次へと…!」

殆ど、溜め息混じりでそこへ向かおとして誰かに肩を掴まれた。

「!?っ」

『またかっ!』と思いはじめは後ろを振り返り…………

絶句した。そこには見覚えのある、自分と同じ青い髪をした青年が苦笑いをして立っていた。


「…しっ…清…兄ぃ…ちゃん?」

その見覚えのある青年の背後から、間抜けな聞き覚えのある声がした。


「あ〜ぁ〜。俺等の可愛い後輩達をこんなにしちゃってぇ〜。」


はじめは、清の後ろに目をやってみる。先程倒した大柄の男の傍にしゃがんで、彼の腰をポンポンと 叩いてやっている細身の中年男性。

「おっ…おじさん…。」


そのはじめの声を聞いた悠呂の父親は、ズボンのポケットに手を入れたままゆっくり立ち上がってこっちを見た。


「よくも…まぁ〜。」

と言いながらゆっくりこちらに近づいて、ポケットから手を出すとはじめの肩に手を置いた。

「ここまで暴れまくっちゃって…だぁれに似たんだか…。」

と大仰に傍に立つ青年に悠呂の父親はチラリと目をやった。

「ちょっ…ちょっと先輩っ!俺のせいなんすかっ?」

と清が抗議すると、悠呂の父親は顎をしゃくらせて

「はぁ〜い…この事件が解決したら始末書、お前が全部書け!」

と清の前に指先を突きつけた。

「そっ…そんなぁ〜!ズルいですよっ先輩!」

そんな二人のやりとりをはじめは、ぽか〜んと見ていた。


ギャーギャーと二人がやり取りしているとキビキビした声が割って入ってきた。

「お疲れ様ですっ!浅乃木警部!桐矢警部補!」

と一人の年若い警備兵が二人に敬礼した。

その意外さにはじめは驚いた。


(*^-^)b予告通り、はじめきゅんが暴れたくりました♪しかし…(T_T)アクションシーンって表現するのって難しい…シクシク。(-.-;)今回も、打ち込みながらあーでもないこーでもないと編集しもっての執筆だったのでかな〜り時間がかかりました…(^_^;)途中で逃避行しちゃったりなんかもしましたが、無事四十章を書き上げる事ができました♪m(_ _)mこれからも頑張りますので応援の程宜しくお願いします♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ