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僕達が生きる明日へ  作者: 愁真あさぎ
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第三十六章

画面に現れた禿頭の男性は、しばらくこちらに気付く様子もなく誰かと会話中だった。それに構わず悠呂の父、浅乃木は画面に向かって声を掛けた。

「お早う御座います!澤田課長!」

その挨拶にやっと画面が繋がっている事に気付きこちらに顔を向けた澤田は

『何だ』と言わんばかりの不機嫌な表情をした。そしてこちらに近づくと表情を一変させる。

「お〜君かぁ!久しぶりじゃないか?もう何年になる?」

と破顔する。それに浅乃木は嘘臭い笑顔を作ると

「かれこれ、4、5年半ぶりってとこでしょうか。」

と応えた。すると澤田は柔和な顔で

「そうかそうか」

と頷き続けて質問をしてきた。

「それで、柚比(ゆうひ)と悠呂は元気にしてたかね?もう会ったんだろ?」

と聞いてくる。それに浅乃木は内心苛々しながら、再び笑顔で

「はい…悠呂とは。」

と応えると澤田は顔を曇らせ

「柚比とは会っておらんのか?」

と残念そうな声を出した。

その質問に顔を引きつらせながら、浅乃木は

「はははっ」

と笑うと、頭を掻きながら

「嫌ですなぁ〜上の息子は課長の御命令で、他星の潜入隊員に任命されてすっ飛ばされたままですよぉ〜会えるわきゃありませ〜ん。」

と言うと

「そうだったか」

と澤田は笑う。

「そんな事より…。」

と浅乃木は顔を引き締めると、澤田も笑顔を引いた。

「私が長年、調査していた件でありますが…。」

と浅乃木が話し始めると澤田は黙って話を聞き始めた。

「アスラビ・尾崎 修造の裏が取れました。」

と浅乃木が切り出すと明らかに澤田の表情が変わった。

「それは本当か?」

「はいっ…確かに。尾崎に支援していた資産家達の足取りも掴め、その内の一人をつついてやった所自供しました。」

と話すと澤田は顔の力を込めたまま笑った。

「やっとか…なかなか尻尾をつかませなかったあの男…。長かったな…。」

と呟くと、澤田は浅乃木を見た。

浅乃木は難しい顔をしたまま続ける。

「それで、そのアスラビ・尾崎の研究所にこの数年に渡り、数名の潜入隊を警備兵に紛れ込ませスレッド・桐矢が動向を探らせております。」

「うむ。それは報告を受けておる。」

少し、浅乃木は報告を躊躇した。

「じっ…実は…非常にお話し辛いのですが……。」


「?」


「その研究所に、今朝……その…。」

「ん?どうした?」

と聞かれ、再び頭を掻きながら浅乃木は

「うちの息子と、桐矢の従兄弟、それに尾崎の娘が勝手に潜入した模様です。」

とあっけらかんと告げた。その内容に澤田は一瞬ポカンとしたがすぐさま卓を叩き

「なっなっ…なんだとっ!!!」

と大声を上げた。

「それでですねぇ〜刑事課からの応援要請をとお願いしたく……。」

とこれもまたあっけらかんと浅乃木は話す。

それに対して、澤田は顔を真っ赤に震えていたがすぐに溜め息をつき、ドカリと椅子に腰掛けた。

浅乃木は応援要請の答えをしばらく待った。当の本人は顎に手を当て渋い顔で何やら考え込んでしまっている。数分後、澤田は口を開いた。

「一応…上に掛け合ってみてやるが、あまり期待するなよ…。」

と言うと浅乃木は、眼鏡をクイッと人差し指で上げるとニヤリと笑った。

「えぇ。それで十分ですよ…課長、それでは?」

と聞き返すと澤田は強く頷いて

「いよいよか…あの男を追って二十数年…時効というものが改正されていて良かった…ふふっ。そちらの件は令状を申請しといてやる。失敗のないようにしてくれ…。」

そう言うと画面は切れた。浅乃木はすぐさままたどこかへ画面を繋げた。

繋がった先は、再び諜報課。画面に出てきた受付の女性は浅乃木を見てすぐにわかったのか何も言わずとも青髪の青年に画面を変えてくれた。

はじめの従兄弟、しんは驚いた表情のまま現れた。

「はいっ…先輩、今度はなんすか?」

と聞くが当の浅乃木はニヤリと笑っただけで何も言わない。それに清は訝しんでいると

「桐矢警部補!」

と後ろで受付の女性が呼ぶ声がした。

振り向くと、彼女は電話がきているとジェスチャーをした。清はそれに頷くと、再び真正面に向き直り浅乃木に話しかけた。

「先輩、すみません。なんか俺に電話が入ったみたいで…あのっ繋げたままちょっと待っててもらえますか?すぐに戻ってきますんで…。」

というとすぐさま席を立ち、画面から姿がなくなると椅子だけがグラグラと揺れているのが映っている。

ニヤリと笑ったまま浅乃木が待っていると血相を変えて、清は画面に現れた。

「せっ先輩!?たっ逮捕状がっ逮捕状がっ…。」

「清、落ち着いて話せ。」

と浅乃木が言ってやると、清は自分のデスクに置いてある茶を一気に飲み干し、深呼吸した。

「先程、課長から連絡がありまして…。」

「うん。」


「アスラビ・尾崎 修造の逮捕状の申請が、今し方受理されたそうです。」

と聞き終えると、浅乃木はふっと笑った。

「ふ〜ん。だそうだ清。」

「せっ先輩知ってたんすか?」

「さぁ〜どうだかな。」

「先輩!」

と言いかけたのを遮って浅乃木は訊く。

「その他の事はなんか言ってなかったか?」

と言うと清はぶすっとした顔をしながら

「いいえ、特には。」

「そうか…まっまだ早いか…。」

と言うと浅乃木は面白そうに口端を上げて笑った。

清はその表情に呆れて溜め息をつくと、

「それで…課長が作戦についてのまとめを資料にして送れってことなんで…。」

と切り出すと浅乃木は

「わかった。ほんじゃあ俺もそっち行くわ。」

と画面を切ると、そのまま地下駐車場に置いてある車に乗り込んだ。


(・ω・)え〜長らくお待たせいたしました。読者様、あけましておめでとうございます。(>A<;)年末にインフルエンザA型なるものにかかりまして、正月早々寝込んでおりました。(゜A ゜;)恐るべしインフルエンザ!皆さんも気を付けて下さいまし!

(=^▽^=)本文の方はラストに向けて話を徐々に詰めているつもりです。皆様最後までお付き合いくださいませ♪

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