第三十三章
地下から飛び出したものの、何やら視線を感じて後ろを見てみると父親が玄関に立ちこちらを見ているのに気づいた。
「!!!」
悠呂はそのまま禁止区域に向かう道を止め、はじめの自宅に向かう直線の道をそのまま走らせた。
ある程度コラルロッドを走らせ、自宅が見えなくなった辺りで一度止めて自分の自宅にある方向を振り返った。
「ふぅ〜…びっくりしたぁ〜。……さぁ〜これからどうしようかな…また道に戻るのもなんだし…。」
とはじめの自宅のある方向を見て閃いた……が少し、顔を曇らせた。
「……あんまり、気が進まないけど……これしかないかな…。」
そう呟くとコラルロッドのアクセルを回し、いつも遅刻ギリギリのはじめが見つけたと言う中学校への近道を使ってみることにする。
しかし、毎回自慢の様に聞かされたその“近道”とやらは“道にして道にあらず”だった……。
初めに曲がった先はいきなり他人の家の前で。
「うっうわっ!」
そこの地下駐車場のような場所を通り、教えられたとおりにそこの突き当たりにはぽっかり穴ががあいていて、その穴に入ると。
「うっうわわっ!なんだよっ!ここっ!」
入った穴は真っ暗な隧道、そこをひたすら走り明かりが見えてきたと思ったら。
「ふぅ〜やっと……でぐっ……ん?」
何やらぼんやり鼠色の巨大な物が迫って見えて、それがどこかの地下まである建物の壁である事に気づき。
「あわわわっ……。」
慌てて浮上ペダルに切り替え、浮上する。
浮上したそこは、またまたどこかの家の玄関先で、今度は教えられた通りその家の脇にある民家と民家の間、コラルロッドを斜めにしないと入れないような細い道を渋々に入り、延々と続く民家の裏道を走って、気味が悪いピンクの蛍光色の家を発見する。
「……あんまり、とやかく言えた義理ぢゃないけど…この色…一体どうやって出したんだろ…ある意味興味深い…。」
その家を左へ曲がると、静寂しきっていた民家の立ち並ぶ裏道に騒々しい音が蘇ってくる。しばらく先へ進むとその音が更に大きくなり、見覚えのある禁止区域の前を通る通学路の大通りに出た。
そして、ゆっくりコラルロッドを止めて先程自分が来た道を振り返る。
「……たぶん、僕…二度とこの道は使わないと思う…。」
と大仰に顔をしかめた。
禁止区域付近に着くと、近くにある建物の側にコラルロッドのスイッチを切って止め、壁を背にそ〜と様子を窺ってみた。まだ、朝方だというのにかなりの数の警備兵が警備にあたっている。
悠呂は、正門辺りに視線を向けてみる。
正門の辺りの警備兵は肩からライフル型ショックガンを下げていた。
それを見て生唾を飲み込んだ。
そして、そのまま正門から視線をゆっくりと動かし、前に一度星羅に匿われたことがある隠し通路だろう場所のあるフェンスの辺りを見てみる。その辺りにも同じように肩からライフル型ショックガンを下げた警備兵が2、3人ウロウロしている。どうしたものかと、辺りを見回していると一人の警備兵がこちらを見た気がしたので、慌てて顔を引っ込めた。
ドキドキが止まらない。口から心臓が出てきそうな感じだ。 数十秒待ち、大きく深呼吸をしてから再び壁を背に様子を伺い見てみる。すると辺りを警戒しながら一人の兵士がその場を離れ、別の場所へ歩いていく。そこで、悠呂はふと気づいた。しかし、それに確信が持てなかったのでしばらく様子を見てみる。
間違いない。一定の間、あの3人が辺りの見回りの為にあの場所が手薄になる事がある。そう確信した悠呂はその機会を待った。
一人の兵士が辺りを慎重に見回りし、その場を離れて行く。しめたっと思い他に人がいないか確認すると一気に飛び出し、素早くフェンスの一つに触れ禁止区域内に入り、きっちりフェンスを閉め草が生い茂るところへ駆け、身を屈めて再度辺りを確認した所で一人の兵士がまたこちらに歩いてくるのが見えた。危機一髪だった。
それをやり過ごし、素早く芝生の一つに手を差し入れ、蓋型の扉を探し当てて速やかに潜入した。
蓋型の扉を閉めると、下に続く階段の一つにペタンと座り込んでしまった。潜入に成功した安心からか急にカタカタと震えが立ち始める。悠呂の鼓動はまだ激しく治まらない。ブルブル震える自分の両手を見てみる。緊張?いやっ高揚感?そんな問いに自嘲を漏らし、震えるその手で顔を覆った。
(゜A ゜;)携帯では何文字書けるか不明なので初めて1800文字、打ってみました。途中で切れたりしてたらごめんなさい。
本文はですね…毎回有り難い事に読者の方の寄せていただいておりますメッセージから「主人公、もっと頑張れ!」と言ったお言葉をもらいまして、悠呂くんを今回は採用したわけであります♪はい…最終章まで細々とですが、頑張っていきますので皆様、よろしくお願い致します。