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僕達が生きる明日へ  作者: 愁真あさぎ
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第二十九章

父親は、腕時計型テレビ電話の呼び出し音を聞きながら表に出た。

「はいっこちら秘密警察、諜報部。」

とキビキビした女性の声で応答した。その声を聞き、父親は腕を顔の前まで上げた。

「俺だ。さっきはすまない。悪いが桐矢に変わってくれ。」

「あっこれは…浅乃木警部。おはようございます。桐矢警部補ですね?少々お待ち下さい。」

と笑顔を見せた女性の画面は、すぐに青い髪をした青年に変わった。

「はいっスレッド・桐矢…あっあれ?先輩?あのっおはようございます。」

と驚いた表情を見せた。

「けっ…お前も警部補に昇進かぁ〜。」

と悪態をつくと画面の中の青年は照れながら頭を掻いた。

「ちっ…胸くそ悪いが報告だぁ。お前の後輩の情報は確かだ。」

と浅乃木が言うと、目の前の青年は表情を変えた。

「っと言いますと…あの情報は…。」

と言う青年に浅乃木は頷いた。

「なんだか知らんが…俺の息子が連れてきた。おまけに四年ぶりに家に帰ったってのにお前によく似た顔が家にいやがった…。」

「えっ…俺によく似た?」

と画面の中の青年は困惑顔で問うてきた。

「ふんっ…まぁいい。報告は以上だ。」

とさっさと通信を切ってしまった。

浅乃木は報告を終えると、一つ溜め息をついて家の中に入った。

中に入るとソファーに息子、並んで星羅が座り、一つ掛けのソファーにはじめ、その側にミラハが立っていた。それを見回して、また溜め息をつくと頭を掻いて息子の座るソファーの向かいに腰掛けた。

そして、改めて息子の顔を見ると。

「…大きくなったな。悠呂」

と笑んだ。その父親の顔に悠呂は目を輝かせた。

「あのっ…おっ…お帰りなさい…父さん。」

と目の前の息子は、恥ずかしそうに言うので浅乃木は

「うん」

とだけ言って頷いた。

いつの間に用意したのか、ミラハがテーブルに茶器を揃え紅茶を人数分、カップに注いでいる。

「とっ…ところで、父さん…いつ帰ってきたの?」

と聞いてきたので、ミラハから受け取ったティーカップに口をつけ、口に含むとカップをそっと置いた。

「今朝だ…そしたら…こいつがいやがった。」

と嫌そうに、はじめを指さした。指を向けられた本人は憮然とこちらを見据える。

「悠呂が見当らんから、どこ行ったか聞いたらこいつ知らんとぬかしやがった。」

とまたも嫌そうにはじめを見ながら、お茶をすすった。

その視線を受けてはじめの眉尻がピクピクしている。

その怒りを押さえ込むかのようにお茶をすするはじめを、悠呂は苦笑いでやり過ごすと、再び父親に話し掛けた。

「そっ…そうだったんだ…でっでも、どうしてここに…。」

と悠呂が言いかけた言葉を父親は遮った。

「その先は、この青頭ツンツンと同じ質問だ。」

「へっ?あっ青頭ツ…ツンツン?」

と父親に聞くと父親はうんうんと頷いた。

「ちょっと!おじさんっ!なんなんですかっ!こいつとか、青頭ツンツンとかっ!」

とはじめが食いつくと浅乃木は、にやりと笑って。

「んじゃ〜いっちゃんのが良かったぁ?」

と茶化すとはじめは赤面して。

「やめて下さい!」

とティーカップを乱暴に置いた。

「えっ?いっちゃんて?へっ?」

と悠呂が聞くと浅乃木はあのね…と話そうとしたところをはじめが割って入った。


「なっなんでもないっ!なんでもないぞっ!悠呂!」

と迫り来るはじめの顔に圧倒されて…。

「うっうん…。」

としか言いようがなかった。

「それはさておき…。」

と浅乃木が紅茶をすすると、星羅をちらりと見た。

「……気が進まないが、彼女がここにいる以上、話さない訳にはいかないな。」

と静かにカップを置き手を膝の上で組んだ。

( ̄_ ̄) 佳境に入ってまいりました…完結内容はもう決めてるんですが…そこまでいきつく為に、こっからの作業が困難でつ…あさぎの苦悩は続く…プルプル

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