第二十章
彼女に促されて入ったそこは、蓋を閉めてしまうと薄暗く狭かった。
真っ暗という訳でなく、左右にほんのりホタルの様に明かりが下に続いていてその先には奥に続くであろう鉄の小さな扉が見えた。
二人は階段に段違いで座り身を縮めていた。
彼女が悠呂より一段上で、先程閉めた蓋型扉に目をやりながら、外を窺っている。
「ねぇ…君、どうして僕を匿ってくれたの?」
少し響く自分の声に内心驚きながら悠呂は、一段上の彼女に問うた。
その声に、一瞬肩を強張させた彼女は一段下の悠呂に振り向いた。
「……それは…。」
そう言葉を詰まらせるとどこか悲しげな表情で視線を逸らした。
「……………………。」
何も言わず彼女は、再び上を向いた。
そんな彼女に、何かあるなと思いながらもそれ以上は聞かなかった。
しばらく、沈黙していると先程までバタバタと走る音がしていたのが止んだ。
彼女はそっと蓋型扉を開け表を窺うとすぐに閉めて悠呂を振り返る。
「あなた…コラルロッドに乗ってきたのよね?」
「うっ…うん。そうだけど…。」
「…それで、ここを離れるわよ。」
「えっ!?…ちょっちょっと待ってよ…。」
と悠呂が止めるのも聞かず彼女は一人、飛び出して行った。
悠呂は、慌てて蓋型扉を開け辺りを窺ってから彼女の姿を探した。
すると彼女はもう、コラルロッドの場所まで辿り着き被してあったボロ布を剥いでいた。
「あぁ…積極的だなぁ…もう…。」
と独りごちて、悠呂も再び周りを見回し安全な事を確認すると、そこを飛び出した。
「君ね!無茶にも程があるよ!」
と文句をたれると彼女は無表情でこちらを振り向いた。
「なっ…何?」
と問うと何かに灯りを照らされた。
「!!!!!」
悠呂は慌ててコラルロッドへ跨るとエンジンを起動させる。
その側で彼女が何故か、ぼーと突っ立っていた。
それに気づいた悠呂は、自分でも驚く位厳しい口調で
「何やっての!?早く後ろに乗ってっ!!!」
と叫んでいた。
その声に彼女は身を固くすると、すぐに頷いて後ろに乗った。
そこへ丁度、警備兵が何やら叫んでいる声が聞こえた。
「おいっ!そこのお前!何やっ………!?」
と近づいて来た警備兵が後ろに乗る少女に目を止めて固まった。
「今だ!!」
悠呂は思いっ切りアクセルを捻った。
「こっこらっ!待て!貴様!」
と車体に手をかけられそうになった時、車体が宙に急浮上する。警備兵の手は見事宙を掻いた。
キー(゜∀゜)-タ 今度は、お茶碗を洗ってる時に閃きました♪(~д~:)つうか、早くこれを完結にして次の作品に移りたい気持ちでいっぱい…(゜∀゜)しかし!展開が難しいので難航っす♪ウシャシャシャ♪