第十五章
国立図書館を後にし、自宅についた二人は、すぐさま悠呂の部屋に入り小型PCのメモリーを自宅のPCにコピーした。
「なぁ…悠呂、あの爺さん…すげぇ偉い人間だったんだな。」
と言うはじめを横目に悠呂は再び、コピーした画面を見ていた。
「おいっ…聞いてんのかよ?」
と悠呂のベッドに腰掛けると悠呂は、背中を向けたまま
「…うん。聞いてるよ。」
と生返事を返した。そしてすぐに頬杖をついて考え込み始める。
「どうしたんだよ?」
「うん…なんか…見たことあるんだよね…『アスラビ・尾崎 修造』。」
「なにで?」
「それが…思い出せないんだよね…うーん。」
と再び考え込み始めた悠呂の背中に溜め息をついて、はじめは枕元に積んであるメモリーファイルを手に取ると、何個か床に落としてしまった。
「やべっ!」
と慌てて拾うと、いきなり悠呂は立ち上がり
「わかった!…思い出した!父さんの書斎だ!!」
といきなり部屋を出て行ったので、はじめは慌ててメモリーファイルを置き後をついて行った。
「おいっ!いきなり出ていくなよ!」
と書斎に着くと、悠呂は何やらガサガサと探しものをしていた。
それに呆れたかのように肩をすくめると、はじめも書斎の中に足を踏み入れた。
部屋の中は古い、メモリーファイルが山のように積んであった。それを見上げながらはじめは
「おいっ…いいのかよっ勝手に…。」
と聞くと悠呂は探しものをしながら
「うん…まぁ怒られちゃうかもね…でも、父さんも母さんも仕事でかれこれ4、5年近く帰ってきてないし…。」
「…そうか、相変わらず新星開拓の仕事は進んでないのかもな…。」
とはじめが埃にまみれた一つのメモリーファイルに触れた時
「あった…これだ…。」
と埃まみれのメモリーファイルを手にしていた。
「なんだよ…それ?」
「うん…。」
というと父親の書斎机の上のPCを立ち上げ、そのメモリーファイルを起動させた。
「何だ?」
とはじめが覗き込むとそこには、一つの論文らしき画面が現れていた。
「ん?……なんだよこれ?」
と聞くと悠呂は、一番上の文字をクリックし拡大した。そこにはあの老人の名があった。
「アスラビ……てっおい…これは…。」
「そう…アスラビ・尾崎 修造が出した論文が掲載された一部だよ…。」
と二人は、その下をスクロールし読んでゆく……そして、ある事実に目を見開いた。
「なっ…なんだよこれ…こんな事が…あっていいのかよ……。」
「…うん。」
f^_^; やっとの思いで書きました…まだまだ、甘ちゃんな私でありますが…なんとか、面白くしようと試行錯誤しています。これからも微々たる力ではありますが頑張って書きますので応援よろしくお願いします…