第十四章
小型PCで、持ち出し禁止の書物をコピーし始めた悠呂に、はじめは驚きを隠せなかった。
「おっ…おい!やばいって…。」
「しっ!大丈夫♪はじめ君は周りを見てて。」
「周りを見とけって……。」
とはじめは、辺りを見回すと丁度、不正をしないか巡回しているロボットが見えた。
「おっ…おい!巡回ロボットがこっち来てるぞ…やばいって!」
「うん…もうちょっと…。」
と悠呂の手元の小型PCの画面はメモリー登録完了まで後わずかを表していた。
そわそわしている、はじめに巡回ロボットの目が止まった。
「おっ…おい…なんかあのロボット、こっち見てるぞ!」
「わかってるよ!…あとちょっとなんだ…っていうか、はじめ君の行動が不審に見えるんだよ。もっと普通にしててよ…。」
巡回ロボットは、徐々にこちらに近づいて来ていた。
ギリギリの所で小型PCはメモリー登録完了を示し、悠呂はそれを胸ポケットに隠し、書物画面を素早くコミックに差し替えた。
「オイ!キミタチ、ナニヲシテイル。」
と聞かれ、はじめはPC画面を見た。
するとコミックに差し替えられていたので、笑顔を向け。
「いえ…何も、これが面白いので続きはないかなって話してました。」
と答えるはじめの後ろで悠呂は素早くさっきのメモリーを外し、違うメモリーを差し込んだ。
そのコソコソした様子を巡回ロボットは不審に思い、悠呂に話し掛けた。
「ソコノキミ、ナニヲシテイルンダネ?ソレヲ ワタシニ ミセナサイ。」
「えっ…これ…ですか?」
と悠呂が躊躇いを見せたので何も知らないはじめは、慌ててフォローに回る。
「いやっ…こいつ、高校上がるから勉強用にメモ帳持ってきただけっすからぁ。」
と言うはじめのフォローも虚しく、悠呂は素直に小型PCを巡回ロボットに見せた。
それを手にしたロボットは、暫く検分するとそのまま悠呂に返してその場を去って行った。
それを見送った悠呂は、手慣れたように自分の席のPCを消し、はじめに出るよう促した。
何がなんだか、わからないはじめは同じようにPCを消し悠呂の後を追って図書館を出た。
駐輪場でコラルロッドを出す悠呂に、はじめは問いかけた。
「おい…どうなってんだよ?」
「あぁ…あれね。」
と言って悠呂は、コラルロッドにゆっくり跨り、後ろポケットから小さなメモリーカードリッヂをはじめに見せた。
「…て、もしかして…。」
「そっ♪いつものメモリーとすり替えただけ♪さっ乗って。」
続きをばせかせかと、書いてみました♪しかし、また煮詰まるやも…f^_^;その時はご勘弁を♪