第十三章
国立図書館の建物に入った、悠呂は入り口の受付ロボットに手を乗せ、指紋照合を済ませた。
何もわからなく、キョロキョロしているはじめにも指紋照合を勧めた。
それが終わると、沢山並ぶパソコンの中で奥の隅の二つ、席のあいた所に腰を掛けた。
「国立図書館ってはじめて入ったぜ…すげぇのな。」
「うん。僕はよく父さんときたよ♪でも、最近は久しぶりかな♪」
というと、悠呂は手慣れた様子でパソコン画面を開いた。
それを見たはじめは、正面を向き自分の席のパソコンを同じように開いた。
「で?悠呂、何を調べるんだ?」
「うん…まずは、僕達が通っていた『D-3ブロック』にある立ち入り禁止区域についての歴史から…かな。」
と言うとジャンル、検索ワードを素早く入力していく。
「くはっ…こんだけ絞っても、30件以上あるぜ?」
「うん…しらみ潰しに見ていこう。」
「ぐぇ〜…了解。」
二人は、色々ある資料の中を手分けして調べていく。
しかし、めぼしい資料がなく愕然とした。
「はぁ〜…立ち入り禁止区域はまだ開発されてない土地であり……なんっだよくそっ!また、これかよ。悠呂ぉ〜なんか対した資料がないから、もう諦めようぜ!」
「うん…もうちょっと。」
と悠呂の目と指はせわしく動いている。
はじめは、検索ワードを更に政治と打ち、どうせ関係ないだろうとボタンを押した。すると、出てきた画面に目を見張った。
「おっ…おい!悠呂、こっち来てみろよ!」
と手招きする手は宙をわなわなしている。
「どうしたの?」
と覗き込んだはじめの画面には、あの禁止区域で見た車椅子の老人の写真が掲載されたページだった。
悠呂は、思わず画面にカジりついた。
「こっこれは…あそこで見た老人…。」
と呟くと悠呂は、画面をゆっくりスライドしていく。
そこに、書かれた内容はプロフィールとあの禁止区域を買ったとされる博士だと紹介されていた。
「『アスラビ・尾崎 修造』……医療に携わり、多くのクローン研究の成果で人々を救い社会に大きく貢献した……。クローン……?」
と悠呂はスライドする手を止めた。
「どうした?悠呂。」
はじめの声には反応せず、悠呂はその記事を印刷のアイコンにクリックした。
しかし、画面に印刷拒否のロックがかけられていた。
「ちっ」
と舌打ちすると悠呂は、ジャケットのポケットから小型PCを取り出しコピーし始めた。それにはじめは驚き
「おっ…おい!」
煮詰まりに煮詰まりにました♪これから、面白くしていこうかと思ってますって遅い?笑