06
出会ったのは
こんな場所で
会うには
ふさわしくない友
‐アヤトリ‐
山の中は薄暗く、どこか別の世界に足を踏み込んでしまったかのように思えた。
木々が風のせいで揺れ動き、生きているようにも見える。
そんな森の中を男に手を引かれて歩き続けていると
とても大きな木がある場所の前で急に男が止まった。
そして、警戒を含んだような声で木に向かって言ったのだ。
「……何のようだ、白梅」
と。どういうことかわからず首をかしげていると
「ふふ……やっぱり、ばれてましたか?」
と、木の方から返事が返ってきてやっと木の後ろに人がいるのに気づいた。
ぐっと男の手を握っていた力が少しだけ強くなった。
いったい、この二人の関係はなんなのだろう。と、一人、心の中で思うのだった。
「邪魔しに来たのか?俺から花嫁を奪う気か?」
怒りを含んだ低く声音に私の方が恐怖を覚える。
だけど、白梅と呼ばれた人は平気そうな声で答えを返してくる。
「ええ、邪魔しに来ましたよ。僕はあなたが、どんな花嫁を迎え入れても構わないと思っていたんですが、さちの友達である橘ゆうこが来るとは思わなかったもので」
今、さちって言った?
「どういうこと?」
つい、呟いてしまった。
さちがここにいるなんて全く、思ってなかったからだ。
そんな、私の呟きを無視して木の後ろにいる人は言う。
「橘ゆうこ、今すぐここから立ち去りなさい。あなたはまだ、こちらには来ていない」
それが、どう意味なのか私にはわからないでいた。




