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必要とされること
見てもらえること
感情をむけられること
当たり前のように感じるその行動や考えは
やっぱり、優しい場所に生まれたからだろうか
誰かが自分に言った
いつまでもそんな考えを持っていると君は一人になってしまうよっと
‐アヤトリ‐
結論を言えば、大蛇は白梅さんと同じくらい歪んでいた。
白梅さんがさちに依存のような愛を送るのと同じように
大蛇は誰かに認識され続ける事に必死になっていたんだと思う。
大蛇は今まで一人だったんだろう。
回りを見ながら
自分が認識されないから皆、離れていくんだっと何度も思ったんだ。
だからこそ、相手を怒らして自分を認識させるようにした。
まあ、全部自分が勝手に言っている事だけどだいたいはあっているだろう。
認識させることに必死になっていたせいなのか大蛇は白梅さんとは反対に
感情をどこかにおいてきたんじゃないかと言いたくなるほど
表情にも態度にも感情をあらわさない。
長々としたヤンデレじみた事を言った蛇我羅に無言で殴りとばされてもだ。
幼い子を殴った場面を見てしまうと、虐待もしくはイジメのようにしか見えなくもない。
いや、そうにしか見えないの間違いだった。
大蛇は避けれるだろうに避けようとせず、おとなしくそれを受け入れている。
無表情で殴り続ける様と殴られ続ける様は恐ろしい。
ただ見ているだけで何もできずに固まっていると
白梅さんがため息をはきながら、
「落ち着きなさい」
と、蛇我羅の頭を殴った。
ガッと鈍い音が聞こえたが蛇我羅が無事なのかわからない。
力加減をしなかったのか蛇我羅は何も言わずに倒れてしまったからだ。
白梅さんはもう少し、力加減を覚えよう。お願いだから。
そんな風に白梅さんを見ていると
白梅さんは倒れた蛇我羅を見ながら
「さちと小鬼達が怯えるので止めてください」
と、怒りながら言った。
怒っている内容が白梅さんらしくて何も言えない。
彼はある意味、愛妻家と言うのだろう。
というか、そう言わないと何て例えたらいいのかわからない。
現実逃避を含めてそう考えた後、冷静に状況を確認する。
倒れた蛇我羅。どこかを眺め続けている大蛇。理不尽に怒っている白梅さん。青ざめながらおろおろするさち。疲れたのか眠そうな小鬼達。
一言、声を大きくして言いたい。
何だ、このカオス。