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あけましておめでとうございます。
誰が君のそばにいれるかなんて一目瞭然
自分以外が君のそばにいれるなんて馬鹿な思考は
相手に考えさせることも駄目
大嫌いだって言うことは
無関心じゃないってこと
つまり、好きになってくれる可能性があるってこと
‐アヤトリ‐
さちの顔が青を通り越して白く見えるのは気のせいだと思いたい。
白梅さんはさちを逃がさないと言うように力をこめて抱き締めてるようだ。
「さち、さち、勝手に抜け出して悪いこですね。つい、さちの事を監視させていた者を殺しちゃいましたよ」
さちの耳元で囁いている言葉に私が言われていないのにも関わらずぞわっと嫌な気分になった。
そんな私を抱き締めながら蛇我羅は
「白梅、場所を選べよ。ゆうこの前で何を言ってるんだ。ゆうこが怯えてるだろが、殺すぞ」
と、言い出した。
空気読んで、蛇我羅。
お願いだから空気読んで!
何て願いが届くわけはなく蛇我羅は続けて
「てか、お前嫁に嫌われているとか、笑える」
にやにや、にやにやと笑いながら言った。
その言葉に白梅さんは幸せそうに笑いながら言った。
「好きの反対は無関心です。無関心じゃないってことは好きになる可能性がありますから」
それは、さちがこれから自分の事を好きになると確信しているかのような言葉だった。
「確かに。嫌いなら簡単に好きになるな。だが、お前の嫁は嫌悪じゃなく恐れを抱いてるから違うんじゃねぇか?」
蛇我羅はそれでも馬鹿にしたように笑いながら言う。
さっき
お前嫁に嫌われているとか、笑える
って言いませんでしたか。
矛盾してるよ、蛇我羅。
白梅さんはそれには、触れず鼻でそれを笑いながら逆に馬鹿にしたように答えた。
「耳が悪い人ですね。無関心じゃないってことが重要なんですよ。どんな感情でも僕に向けられてたらいいんですよ」
誰かこのヤンデレ止めてください。
と、願うのは当たり前の気持ちだと思う。
白梅さんを相手にしているとさちを助けることは無理だと思わずにはいれなかった。