努力と才能の天才たち
前書きは基本書きません!
ただ、ちょっと考えてみてもいいかもしれないですね、それだけおいておきます。ごゆっくりどうぞ!
「ねえ、これどうやって解くの……」
困り顔で訪ねてくる彼女、私は返答に困ってしまっていた。というのも、私もよくわかっていないからだ。
「ごめんねぇ……陽菜の期待には答えれないの……」
「えぇー……雫なら答えれるんじゃないかなって思ってたのに……」
そんな彼女、陽菜の顔を見ていると何か罪悪感を感じてしまった。高校生活で、この子に出会って、期待されることが増えたような気がするのだけど、それはこの子から頼られているからなのかなと思っている。それでも、私にもわからないことはわからない。でも、この子に頼られることはうれしく思っている自分もいる。だから、私は余計勉強熱心になってしまっていた。だからこうやって……。
「あ、待って、これは教科書のここに書いてあったような気がする……」
そう呟いてから自分の教科書を取り出した。それを読みながら問題文を読んでいると自然と解くことができてしまったのだ。
「……わかった。これはここをこうして、その式にあてはめたら解けるはずだよ」
「……さっすが雫、私の先生」
「先生じゃないよ、これじゃあまた次の定期テスト私に負けるよ」
そういうと陽菜は私のほうに向かって、私のほうを見ながらニコニコとしている。何その笑顔ちょっと怖い……。
「まあまあ、私は全教科95点が最低ラインですから」
「……腹立つなぁ、まあいいよ、次の学年1位は私だから」
「いいねぇ、次の学年1位”も”私になることは変わらないんだけどね」
売り言葉に買い言葉という言葉があっただろう。今まさにそうなっていると思う。でも、私にだって負けられない戦いぐらいある。親友だからと言ってテストの点数に関しては負けるわけにはいかない。そう思いながら私たち2人はおでこを合わせてにらみ合いをしていた。そして周りのクラスメイト達はこう思っていただろう
『あぁ、また学年トップ共の小さな喧嘩が始まった』とね。
そんな小さな喧嘩?のようなものから1日経った。今日は学校はお休みで、私、雫は勉強しに図書館に来ていた。ここの図書館は自習スペースを貸し出してくれているから、静かに勉強をすることができる。そんなここに私はよく来るのだが、来ると毎回いる人がいる。それが……。
「やっほ雫、今日も勉強なのかな?」
……そう、宿敵?の陽菜だ。彼女も学年トップを取れる実力を持っているわけだし、当然のように毎週勉強しに来ているみたいだった。まあ、陽菜の家もこの辺だったような気がするし。
「今日も勉強だよ、まあ学校の勉強じゃないんだけどね実は……」
そういうと、何かを理解したようにうなづきながら私の横に寄ってきた。何がしたいのこの子は……。私としては集中できればそれでいいからかまってあげる必要とかは全くないのだけど、それでも彼女のノートを見てみると気になるものがあった。
「……英語?得意教科で毎回満点取ってる英語?」
「うん、英語だよ?それがどうかしたの?」
「いや、てっきり得意教科はあんまりしてないものなのかなって思ってたりしたの、そのノート見た感じ……逆っぽいね」
私は彼女をじっと見ていると、何かを察したような顔でバッグの中からあるものを取り出して見せてくれた。それは……書きすぎだろうけど、かなりボロボロになったノートが出てきた。
「これが、私が学年トップを狙えるようになったっていう証拠になるかな」
「……なるほど」
正直、私はこの子のことをかなり舐めていたと思う。私以上に勉強しているわけがないと、いつもあまり進まないノートを学校で見ていたし、ここでもあまり進んでいないノートをよく見かけていたから、でも彼女は違った。
「私の勉強法ちょっと教えてあげる。気になるのならね」
「……」
正直、かなり気になるけど、私のちっぽけなプライドがそれを許さなかった。でも、この子に勝てないのはもっと許せない。だからここは私が折れるべきなんだろうけど……。
「……ふふっ雫、今からカフェにでも行こうよ、近くに星空珈琲店あったでしょ?そこでゆっくり私の勉強法とか教えてあげるよ」
「……察してるのよね、私が思ってること」
「うん、察してるよ、だからこそこの提案をしたの」
『私の勉強法、学力の秘密を教えてあげるってね』
それに関しては本当に興味があった。私はこの子が中学の時、成績がかなりのどん底だったことを知っている。だから、だからこそ……陽菜が私の成績に追い付いてきたことにちょっと焦りを感じていたのだ。
うん、もう素直になってしまおうか……。
「陽菜、教えてほしい。悔しいけど気になる……」
「悔しいって、どんだけプライドが許さないのよ」
クスクスと笑ながら私の手を引いて、図書館の入口まで歩いて行った。陽菜の手は柔らかくて暖かかった。けど、どこか疲れているような感覚を感じた。
連れられて、そのままカフェに連れてきてもらった。私は席についてメロンソーダを頼んだ。陽菜はカフェオレを頼んでいた。こういうところあんまり来ないからちょっと緊張しているけど、陽菜はよくきているのか、何か慣れているような雰囲気がある。
「んでさ、私の勉強法教える前にさ、気になったことでもあるの?」
私のほうをじーっと、何かを見透かしたような目で見てくる。この子読心術でも使えるわけ……?
「ちょっと気になったことがあるの、さっき図書館にいるとき私の手繋いで連れてきてくれたじゃん?」
「そうだね」
こくりとうなずきながら私の話を聞いている。やっぱりその手……。
「その手さ、相当物を書いてきた手をしてるような気がするのだけど」
「よくわかったね、というより、雫の手が綺麗で柔らかくて可愛いのよ……どんな勉強してるのか気になったぐらいには……」
この話を聞いていてちょっとわかったような気がした。多分、陽菜と私は全く別の勉強法で勉強しているのだろう。
「なるほどね……じゃあ私から教えようかな……」
「ほう?プライドが許さないんじゃないの?」
「うるさい、教えないよ」
とは言ったけど交換条件としては等価だと思ったから、多分話すことにはなるだろう。
「それはそれは、教えてほしいなぁ~?」
可愛い上目遣いで私のほうを見てくる。この子の整った顔でこれをされてしまっては、たいていの男子は落ちてしまうだろう。でも私はこれでも一応女の子……だけど……。
「可愛いんですけど……腹立つぐらいに……」
「腹立つって何腹立つって、しっつれいなぁ!!!」
そんなことを話していると、注文していたメロンソーダとカフェオレが来た。それをちょっとだけ飲んで落ち着いてから、私は話し始めた。
「まず私ね、私の勉強法はひたすら読む、読んで覚える感じなのよね。まあ、読んでそれを書き出せるかまでが一連の動作なんだけどね」
「なるほどね、私とは全くの反対側にいるようなものなんだね、私はひたすら書いてるよ。まあ、それがこのノートなんだけどね……」
そういいながらノートを取り出して見せてくれる。中を見てみると大学ノートだったけど、びっしりと文字が書かれていた。どれだけ努力をしたのかよくわかる書き方をしていた。それを見ていると私の中には尊敬の心が出てきていた。
「……すごいね、やっぱり。でもさ、手を出してみてほしい」
「手?利き手のほうがいいかな?」
「うん、利き手がいい」
顔見たらわかる。何を考えているかわからない顔をしている。そんな顔をしながら右手を差し出さないで……。
「……ふっ」
「あ、笑ったな!!!考えてることわかってるんでしょ!!!」
「うん、わかってるから笑ってしまったの」
ちょっとだけ抑えていたつもりだったけど、1分ぐらい笑い続けていたみたい。ちょっと酸欠のような感じになってしまって、疲れてしまったけどそのまま手を出してくれていた陽菜には申し訳ないことしちゃったかな
「ちょっと手、触らせてね」
「う、うん……いいけど私手汗すごいんだけど……」
「気にしないの、ほら」
私は陽菜の手をゆっくりともみほぐしてみる。するとさらにわかるけど、かなり努力をしているみたいだ。
「……疲れてるんでしょ、手触ったらわかる」
「うんまあ……雫に追い付きたい一心で頑張ってきたからさ、ちょっと疲れちゃったなってところはあるね」
なるほどね、彼女のほうを見てみると私のほうをじーっと見つめていた。何だろ……。
「……雫はさ、生まれ持った才能って信じてる?」
何考えているのかな、そうやって考えていたら突然そんな質問が投げられた。そんな質問投げつけられて、私の頭には『?』が浮かんだ。
「……何よ、ぽかんとしちゃって、もしかして突然すぎてびっくりでもしちゃった?」
煽ってくるような口調で、追加の言葉が飛んでくる。それを聞いてやっと私は笑気に戻ることができた。
「突然だったからびっくりしちゃった……」
メロンジュースを飲みながら、ちょっと考えてみることにした。というのも、この返答間違えたらたたかれそうな気がしたから。
まず、私の勉強法『読んで覚える』に関しては、ある一種の『天性の才能』だと思っているからだ。ある一定の人数いるっていうのは聞いたことある。見た景色を『写真』として記憶することができるという人の事を……。
そのことを思い出してから、私はこう思っていた。『自分には才能があるのかもしれない』ということを。だから、これの答えに関しては……。
「私は、あると思う。生まれ持った才能、天性の才能、そう呼ばれるものは私にもあると思ってるし、陽菜にもあると思ってるよ」
「それは、どういうところがそう思えるの?」
間髪入れずに質問を続けてくる。何か切羽詰まっているような表情になっていたことには何も突っ込まず、ちょっとだけ考えることにした。ただ、その前に私は一つだけわからなくなっていることがあった。
「ねえ陽菜、逆質問で申し訳ないんだけどさ、これだけ聞かせてほしいの」
「……何よ」
一拍おいて、私は質問した。
「……どうしてそこまで必死なの?私に勝つってことが目的なら、こんなことしなくても勉強すればいいだけだと思うし、それ以外の事があるなら陽菜がそっちに目標を向ければいいだけの話で……だから、私に執着……ってわけではないと思うけど、そこまで私を敵視したりする必要はないんじゃないかなって思うの、私と陽菜は親友でしょ?」
「……」
だいぶ芯に響いてしまってるんじゃ、とは一瞬思ったけどその考えは捨てた。私としては『彼女の本音が知りたい』という気持ちがあふれていた。
そんな彼女の本音は、意外とあっさりと聞くことができたのだ。
「……それはさ、雫と私が中学2年のころ、あの頃もいろんなことしてくれながら遊んでくれたよね。でもさ、あの頃には学力ではかなりの差があった。親友は天才、私は凡人、そんな空気が耐えれなかった。ただそれだけだったの」
「なるほどね……今は違うと?」
「今は……素直に雫に負けたくないって気持ちが勝ってる……」
「なるほどねぇ……」
なんか、シンプルになったような気がする。
「陽菜さ、考えすぎだよ」
「……考えすぎ?」
不審そうな顔、泣きそうな顔、そうだよね、シンプルに考えればいいのに、それが刺さるのは誰でもそうだと思った。言葉間違えてしまったよね。
「ごめんね。でもね、シンプルに考えよ、私は私の才能を最大限生かす、陽菜ちゃんは私を目標にどんどん頑張っていく、それだけでいいんじゃないの?」
「……確かに?」
何かを考えている様子の陽菜ちゃんはいったん置いといて、私はケーキを二つ注文した。結構すぐ来てくれたから1つは陽菜ちゃんの前においてもう1個はのんびり食べる。うん、やっぱイチゴのショートケーキだね、私一番好き
「……私の?」
「うん、おごりでいいから食べたらいいよ、糖分は勉強するにしても必要にはなってくるからね」
「……ありがと」
ちょっとだけ照れたような顔を見せてからゆっくりとケーキを食べ始めた。1口食べた後は本当に可愛い笑顔がその顔に張り付いていた。
それから勉強のコツとかを二人で教えあったりしてから喫茶店を出ることにした。なんやかんや3時間ぐらい話してしまっていた……。
「よくしゃべったね」
「そーだねぇ、雫があそこまでおしゃべりだとは私思わなかったのだけど」
「それはそれ、これはこれ、いいリフレッシュにはなったんじゃないかな?」
「……すごくなった、私が男だったら絶対好きになるタイプだよ」
「ん?最後聞こえなかったけど何か言った?」
「気のせい!!!!気にしない!!!!」
何か焦ったように否定されたけど、私また何か悪いことでも言ったのかな……それだったら反省する。けど……。
「……別にいいんだよ?私は陽菜なら」
「……え?」
それからひたすら無視しながら駅のほうまで帰っていった。何か後ろから聞こえてきたような気がするけど、それは風のお便りだと思いながら、歩いて行った。
こんにちは!雨宮瑞月です!
今回はただの思い付きで書いてみたんですよ、短編のお話なんですけど、こういう才能を持ってる人ってある一定数いると思うんですよね
私自身こういう才能があるわけではないですけど、いろんな人を見てきて思った結果です!
でも、私は思ってます。才能ってみんな持ってるものなんじゃないかな?ってね。
超短編投稿はあと9本続きますので、興味を持っていただけたら、のんびり待っててください!
そのあとも好評だったら思い付き次第私の体力と気力が持つ範囲で書き続けます!
これからもよろしくお願いします!
追記
雫と陽菜、実は苗字あるんですよ、わざと書いてないですけどね笑




