第61話「見張り番 ※カミラ達視点あり」
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「いやー、うまかった。うまかった!」
「おいしーねー!」
「はい、満足ですね。こちらの飲み物もなかなか──」
ズズズとホットレモネードを啜るロベルトを始め、満足でに腹をさする女子二人。
「はぁ……。まぁ、それでよければいつでもやるぞ?」
「マジ?!」
「本当ですか?!」
食い気味のアマンダとロベルト。
まぁ、これで仲良くなれるならそれにこしたことはない。なんだかんだでこの二人とはまだあったばかりだしね。信頼関係を築く投資と思えばいいか。
「あぁ、他にも色々食い物ならあるから遠慮なくいいな。……まぁ、せっかく町で生鮮品を手に入れたんだし、なるべく料理したいけどな」
キャンプ料理は得意なのだ。
それにCレーションばっかじゃ絶対栄養価頼るし……。
「いやー。助かります! クエストでの遠征ではこのご飯事情がどうにも苦手で……」
「ロベルトはいいとこのおぼっちゃんだもんねー」
ケラケラとからかうアマンダ。
だけど、なるほど──丁寧の口調だと思えばロベルト君は、おぼっちゃんか。……そんなぼっちゃんがなんで冒険者なんてしているのは聞かないでおくけどね。
「──っていうか、アンタはさっきから何してんだい?」
「ん? あー、トラップの準備だ」
「「「トラップ?」」」
同じ顔で疑問顔の三人。
まぁ、驚くわな。手もとにあるのはトラップに見えないし──。
「大したもんじゃないよ。夜間に襲われたらことだしね」
「いや、襲われるって……見張りは立てるよ?」
野営地とはいえ、町の外だ。
見張りは基本だろう。
こんな街道上でも、森のなかにはゴブリンなんかが生息することもあるらしい。
「念のためさ。……よっと、これくらいでいいかな?」
『補給』画面から取り出したのは、筒状の手投げ弾にも見えるそれ。
名称はM48トリップフレアという。
「これを野営地の周りに張り巡らせておく──ほら、罠線がついてるだろ? これに躓いたら、ボンッ!……照明弾が打ちあがる」
「はー。変わったもんをいっぱい持ってるねー」
「照明弾ってなにさ?」
んー。
なんていえばいいのか──。
「まぁ、罠線にかかると強烈な光魔法が飛び出すと思ってくれればいいかな?」
光魔法があるか知らんけど。
「なるほどー。鳴子のようなものですね」
「あー。まぁそんな感じ」
ロベルト君の理解でだいたいあってるな。
「わかった。好きにしな。……だけど、見張りは交代で立てるよ」
「おう、5人もいるし、ローテーションでいいか?」
一人、二時間くらいかな?
「いや、見張りはうち等でやる」
へ?
「……いや、交代でやるぞ? まぁ、頼りないかもしれないが」
こっちには時計もあるし、時間は正確。
冒険者みたいに薪の燃えぐあいやら空の星を見て計算するよりも正確。武器って優秀だしな。
「それでもだ──まぁ、わかってくれ」
カミラが頑なに言う。
そして、アマンダもロベルトも異を挟まない──……あぁ、そういうことか。
「ん。わかった」
「すまないね──他意はないよ」
はいはい。
適当に返事をした藤堂は、さっさと罠線を設置しにいくことにした。その跡をちょこちょこついていくミール。
「トードー?」
「……アイツ等、まだ信用してないってさ」
「しんよー?」
そう。信用。
つまり、昨日今日組んだばかりの藤堂たちが信用できないということらしい。寝首を掻かれることもさることながら、ミールちゃんは子供にしか見えんしね。
「ふーん」
「まぁ、ゆっくり休ませてもらおうぜ」
「うん!!」
カミラはともかく、アマンダもロベルトも初対面だししゃーない。
おそらく、カミラも二人に気遣ったのだろう。出なければ、あんなふうには言い出さない。
……こればっかりは、積み上げていくしかないわな。
なにせ、藤堂は町で大暴れした前科……前歴もあるし。
「さて、設置も終わったし寝るかー」
「寝るー!」
ピョンと背中に飛びついてきたミールをポンポンと優しくなで、おんぶしたまま野営地に戻ると挨拶も早々に天幕に入った。
いや、六人用はでかいわー。
軍用ベッドに腰掛けると、適当に歯磨きをしてゆっくりと横たわるのであった。
「おやすみ、ミール」
「おやす────ぐー」
はやッ!!
相変わらず自由なミールちゃんに苦笑いしつつ、藤堂も野外で眠れるかなーと思いつつ、そのまま眠りに落ちるのであった。
※ カミラたち 視点 ※
ぱちぱちっ……。
ぱちんっっ!!
焚火の爆ぜる音を聞きながら、ゆっくりとした時間を思い思いに過ごすカミラたち。
「あちっ!」
「冷ましてから飲めっていっただろ──」
「だっていい匂いなんだもん」
ぶーと口をとがらせるアマンダの手元にはホットレモネードがあった。
その隣ではロベルトが優雅にインスタントコーヒーを啜っている。
「まぁ、わかりますよ。まさか、私までこんな高価なものまでいただくとは──」
「それ嫌いー、苦いだけじゃん」
べーと舌をだして、おいしくないアピールにアマンダに苦笑い。
「ふふっ。君にはまだ早いですよ、高価ですし──眠れなくなりますからね」
「あっそ」
おこちゃまにはレモネードで十分だろう。
コーヒーはまだ早い。……めちゃくちゃ高級品だし。
「……だけど、そんな高級品をアイツ等湯水のように使ってやがる」
カミラも自分のコーヒーに目を落とす。
反対の手には、チョコ……Dレーションもある。
「何者ですか?」
ロベルトは視線を上げずに声を落として小さく尋ねる。
しかし、
「さてね。……アタシも出会ったのは最近だし──偶然さ」
「あぁ。ゴーズさんの護衛中でしたか?」
ロベルトにはある程度事情を話してある。
もちろん一応アマンダにもね。
「そうだ。あの時はマジでやばかった──。そこに来てあのシャーマンだ。……最初ドラゴンでも出てきたのかと思ったよ」
チラリ。
視界の隅には投光器に不気味に照らし出されているシャーマン戦車があった。
「わかります。話には聞いてはいましたが、まさかこれほどとは思いませんでしたね。ですが『しゃーまん』よりも目下のところは彼です。いえ。もちろんもう一人も気にはなりますが」
ロベルトは視線だけで藤堂たちの天幕を見つめる。
「もう一度ききますが、何者です?」
「……わからないね。悪い奴ではないと思うが──」
助けられたのは事実だ。
「えー。町で大暴れしたんでしょ? 悪人じゃん」
「それには事情があるのさ──つーか説明したろ?」
ギルドマスターの件やら、藤堂の事情やらを色々と。
「わかんない。いくら嵌められたからって、普通は街で大暴れしないよー」
………………それは確かに。
「うーん。そう言われるとわからなくなってきたねー」
「ははっ。アナタがそう言うとこっちはますますわからなくなりますよ」
「悪いね。だけど、本当にわからないんだ。──この、しゃーまんといい、妙な道具といい……考え方といい──」
少なくとも、この国の人間の考え方じゃない。
なんというか、こう──。
「ふむ……。ひととなりは?」
「見ての通りさ。……悪い奴じゃないとしか言えないねー」
実際、飯を気前よく振る舞ってくれるし、シャワーもごちそうになった。
なにより、町で暴れたとはいえ、無暗に大量虐殺にはするようなこともない。……ギルドマスターの一件では逆上してもおかしくはなかったというのにだ。少なくとも、あれだけの力を持っていれば、どんな無理だって押し通すことができるにもかかわらず、な。
「ふーむ。ますますわかりませんね。……そういえば、冒険者ギルドはともかく、商人ギルドの資格は即日取れたのでしょう? かなりの知恵ものでは?」
商業ギルドの加入試験は難関で有名だ。
「あぁ、あれにはアタシもびっくりした。ゴーズさんの口利きがあったとしても、そう簡単にとれるものじゃない……頭が良よさそうにはみえないんだけどねー」
少なくとも頭のいいやつは町で大暴れしない。
「……ふむふむ。高等学問を収めた、常人離れした力と考えですか──」
「ん? なにか心当たりがあるのかい?」
「えぇ。教会で聞いた話にはなりますが──実は……」
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