第37話「ダンジョン乱射」
「ミール。正面!」
「んー!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガ!
「たおしたー」
「おう、見えてるよ」
ひゅ~……すっげぇ威力。
異世界のモンスターに、それもダンジョン産の魔物に銃がどこまで通用するか少し疑問だったが、これなら問題なさそうだ。
「魔石ー」
「適当に拾える分だけでいいぞ」
たくさんあるし、臭いからあんまし持ちたくないし──。
「はーい。……あ、トードー、弾ぁ」
「弾薬な」
弾、たま、言うなや。
女の子やろ、君ぃ。
「んーありがと」
「はいはい」
補給からBAR用の弾を購入してミールに渡す。
今のところ、ミールちゃん無双で、ゾンビだろうがグールだろうが、ほぼ鎧袖一触。
スケルトンだけ、ちょっとやっかいだけど、そいつも頭部を連射で破壊すれば動かなくなる。それでも、弾をすり抜けるので、そいつには藤堂がショットガンをお見舞いした。
ちなみにいまのところ、2回しか撃ってない。
だって、ミールちゃんがほとんど倒すんだもん。
そして、今のミールちゃんは、BAR2丁持ちの無双状態だ。
「えへへー」
「くっつくな、魔石がくさいんだって」
グールから拾った魔石を渡しがてら藤堂に抱き着くミール。
これはあれだ。褒めてほしいときのミールだ。
「はいはい、えらいえらい」
そして、キャンディかチョコをあげると素晴らしい笑顔を浮かべるのだ。
「ありがとー」
「いいってこと──おっと、あれが次の階層の入り口かな?」
墓場エリアをほぼ殲滅したところで、先におんぼろ洋館が見えてきた。
地図によるとあれも内部が広い階層らしい。
まぁ、第二階層ってとこだろう。
「サクッといくぞ」
「はーい!」
ちなみに、第3階層より先は不明。
そこから先に言ったものがいないか、ほぼ帰ってこないから、正確な地図がないらしい。
そして、ギルドが提供した情報によると、このあたりには低級のグールしかわかない……。
「ってことは、絶対第3階層より下だよなー」
「したー」
はぁ、露骨だな。
「ま、これくらいなら余裕か」
少なくとも、グリフォンより強いことはあるまい。
……アイツはマジで強かったしなー。
「そんじゃ、先頭よろしく」
あと戦闘も。
「んー!」
気合十分、ミールちゃんが、両手を広げでまっかせなさーいのポーズ。
うん、可愛くて頼もしい。
そして、女の子の背に隠れる藤堂さん、かっこ悪いって?
やかましいわ。
「じゃー、とっとこ攻略すっか!」
「こうりゃくするー!」
そうして、こうして、洋館への扉を蹴破り、銃器を手に藤堂たちは奥へ奥へと進んでいくのであった。
※ ※ ※
ズガガガガガガガガガガ!
ズガガガガガガガガガガ!
「ミール、そっちを抑えといてくれ!」
「んー!」
ん-! じゃわからん────けど、頼むぞ!
ピィン♪
「後ろは俺が!!」
ポケットから出した手りゅう弾のピンを抜いて、思いっきり背後に投擲、そして近くの牢屋に駆け込み耳を塞ぐ!
「ミール、来い!」
「んー!」
ドッカーーーーーン!!
二人が飛び込んだと同時に猛烈な爆風が押し寄せ、その中に黒い骨片が交じってバラバラになる。
「ったく、せまいとこで使うもんじゃないな」
「みみいたいー」
悪い悪い。
「はぁ、さすがにちょっと強くなってきたな」
「黒いスケルトン、銃ききにくいー」
そうなのだ。
ここ──第3階層は地下牢獄エリアで、そこかしこに黒いスケルトン。通称、ダークスケルトンが沸いて押し寄せてくるのだ。
「大して強くもないけど、数と銃との相性が悪いな」
「ばーるでいく?」
んー。
銃よりそっちのほうがいいか。
「よし、何戦かしていけそうならここはバールでいこう」
もちろん、藤堂さんはショットガンです。
「まっかせてー」
頼もしいねー。
言うなり、ミールちゃんはBARを二挺、背中にうっちゃり、かわりに長~~~いバールを手にして黒いスケルトンに突っ込んでいく!
「うーりゃー」
ドカーーーーーーン!
「わーお……骨がゴミのようだ」
さすがは怪力エルフ。
明らかに上位種のスケルトンをいとも簡単に破壊すると、旋風のように突き進んで────コカカカカカ!
「うぎゃぁぁああああ!」
黒ーーーーーーーい!
ミールが突っ込んでいった途端に、取り囲まれた藤堂。
至近距離でみる黒いスケルトン顔にビックリ仰天し、ショットガンを全弾たたきこむ。
さらには、トミーガンをも連射!!
ドパパパパパパパパパパン!!
「はー、はー……。ホ、ホラー展開は勘弁してくれよ」
地味に怖いねん。
動く人骨とかさー。
「っていうか、ミール! 待ってくれって!」
俺を守ってー!
「んー」
だいぶ遠くでお手てを振るミールちゃんのもとに駆け寄るとぴったりくっつく藤堂。
そして、なんとか第3階層も抜けると、続く第4階層に踏み入るのであった。




