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ハズレジョブ【シャーマン】の覚醒~ハズレ扱いだけど、実は初めから無敵のジョブでした~  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ
異世界商人と鋼鉄の冒険者

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第34話「冒険者ギルド」

 ゴゴゴゴ……。


  ゴゴォォン!!



 重々しい音と主に開いていく城門。

 シャーマン用にわざわざ両開き扉を全開してもらって入った町は、思った以上に発展していた。


「おー! 人一杯!」

「んふー!」


 藤堂もミールも久しぶりにみる都会(・・)にちょっと感動だ。

 今までずっと田舎……というか、荒野だったもんなー。


「ははっ、この辺では一番発展してますからね────あ、トウドウどの、申し訳ありませんが、町ではさすがに……」


 ん?

 ……あぁ、シャーマンな!


「そうですね。え~っとどうしましょう。駐車場ってあります?」


 あるわけないと知りつつ一応確認。


「ないですねー。本来、馬車なら店まで乗り付けているのですが、今迎えを呼びましたので、ここで結構です。それよりも『しゃーまん』は壁際に置いておきましょう。駐車する場所ではないですが、慣例として他の商人の大型馬車なんかも置くことがあるので、大丈夫かと思います。……ただし荷物は持ち歩いて、鍵は絶対にしておいてください」


 ……つまり、盗難の危険ありっと。


「了解です」


 いわれるままに牽引を解き、戦車をバックで城壁の目立たない位置に駐車する。

 そして、武器装備を手に取ると、あとはミールに預けた。


「持てるか?」

「よゆー」


 ……だろうな。


 本来逆なんだろうけど、この子は怪力だしね。それに相棒に気を遣うのもなんか違うので今は任せることにしている。


「しゃーまん、おいてくの?」

「んー。召喚をとけばいいんだろうけど、こいつが召喚したものだとばれるのも嫌だし、このままだな」


 少々の魔力を消費するだけで、召喚を解くことができるが、手の内を明かしたくない藤堂はこのままにすることにした。

 車内の武器は身に着けたし、

 装備といっても、ちょっとした小物程度だ。……飯はミールが持ってるしな。


 第一、藤堂以外には動かせもしないだろうし、問題ない。


「よし、ハッチも閉塞したし──いくか」

「いくー!」


 そうして、ゴーズさんと『鉄の乙女』が待つ先へと向かうと、そのまま町を案内してくれた。


「まずは、冒険者ギルドに寄りましょう。彼女らも仕事はここまでですから」

「お、いいねぇ。ならトードーもそのまま登録しちまいな──でないと、換金できないぜ」


 換金?


「……あぁ。あの時の!」


 そういえば討伐証明とか、魔石とか諸々貰ってたな。

 どこでお金にするのかと思えばギルドに所属する義務があるらしい。


「一応簡単な試験があるけど、まぁ、子供でも受かるし問題ないさ」

「そうか? じゃ、ついでに頼むかな? ミールもとっとくか?」

「とるー!」


 うんうん!

 お揃いだな。


「……その子もかい?──うーん、大丈夫かな?」


 少し考えこむカミラ。

 何か問題があるらしい。


「ひょっとして年齢制限か?」

 ミールの歳、知らんけど。

「ん?……いやいや違う違う。そんなもんはないけど──んー。ウチのマスターがねー」


 そういって頭をポリポリ掻くカミラさん。


「ま、行くだけ行ってみるか」

「そうしましょう。私からも推薦しますよ」


 そういって、ゴーズさんも二つ返事で同行してくれることになった。


 ……なったのだが────。



※ ※ ※


「却下」


 冒険者ギルドにつくなり、一言目にこれだ。

 つーか、まだ何も言っていない。


「いやいや、マスター。早すぎだろ!」

 そして、当然ながら食って掛かるカミラ。

 彼女はCランクだというがこのギルドではそれなりに発言力があると本人が嘯いていたがどうやら本当のようだ。

 しかし、そんな彼女の援護射撃があってもギルドマスターである日焼けした禿頭の男は態度を崩さなかった。


「はん! 早いもなにも、聞くまでもない! むしろ早いほうがいいだろうが──。大方、そのガキ含めて冒険者にしてやれってとこだろ?」

「うぐ……!」


 あっさり見破られたカミラが言葉を詰まらせる。

 ……よぇーな。


「ほれみろ! お前さんは面倒見はいいが、厄介ごとまで連れてくる──。そして、ゴーズさん。アンタもだ」

「わ、私もですか?! し、しかし彼らはかなりの腕前でして……」


「それでもだ!」


 頑なな態度のギルドマスターを見ていると段々面倒くさくなってきた藤堂。

 だって、絶対に入りたいわけじゃないし……。


 ……はぁ。


「なんかそういうわけだから、他に行くか?」

「ん? うん!」


 ミールに至っては全く気にしていない様子。


 そもそも、事情すら聞く気もない奴の相手をするだけ無駄だ。

 聞いていた通りの頑固さで、他種族嫌いは噂通りらしい。


「だー! 待った待った! それじゃ、私らの顔が潰れるだろ! それに、ゴーズさんも!」

 そーいわれてもなー。

「ゴーズさんは、そうなんです?」


 潰れる顔なんてあります?


「う、うーむ。そもそも、私は部外者ですからね……。まぁ、お得意様であると自負はしておりますが、本来首を突っ込む権利はありませんので」


 だよねー。


 第一、ゴーズさんに至ってはすでにお金で報いてくれている。実はすでに礼金を受け取っているのだ。

 それに冒険者ギルドにこだわる必要は皆無。

 なんなら、どうしても必要だとしても他の街に行けばいいだけの話──なので、この話はおーわり。


「ふん。そんな出自の怪しいガキに、得体のしれん男など、受け入れるわけにはいかん。ギルドが汚染されるぜ」

「あん……」


 何だと?


「今、なんつった?」


 藤堂さんはともかくとして(事実だし……)、ミールのことをコイツ馬鹿にしやがったか?

 相棒にして、命の恩人でもあるミールちゃんを?


「……さすがに今のは聞き捨てならねーな」

「お、おい?」

「と、トウドウどの?!」


 突然豹変した藤堂に驚いたのは、カミラとゴーズさんだった。

 

「トードー?」


 そして、ミールもちょっと不思議そうな顔をしている。

 うん、君のために怒ってるんだけど──あぁ、違うな。藤堂が許せなかったから怒ってるんだよな。


「おい、禿げ──。さっき、ウチの相棒を馬鹿にしたように聞こえたんだが、そうなのか?」


「なに? いきなり生意気な口を利くやろうだな。……そう聞こえなかったか? もう一回言ってやろうか?」


 ふん。

 どうやら訂正する気はないらしい。


 ならば結構。

 それで結構。


「いいぜ、喧嘩を売られたと解釈させてもらおうじゃないか」

「おい、トードーやめろ!」


 誰がやめるかよ。

 カミラが割って入ろうとするが、それを制して正面から禿げを睨んでやる。


 勝ち目のある喧嘩をなぜやめなけりゃならないっつーの。


「……ちなみに、訂正する気がないって言うなら、他のギルドにこのことを報告するがいいな?」

「な、なに?!」


 ほらな。


 一瞬動揺した様子を藤堂は見逃さなかった。

 こちとら伊達にブラック企業で長年勤めていたわけではない。

 相手の弱みを見るのだけはたけているのだ。それによれば、予想は大当たりだ。


「……世界規模で広がってんだろ、ギルドってのは。ならこのギルドの差別主義はお前の独断だろう。違うか?」

「ぐ……」


 ──やっぱりな。


 そうでなければ、世界中にいる他種族が黙っていないはずだ。

 そもそも、これだけたくさんの種族がいるなか人間だけでやっていけるはずもない。

 それに、こんな体質がギルドならルル(・・)が最初から警告していたはず。


「ふんっ、まぁいいさ。別に、俺も急いでギルドにはいりたいわけじゃないしな──ほら、カミラこれは返す」

「お、おい」


 カミラが分けてくれた討伐証明、そして、魔石をこれ見よがしに目の前で突き返した。


 これは決して雑魚ではなく、Cランクのカミラと同等以上の実力があり、かつモンスターをいつでも狩れるという意思の表明だ。

 つまり、ここで低ランクのままくすぶるような人間でないと暗に示したのだ。


 案の定、

「ま、まて! よそで勝手な真似は許さんぞ!」

「は?……俺は冒険者でもないし、アンタの手下でもないぞ? 地方ギルドの職員ごときに、命令される筋合いはないけど?」


「ぐ、ぐぬ!」


 ふふん。

 こちとら、どれだけ社会の荒波にもまれてると思ってんだよ。舐めんなよ。


「く……。な、なら、いいだろう!ギ、ギルドへ加入を許可する」

「はぁー? 別にここでなくてもぜ~んぜんいいんだけどぉ」


 これは本当。


 だって、藤堂としては別に冒険者へのこだわりはない。ちょっと興味がある程度で、金策自体は商人ギルドのほうがはるかによさそうだ。


「ぬ、ぬぬぬ……。わ、わかった! ギルド加入を即認める!」

「へぇ? いきなりだねー」


「た、ただし! お前だけだ! そ、そのガキはダメだ!」


 あぁん?


「ならやめ──」

「だから、条件をつける! 本来なら、即加入もないんだぞ! 破格だ」

「……破格ねー」


 破格ってのは、色を付けて初めていうもんだぜ?


「まぁいいか。で、条件ってのは? あ、言っとくが、ただ働きはしないぞ」


 聞いた話では、加入時のテスト代わりに簡単なクエストを受けさせるとかなんとか。

 もちろん、ただのこともあればわずかな賃金がでることもある。まぁ、試験という名の試用期間みたいなもんだ


「た、ただ働きとはいっとらん! もちろん、報酬をだす──そうさな」


 そこまで行ったとき、ニヤリと奴が笑ったのを藤堂は見逃さなかった。

 どうやら、何か条件を付ける気満々のようだ。


 まぁいい。内容いかんでは蹴ればいいだけの話。


「うん! ダンジョンだ! 近くのダンジョンで指定モンスターを狩ってこい! いいな?」

「指定モンスター?」


 何の話だ?


「指定モンスターってのはギルドが討伐を推奨するモンスターだ。たいてい、沸きすぎたゴブリンだとか、コボルトなんかを差すことが多いな」

 カミラが耳元で説明してくれた。


 なるほど。

 駆除推奨のモンスターってことか、それくらいなら余裕かな? ダンジョンってのが気になるけど。


「よし! では試験も兼ねているからな。わかったら、試験の応募用紙にサインして──ここに向かえ。そこに試験官が常駐している。そいつに指定モンスターを聞け!」


 へいへい。


「了解──名前はこれでいいか?」


 言語理解のおかげでかけているはずだ。

 藤堂東とミールっと、


「よし、いいだろう。……カミラ、お前は後で仲間と一緒に俺の部屋に顔をだせ、いいな!」

「は、はぁ?! いきなり、コイツを放置していけるわけないだろうが!」


「いいから来い! 今回の護衛クエストの報告をしてもらうぞ。ゴブリンの群れに襲われたそうじゃないか」

「くっ」


 あからさまな分断だが、正論として報告せよと言われれば断ることもできない。

 仕方なしに、カミラ以下はゾロゾロとギルドマスターに付き従い、奥へと消えていった。


「──行きましょう。ダンジョンなら私が案内できますよ」

「いいんですか?」

「はい! そんなに遠くはありませんし、シャーマンのあし(・・)ならすぐです」


 まぁ、ゴーズさんがそういうなら。

 そうしてこうして、うやむやのうちに加入試験を受けることになった藤堂たちは、ゴーズさんをのせて、一度町の外に出るのであった。

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